トップページ山行リスト(日付)>弁当沢ノ頭・蛭ヶ岳・檜洞丸_記録20221220


弁当沢ノ頭・蛭ヶ岳・檜洞丸
 山行日
2022年12月20日(火)・21日(水) 晴・晴     同行者:「山の会2」 1名
 コース
表丹沢県民の森駐車場(7:25)〜(7:54)二俣(8:00)〜(8:26)ミズヒ沢〜(9:02)後沢乗越(9:07)〜(10:33)鍋割山(11:00)〜<鍋割山北尾根>〜(12:27)尊仏ノ土平手前〜(13:25)熊木沢出合〜(15:05)弁当沢ノ頭〜(16:24)棚沢ノ頭〜(17:36)蛭ヶ岳(泊)
蛭ヶ岳(7:05)〜(9:30)臼ヶ岳(9:48)〜(10:29)神ノ川乗越〜(10:45)1344m峰(10:55)〜(11:28)金山谷乗越〜(12:56)檜洞丸(13:18)〜(13:36)石棚山稜分岐点〜<ツツジ新道>〜(16:13)ゴーラ沢出合〜(16:52)ツツジ新道分岐点〜(16:59)西丹沢ビジターセンター
 今回は、1泊して、弁当沢ノ頭、蛭ヶ岳、檜洞丸を歩いてきました。弁当沢ノ頭は、調べましたら、1992年11月以来ということで、実に30年振りの訪問でした。また、蛭ヶ岳山荘に泊まるのは、29年振りで、建て替えされた後、初の宿泊でした。
 詳細は、以下をご覧下さい。


<第1日>
 渋沢駅からタクシーで県民の森駐車場に到着。
 ここが本日の出発点だ。GPSをONしたり、準備を終了して、本日の同行者、他事鉄さんと、いざ出発。(7:25)
[県民の森駐車場をスタート]

 上秦野林道、水無堀山林道、西山林道と歩き続け、ミズヒ沢のペットポトル置場に到着。ペットポトルには、鍋割山荘のうどん用として水道水が入っている。これを登山者がボランティアとして担ぎ上げるのだ。ちょうど鍋割山荘スタッフの方が一人、ペットボトル以外の荷物を背負子に括り付けているところだった。 
[ミズヒ沢にて]

 後沢乗越からの登りは、久々だったが、結構、すんなりと登っていけた。今日は、長丁場ということで、そんなに意識して速く歩いていないせいだろう。
 10:27、山頂手前の偽ピークに来ると、南側斜面にもかかわらず、土曜の夜に降った雪が目立ってきた。(写真下)
[雪が目立ってきた]

 10:33、鍋割山に到着。
 頂上には、10人程度の登山者が休憩中。
[鍋割山に到着]

 山頂の西側にて、富士山を望む。雲一つない青空に富士山というのは、眺めていてとても爽快な気分になれる。
[頂上からの富士山]

 南アルプスを望む。ちょうど赤石岳あたりは、陽が当たっていた。(写真下)
 よく見ると、塩見岳、北岳も見えていた。今年登った山々を眺め、しばし見入る。
[南アルプス赤石岳(左)と荒川三山(右) (望遠)]

 11:00、鍋割山を出発。眺めが良すぎて、だいぶ長居をしてしまった。出発する際、ストックを2本取り出し、チェーンスパイクを装着。
 鍋割峠方面への斜面を下っていくと、積雪量がさらに多くなった。北側斜面は、殆ど雪が解けていないようだ。前を行く他事鉄さんは、まるでスキーをしているかのようにさっさと下ってしまう。
[鍋割峠方面に下っていく]

 途中で、登山道を外れ、鍋割山北尾根ルートに入る。
 日陰になる部分が多く、相変わらず雪が多い。
[鍋割山北尾根を下っていく]

 鞍部から尾根筋に登り返したら、木の幹に赤ペンキで、「→ユーシン」の懐かしい文字を見る。ペンキが、だいぶ薄くなっており、初めて見た人には、「ユーシン」とは読めないのではないかと思えた。
 ここから右手の尾根筋を下っていく。
[赤ペンキ文字「→ユーシン」]

 尾根を下っていくことで、積雪量が減ってきた。
 だが、久しぶりに歩いているので、このルートが正しいかどうかは、分からず、前を行く他事鉄さん任せ。
[尾根を下っていく]

 12:08、右前方に塔ノ岳が見えた。
 この光景を見て、我々が正しいルートを歩いていることを確信。というのも以前、ここで塔ノ岳の姿を撮影したことを思い出したのだ。
[塔ノ岳(左奥)を望む]

 12:20、尾根の鞍部に到着。ここからは、左側のオガラ沢方面に下るのが本来のルートなのだが、経路がはっきりしていなかった。一方、前方の942mピークの右手を巻いていくような経路を発見。ということで、多少遠回りになるが、この右手を巻いていく経路を進んでいく。
 だが、この経路、途中で不明瞭となってしまった。まあ急斜面ではないので、適当に下れそうなルートを選んで進む。
 
12:27、尊仏ノ土平手前に降り立った。
 左右に経路が走っている。玄倉治水運搬路だ。玄倉方面に歩いていく。
[尊仏ノ土平手前に降り立つ]

 運搬路を通り、途中で、陽が照りつける暖かい所で、ランチタイムとした。
 食べている途中、左手の切り崩された斜面から、ポロポロと石が落ちてくる音を頻繁に聞く。どうやら、岩が脆く、風が当たると落ちてくるようだ。運搬路に土砂崩れが起こるのは、時間の問題のようで、食べ終えたら、即出発する。
[治山運搬路の途中でランチタイム]

 オガラ沢の前を通った後、運搬路が崩壊していた。ちょっと高巻くようにして通過。ということで、意外な所で時間を食うハメになった。
 13:25、熊木沢出合を通過。(写真下左)
 ここで、右折し、箒杉沢の方に下っていき、ハシゴを使って沢を越える。(写真下右)
[熊木沢出合にて右折] [箒杉沢を渡る]

 熊木沢を正面に見ながら、少し歩くと、弁当沢ノ頭への取付き点に到着。
 ここから、いよいよ尾根登りが始まる。
[弁当沢ノ頭への尾根に取り付く]

 植林帯の中、登山道を進むが、このルート、最近は、人が歩いていないようだ。
 登り始めて20分、経ったところで小休止。やはり、息が切れる。
 小休止後も、急登が続く。こんなに急登だったっけと自問自答。過去の記憶には、一切なかった。
[急登が続く]

 急登が終わり、緩やかになることで、弁当沢ノ頭に近づいたということが分かった。
 ここは、植林帯だったという記憶があるのだが、植林帯は、右手だけで、左手は、自然林だった。ちょうど自然林と植林帯の境界辺りを進んでいく。(写真下左)
 15:05、GPSから見て、この辺りが弁当沢ノ頭頂上だと他事鉄さんから知らされる。(写真下右)
 周囲がフラットなので、ここが頂上とは、なかなか思えない所だ。山頂標識を探してみたが、残念ながら、見つけることはできなかった。
[緩やかな斜面になり、植林帯が出現] [弁当沢ノ頭頂上あたり]

 さらに進むと、幅広の尾根に自然林が広がる。但し、右手には、植林帯が続いていた。
 左手のブナ等の大木や長くのびた木陰を撮影しながら、進んでいく。雪面には、動物の足跡はなく、我々のものしかなかった。
[フラットな尾根が続く]

 右後方に塔ノ岳を眺める。
 先程の鍋割山北尾根を下っていく途中で眺めた塔ノ岳、この弁当沢ノ頭の先から眺めた塔ノ岳と、今回は、珍しいアングルで撮影。
[右後方に塔ノ岳]

 左手を眺めると、ようやく臼ヶ岳の高さに近づいたことに気がつく。
 その右奥には、大室山が見えてきた。
[左に臼ヶ岳]

 16:08、標高1550mぐらいまで登ったが、まだ、蛭ヶ岳は高い。
 だが、蛭ヶ岳も夕日によって赤く染まってきた。この光景に遭遇し、山小屋への到着時刻が気になってきた。樹林帯が疎になった棚沢ノ頭直前で、携帯を取り出し、蛭ヶ岳山荘に連絡。幸い、どうにか電波が通じ、現在場所と予定よりも遅れて到着する旨を伝えることができた。
[左前方に蛭ヶ岳]

 16:24、ようやく棚沢ノ頭に到着。
 山頂標識のある道標を撮影したが、バックが樹林帯でないことにちょっとビックリ。
[棚沢ノ頭に到着]

 急いで、鬼ヶ岩ノ頭へと向かう。
 陽が沈む前に鬼ヶ岩のクサリのある岩場を下っておきたかった。
[蛭ヶ岳に近づいてきた]

 16:33、日が沈んでいく。
 棚沢ノ頭から鬼ヶ岩ノ頭に向かう鞍部にて撮影。
[富士山の裾野に陽が沈む]

 鬼ヶ岩のクサリ場では、どうにかライト無しで通過することが出来た。
 
17:18、蛭ヶ岳の登りの途中、西空が赤く染まる。(写真下)
 足下が暗くなってきたが、ラストスパートだという意識からか、登るスピードは速かった。
[陽が完全に沈む]

 17:36、蛭ヶ岳山荘に到着。
 山小屋スタッフの方に謝罪した後、他の宿泊登山者の方々(5名)の夕食時刻(17:30〜)も遅らせてしまい、到着早々、お詫びの挨拶となってしまった。
 夕食時、右膝の痛みが出てきた。膝を普通に曲げるだけでも膝裏の脹脛の付け根部分が痛くなる。座敷に座っての食事だったため、まともに座れない。左足は、胡坐のようにし、右足は伸ばした格好で、どうにか食事をとる。この痛みは、本当に変形性膝関節症なのかと思えた。
 夕食を終え、軽くアルコールを飲みながら、他の宿泊者の方々と談話した後、就寝となる。寝室は、入った瞬間、冷気を感じたが、ダウン上着やいろいろと着込むことでクリア。お蔭で、布団に入ったらすぐに寝てしまった。
[蛭ヶ岳山荘に到着]

<第2日>
 朝食を終え、7:00過ぎに山荘を出る。
 思わず、山頂付近で撮影タイム。
[山頂標識と富士山]

 陽が昇り始めた頃の棚沢ノ頭方面。
 東側の空には、雲が多かった。
[不動ノ峰・棚沢頭方面]

 7:15、頂上を出発する。ここから、檜洞丸までの縦走路を見渡すことができる。肉眼で見ると、何となく檜洞丸まで、近いような錯覚に陥る。
[檜洞丸に向かって出発]

 いきなり、雪だらけの急斜面となる。不慣れなダブルストック操作がかえって危なっかしい。どうも左手の筋力が弱く、力が入り過ぎてしまう。
 ....右膝は、まだそれほど痛みはない。
[急な下りが続く]

 なかなかクサリ場に到着しないなと思っていたら、ようやくクサリ場が見えた。
 クサリ場を通過後、霧氷に囲まれた中で、河原が広い熊木沢を見下ろす。
[熊木沢を見下ろす]

 蛭ヶ岳の下りが終わった所で、やはり右膝の痛みを感じ始めた。この先は、アップダウンの連続となるので、不安が隠せない。
 
ミカゲ沢ノ頭のピーク付近は、保護柵だらけで、山頂標識や道標を見つけることが出来なかった。
 その先で、ヘリで運搬されてきたプレハブ小屋や資材等が目に入る。(写真下) 昨日、やたらとヘリが蛭ヶ岳周辺を飛んでいたが、この資材運搬だったのかと思えた。なお、これらの資材は、登山道修繕用のようだ。
[ミカゲ沢ノ頭付近で資材を見る]

 ミカゲ沢ノ頭からの下りとなる。ほぼ一直線だ。(写真下)
 だが、近づいた筈の臼ヶ岳が、逆に遠く感じてしまった。
[臼ヶ岳への道]

 9:30、臼ヶ岳のベンチに到着。
 蛭ヶ岳頂上からここまでのコースタイムは、1時間10分だったが、実際は2時間以上、かかってしまった。やはり、雪の下り道、慣れないダブルストック操作と、右膝痛が原因のようだ。
 振り返って蛭ヶ岳を撮影。(写真下)
 蛭ヶ岳のピークには、薄いガスが南から北へとゆっくり流れていた。
[蛭ヶ岳を振り返る(臼ヶ岳から)]

 9:48、臼ヶ岳を出発。
 正面には、檜洞丸が見える。まだまだ距離があることを自覚する。目の前の臼ヶ岳からの下りは、長くて嫌らしい。下っていく途中、遥か下に神ノ川乗越が見え、1344m峰への登り返しに目を見張る。
[檜洞丸を望む]

 臼ヶ岳から標高差約200mを下り、神ノ川乗越から約90m登り返し、1344m峰頂上に到着。(10:45)
 さて、この1344m峰だが、YAMAPでは、ここを金山谷ノ頭と称している。一方、山と高原地図では、長年、金山谷ノ頭は、ユーシン沢と檜洞との間にある尾根北端にある1360m圏峰を指していたが、いつの間にか、金山谷ノ頭という表記が消えていた。
 やはり、1360m圏峰を金山谷ノ頭とするのは、位置的にちょっと無理があるのではと思ってしまう。確かに地理院地図をよく見ると、1360m圏峰は、東のユーシン沢から、西の乗越沢(檜洞の支流)から、北の金山谷から突き上げられている峰と見えるが、ちょっと説明に苦しくないだろうか。それとも金山谷から登っていくと、目立つピークなのだろうか。
 ....ということで、ここは、YAMAP説に一票。
[1344m峰頂上]

 11:20、金山谷乗越の手前にて、右手の視界が広がる。(写真下左)
 手前の風巻ノ頭には陽が当たっており、その奥の奥多摩方面も晴れているようだ。だが、頭上は、完璧な曇り空となっていて、足下は雪だらけで、顔に当たる空気は冷たい。
 
11:28、木の階段を下っていき、金山谷乗越を通過する。(写真下右)
[風巻ノ頭(中央)を望む] [金山谷乗越を通過]

 源蔵尾根分岐の手書き道標(「源蔵おね」と書かれてあった)を見た後、いよいよ檜洞丸への登りに入っていく。左手には、同角ノ頭が見えているが、曇り空ということもあり、パッとしない。
 12:26、振り返ると、蛭ヶ岳や臼ヶ岳が眺められるが、生憎、蛭ヶ岳頂上付近は、雲に覆われ、撮影する気にはなれなかった。
 12:34、黙々と檜洞丸斜面を登っていく。(写真下)
[檜洞丸への登り]

 12:56、檜洞丸頂上に到着。我々以外、誰もいない。ここで遅めのランチをとる。
 他事鉄さんと今後の下山ルートを相談。時間的に遅くなるのがミエミエだったので、今回は、ツツジ新道で下ることにした。
[檜洞丸頂上]

 食ベ終わる頃になると、今まで雲に隠れていた塔ノ岳が見えてきた。だが、蛭ヶ岳の頂上は、相変わらず厚い雲に覆われていた。
[塔ノ岳を展望]

 13:18、檜洞丸頂上を出発。17:00のバスまで、3時間40分あるので、余裕で下山できるだろう。
[木道を行く]

 ツツジ新道に入り、急な下りが続くようになると、予定外のペースダウン発生。右膝の痛みが、ここにきて、酷くなってしまった。今までの経験から、膝を捻って下るのがいけないと思い、サポーターを装着し、捻らないように下っていったのだが、捻っていないのに右膝が痛くなってきた。どうも単純に右膝を曲げるだけで痛みが走ることに気がついた。
 ....今までと、ちょっと様子が異なる。
 ということで、先行の他事鉄さんには、途中、何度も待ってもらう状況に陥ってしまった。
 14:56、展望台到着。ここは、以前、展望園地と呼んでいたのだが、道標には展望台と記されてあった。展望台という割には、富士山の手前に木の枝が、かなり伸びている。(写真下)
 さて、17:00のバスならば、余裕と思っていたのだが、ここまで、なんと1時間40分程度かかっていた。とにかく全力で下るしかないと覚悟を決め、15:06、出発。
[展望台にて富士山]

 16:13、ゴーラ沢出合に到着。展望台からのコースタイム40分の下りに対し、1時間7分かかっている。この先のコースタイムは、西丹沢ビジターセンターバス停まで40分。今の実績だと、1時間以上かかってしまい、17:00のバスは、絶対に乗れない。だが、ここから先は、殆どが水平道だ。
 水平道ならば、下りでないので右膝の痛みは、出てこない筈と思い、出発。
[ゴーラ沢出合]

 すると、予想した通り、水平道は、膝を極端に曲げないので、痛みが出てこなかった。このペースで行けば、コースタイムレベルで歩けるので、バスには、間に合うと思えてきた。
 しかし、世の中、そんなに甘くなく、最後の下りが待っていた。これを下れば、ツツジ新道入口に出るという最後の下りだ。この急な下りで、再びスローダウンとなってしまった。
 その結果、ツツジ新道入口に出たのが、16:52。
 ここから先は、水平な舗装路なので、なんとか間に合う!と思った。
 軽アイゼンを既に外している他事鉄さんには、先に行ってもらい、私は、ここで、チェーンスパイクを外しにかかる。だが、右膝が曲がらないので、チェーンスパイクになかなか手が届かない。痛みを堪えての作業で、大幅なタイムロス。私は、だいぶ後ろから追いかけるハメに。
 16:59、西丹沢ビジターセンター手前50mまで来た。ギリギリ間に合うかと、ハラハラしながら進んでいくと、他事鉄さんがセンター手前30mで待っていた。
 「あれ?」
 聞けば、バスは、17:05発との事。
 外に出ていたバスの運転手さんにも、「まだ時間はありますよ〜」と声を掛けられてしまった。
 ということで、トイレに行き、手を洗い、ストックを片付け、ザックからスマホを取り出す作業等を済ませ、余裕をもってバスに乗車できた。
 ....貴重な5分間だった。
 [西丹沢ビジターセンターに到着]


 今回は、弁当沢ノ頭訪問や蛭ヶ岳山荘宿泊等、目新しいイベントがあったのですが、右膝痛がネックとなってしまいました。
 気になりますのは、普通に右膝を曲げるだけで、右膝裏の脹脛の付け根に痛みが走ることです。
捻って曲げている訳でもないので、サポーター効果もありませんでした。これでは、今後の山行に支障が出そうです。まあ今後、いろいろと膝痛を調査してみたいと思っています。

 ご同行の他事鉄さん、いろいろとお世話になりました。どうか今後とも宜しくお願い致します。

 [新松田にて反省会....気がつけば、かなりの長時間飲んでいて大反省会となった



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。