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箒沢権現山・畦ヶ丸

 山行日
2020年2月22日(土)       曇り後雨    同行者:「山の会2」メンバー3名
 コース
大滝橋(8:34)〜<藤嵐沢右岸尾根>〜(11:05)箒沢権現山(11:15)〜(12:55)1079m峰〜(13:53)畦ヶ丸(14:13)〜(15:10)善六のタワ〜(15:59)本棚沢出合(16:06)〜(16:16)下棚沢出合〜(16:55)西丹沢ビジターセンター
 今回は、「山の会2」メンバーとともに(箒沢)権現山から畦ヶ丸までの稜線歩きの計画を立てました。考えてみましたら、個人的に今まで権現山から畦ヶ丸までを通して歩いたことがありませんでした。
 ということで、詳細は、以下をご覧下さい。


 新松田駅前から7:25発、西丹沢ビジターセンター行きのバスに乗車。
 冬季ダイヤになって、朝7時台のバスは、7:25発の1本だけとなっている。途中の谷峨駅で乗る客は、ゼロで、車内の登山者は、結局、我々4人の他、若い男性1人と、外人男性1人だけだった。
 8:28、大滝橋にて下車し、準備運動後、出発する。(8:34)
 ....最近の西丹沢は、この大滝橋で下車するケースが多い。
[大滝橋にて下車]

 大滝沢を右に見ながら、林道を進む。途中、左側斜面から崩れた土砂が林道を越えて流れていた。昨年9月頭に来たときは、まだこんな土砂が無かったことから、昨年秋の台風の影響のようだ。
 畦ヶ丸へ続く登山道との分岐点にて、登山道に入らず、林道を直進する。(写真下)
[正面の登山道に行かず、林道を進む]

 すぐに開いたゲートを通過すると、その先に橋が架かっていた。今回は、その橋の手前から左手の斜面に取り付く。
[尾根の取付き点]

 尾根筋に登っていく。右手は、藤嵐沢だが、伏流のようで、水流が見えなかった。
 やがて、3年前に左側急斜面を登って、この尾根筋に合流した地点に到着。あの時は、今回の取付点を知らず、この尾根筋に出るまで、必死に登ったことを思い出す。(到着後、滅茶苦茶、息が切れた)
[尾根筋を登る(3年前、この左急斜面を登ってきた)]

 急登が続いている。
 この急登ルートで、3年前、小柄な中高年の男女1組とすれ違ったことが鮮明に思い出される。
 男性は、落葉が積もった急斜面に対し、谷側の片足に重心を乗せ、落葉の上を滑っていく。その後、停止することなく、今度は、反対側の足を谷側にし、うまくバランスをとって、滑りながら下ってくる。そのスピードが速く、まるでスキーで滑っているかのようだった。
 ....芸術的な下りスタイルだった。
[急斜面が続く]

 9:41、788m峰に到着。ここで小休止。残念ながら、周囲は、冬木立で、見晴らしは、それほどよくない。
 小休止後も相変わらず、急登が続く。経路が、はっきりしないので、歩き易いルートを自分で判断し、登っていくが、殆ど直進だ。
[急斜面がまだまだ続く]

 10:22、振り返ると、富士山が目に入る。だが、富士山の頭には雲がかかっており、ちょっとすっきりしない光景。
[富士山の頭には雲あり(振り返って撮影)]

 ようやく傾斜が緩くなってきた。前方に植生保護柵が見えてきた。
 また、足下には、シカのフンが目立つようになってきた。フンが結構、小粒なのだが、子ジカなのだろうか、それとも大人のシカでも食物が少ないのだろうか。
[もうすぐ山頂]

 11:05、箒沢権現山頂上に到着。
 以前、手書きの山頂標識があったのだが、今回、見つけることが出来なかった。また、今まで陽が差していたのだが、ここに来て陽が陰ってしまったので、風が冷たく、頬に寒さを感じる。
 土管の椅子(一部のみ)と丹沢湖を入れて、山頂光景として撮影。(写真下)
[権現山頂上にて]

 11:15、身体が冷えすぎないうちに権現山を出発。
 いきなり、急な下りだ。立木を掴みながら、注意して下っていく。
 その急な下りが終わるころ、左手にマスキ嵐沢の源頭部が見えてきた。(写真下)

 ....画像だと、あまり急に見えない。
[マスキ嵐沢源頭部]

 11:53、分岐点を通過。マスキ嵐沢遡行の時ならば、ここで右折し、西沢に下って行くところだ。但し、右にUターンするように曲がるので、見落としやすい。
 今日は、直進していくと、すぐに白ザレのミニ鞍部に遭遇する。ここは、そのうち崩壊してしまいそうな地形だ。右手の白ザレ斜面に転落したら止まらないだろう。慎重に通過。
[白ザレのミニ鞍部(振り返って撮影)]

 この先、尾根筋に歩いていく。分岐点が分からなかったのだが、左側を注意深く見下ろすと、すぐ下にかつての西沢経路(跡)が並行に走っているのを発見。10年前ぐらいに歩いたが、もう桟道は、朽ちてしまい、今では危険な状態かなと思う。
 この辺りから先が、自己未踏の尾根筋だ。
 小さな鞍部を一箇所だけ、緊張して通過したが、それ以外は、歩き易いルートとなった。
 時計を見ると、12時を回っている。そろそろランチタイムをとりたかったが、左手から冷たい風が吹いているので、この風が避けられる場所を探しながら進む。すると、左手に植林帯が現れた。
 あれっ、ここは、と、再度、左をよく見ると、植林帯の尾根がのびていた。この先は、見覚えがある。一軒屋避難小屋に通じるルートだ。そこで腰を下ろし、風を避けながらランチタイムとした。
[ランチタイムにて]

 12:36、出発。ここからは、尾根幅が広がり、歩き易い尾根筋となる。
 この先は、かつて、逆方向で歩いたことがあるのだが、全く記憶に残ってなかった。お蔭で新鮮な気分で登っていけた。
[尾根筋が歩き易くなる(振り返って撮影)]

 12:55、1079mピークを通過。
 一旦、下った後、13:06、小ピーク(1100m圏峰)を通過。正面を見上げれば、畦ヶ丸頂上、右方向には、大室山方面が木立の間から見える。あと、もう少しだと思いつつ、登り続ける。振り返ると、すでに権現山を見下ろす高度だった。

 13:40、やっと頂上だと思ったら、その先にさらに高いピークが見えた。(写真下)
 あら〜!!と、大ショック。思わず天を仰ぐ。地図で現在地を確認すると、ピーク手前の1240m圏峰だとわかった。
 う〜む。畦ヶ丸には、過去も騙されている。確か、善六ノタワから登るときも、偽ピークが何度か見えて、次こそが頂上と思いながら登った記憶があるが、このルートも同様だった。
 ....心理的に疲れる畦ヶ丸なのだ。
[目前に畦ヶ丸頂上]

 沈んだ気分で、下っていく。再び登り返さなければならないと思うと、憂鬱だ。
 幸い、そんな長い下りではなかった。鞍部に近づくと、左に白い崩壊地が見えてきた。(写真下)
[左側に大きな崩壊地]

 崩壊地の横を歩き、登り返す。今度こそ頂上と思いながらアセビが目立つ樹林帯を過ぎると、遠くに道標が見えてきた。今度こそ、畦ヶ丸頂上だった。
 13:53、頂上到着。誰もいない頂上だ。ベンチに腰掛け、小休止。大昔は、登山道以外、スズタケで囲まれた山頂という印象があったのだが、もうスズタケの姿が見られない。そのため、なんだか山頂が広く感じられる。
 朝の天気と比べると、完全に下り坂となっていた。頂上に着いた時は、気がつかなかったのだが、ひと息ついた頃、上空では、雨雲のような黒い雲が風に押され、移動してくるのが見えた。そのうち、間違いなく雨が降ってきそうだ。ということで、14:13、出発。
[畦ヶ丸頂上]

 突如、風が吹いてきた。すると、瞬間的に猛烈な突風となる。舞い上がった落葉が頬に当たり、思わず、「痛!」と、声が出た。こんなに落葉が痛かったのは、初めての経験。フードを被り、向きを変え、背中で風を受ける。
 すぐ、2度目が来るかと思ったが、突風は、ピタッと止んだ。
 だが、相変わらず、上空の雲の流れが速い。
 「これは、崩れますね。」と、少しペースを上げて下っていく。
 木の階段を下っていくとき、雨がポツポツを降ってきた。
[上空の天気が怪しくなる(振り返って撮影)]

 15:28、涸沢に下りて横断する。(写真下)
 雨は、ポツポツと降っているが、幸い、本降りにはなっていなかった。
[涸沢を横断(振り返って撮影)]

 植林帯の尾根を下っていくが、先ほどまでよく見えていた権現山が、すでにガスに隠れていた。
 だいぶ雲が低くなったようだ。
 15:28、沢に降り立つ。振り返ると、メンバーの2人が下ってくるのが分かった。(写真下)
[涸沢に下っていく(振り返って撮影)]

 15:59、本棚沢出合に着いた時、雨が本降りになってきたので、雨具のズボンを取り出し、装着する。もう少し早めに着た方がよかったかなと、ちょっと後悔。
 道標によれば、西沢出合まで1.8kmだ。
[本降りとなる(振り返って撮影)]

 16:19、ベンチのある箇所で、雨が降る中、小休止。(写真下)
 ここは、マスキ嵐沢から尾根を越えてきた時、西沢に合流する地点だ。ザックの中からスマホを取り出し、帰りのバス時刻を再確認すると、17:05だとわかった。45分あれば、西丹沢ビジターセンターには、到着するだろう。だが、何ヶ所かある途中の木橋が流されていたら、何とも言えない。ということで、すぐに出発する。(16:22)
[本降りとなる(振り返って撮影)]

 幸い、木橋が無かったのは、一ヶ所だけで、そこは、飛石で簡単に渡ることが出来た。ということで、16:55、西丹沢ビジターセンターに到着。
 雨具を脱ぎ、雨に濡れた服などをザックにしまい込み、バスに乗車。
 17:05、バスは、定刻通り発車。乗客は、我々4人だけだった。
 ....そういえば、大滝橋から西丹沢ビジターセンターまで、今日は、他の登山者に一人も出会っていなかった。
 [西丹沢ビジターセンターにて]


 ようやく念願の権現山から畦ヶ丸への稜線歩きが出来ました。
 朝方は、天気が良かった(予報よりも良過ぎた)のですが、天気予報通り、午後から天気が下り坂となりました。ただ、予報では、17:00以降崩れるとのことでしたが、実際は、15:00過ぎから崩れ始め、ちょっと焦りました。

 メンバーの皆さん、ご同行有難うございました。




※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。