トップページ山行リスト(日付)>遠見山・大杉山_記録20180127


遠見山・大杉山

 山行日
2018年1月27日(土)       晴れ         同行者:「山の会2」 他事鉄さん
 コース
玄倉(8:24)〜(8:41)今日沢橋〜(10:21)大ノ山(10:24)〜(10:38)戸沢ノ頭(10:42)〜(11:26)遠見山(11:34)〜(12:09)大杉山(12:23)〜(13:27)馬草山(13:37)〜(14:38)中川温泉街〜(14:49)ぶなの湯(15:44)〜(15:48)中川
 今回は、「山の会2」の他事鉄さんと、遠見山・大杉山に行ってきました。個人的には、遠見山は、2006年以来、12年振り、大杉山は、2011年以来、7年振りという訪問です。また、今回の山行は、今週月曜に東京都・神奈川県に降った大雪の影響が山では、どうだったか気になるタイミングでした。
 詳細は、以下をご覧下さい。


 新松田駅前での西丹沢ビジターセンター(VC)行きのバス乗り場で、他事鉄さんとともに一番で並ぶ。バス乗り場は、まだ朝日が当たらず、日陰で、結構寒い。近くのコンビニにて、ホットコーヒーを買ってきて、飲みながらバスを待つ。
 7:25、新松田駅を出発。乗客は、我々2人の他、登山者2人だけの計4人。今日は、天気がいいので、もっと登山者が多いかと思ったのだが、意外に少ない。やはり、月曜に降った大雪のせいだろうか。
 谷峨駅で3人の登山者が乗車。

 8:12、玄倉にて下車。降りたのは、我々2人だけだった。
 バス停近くのコンクリート地面には、「ユーシン」の青い文字と白い矢印が書かれてある。「ユーシンブルー」で一躍、有名になり、バス停からの進路方向が分からない観光客のためだろう。
 道路の反対側に立っている案内板に近づき、「ユーシン渓谷ガイドマップ」を見ていたら、玄倉林道通行止め情報が載っていた。よく見てみると、「石崩隧道から洞角隧道の間は、斜面崩落が頻繁に発生し非常に危険な状態であることから、歩行者を含め通行止め」と書かれてあり、通行止め区間が、ちょうどユーシンブルーエリアと重なっていて、現状、ユーシンブルーには、行けないことが分かった。神奈川新聞の切抜き記事を読むと、林道の復旧には、1年以上を要するという。
 せっかく山北町に新しい観光スポットができたと思ったのに非常に残念だ。
 ....スタート時点で、いきなりマイナス情報に沈む。
[今日のスタート地点:玄倉バス停] [玄倉林道通行止め情報]

 ひと気のない玄倉バス停を出発し、玄倉川橋を渡る。まだ朝日が当たらないので、兎に角、寒い。歩くと、顔に当たる冷気が刺すように痛い。早く日が当たらないかなと北側の湖岸路を進む。
[玄倉川橋を渡る]

 丹沢湖を左に見ながら、歩いているうちに陽が当たってきた。
 やはり、朝日が当たるとだいぶ暖かい。他事鉄さんが、右手の斜面を見て、以前、「この尾根を登りましたよ。」と言われた尾根筋は、今日沢東側の尾根のようだ。地図で確認すると、ここからも大ノ山に通じている。
 「今回は、予定通り、今日沢右岸尾根で行きましょう。」
と、もう少し湖岸路を進む。

 8:41、今日沢橋を渡り、すぐに尾根の取り付き点に到着。
 これを登るのかと、目の前の急斜面にいささかビックリ。
 「行きますか。」
と、他事鉄さんが登って行く。
[今日沢橋の先で尾根に取り付く]

 もう少し歩き易い斜面かと思ったが、現実は厳しい。登り始めて、すぐにザックからドライバーを取り出す。木が少なく、土の急斜面という場合、ドライバー1本あるだけで、だいぶ安心感が違う。
 だが、急斜面で体力が持たず、途中で、小休止。これは、もう少し気合を入れる必要があると、中に着ていたダウン上着を脱ぐ。

 9:13、ようやく登りが緩やかになり、ホッとする。
 再び急登となるが、先程のレベルではない。やがて、左手にクッキリと、富士山が見えてきた。
 今日は、青空が広がり、富士山の白さが目立つ。
[富士山が見えてきた]

 9:25、小ピーク(西丹沢登山詳細図では、525mピークと記されている)を通過し、下りとなった後、再び登りとなる。
 まだ白い花の状態のミツマタの横を登って行く。
 振り返ると、日影山から伊勢沢ノ頭へ続く稜線が目に入った。そう言えば、昨年12月に、日影山の方から、この遠見山方面を眺めて歩いたことを思い出した。
[日影山から伊勢沢ノ頭方面]

 ちょうど左手の樹林が途切れて富士山が眺められた。よく見ると、雪が多いことが分かる。今週月曜日の南岸低気圧で降った雪のせいだろう。
[富士山を眺める]

 膝下程度のスズタケのヤブを抜けると、尾根の先端部に出た。北側に遠見山が聳え立つ。まだまだ距離があるな〜と溜息が出る。ここからは、緩やかに尾根筋を進んでいく。(写真下)
 雪がだいぶ目立ってきた。
[雪が目立ってきた]

 登り切った所は、植林帯となった。
 地図で確認すると、この植林帯のピークが、大ノ山頂上のようだ。手書きの山頂標識でもないかと探してみたが、残念ながら見当たらなかった。
[大ノ山頂上にて]

 今回、採用した遠見山へのルートは、自己未踏ルートだったので、ワクワクしながら進んでいく。
 事前での地図調査では、ヤセ尾根は、ないかなと思っていたら、突如、目の前にヤセ尾根が現れた。今日は、雪がついているので、ちょっと緊張感が走る。
[ヤセ尾根を通過]

 ヤセ尾根の後は、急登が始まる。
 どうにか登り切ったと思ったら、そこが「戸沢ノ頭」のピークで、手製の山頂標識を見つけた。(写真下)
 「戸沢ノ頭」は、昔の山と高原地図「丹沢」では、標高880mピーク(このレポートでは、遠見山としている)に記された山名だった。ここのピークを「戸沢ノ頭」としているのは、地元の松田警察署の「西丹沢頂稜河川土地名称図」と同じである。そこで、今回は、この名称図の山名で表現を統一する。
[戸沢ノ頭に到着]

 尾根上には、積雪があり、その奥には、これから登る遠見山が眺められた。(写真下)
 まだまだ遠いな〜と思いながら、全く踏跡の無い雪面を踏んで、尾根筋を行く。
[雪に踏跡をつける]

 遠見山の頂上に近づいてくると、南斜面なのに雪が深くなり、急斜面となった。他事鉄さんは、秘密兵器といってストックを2本取り出す。ダブルストック姿になると、人が変わったようにエネルギッシュになるのが他事鉄さんである。
 案の定、あっという間に雪の急斜面を登ってしまい、一気に差が開いてしまった。
[雪が深くなった]

 先に進んでしまった他事鉄さんが立ち止まっていた場所が、遠見山頂上だ。
 ここにも戸沢ノ頭同様、手製の山頂標識が取り付けてあった。
 個人的には、2006年以来、12年ぶりの訪問だ。12年経った今も、植林帯の中の頂上という印象は、変わらなかった。
[遠見山に到着]

 遠見山頂上からは、雪歩きとなるため、私もストックを1本取り出す。
 積雪は、10cm強といったところだろうか。ここから、まずは、大杉山を目指す。
 少し歩いたところで、右手には、植林の間から伊勢沢ノ頭方面が望めた。(写真下)
 だが、その後は、全く視界が広がらず、360度、植林帯となっていく。
[伊勢沢ノ頭方面]

 先を行く他事鉄さんは、ダブルストックなので、相変わらずペースが速い。
 陽が差し込み、地面が白いので、同じ植林帯でも、今回は、ちょっと明るく感じられ、歩いていて気分がいい。(雪の上ということで、歩き易いということもあるが)
[植林帯の中]

 正面が登り斜面となった。
 「こんなに大杉山って、盛り上がってましたっけ。」と、他事鉄さんと話す。かつて、同じルートで大杉山を訪問した時の印象は、植林帯の中をフラットに歩いたという記憶しか残っていない。
 だが、実際は、登り斜面を歩いていたのだ。それが、今回、よくわかった。
[大杉山への登り(振り返って撮影)]

 12:09、大杉山に到着。
 小さくて、殆ど字の読めない手製の山頂標識が、シカ柵にかかっているのを発見。だが、三角点は、雪に埋もれて分からない状況だった。ここで、他事鉄さんが、伝家の宝刀、GPSを取り出す。
 「このあたりですね。」と言われたあたりを足で雪を蹴ちらし、三角点を探す。すると、見事、三角点を発見。「雪が積もっていたら、GPS無しで三角点を発見するのは、無理ですな。」と、二人で話す。まさにGPSサマサマだった。
[大杉山の三角点を雪の中から発見]

 12:23、大杉山を出発し、次なる目的地、馬草山に向かう。
 地図と実地を見比べても、ここからの下りルートを見出すのは、なかなか困難だ。だが、ここからのルートは、完全に記憶に残っていた。目の前の光景を眺め、植林帯の端を目印に下っていく。先を行く他事鉄さんは、少し左に寄って、植林帯側を下っていた。(写真下) 
 このあたりの雪質は、サラサラで、乾いた砂のような雪だった。
[馬草山へ向かう]

 植林帯を抜け、尾根が細くなるところをそのまま直進していく。
 すると、幅広の斜面を下るようになる。確か、この先にロープがあったなと思いながら、注意深く前方を見て下っていくと、案の定、ロープを発見。
 そんな訳で、この辺りは、完璧にルートを覚えていた。
[急斜面の下り]

 斜面を下り終えると、尾根が細くなり、密集した植林帯に突入する。
[植林帯の中を進む]

 左側を眺める。(写真下)
 密集した植林帯が、平坦部に延々と続く光景だ。この中に入り込んだら、どの方向に進んでいいのか、わからなくなること必至である。何せ、360度、植林しか見えない世界だ。
[馬草山に向かう途中、左手を眺める]

 植林帯を突き進んでいくと、馬草山の斜面にぶつかり、そのまま登って行く。
 経路が雪に埋もれているので、適当に登りやすい箇所を選んで進む。
 13:17、馬草山東端の尾根の先端に到着。すると、雪化粧した大室山が出迎えてくれた。(写真下)
[馬草山の肩に到着]

 ほぼ西へ西へとシカ柵沿いに進んでいき、馬草山頂上に到着した。(13:27)
 ここから、ショートカットするように北側に下ろうか迷ったが、雪深くて、薄暗い植林帯の中を通るのは、どうも気持ち悪いので、来た道を引き返す。
[馬草山頂上にて]

 だが、馬草山の東側斜面をトラバースするとき、やはり、馬草山頂上から直接、北側に下った方がよかったかなと、ちょっと後悔。というのも、この東側斜面のトラバースルート、雪が深く、膝上まで潜ってしまう。おまけに木が無くて、ストックだけが頼りのスリルあるルートだった。
[馬草山のトラバースルート]

 その後、植林帯の中から、中川温泉に下る経路を探す。
 雪が積もっており、トレースは、全くない。植林の木の間が少し開いていると思える箇所を探す。すると、ここが経路ではないかと思えた場所があった。少し進んでみて、「間違いない。経路だ。」と、確信が持てた。
[ここが経路だと思い、植林帯の中を下っていく]

 やがて雪が消え、経路が明瞭になり、どんどん下っていく。
 以前は、中川温泉の湯ノ沢上流側の河原に出て、道路に出た記憶があるのだが、今回、このまま進むと、温泉旅館裏に出てしまうのではないかと思い、途中で引き返す。
 すると、新ルートが出来ていたことに気がつく。
 下りの新しいルートは、中川温泉の旅館建屋の端に直線状に下っていくようなルートとなっていた。
[下りの新しいルート]

 14:38、無事、車道に出た。
 ここから、ぶなの湯を目指して歩く。
 行きのバスが空いていたように、ここ「ぶなの湯」も、空いていた。(建屋前の駐車場がガラガラだった)
 風呂上りに他事鉄さんと缶ビールで乾杯。(幸いにも缶ビールの自販機が設置されてあった)
 サッパリした身体となった後、ゆっくり坂を登り、中川バス停に到着。
 15:53発、新松田駅行のバスを待った。
 [吊り橋を渡って「ぶなの湯」へ]


 今回の遠見山は、文中にも書きましたが、12年振りの訪問でした。
 しかし、この山域は、植林帯のままで、12年経っても、全く変化のない印象を受けました。

 この遠見山・大杉山近辺は、地図読み山行を目的としますと、結構、楽しめるエリアですが、迷いやすい山域でもあります。実際に10年以上も前になりますが、馬草山付近で10数人が道に迷い、遭難救助騒ぎになったことがあり、注意が必要です。 

 また、今回は、快晴で、富士山を眺めたり、誰も歩いていない積雪に自分の足を踏み込んでみたりと、歩いていて非常に楽しい山行でした。
 最後に他事鉄さん、ご同行ありがとうございました。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。