トップページ山行リスト(日付)>箒沢権現山_記録20170430


箒沢権現山

 山行日
2017年4月30日(日)       晴れ         単独行
 コース
大滝橋(8:32)〜<藤嵐沢右岸尾根>〜(11:24)箒沢権現山(11:42)〜(13:02)ベンチ(13:05)〜(13:11)下棚(13:46)〜(13:53)ベンチ〜(14:22)西丹沢ビジターセンター
 箒沢権現山には、西沢からの北側登山ルート(まだ一般登山道だった頃です)、あるいは、峰山側から登ったことはありますが、藤嵐沢右岸尾根から登ったことがありませんでした。この度、この尾根を登り、その後、久々に下棚に向かう計画を立てました。
 詳細は、以下をご覧下さい。


 ゴールデンウィーク前半の最初の日曜日、西丹沢行のバスは、混んでいるだろうなと思いつつ、谷峨でバスを待つ。バスに乗ったものの、案の定、席には座れず、通路を前に進んでいく。ふと振り返って、座っている乗客を見ると、見覚えのあるお三方が。
 AYさん、ardbegさん、shiroさんの3人だ。話をしたかったのだが、満員状態で、近づくことが出来ない。結局、気づいて戴いたが、アイコンタクトだけで、一言も話ができないまま、先に大滝橋で降りた。お三方に手を振り、発車していくバスを見送る。
 ここ大滝橋では、他に2人の単独男性登山者が下車したが、2人ともすぐさま歩き始め、気がつけば、誰もいない。まあ急ぐ山行でもない。軽く準備運動をした後、大滝橋を出発する。(8:32)
[自分以外、誰もいない大滝橋を出発]

 藤嵐沢右岸尾根の取り付き地点には、あまり事前調査をせず、現地にて適当な斜面を登るつもりでいた。そんな考えで、まずは、舗装路から、登山道に入る所まで来た。
[舗装路から登山道に入る]

 登山道が左にカーブしていくところで、道標の後方に進めば、尾根に取り付くことができるのではないかと考え、ここで、登山道を外れる。その先は、植林帯だ。
 すると経路が現れ、これは、幸先がいいと思いながら、進むと、涸沢に出た。
 何気なく、涸沢を渡ると、目の前に道標が目に入る。
 「???」
 ここで、西丹沢登山詳細図を取り出し、広げる。
 ちょうどその時、目の前を2人の若い女性登山者(畦ヶ丸を目指すと思われる)が通過した。
 ....こんなところで、地図を広げているなんて、不審者と思われたかも。

 「うーむ。」
 まずは、詳細地図上での、この辺りの登山ルートが間違っていることに気がついた。それとともに進路方向を勘違いをしていた事に気がつく。藤嵐沢の右岸尾根であれば、北側を進むべきで、今、歩いてきたのは、どちらかというと西側だった。
 ということで、来た道を引き返すことにした。
[道標の裏に入っていく] [登山道に出てしまった]

 涸沢を渡ったところで、ルートを変更し、左(北側)の斜面で登れそうなところを探しながら、高度を上げていく。 
 この辺りならば、登れそうかなと、植林帯の斜面を見上げる。植林帯の奥が自然林となっており、その自然林がさらに急斜面のように見えたが、決して登れない斜度ではない。
 ストックを取り出し、斜面を登り始めた。
[藤嵐沢右岸尾根への登り]

 植林帯斜面は、簡単に登れたが、自然林になると、思った通り、さらに斜度が上がり、おまけに樹木が少なくなった。木の根っこを手がかりとして、四足歩行するが、中には、枯れたニセモノの根っこ(実際は、本物のように見える)もあり、何度も焦る。
[自然林となった]

 ハアハア言いながら、どうにか尾根筋に上がることが出来た。(9:30)
 いきなりのエネルギー消費で、10分以上、休憩してしまった。
 尾根筋から下り方向を眺めてみると、何となく経路がありそうなイメージ。(写真下)
 事前調査しておいたら、今の急登ルートを採る必要は、なかったのではないかと、ちょっと後悔の念が。
[尾根筋に乗った(下り方向を撮影)]

 尾根筋に上がったことで、まずは、尾根の途中にある788m峰を目標として、登り始めた。
 9:53、尾根の先端部分に到着したが、まだ788m峰には、時間的にも早すぎると思い、通過する。
 斜面が結構、急なので、どんどん高度を稼いでいけるイメージだったが、実際は、スローペースとなってしまい、想定とは大きなギャップがあった。
[尾根筋を登って行く]

 10:00、驚いたことに中高年の男女1組とすれ違った。こんなルートで、こんな時間帯にすれ違うというのは、いったい、どこを歩いてこられたのだろうと不思議に思った。
 だが、2人とも山慣れした格好で、特に男性は、急斜面でも、落ち葉の上を滑るように下っていた。
 ....まるで、○◇○◇さんのような忍者下りだった。

 10:12、小ピーク到着。
 地図と同様、西側に別の尾根がのびていること、東側に見える峰山(735m)が、ほぼ同じ高さに見えることから、ここが788m峰と判断。
 ここまで意外に時間がかかったことで、今日は、だいぶ体調がよくないのではないかと思ってしまった。(自覚症状は、なかったが)
[小ピークに到着]

 788m峰を過ぎると、尾根幅が広がり、歩き易くなった。
 ヤマザクラが満開で、思わず見上げる。だが、ここでは、珍しく、人の高さにも枝が伸び、花が咲いていたので、富士山をバックにと、ああでもない、こうでもないとアングル決めに時間を費やす。
[見上げると満開] [ヤマザクラと富士山]

 10:56、尾根の先端のような所に出た。西側に尾根がのびている。
 地図上から、1020m地点だと判断した。
 このあたりは、地図通り、フラットな尾根となっている。

 11:00、フラットな尾根の所で、小休止とする。すると、上の方から鈴の音が聞こえ、若い単独男性とすれ違った。ザックにヘルメットがついていたのでマスキ嵐沢遡行の後かなと思う。今回のように沢登りだと分かれば、この尾根を下ることに納得がいくのだが、先ほどの中高年1組は、どこから登ってきたのだろうと、この謎を思い出してしまった。
[尾根の先端に出た]

 11:24、箒沢権現山頂上に到着。
 かつては、ササが密集していた山頂だったが、今では、その面影を全く残していない。
 山頂には一人の男性がアマチュア無線を交信中だった。
 ここで、権現山頂上での定番光景となった丹沢湖の向こうに見える箱根大涌谷の白煙を眺める。
[箒沢権現山頂上]
・・・ マウスポインタを画像の上に持っていけば1994年2月
[丹沢湖、箱根方面を眺める]

 権現山頂上を出発し、西沢へ下ることにする。
 頂上から下りになる時、富士山が目に入った。思わずデジカメ撮影。
[権現山を出発すると、富士山が見えた]

 マスキ嵐沢遡行時と同じルートだからと、軽く考えていたのが、そもそもの誤り。
 前方に白ザレの小鞍部が現れる。今まで、こんな場所を通ったっけと思いながら通過する。だが、やはり気になり、振り返ってみると、北側に尾根が張り出しているのがわかった。
 「行き過ぎたか。」と思い、引き返すことにした。
[白ザレの小鞍部]

 再び白ザレの小鞍部を通過すると、すぐに分岐点に到着した。(写真下)
 引き返した方向から見たら、Y字路に見えるので、分岐点だと、すぐにわかるが、権現山から尾根を下っていく側から見ると、右手の分岐路が見えない。
 実際、今回、直進してしまった。今まで、ここ3回、マスキ嵐沢の帰りで間違えたことは無かったのだが...やはり、今日は、注意力散漫なのだろうか。
[分岐点まで戻った]

 旧登山道を下り、西沢の登山道に出てきた。そのまま、上流側に進んで、下棚沢の合流点に出合う。
 ここで、左折し、下棚沢に入っていく。
[下棚へ向かう]

 下棚沢を上流へと進む。右岸を歩いていけば、全く沢の水に浸かることなく、下棚手前まで来る事が出来た。その先で沢を渡る必要があるが、石をうまく使って、靴を濡らさずに滝下に到着した。(13:11)
 下棚は、調べてみたら、1994年2月以来、なんと、ササだらけの権現山頂上に初めて立った時以来の訪問だった。
 滝からなるべく離れるようにして、滝全体の光景を撮影する。
 着いた時は、先客が4人いたが、撮影を始める頃になると、誰もいなくなったので、三脚を自由にセットし、中型カメラで撮影させてもらった。
[下棚を撮影]

 下棚にて30分以上、滞留した後、出発。
 西沢を左岸、右岸と歩いていくと、吊り橋が見えてきた。
 14:22、西丹沢ビジターセンターに到着。すでにバス停には、長い列が出来ていた。(写真下)
 これでは、座れないかもと思っていたところ、なんと2台のバスが到着し、お蔭で、2台めのバスにて座ることができた。
[西丹沢ビジターセンター]

 山北で下車し、さくらの湯に立ち寄り、ゆったりしたところで、AYさんと連絡が取れた。
 ....長距離山行者のお三方は、宮ヶ瀬に抜けてしまったとかと思った。

 その結果、新松田で合流し、AYさん、ardbegさん、shiroさんと乾杯する。冷えたビールが何とも言えない。
 山談義の中で、AYさんに藤嵐沢右岸尾根の取り付き点に尋ねてみた。
 「下りで使用した時、尾根筋をそのまま下っていくことで、あっさり林道に出ましたよ。」
との回答。
 つまり、登山道に入らず、右へ林道(舗装路)がカーブするとき、素直にその先で、左折し、尾根に乗ればよかったのだ。う〜ん、やっぱり、事前調査は、必要かなと思った。
 [新松田にて乾杯]


 今回、藤嵐沢右岸尾根への取り付き点で、ウロウロしてしまい、時間的には、ロスしてしまいましたが、それも、今となっては、いい経験になりました。
 尾根自体は、自然林が広がる美しい尾根で、登っていて楽しめました。
 まだまだこのような尾根が西丹沢には、多く、ルートを探しては、歩いてみたいと思っています。 



 【追記 2017-8-15】
 本日、登山の店に行って、西丹沢登山詳細図の2016年2月1日 第2刷発行を購入しました。(今まで使用していたのは、2013年11月20日発行のもの) だいぶ前に第2刷が出ていたんだなと思いつつ、広げてみましたら、なんと藤嵐沢右岸尾根ルートが掲載されてました。
 ....しっかりと、取付き点が記載。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。