トップページ山行リスト(日付)>塔ノ岳・蛭ヶ岳_記録20210101


塔ノ岳・蛭ヶ岳
 山行日
2021年1月1日(金)・2日(土) 晴・晴     単独行
 コース
大倉(11:32)〜(12:54)駒止茶屋〜(13:24)堀山の家(13:26)〜(14:55)花立(14:58)〜(15:24)塔ノ岳(泊)
塔ノ岳(7:31)〜(8:35)丹沢山(8:44)〜(9:45)不動ノ峰〜(9:59)棚沢ノ頭〜(10:52)蛭ヶ岳(11:27)〜(12:11)棚沢ノ頭〜(12:22)不動ノ峰〜(13:06)丹沢山(13:19)〜(14:39)塔ノ岳(15:00)〜(15:17)花立〜(16:19)堀山の家(16:22)〜(16:41)駒止茶屋〜(18:16)大倉
例年通り、今年も正月に塔ノ岳に行ってきました。但し、今回は、趣向を変えて、2日めに蛭ヶ岳へ行ってきました。詳細は、下記をご覧下さい。


<第1日>
 以前は、小田急線に乗っている時に初日の出を拝んでいたのだが、最近は、ゆっくり起床するようになり、初日の出は、自宅から拝むようになってしまった。
 そんな訳で、ここ2、3年は、大倉出発が11時台となっている。
 登山届を提出し、上着を脱いだりした後、出発。(11:32)

 実は、今回、毎年背負っていた中型カメラを自宅に置いてきた。理由は、寒いとどうもカメラの調子が悪く、うまくシャッターが切れないのだ。おそらく、低温によるバッテリーの電圧降下によるものだと思えるのだが、その対策が上手く取れないので、もう撮影を諦めてしまった。
 だが、その結果、ザックが軽くなり、今回は、蛭ヶ岳まで行ってみる気になったのだ。
[大倉バス停にて]

 12:35、一本松を通過。ここまで、大倉から1時間3分。以前は、中型カメラを担いでも1時間以下だったことを思い出す。体調が悪いという自覚は、特にない。やはり、年々体力が落ちているということだろう。そんな訳で、大倉尾根の場合、かつての山行時間が頭をよぎり、正月早々、ちょっと悲壮感を味わう。
[一本松にて]

 長い急な階段を登り切り、12:54、駒止茶屋(営業中ではなかった)を通過。
 先を進むと、傾斜は、緩くなり、歩き易くなる。ふと左を見ると植林帯の間から富士山が見えた。
 もっとよく見える所はないかと左手を見ながら進むと、植林帯が切れる箇所を発見。左手の植林帯に進み、富士を望む。
 富士の周りには、雲がなく、正月に相応しい清々しい光景だ。
[富士を眺める]

 13:24、堀山の家(営業中)に到着。
 ここで休憩しようかと思ったが、まだ歩けると判断し、小屋を撮影した程度で、先を急ぐ。
[堀山の家にて(振り返って撮影)]

 堀山の家を過ぎてからの階段登りが辛くなってきた。ここで、歩行ペースが落ちる。
 13:50、ベンチの所で、小休止。遅めのランチとする。(〜13:59)
 だが、日陰なので、徐々に身体が冷えていき、腹が満たされたところで、早々に出発。

 階段状の緩やかな登りが終わり、岩場の登りとなって、呼吸が乱れてきた。ここは、立ち止まらないようなペースで登っていくが、やはり、途中でひと休みしたくなり、振り返ってしまった。(写真下)
 相模湾の先に大島の他、その右(西側)に三角形の利島が見えていた。(写真下では、利島がよくわからないが)
[大島・秦野盆地の眺め]

 正面に階段の終点がようやく見えてきた。調子のいい時は、この階段が、物凄く短く感じられ、あれっ、もう花立山荘?というケースがあったが、最近は、そんな記憶がない。いつも、ハアハア言いながら辿りつくといった状況が続いている。
[花立山荘前の階段]

 14:30、花立山荘(営業中)に到着。
 この調子であれば、尊仏山荘には、15:30までには着くだろうと思い、ちょっと小休止。
 ちょっと、お汁粉の誘惑に負けそうになるが、ガマン。
(以前、食べたお汁粉は、焼きたての餅が入っており、アツアツだったことを思い出した)
[花立山荘]

 ザックを下ろし、大山・三ノ塔方面を眺める。今日は、空気が澄んでいて、三ノ塔の山肌などがはっきり見える。思わず、デジカメ撮影。しかし、立ち止まっていると、徐々に身体が冷えていくのが分かった。薄手袋を装着し、花立山荘を出発。(14:42)
[大山・三ノ塔]

 14:55、花立を通過。
 塔ノ岳方面には、雲が全く見えない。こんなに澄みきった青空は、久しぶりだ。

 今年も、すれ違う下山者をカウントしている。天気は、昨年同様、申し分ない。違うのは、コロナの影響で、5人以上の団体さんを見掛けないことだ。昨年だったら、連続的に何人もすれ違い、カウントに苦労することがあったが、今回、そんなことは一度も起きていない。そんな訳で、今年は、昨年より少ないと感じた。
[花立]

 15:24、塔ノ岳頂上に到着。
 富士山には、頭付近に小さな雲が出来ていた。いつもの事なので、夕日の撮影には、あまり心配していない。顔に触れる外気が一段と冷たく感じる。頂上の光景を撮影した後、尊仏山荘に入る。
[塔ノ岳に到着] [頂上には4人だけ]

 尊仏山荘のご主人花立さんに挨拶して、缶ビールを飲む。
 窓の外を見る限り、富士山周辺の雲は、成長していない。今日は、無事、夕日が見られそうだ。
 16:30過ぎ、防寒対策をして、外に出て、夕日の撮影スタート。
 16:41、富士の裾野に日が沈む。(写真下)

 今回は、日没後も粘って撮影。

 山荘に戻り、今回の山行時間を確認すると、昨年より、ほんの少し早いだけで、ザックを軽量化した効果は、あまり出ていないことが判明。ちょっとショックを覚えた後、夕食になる。
[夕日]

 夕食後、月が明るいと外から帰ってきた人の声を聞いて、山荘から出てみた。
 すると、比較的低い位置に明るい月が浮かんでいた。こんなに大きな月は、珍しい。
 思わず撮影。

 その後、睡眠不足のせいで、20時の消灯前に寝てしまった。
[満月に近い月だった]
 
<第2日>
 5:38、起床。
 防寒準備を終え、6:30前に外に出る。今回は、中型カメラが無いので三脚をセットする必要がなく、日の出直前まで、適当に撮影場所を探し歩いていた。
[御来光前の頂上にて]

 6:41、御来光を撮影。
 だが、今回は、東の雲が厚く、雲の上から出てきたときは、太陽光がそれほど赤くなかったので、イマイチの光景だった。
 そんな状況だったので、被写体をすぐに富士山に切り替える。
[御来光]

 7:31、尊仏山荘を出発し、まずは、丹沢山に向かう。
 いきなり、長い木道が現れ、ビックリ。この辺りの登山道が整備されていることに初めて気がついた。
[丹沢山へと向かう]

 日高を過ぎて、これから向かう竜ヶ馬場や不動ノ峰を望む。斜光線が当たり、山道などが、立体的に見える。左手には、富士山がいつでも見える状況にあった。
[今日も好天気]

 竜ヶ馬場を過ぎ、富士を撮影。相変わらず、富士の頭には、雲が湧いていない。さて、この雲のない光景は、いつまで続くだろうか。
[左手には、富士山]

 丹沢山に到着。(8:35)
 相変わらず、上空は、青空のまま。丹沢山の三角点付近には、男女1組が休憩中。昨夜は、蛭ヶ岳山荘だったとの事。
 一等三角点などを撮影した後、出発する。立ち止まっていると結構、冷えてくるのだ。
[丹沢山に到着(左手を挙げてポーズ)]

 つるべ落としを下り、箒杉沢ノ頭への登り途中、塔ノ岳方面を振り返ったら、日高との鞍部に薄らと山が見えていた。(写真下)
 大山?、いや三ノ塔?かと思ったが、山の姿がちょっと違う。どこかと思ったら、三原山だった。海が見えていないと、見誤りそうだ。
[塔ノ岳方面を振り返る]

 箒杉沢ノ頭への登りとなるが、この辺りは、視界が広がるせいなのか、あまり疲れを感じない。あれよあれよと登っていける。やはり、眺めが良いというのは、登りの時、大事な要素だ。
[箒杉沢ノ頭手前にて]

 不動ノ峰を通過。何年振りだろうか。だが、頂上の印象は、あまり変わっていない。
[不動ノ峰]

 不動ノ峰の山頂道標から少し蛭ヶ岳寄りに向かうと、再び富士山が見えてくる。
 青空の下、富士山と檜洞丸、大室山の眺望にしばしうっとり。
 (残念ながら、南アルプスには、雲がかかっていて、稜線がハッキリしなかった)
[不動ノ峰からの眺め]

 不動ノ峰と棚沢ノ頭の鞍部を通過後、振り返ると、逆光となった塔ノ岳と大島が目に映る。
 この光景を以前も同じ時間帯に撮影した記憶が蘇った。やはり、一度撮ったアングルは、忘れないものだ。
[塔ノ岳方面]

 棚沢ノ頭を過ぎると、蛭ヶ岳がだいぶ近づいてきた。
 丹沢山に続いて、ここでも、ちょいと左手を挙げてポーズ。
[蛭ヶ岳が近づいてきた]

 左手にヘリで搬送されたプレハブ建屋や資材を見る。そういえば、箒杉沢ノ頭付近でも見かけた。カンバンを見ると、登山道整備のための工事らしい。(今年3月31日まで)
 この辺りも、木道になってしまうのだろうか。
[プレハブあり]

 10:18、鬼ヶ岩に到着。
 岩の間から蛭ヶ岳を望む。
 以前は、富士山、蛭ヶ岳、鬼ヶ岩を一つのアングルで写すことが出来なかったのだが、最近は、スマホやデジカメも広角レンズが標準になり、簡単にとることができる。
 富士山の手前に雲が湧いてきた。果たして蛭ヶ岳で、富士山が撮れるかと思い、さっさと出発。
[鬼ヶ岩にて]

 10:52、蛭ヶ岳到着。
 やはり、富士山手前の雲が成長して、富士山の頭にかかってきた。まあ、頭は、まだどうにか見えていたので、ラッキーだった。
 着いた頃は、そんなに登山者の姿は見えなかったのだが、段々と登山者が増えてきてベンチが埋まっていった。また、姫次の方から登ってくる登山者を何人か見かけたのは予想外だった。
[蛭ヶ岳到着]

 ザックをベンチに置いて、三角点を探す。実は、蛭ヶ岳の三角点について未確認だった。(記憶が全くないので、たぶん) そこで、今回、蛭ヶ岳に行ったら、三角点を確認しておこうと思っていたのだ。祠の傍にあると聞いていたのだが、位置が分からず、結局、GPSを使用して、無事発見。
 山小屋のすぐ傍にあり、何と傾いていた。こんなに傾いた三角点は、初めての遭遇。

【余談】
 帰宅後、国土地理院のサイトで地理院地図を見てみたら、なんと蛭ヶ岳の三角点マークが消えていた。あれっと思い、他を調べてみたら、大倉尾根の駒止茶屋付近にあった三角点マークも消えていた。ちなみに山と高原地図「丹沢」2020年版を見ると、両方とも三角点マークが記載されてある。
 ということで、今度は、国土地理院の基準点成果等閲覧サービスというサイトで、上記三角点を検索してみた。その結果は、下記の通り。
  基準点名:蛭ケ岳 ⇒ 三等三角点 亡失
  基準点名:一ノ沢 ⇒ 三等三角点 正常
 何と、蛭ケ岳は、亡失ということになっていた。(まあ、斜め状態だから仕方がないか)
 一方、駒止茶屋付近にある三角点は、正常となっていた。だが、地理院地図には、載っていない。
 ちょっと矛盾していて、頭が混乱。
 さらにカシミール3Dで参照する地理院地図(新版)レベル15では、
  蛭ヶ岳の三角点 ⇒ 三角点マークなし
  一ノ沢の三角点 ⇒ 三角点マーク有
 となっていて、地形図の種類は、いくつあるのか。どれが最新なのか、ますます頭が混乱。
[三角点を発見(山小屋側に傾いている)]

 富士山の頭にかかる雲が成長してしまい、撮影意欲が湧かず、ランチタイム終了後、さっさと蛭ヶ岳を出発することにした。今回は、東野方面に抜けず、大倉に戻るつもりだ。
 11:27、蛭ヶ岳頂上をスタート。

 鬼ヶ岩の登りで、何人かの登山者とすれ違う。鬼ヶ岩のクサリ場って、こんな感じだったっけと、改めて記憶が曖昧だったことに気がつく。(写真下)
[鬼ヶ岩の登り]

 不動ノ峰頂上を過ぎて、丹沢山方面を見渡す。
 ここは、丹沢の中でも大好きな景色の一つ。手前に広がるササ原と関東平野、相模湾の光景が気に入っている。何枚も撮影してしまった。
[ササ原と丹沢山と大山]

 つるべ落としの登りとなる。標高差100mぐらいの登りなのだが、やはり一気に登ることはできず。
 途中立ち止まっては、振り返って石老山方面を眺めたり、手前の登山道補修用の資材(ここにも置いてあった)を撮影したりしながら、息を整える。
 13:00、ようやく傾斜が緩くなってきた。丹沢山頂上まで、もう少しだ。(写真下)
[もうすぐ丹沢山頂上]

 13:06、丹沢山到着。
 北側の4台のベンチは、7、8人の登山者が休憩中で、埋まっていた。みやま山荘を見ながら、ペットボトルで水分補給。
 13:19、出発。
[みやま山荘]

 丹沢山〜竜ヶ馬場間は、植生保護柵だらけだったな〜と思っていたが、今回、あれっ、保護柵は、?という場面に出くわした。(写真下)
 よく見ると、保護柵は、あるのだが、柵の内も外も、ササが繁殖しており、保護柵が目立たなくなっていたのだ。もう少し、ササが伸びてくれれば、保護柵は、完全に隠れてしまうような状況だ。以前は、木道横の保護柵が目立ち過ぎて、辟易したものだが、このぐらいササが育ってくれるのは、頼もしい。
[木道を進む]

 14:39、塔ノ岳に再び戻ってきた。
 尊仏山荘に入り、ホットコーヒーを注文。しばし、コーヒータイム。
 外を見ると、昨日よりも雲が多い。
 15:00ちょうどに下山開始。
[塔ノ岳に戻ってきた]

 大倉尾根を下っていく途中、デジカメがバッテリー警告を出してきた。昨日今日で、相当の枚数を撮影しているので、さもありなんと、ザックから予備バッテリーを探すが、出てこない。よく考えたら、予備バッテリーは自宅で充電中だったことを思い出し、万事休す。まあ、スマホでも写真は撮れるので、それほど重要な事ではないと思い直す。
 デジカメ最後の撮影になるかなと思いつつ、夕日に染まった三ノ塔を撮影。(写真下)
[三ノ塔が赤い]

 日が暮れて、最後は、見晴茶屋の前などで休憩しながら、ゆっくり歩き、大倉バス停到着。
 こうして、2021年初山行は、無事終了した。
 [大倉バス停に到着(スマホで撮影)]


 今回は、天気に恵まれた2日間でした。最近、なかなか丹沢の奥に行けない状況が続いていましたが、今回、蛭ヶ岳まで行けたことで、スカッとしました。コロナが終息したら、今年は、山小屋に泊まり、もっと奥に行きたいと思っています。
 
 今回、塔ノ岳まで、すれ違った下山者をまとめてみますと、下記のようになります。
   今年  昨年  2年前  3年前  4年前
    大倉 11:32発  11:35発  11:32発  11:50発  10:48発
    大倉〜観音茶屋  29人   33人   43人   38人   81人
    観音茶屋〜見晴茶屋  16人   26人   52人   38人   39人
    見晴茶屋〜堀山の家  68人   93人   81人   48人   85人
    堀山の家〜花立山荘  43人   86人   75人   37人   58人
    花立山荘〜塔ノ岳  24人   11人    6人   18人   35人
               合計  180人    249人    257人   179人  298人

 今年は、コロナのためか、登山者の数が減ったようです。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。