トップページ山行リスト(日付)>伊勢沢ノ頭・玄倉ノ野_記録20250409


伊勢沢ノ頭・玄倉ノ野
 山行日
2025年4月9日(水)  晴       同行者:イガイガさん
 コース
玄倉(7:21)〜<旧道>〜(9:19)塔ノ平(9:29)〜<旧道>〜<秦野峠林道>〜(9:45)蕗平橋〜<秦野峠林道>〜(10:03)送電鉄塔(落合線No.32)〜(12:31)1086m峰〜(13:01)伊勢沢ノ頭(13:07)〜(13:47)山神峠(13:51)〜(13:52)送電鉄塔(落合線No.41)(13:55)〜(14:08)大ブナ(14:12)〜(15:08)玄倉ノ野(862m峰)(15:11)〜(15:24)856m峰(15:29)〜(16:16)玄倉八幡神社(16:21)〜(16:30)玄倉
 先月25日にイガイガさんと久々に女郎小屋ノ頭付近を訪問しましたが、今回はイガイガさんとの第2弾として玄倉ノ野を歩いてきました。これは、私が玄倉ノ野はまだ行ったことがないと話しましたところ、「では、次は玄倉ノ野ということで」とトントン拍子に話が進み、今日に至りました。 
 詳細は、以下をご覧下さい。


 イガイガ号に同乗させて戴き、前回同様、今回も玄倉に向かう。玄倉駐車場に着いた時、富士山と丹沢湖を撮影しようとしたら、思いがけなく湖畔の桜が満開だった。(写真下)
 さあ出発という時にイガイガさんが見知らぬ男性と話をされていた。どうやらイガイガさんのブログ読者の方のようだ。背格好と行先でイガイガさんと察知されたらしい。結果的に話が盛り上がり、出発は7:21となった。
[玄倉にて]

 いざ出発となり、秦野峠林道入口に進もうとしたら、イガイガさんからストップの声が。そんな高速道路のような道は止めて旧道を歩きましょうとの事。ということで、玄倉大橋を渡る。(写真下) この後、玄倉の集落エリアに入っていく。
...旧道と聞いてちょっと嫌な予感が。
[玄倉大橋を進む]

 考えてみたら、玄倉集落を歩く事は初めてだったので、キョロキョロしながら歩く。結構、民家が多い。茶畑などを見ながら舗装路を歩き続けると集落が終わり、Y字路に出た。右に下っていくルートは秦野峠林道に合流するのだが、ここは、イガイガさんの指示通り、左の登り坂を進む。やがて貯水槽のような所に出て林道は終わり、その先は、簡易なゲートがあった。(写真下) ここからが旧道の経路のようだ。
[経路に入る]

 意外にいい道だと思ったのも束の間、先頭を行くイガイガさんを撮影していたら、どう見ても経路不明な所を進んでいる。(写真下) おそらくイガイガさんは、水平に道があった筈という推測の下、進んでいるようだ。
[経路は不明瞭となる]

 だが、イガイガさん、突如、斜面を登り始めた。どう見ても経路ではない。だが、その理由が分かった。水平ルートは、斜面崩壊のコンクリート工事のため、遮断されていたのだ。(写真下)
[法枠工された斜面の上を行く]

 さらに進むと、殆ど経路は消えていた。歩き易い箇所を探しながら、ガレ沢を横断する。(写真下)
[ガレ沢を通過]

 すると、鉄の橋が突如、現れた。これで経路を外れることなく、歩いていることが分かったが、二つの橋のうち、手前の一つは完全に沢へ崩落していた。(写真下) 落石によるものだろうか。
[鉄の橋が現れる]

 水平歩行を続けると、足下の経路は消えてしまい、斜面となっているゾーンを通過。右は木のない急斜面だ。(写真下) だが、ここにはトラロ―プが設置してあった。
...もう完全にイガイガワールドの空間に入り込んでいる。
[トラロ―プあり]

 前方が開けてきて、塔ノ平という広場に出てきたことが分かった。
 9:19、塔ノ平で腰を下して小休止。振り返れば、富士山の真っ白な頂が見える。(写真下) 残念ながら斜面のミツマタはピークを過ぎており、黄色の花は、色が薄くなっていた。また、落合線の送電鉄塔群が目に入る。
 ここで水分補給するが、すでに結構、飲んでいる。初っ端からアドレナリンの出るルートだった。
[富士山を眺める(振り返って撮影)]

 9:29、塔ノ平を出発。この先で舗装路の秦野峠林道が合流している。秦野峠林道を歩こうとすると、林道歩きは遠回りですよとイガイガさんのコメント。地図を見ると確かに秦野峠林道は、大きく左にターンして玄倉に戻る様に延びている。そこで、林道と小菅沢の間に続いている未舗装の経路を進む。この経路は、今までと違って歩き易い。その後、途中で左の斜面を上って、秦野峠林道に出た。
 蕗平橋手前には、以前、山神峠への道標が左に立っていたのだが、今は登山道が崩壊して通行不可のため、道標自体が消えていた。
 9:45、トラス構造の蕗平橋を渡る。(写真下)
[蕗平橋を行く]

 秦野峠林道(何と歩き易い道!)を歩き続け、左手に送電鉄塔の階段を見つけた。そこを登っていく。すると、背後に富士山と丹沢湖が見えた。(写真下) 先ほど、小豆沢橋からも富士山は見えていたのだが、手前の木の枝がちょっと邪魔で構図的に不満だったのだが、ここはスッキリした光景が広がった。
[富士山の雄姿]

 10:03、送電鉄塔に到着。先ほどの塔ノ平から続いている送電線(落合線)だ。ここから1086m峰を目指す。
[送電鉄塔 落合線32]

 送電鉄塔の先から経路が続いているので、それに従って登っていく。(写真下) 植林帯の中、直登がなく、常にジグザグと緩い傾斜を登っていくので歩き易いルートだが、如何せん、その分、距離が長かった。
[経路を行く]

 やがて、経路は斜面を登っていかず、植林帯の中、いつまでも北東の方へ水平に進んでいく。(写真下) 流石にここまで水平なのは、おかしいということで、引き返すことに。その後、尾根筋が近づいてきたところで斜面を適当に登っていくとシカ柵にぶち当たった。だが、シカ柵には穴が開いていて、簡単に反対側に出られた。
[水平に進むだけ]

 シカ柵の外側は、自然林だった。(写真下) シカ柵に沿って、ほぼ直登で登っていく。このような斜面ならば、直登の方が効率がいい。
[シカ柵の反対側は自然林だった(振り返って撮影)]

 再び植林帯に突入し、ハアハアいいながら直登していくと、壊れたシカ柵に当たった。バラ線のない箇所を通過すると、なんと草原に出た。時計を見たら12時を回っていたのでランチタイムとした。(12:07〜12:28)
 12:28、出発する。(写真下) この先が1086m峰の筈だが、どこがピークか分からないまま進んでいく。
[ランチ後、出発する]

 12:31、登山道にぶつかり、左折して伊勢沢ノ頭に向かう。すると、目の前にシカが左から右へ横切った。「1、2、3、…」と頭数を数えていたら何と10頭のシカ集団だった。最後の1頭は今年生まれた子ジカのようで、体が一回り小さかった。
...そういえば、今年正月に表尾根で6頭の集団を見たことを思い出した。シカが最近増えているような気がする。
 12:40、伊勢沢ノ頭のピークが見えてきた。(写真下) まだ100m程度の高度差があり、気合を入れなければならない。
[伊勢沢ノ頭のピークを見上げる]

 13:01、伊勢沢ノ頭に到着。(写真下) 調べたら、2018年2月以来、7年振りの訪問だった。
[伊勢沢ノ頭にて]

 伊勢沢ノ頭から北側に続く尾根筋を下っていく。この尾根からは富士山の眺望が素晴らしいのだが、今日はすでに霞んでおり、おまけに富士山の頭は雲に覆われていた。
 その後、モノレールが出現。(写真下) モノレール沿いに下っていく。
[モノレール沿いに下っていく]

 西側にのびる支尾根に誘導されそうになるが、北側のモノレール沿いに下っていく。モノレールの終点を過ぎると、イガイガさんから「これは何でしょう?」と右手の角柱を指して質問あり。(写真下) 見てすぐピンときた。「百葉箱ですね。」以前、何でこんなところに百葉箱があるのだろうと不思議に思ったことの記憶が蘇った。
[1本の柱あり]

 13:47、山神峠に到着。(写真下左) 石段を上ると、水神様と山神様の祠がある。(写真下右) だが、もう祠の柱は限界のようだ。参拝して出発。
[山神峠] [水神と山神の祠]

 祠の後方を登っていき、送電鉄塔に到着。(写真下) 塔ノ平や1086m峰に取り付く時に見かけた落合線の鉄塔だ。
[送電鉄塔 落合線41]

 送電鉄塔下から蛭ヶ岳、不動ノ峰、丹沢山方面を望む。(写真下) 先ほどの富士山と違って、こちらは霞んでいたものの、稜線の眺めは得られた。
[北東側には、蛭ヶ岳、丹沢山が見えた]

 ここから、いよいよ本日の目的地である大ブナ・玄倉ノ野に向かう。まず大ブナを目指すために送電鉄塔奥の斜面を登ろうとするが、蟻地獄のような砂地で足が滑る。こんな地質だから蕗平橋〜山神峠の山道は崩壊したのかなと、ふと頭をよぎった。どうにか木の根を掴んで砂地を抜け出す。
 地質が変わり登り易くなったところで左手にシカ柵が現れる。(写真下) よく見るとこのシカ柵、化学繊維を使用していた。
...雄シカの頭蓋骨に遭遇しないことを祈りながら登る。
[大ブナへの登り]

 14:05、稜線に上った。地図通り、左の方が高いのでそちらに向かう。(写真下)
[大ブナの頂上方面を望む]

 14:08、大ブナの山頂らしき場所に到着。特に山頂標識のようなものは見つからなかった。イガイガさんは、大ブナの山頂には関心がないようで南西側斜面を既に下っている。(写真下) 驚いたことに大ブナは、植林帯の山ではなく、自然林の山だった。隣の玄倉ノ野が植林帯の山なので、てっきりここも植林帯とばかり思っていた。
[大ブナ頂上から南西へ下っていく]

 左手には伊勢沢ノ頭が聳えている。(写真下) いい眺めだな〜と思いながら、イガイガさんの後を追う。
[左手には伊勢沢ノ頭]

 落葉を踏みしめながら緩斜面を下っていき、ようやくイガイガさんに追いつく。(写真下) 正面には玄倉ノ野の丸いピークが見える。さらに進むと、いつの間にか林道に入っていた。落葉が一面積もっていてイガイガさんに指摘されるまで林道だと気がつかなかった。
[正面に玄倉ノ野の丸いピークが見える]

 落葉だらけの林道だったが、やがて落葉が消えて小石だらけの道となる。右手奥に石棚山稜が見えた。(写真下) 手前のエリアは前回歩いた女郎小屋ノ頭あたりの筈だが、どの山が見えているのかサッパリ分からない。
[右に石棚山稜を見る]

 林道といってもすでに廃道のようだ。落石が残ったままとなっており路肩が崩れている。先を行くイガイガさんの歩行が速い。(写真下)
[廃道状態の林道を下っていく]

 前方に鞍部が見えてきた。意外にも広場となっている。(写真下) どうやら広場が林道の終点のようだ。
[大ブナと玄倉ノ野の間の鞍部が見えてきた]

 鞍部から右手の斜面に取り付き、玄倉ノ野へ。(写真下) これが結構、疲れる。ここも右手に続くシカ柵は化学繊維だった。
[玄倉ノ野への登り]

 登り切ると前方は植林帯が広がった。(写真下)
[尾根筋を登りきる]

 15:08、GPSで確認すると、この右手方向(植林帯方面)が862m峰のようだ。(写真下) フラットな植林帯が広がっているだけでどこが山頂か分からない。だが、ここが玄倉ノ野かと、しばし眺め入る。
[862m峰方面を眺める]

 一旦少し下って、次のピーク856m峰に向かう。(写真下) 前方は植林帯オンリーだ。
[植林帯を少し下っていく]

 ここは経路を歩く分には歩き易いが、経路を外れると間伐された丸太がランダムに置かれ、この上なく歩き難い。GPSを見ると856m峰は完全に経路から外れていた。丸太を越えながら進み、ようやく856m峰に到着。だが、GPSの指す856m峰位置は、実際の最高地点でないようだ。後ろの方が高いように見えた。(写真下)
[856m峰あたり(振り返って撮影)]

 玄倉ノ野の二つのピークを訪問できたことに大満足しながら植林帯の中を進んでいく。 やがて経路は直線状の緩い下りとなる。 (写真下)
[植林帯での直線経路]

 経路が本格的な下りになっていくと、ミツマタ群落が左手斜面に現れた。(写真下)
[ミツマタの横を下っていく]

 ミツマタは殆どが開花ピークを過ぎていたが、たまたま経路近くに黄色いミツマタを発見し、思わず撮影。(写真下)
[黄色いミツマタを発見]

 下りに飽きてきた頃、玄倉神社の横に出てきた。ここで小休止。(写真下)
[玄倉八幡神社に出てきた]

 玄倉の集落を抜けて玄倉大橋を渡る。(写真下) 今回は明るいうちに玄倉に戻って来れた。
 イガイガさん、今回もご同行、誠に有難うございました。
 [玄倉に戻ってきた]


 今回、玄倉ノ野を初訪問しましたが、予想通りの光景でした。何となく遠見山から大杉山を歩いている気分でした。地形もよく似ていました。一方、新たな感動としては、大ブナの自然林が挙げられます。特に事前調査をしていなかったので、大ブナが自然林の山とは知らず、玄倉ノ野と同様、てっきりオール植林帯の山だと思っていました。今回、冬木立の中を歩き、久々に舞上がった気持ちになりました。ここは是非、紅葉の頃、訪れてみたいと思います。


※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。