トップページ山行リスト(日付)>向山ノ頭・女郎小屋ノ頭_記録20250225


向山ノ頭・女郎小屋ノ頭
 山行日
2025年2月25日(火) 晴 同行者:イガイガさん
 コース
玄倉(7:38)~(8:10)小川谷分岐点~(9:17)アッチ沢出合~(9:30)玄倉第2発電所~(9:42)アッチ沢出合~(12:29)向山ノ頭(13:04)~(13:26)裸山丸(13:29)~(13:52)モチコシノ頭(13:57)~(15:05)女郎小屋ノ頭(15:22)~(16:41)日向山~(18:12)女郎小屋沢出合(18:21)~(19:11)小川谷分岐点~(19:41)玄倉
 或る日ちょっとしたきっかけで丹沢ネット仲間のイガイガさんから連絡が入り、「お久しぶりです」と何年振りかに飲みました。その際、イガイガさんに向山ノ頭への同行をお願いしました。
 何で向山ノ頭なのかといいますと、山と高原地図「丹沢」には
、このエリア(通称:同角尾根と呼ばれています。注:同角山稜ではありません。)の山名が幾つか載っていますが、向山ノ頭だけ自己未踏峰となっていたためです。(大タル丸や女郎小屋ノ頭、裸山丸は何度か訪問しています) この度、イガイガさんからOKの回答を戴きましたので、この日、玄倉に向かいました。
 詳細は、以下をご覧下さい。


 小田急某駅に約束の時間に到着すると暗い中、イガイガ号が既に待っていた。すぐに乗車して出発。やがて朝日が昇り、松田付近のR246を走っていると正面に富士山が姿を現した。(写真下) これならば、今日の天気は問題ないようだ。
[富士山がクッキリ]

 R246を右折し、丹沢湖に向かう途中、新東名高速の橋梁工事を見上げる。(写真下) この上ない巨大な橋に圧倒される。
[新東名工事を見上げる]

 7:29、玄倉駐車場に到着。GPSをセットしたりと準備を終えて7:38出発。(写真下) ここは、まだ日が当たらず、日陰になっているため、身体が冷え込む。
[玄倉を出発]

 玄倉林道を歩き始めて30分が過ぎ、ようやく身体が温まってきたところで、左前方に石棚山が見えてきた。(写真下)
[石棚山(中央)の眺め]

 境隧道を抜けた後、8:51、左手に同角尾根が見えてきた。(写真下) 左から936m峰(ワナバノ頭)、大タル丸、女郎小屋ノ頭が見えている。但し、カシミール3Dで調べてみると、実際は、936m峰も大タル丸もピーク手前が見えているようだ。
[左:936m峰、中:大タル丸、右:女郎小屋ノ頭]

 新青崩隧道に突入する。以前の青崩隧道よりも長くなっている。イガイガさんがライトを照らしてくれるので容易に歩けるが、このトンネル、途中で左に曲がっているのでライト無しでは真っ暗となる。(写真下)...最低でもスマホを持っていないと修羅場となりそう。
[新青崩隧道]

 トンネルを抜けると覆道となった。左手には、大きくて立派なツララを発見。(写真下) ここは標高600mぐらいだが、ツララが出来るほど気温が下がるのかと思いながら撮影する。
[立派なツララを発見]

 続いて石崩隧道に突入。ここは、直線でかつ、短いので前方に明かりが入る。(写真下) だが、トンネル内は手掘りした内壁にそのままコンクリートを吹き付けたようで、ちょっと気味が悪い。
[石崩隧道]

 石崩隧道を出た後、少し進むと玄倉ダムが見えてきた。ここで楽しみにしていたのがユーシンブルーだ。だが、ダムの貯水量が極端に少ないのと、太陽光の加減がよくなく、深緑のような色だった。(写真下) 個人的には薄いターコイズブルーのような色の時が「おおっ!ユーシンブルーだ」と思ってしまう。
[本日のユーシンブルー]

 玄倉ダムから奥に進み、玄倉第2発電所の前まで来た。(写真下) 実は、この発電所の裏から向山ノ頭へのルートがないかと思い、立寄ってみたのだが、発電所入口にはゲートがあり進入禁止となっていたので、諦めて引き返す。
[玄倉第2発電所入口]

 玄倉ダムを通り過ぎ、石崩隧道出口直前まで戻る。ここはアッチ沢の出合となっていて、ここから玄倉川へ降りることができる。そして、玄倉川を渡った先には、向山ノ頭に続く尾根がのびている。ここは以前、イガイガさんが登ったルートで今回もこのルートを採用することにした。
 アッチ沢を下っていこうとしたら、既にイガイガさん、もうかなり下降していて、固定ロープを使って玄倉川に降り立つところだった。(写真下)
 追いつこうと下っていくが、いきなりロープ無しでは下れないような箇所が出てきた。持参したロープを取り出し下っていく。その後、イガイガさんと同じように固定ロープを使って玄倉川に降り立った。
...う~む。身のこなし方を見ていると、イガイガさんは、まだ現役の忍者だと認識。
[アッチ沢に戻って下降開始]

 玄倉川に水は流れておらず、対岸には簡単に渡れた。見上げると、向山ノ頭に続く尾根筋には、木の階段が造られてあった。(写真下左) いったい、いつの時代のものだろうか。相当年季が入っていて、もはや階段というよりハードルのようになっている。だが、固定ロープがあったので、これは楽勝と登っていく。
 すると、次に鉄ハシゴが現れた。(写真下右) ちょっと恐ろしいのは途中、斜めに傾いていることだ。これも相当古いと思えた。 
[向山ノ頭への取り付き] [鉄ハシゴが現れる]

 鉄ハシゴが終わると、固定ロープがあり、その上には電柱のような物が立っている。(写真下) ダム関連の設備なのかなと思えた。この先には、左に短い固定ロープがあったが、尾根筋に登っていくような経路らしいものは見当たらなかった。
[電柱のような物の下に来た。(振り返って撮影)]

 電柱のような物からは、とにかく尾根筋を直登するように進んでいくことにした。経路らしきものはなく、2本足歩行では無理な急斜面となる。(写真下) 腰を落とし、張り出した木の根を掴んで登っていく。
[2本足では登れない斜面]

 10:39、急斜面が続いた後、いくらか斜度が緩くなった。後ろを振り向くと、イガイガさんがGPSを覗いている。(写真下) 「ここの標高どのくらいですか」と聞くと、「700mぐらい」との回答。玄倉川で標高615mぐらいなので、まだ85mしか登っていないことがわかる。だが、スタミナ消費が半端ない。こんな調子で向山ノ頭まで行けるのだろうかと、一瞬不安が過った。
[GPSを覗くイガイガさん(振り返って撮影)]

 10:51、水分補給のために小休止。標高750mぐらいだ。最初のような急斜面は出てこないが、ずっと直登で進んでいるので足腰が疲れる。
 11:17、小ピークを通過する。(写真下) 地形図上での840m圏峰だ。地形図ではこの先、下りとなっている。
[840m圏峰]

 小ピークから下っていくとヤセ尾根になった。(写真下) 1/25000地形図上では、ヤセ尾根には描かれていない。むしろ幅広の尾根のように記載されている。この辺りが1/25000地形図の精度の限界なのだろう。
[ヤセ尾根を通過]

 11:53、再び小休止。ここでも水分補給。冬で、これだけ水を飲むのは久しぶりだ。相変わらず直登が続いている。ここは標高約920mで、向山ノ頭(約1080m)とは高度差160mとなった。しかし、前方は樹林帯しか見えないので、どこが頂上だかサッパリ分らない。
 12:00、出発してすぐ、右手に塔ノ岳方面の稜線を見る。(写真下)
[塔ノ岳(中央)を望む]

 12:12、左手に富士山が見えてきた。だが手前の樹林が邪魔で撮影する気にはなれなかったが、12:16、その樹林が消える箇所があったので、思わず富士山を撮影。(写真下)
[富士山の展望地を通過]

 12:29、ようやく登りが終わり、この先が平らになっていた。(写真下) GPSを見ていたイガイガさんから「向山ノ頭ですよ」と聞かされる。ここでザックを下し、周囲を歩きまわってみたが、山頂標識のような物は全く見当たらなかった。樹林に囲まれ、至って地味な山頂だ。とりあえずここで昼食タイムとした。
[向山ノ頭頂上]

 13:04、ゆっくり休憩した後、裸山丸に向かって出発。平らな頂上が細くなり、やがてヤセ尾根となった。(写真下)
[ヤセ尾根になる]

 ヤセ尾根を通過した後、裸山丸への登りとなる。ここは、急斜面だが幅広なので登り易い。そんな折、振り返って向山ノ頭方面を眺める。バックには檜岳山稜が連なり、その手前に向山ノ頭のピークが見えている。(写真下) 地形図上からは尖がったようなピークが想像できないのだが、実際の眺めは、鋭角なピークだ。
[向山ノ頭を振り返る]

 13:26、裸山丸頂上に到着。(写真下) ここでも山頂標識を探してみる。以前は、黄色のビニールテープ上に「裸山丸」と書かれたものがあったのだが、そのようなものは見当たらなかった。それどころかスズランテープや赤や黄色のビニールテープもない、自然のままの状態となっていた。
[裸山丸頂上]

 裸山丸を出発する際、尖がった山を見上げる。後日調べたら、案の定、同角ノ頭だった。
[同角ノ頭を見上げる]

 モチコシノ頭へ向かう途中、裸山丸の下りでイガイガさんがロープを取り出して進む。(写真下) 以前は、裸山丸~モチコシノ頭間でロープを取り出した記憶がなかったが、やはり時間が経ったことで斜面が荒れているようだ。
[裸山丸の下り]

 13:52、モチコシノ頭に到着。(写真下) 狭くて平らなピークだ。ここも山頂標識やビニールテープ等を見かけなかった。GPSのお蔭でビニールテープなどの現地マークが不要になったのだろうか。それとも訪問者が減ったということだろうか。
[モチコシノ頭頂上]

 モチコシノ頭からの下りにて前方のイガイガさんを撮影。(写真下) ここでもロープを取り出して下っていく。だが、ここもかつてロープを使用した記憶はなかった。やはり昔と違って立木が減ったり、道が崩れているのかもしれない。
...それに加齢により、自分自身の身体が硬くなっているのも要因の一つ
[モチコシノ頭からの下り]

 女郎小屋ノ頭との鞍部へ下っていく。(写真下) 急斜面だが、それ以上に嫌らしいのは、この辺りが白ザレの砂地になっていることだ。これが非常に滑りやすい。
[女郎小屋ノ頭との鞍部]

 鞍部から登り返して、15:05、女郎小屋ノ頭に到着。この頂上も今までの頂上と同じように山頂標識やビニールテープの類は見当たらない。樹林の向こうの山稜は、石棚山稜だと分かった。(写真下)
[女郎小屋ノ頭からの眺め]

 15:22、女郎小屋ノ頭から南尾根を下っていく。この南尾根は自然林だけで、かつ歩き易く、気持ちのいいベストなエリアだ。
...但し、後半は尾根が複雑で急斜面となり、避けるべき。
[女郎小屋ノ頭の南尾根を下る]

 先頭を行くイガイガさんが尾根の左寄りを下り始めた。(写真下) 分岐点を通過したようだ。南尾根から離れるこの分岐点、GPSがなかった頃は、ここから下っていくというのは非常に勇気のいることだった。踏跡はないし、分岐している尾根は、高度差70mを下ってみないと見えないのだ。
[途中で南東方向に下っていく]

 70m下の尾根に乗れば、その先は、かつて丹沢ネット仲間で「美尾根」と呼んでいた尾根となる。(写真下)
[美尾根を通過]

 美尾根が終わってしまうと急な下りとなり、日向山との鞍部に下っていく。鞍部にはモミの大木が1本、立っている。(写真下)
[鞍部にあるモミの大木を見下ろす]

 日向山に登り返した後、女郎小屋沢に向かって一気に下っていく。(写真下) しかし、ここでアクシデントが。イガイガさんは相変わらず忍者のようにスタスタ下っていけるのだが、私の両足が途中で極端に鈍くなってしまった。急斜面、落葉、ザックの重量、バランス感覚の低下、スタミナ不足、鍛錬不足、老眼などの様々な理由からリズムよく下っていけず、いちいち足場を確認しながら下るハメに。このため随分イガイガさんを待たせてしまった。
 いつの間にか周囲が暗くなっていき、途中でライトを取り出す。
[日向山からの下り]

 18:12、女郎小屋沢出合に出た。河原を歩いていき、水のない玄倉川を渡る。(写真下) 渡った所で小休止。白い岩に腰を下ろし、水分補給を行ない、指なし手袋を外す。
[玄倉川には水がなかった]

 最後の急斜面でノロノロとなってしまった両足だが、林道歩きでは全く問題ない。真っ暗な玄倉林道を一心不乱に歩くこと1時間20分。ようやく玄倉駐車場に到着。バス停先の自販機に向かい、冷たい飲料を買って一息つく。(写真下)
 [玄倉に到着]


 イガイガさん
 この度は、ご同行戴き有難うございました。向山ノ頭に登れて感無量です。ですが、最後に両足がガス欠状態になってしまい、ご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございませんでした。これに懲りず、今後とも宜しくお願い申し上げます。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。


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