トップページ山行リスト(日付)>大タル丸・女郎小屋ノ頭_記録20180526


大タル丸・女郎小屋ノ頭

 山行日
2018年5月26日(土)       曇り       同行者:「山の会2」 他事鉄さん
 コース
玄倉(8:20)〜(8:52)立間大橋〜(9:59)敷地山(10:04)〜(10:41)芋ノ沢ノ頭〜(12:00)白ザレのピーク(12:19)〜(12:32)大タギリ(12:36)〜(13:22)大タル丸(13:33)〜(14:07)女郎小屋ノ頭(14:23)〜(15:03)日向ノ頭北側鞍部(15:13)〜(16:56)女郎小屋沢合流点(17:26)〜(19:02)玄倉
 今回は、「山の会2」他事鉄さんと、西丹沢の最深部と言える大タル丸・女郎小屋ノ頭を訪問してきました。以前、女郎小屋ノ頭から大タル丸へのルートで歩いたことがありますが、今回は、大タル丸から女郎小屋ノ頭へと逆ルートを歩きました。
 このエリアは、奥深い稜線で、地図に載っていないアップダウンが結構、存在し、地図上では、山行距離が短く、あまり歩いていないように見えるのですが、実際は、非常に疲れるルートです。
 詳細は、以下をご覧下さい。


 他事鉄さんとは、西丹沢ビジターセンター行きの朝一番バス(7:20発)に乗ることで待ち合わせ。
 7時前だというのに既に20人弱ぐらい乗客が並んでいる。すると、幸いにも臨時バスが出て、新松田駅7:11に出発することが出来た。 
[新松田駅前で西丹沢ビジターセンター行きのバスを待つ]

 8:00、玄倉到着。
 ユーシンブル―が玄倉林道の部分通行止めで、訪問することができなくなったせいか、降りた乗客は、我々ニ人以外、男性が一人下りただけだった。確認の意味で、ユーシン渓谷ガイドマップの案内板を見てみたが、玄倉林道の部分通行止めは、以前と全く変わっていなかった。

 8:20、玄倉を出発。
 上空は、曇り空だが、比較的明るいので、雨にはならないだろう。この方が、暑くならなくていいのでは、と他事鉄さんと話しながら歩く。
 バス停の周りにも「ユーシンブルーは、行けません」の貼り紙等があったが、玄倉林道沿いにも、大きなカンバンが立っていた。(写真下) 
[玄倉バス停を出発]

 玄倉林道から離れ、立間大橋を渡り、渡り終えてすぐ右手の経路から中ノ沢(小川谷)の方へ降りていく。沢の前に降り立ち、対岸に渡る場所を探すが、今日は、中ノ沢の水量が多いため、簡単に見つからない。
 ....ちょっと右岸をウロウロ。
 他事鉄さんは、ストックを2本取り出し、それを上手く使って渡った。私は、別の場所にて、シンプルに靴とソックスを脱ぎ、裸足で渡った。
 ....沢の水は、冷たくなく、気持ち良かったが、サンダルを忘れてしまい、足の裏が痛い。
[立間大橋を渡る] [中ノ沢(小川谷)と玄倉川の合流点]

 対岸の斜面に取り付き、敷地山に向かう。
 取り付き点は、急斜面で息が切れる。5,6分の我慢の登りで、尾根に乗った。ここからは。歩き易いルートとなる。途中から、経路が現れた。(写真下)
[敷地山への登り]

 やがて自然林から植林帯と変化する。
 経路は、左へ敷地山のピークを巻くように進んでいるので、途中で、経路を外れ、植林帯を直登していく。
[植林帯に変わる]

 少し戻るようにして、平らな頂上に到着。360度、植林帯で、全く視界が広がらない。
 ここでザックを下ろし、小休止。ペットボトルを初めて開けて水分を補給する。富士山の麓、須走あたりだろうか。自衛隊演習の大砲の音が聞こえてきた。
[敷地山頂上]

 敷地山の頂上を出発し、他事鉄さんから、ここが、敷地山のピークかもしれませんよと言われながら、小ピークを通過する。(写真下)
 地形図を見ると、平らなピークの北側に687mと記された小ピークがある。こちらの方が高いのではないかということから、ここが敷地山のピークではないかという考え方だ。
 だが、実際のピークというのは、下から見上げて、山を指す場合が多いので、一般的には、先程の広くて平らな頂上が敷地山ピークではないですかねと話す。
[ここが敷地山ピーク?]

 敷地山を過ぎると、自然林になったかと思えば、植林帯が現れる。
 途中から登り中心のルートとなり、ひたすら登っていくと、正面のピーク手前にて保護柵にぶつかった。
 ここが、芋ノ沢ノ頭だった。小さな山頂標識を発見。(写真下)
 ここも敷地山と同様、周囲は、植林や自然林で全く視界が広がらない。また、山頂を囲むように保護柵が続いており、真の山頂地点に行けないのは、残念だった。だが、芋ノ沢ノ頭は、自己未踏のピークだったので、ちょっと感慨深い。立ち止まって、束の間、頂上方面を眺めていた。

 記念撮影後、時計回りに保護柵沿いに進み、北東側の裏手に回る。
[芋ノ沢ノ頭]

 地形図上の936m地点は、どこか分からないうちに通過し、左に尾根が分かれ、そこを逆方向の右に下っていき、広い鞍部に出た。ここは、腰を下ろしたくなるような緩い斜面だ。そんな訳で、小休止。
 すると、ここで、ビックリすることが。
[白ザレのピーク手前にて]

 他事鉄さんが、地図を広げ、現在地点を確認していたとき、「ヒル発見!」の発声。
 すぐに自分の靴周りを調査する。
 靴には、付いていなかった。続いて左足のソックスをチェック。ここもヒルは、発見せず。続いて、右足のソックスをチェック。なんと、太ったヒル2匹がソックス(アキレス腱側)の上にくっついていた。その太さから見て、被弾したと判断。すぐにヒルを駆除して、ソックスの中を見たら、案の定、2ヶ所で出血していた。
 う〜む。油断していた。この稜線では、ヒルは出ないものと勝手に解釈していた。
 どこで付いたのだろう。血を吸われていること自体、全く気がついてなかった。
 ....そんな訳で、大幅に時間ロス。
[ヤマビル発見]

 気を取り直して、出発。小さな鞍部(地図には、表記されていない)を通過後、登り返して白ザレのピークに到着。(12:00)
 ここであれば、ヒルが付いてもすぐに気がつく。腰を下ろして、ランチタイムとした。
[白ザレのピークにて]

 12:19、白ザレのピークを出発。北東側に下っていく。
 やがて、トラロープと別のロープを発見する。いよいよ、大タギリへの下降開始だ。最初に、まず他事鉄さんが下っていく。
 上から覗いていると、途中から他事鉄さんの姿が消えてしまった。声を出すと、鞍部に到着したとの返事。ということで、続いて下っていくことにする。
[大タギリへの下り その1]

 途中で、ロープの先が見えなくなっていた。やはり、垂直の下りは、今でも変わらないようだ。
 以前、登りで通過したことがあるので、この先がどうなっているのかは、わかっているつもりだが、前よりも足場が悪くなっていた。結局、最後の3mぐらいは、ロープを握る腕力だけで下りきったような状況だった。
[大タギリへの下り その2]

 12:32、鞍部に到着。他事鉄さんと2人が精一杯ぐらいの小さなエリアである。
 左右のV字状の沢の源頭部を眺めていると、ここが丹沢の深部だと実感が湧く。

[たぶん、小川谷側] [たぶん、女郎小屋沢側]

 大タル丸への登りは、私が最初に取り付いた。
 先程下った時のトラロープが、切れずにそのまま、大タル丸側のトラロープに続いている。
 トラロープ無しで登れるかと思ったが、白ザレで足が滑る場合があり、ロープは手放せない。しっかり握って、急斜面を登っていく。
[下ってきた垂直のような壁(振り返って撮影)] [大タル丸へのトラロープ]

 途中で、右手に別の固定ロープがあり、そちらに移動する。ここで、ようやく呼吸を整えることが出来た。続いて他事鉄さんがトラロープを利用して登ってきた。(写真下)
[トラロープで登って来る他事鉄さん]

 固定ロープを利用して、よいしょ!と、体重移動して、一段高い箇所へ身体を移動。その後も、固定ロープのお世話になり、ようやくロープ終了点に到着。
 続いて登ってきた他事鉄さんと合流し、少し登った地点で小休止。
 今回、初めて大タギリの通過を体験した他事鉄さんは、「喉がカラカラ」と、水分補給。
 結果的に10分ちょっと休憩してしまった。

 この先は、緩やかに2本足で登れる斜面となる。(写真下)
 しかし、見上げると、まだまだ長い登りが続くことが分かった。
[大タル丸への登り]

 13:23、登り切ったところが、大タル丸の3つの岩のあるピーク。
 ここで、小休止とした。(記念撮影などを実施)
 ようやく息を整えることが出来、13:33、出発する。
[大タル丸の岩の前で小休止]

 女郎小屋乗越への下りは、木があるので、ロープ無しで、下っていける。先頭は、他事鉄さん。
 こちらが、鞍部へと下っている最中に反対側で登り返している他事鉄さんをデジカメ撮影する。(写真下)
 鞍部からの登りには、トラロープが設置してあるので、楽に登れた。
[女郎小屋乗越を登り返す他事鉄さん]

 14:05、女郎小屋乗越もクリアし、これで難所は通過したと、気分的に楽になったところで、前方から人の声が。 
 男性2人+女性1人のパーティとすれ違った。こんな山奥で人に会うというのは、珍しい。ヘルメット姿で、ロープ等、装備も万全だった。この先のルートを聞くと、我々が通ってきたルートだった。
 「お気をつけて」
と、別れる。

 14:07、女郎小屋ノ頭に到着。
 ここで他事鉄さんと相談。当初の予定では、東沢乗越まで行って、東沢沿いに下るつもりだったが、時間的に厳しいということで、南下して玄倉に戻ることとした。この場合、玄倉川が渡渉できるかということが不安の種だったが、行きの時の玄倉川の水量を見て、行けると判断した。
[女郎小屋ノ頭]

 14:23、女郎小屋ノ頭の南側の尾根を下っていく。
 新緑が美しい。また、地面が軟らかで、足の裏に優しい斜面だ。
[女郎小屋ノ頭から南下していく]

 下っていく途中で、左にブナ?の大木を見たら、分岐点が近い。
 14:40、尾根筋から外れて、左側の斜面を下っていく。ここは、70mぐらい下っていくと、枝尾根に乗るのだが、分岐点から見たら、この下に枝尾根があるのかどうか、全くわからないような場所である。それゆえ、初めて下る場合、地図読みだけでは、相当の経験者でなければ、分岐ポイントの判断は、難しいと思う。

 なお、このまま女郎小屋ノ頭から南下(正確には、南南西)し、途中で女郎小屋沢沿いに進めば、玄倉川に出られることは出られるのだが、この先の南下尾根には、地形図に現れない枝尾根が多く、迷いやすい。また、急斜面になることもあり、今回、安全を期して、尾根筋を外れ、左側の斜面を下ることにしたのだ。
[途中で、枝尾根に向かって下る]

 無事、枝尾根の上に乗り、どんどん進んでいくと、美尾根となる。(写真下)
 ここまで来れば、ルートは、はっきりしてくる。
[美尾根を進む]

 15:03、モミの木のある鞍部(日向ノ頭北部)にて小休止。
 3本目のペットボトルを開けて一口飲む。
 ここまで、下り一辺倒だったが、それでも結構、疲れる。
[日向ノ頭北側鞍部に到着]

 以前、イガイガさん達と女郎小屋沢と玄倉川の合流点から、この鞍部まで歩いてきたことがある。
 今回は、その逆を歩けばOKだと思ったのだが、現実は、そう簡単には行かなかった。
 途中で、そのルートを見失ってしまい、全く知らないエリアを歩くハメとなった。
 結局、シカ柵の穴を何度も通過し、日向ノ頭の南西にのびる尾根筋に出て、その後、一気に下っていった。
[日向ノ頭斜面を下っていく]

 16:56、無事、女郎小屋沢と玄倉川の合流点に到着。
 予想通り、玄倉川の水量は、そんなに多くは無かった。だが、渡渉地点は、十分調査した後、裸足となって進む。やはり、サンダルが欲しかったな〜と思いながら、玄倉川を渡る。
 無事、渡った後、小休止とした。
 バスの時刻を調べると、この時刻だと、最終バスの19:24になる。それならば、まだ時間は、たっぷりあるので、しばし休憩とした。
[玄倉川と女郎小屋沢の合流点にて]

 17:26、玄倉川の河原を出発。
 まだ1時間以上、玄倉林道を歩かなければならない。

 17:36、今日、登った山々が右手に見えた。
  A:936m峰の南側の先端部
  B:大タル丸(3つ岩のある個所)
  C:女郎小屋ノ頭
 そんなに遠いと思えないのだが、これで1日使用してしまうのだ。
[玄倉林道から振り返る]

 19:02、玄倉バス停に到着。完全に陽が落ちてしまった。
 バスを待っている間、玄倉林道を歩いてくるライトが見えた。近づいてみると、女郎小屋ノ頭手前ですれ違った3人のパーティだった。(彼らは自家用車で来ていた) 
 無事、下山できたことをお互いに祝う。

 19:24のバスが、3分ぐらい遅れて到着。
 一般の女性1人と我々2人が乗車する。
 乗った瞬間、なんと、座席は、殆ど空いておらず、これは、終点まで立ったままかと思えたが、よく見たら、3席がちょうど空いていた。お蔭でどうにか座ることが出来た。
 ....最終バスに乗る登山者の何と多い事か!
 [玄倉バス停に到着]


 今回は、なかなかエリアは狭いものの、歩行時間は、長く、初めての他事鉄さんは、アドレナリン全開のご様子でした。おかげで、新松田で無事の山行を祝して生ビールで乾杯。続いて、御殿場線にて、2度目の乾杯。さらに東海道線に乗り換えて3度目の乾杯となりました。
 他事鉄さん、ご同行有難うございました。今後とも、宜しくお願い致します。
[新松田にて] [御殿場線にて] [東海道線にて]


※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。