トップページ他山域山行リスト>石老山_記録20120211


石老山

 山行日
2012年2月11日(土) 晴 同行者:NASさん
 コース
相模湖(8:02)〜(8:44)プレジャーフォレスト前(8:48)〜(9:06)箕石橋〜(9:42)大明神展望台(10:06)〜(10:09)大明神山(10:11)〜(10:45)篠原分岐点〜(10:49)石老山(11:34)〜(11:55)融合平見晴台(12:00)〜(12:26)顕鏡寺〜(13:00)石老山入口〜(13:07)プレジャーフォレスト前
 中央線沿線の山々ということで、今回は、石老山に向かいました。パートナーは、いつものNASさんです。(二人ともこの山は、初めてのコースでした)
 山と高原地図(高尾・陣馬)で確認しますと、ここには、大明神展望台、融合平見晴台という展望箇所があり、特に大明神展望台は、相模湖方面だけでなく、丹沢方面の視界も広がりそうな場所でしたので、どんな景観が待っているのか、非常に楽しみでした。そんな訳で、午前中の早いうちに大明神展望台に出たいと思い、反時計回りで、石老山に向かいました。
 詳細は、以下をご覧下さい


 相模湖駅で下車し、駅前広場に出た。振り返ると、駅舎に掲げてある駅名標に日が反射する。今日の天気は、問題なさそうだ。例によってバスは、やめて、駅から歩くことにした。
 「相模湖なんて、何年ぶりだろう。」
と、話すと、
 「昔、相模湖ピクニックランドに行ったことがあるなぁ。」
と、NASさん。
 そんな過去の記憶を思い出すような会話を交わしながら、相模湖へ続く下り道を行く。
 8:02、出発する。
[今日の出発点:相模湖駅]

 相模湖大橋から石老山方面を眺める。(写真下)
 石老山の稜線は、ギザギザ状だった。どうも小さなアップダウンが多そうな感じである。だが、NASさんは、別の見方をしていた。
 「植林が多そうだなぁ。」
 NASさんは、これからの季節が憂鬱らしい。私以上の花粉症持ちのようで、そのため2月〜4月は、登山を中断する年もあったと言う。

 正面には、嵐山が聳え立つ。この山のおかげで、歩いている車道には、全く日が当たらない。この結果、いつまで経っても身体が温まらない。NASさんは、珍しく耳当てをしていた。
[相模湖大橋から石老山方面を眺める]

 ようやく陽が当たるようになり、暑くなってきた。
 「暑い。脱ごう。」
と、二人して上着を脱ぎ始める。見れば、目の前にプレジャーフォレストのバス停があった。
 ここは、以前、「さがみ湖ピクニックランド」と言われたレジャーランドだったが、事業主が三井物産から富士急に変わり、「さがみ湖リゾートプレジャーフォレスト」という名前に変わったらしい。
 プレジャーフォレスト入口とは反対方向に進み、信号のある交差点を渡る。
[プレジャーフォレスト入口]

 山と高原地図(高尾・陣馬)を片手に持ち、コースを確認しながら進んでいく。
 中央線沿線の山歩きは、この地図だけが情報源だ。それゆえ、山頂の様子や、山頂からの眺めに対して、全く予備知識がない状態である。だが、これがとても楽しい。おかげで、百蔵山や陣馬山での展望は、本当に予想外だった。そんな訳で、今回の事前準備も、コースと時間だけをこの地図で確認しただけだ。
 住宅街を過ぎ、箕石橋という場所に到着。左にゲートのある林道が目に入った。山と高原地図によれば、ここで左折となっている。
 ということで、ゲートの横から林道に入る。
[いよいよ林道に入る]

 林道の周辺は、相模湖休養村キャンプ場のようで、バンガローのような小さな建屋が見える。林道を進んでいくと、林道自身は、左に折れていくが、登山道は、直進だった。(写真下)
 ちょっと道迷いしそうな場所だが、白い立札が正面に立っており、道標が右手にあった。この白い立札のおかげで迷わずに登山道に入れた。 
  ....実際のところ、右の道標は、全く目立たなかった。
[林道から離れて登山道へ(黄色の登山道ルートへ。赤は、林道)]

 結構、大きめの礫岩がゴロゴロしている中、登り道となり、ようやく登山らしくなってきた。だが、コンディションがいいのか、歩行ペースは、快調だ。
 NASさんが、先週、スノーシューを初体験したということで、その体験談について話しながら登っていく。NASさん曰く、スノーシューは、予想以上に急斜面でも使え、面白い道具だと結論づけていた。
  ....来シーズンは、スノーシュー利用の登山か。

 気がついたら、植林帯を抜けていた。
[岩が出てきた]

 前方に展望台のような設備が見えた。ここが、大明神展望台のようだ。道標は、あるものの、この場所を示すような標識が見つからなかった。まずは、ザックを下ろし、小休止とした。
 「おお〜!」
 二人して、その後、思わず絶句。まずは、丹沢方面を眺める。
 次に、西側の中央線沿線の山々を眺める。
 北側に目を向け、景信山方面を眺める。
 丹沢は、北側斜面ということもあり、残雪が多い。雪の量から見ると、遠く大菩薩嶺の山々と同じくらい白かった。だが、大菩薩嶺の山並みは、緩やかなイメージである。それに比べ、丹沢は、急峻な山域だという印象を受け、近いこともあり、全く迫力が違っていた。
[大明神展望台に到着]

 素晴らしい眺めだったねと、NASさんと話しながら、登り返すと、小ピークに到着。ここが大明神山というらしい。道標にその名があった。左手奥に赤い祠が見える。近づいて参拝。
 このピーク名は、山と高原地図に載っていない。山頂といえども、先ほどの展望台の方が眺望の面で勝っている。そんな訳で、ちょっと地味なピークだった。
[大明神山にて]

 相模湖大橋から見た通り、アップダウンが多い。だが、当然ながら、下りに比べて登りが長いので、高度は稼いでいる。ここでNASさんが、靴擦れを起こし、バンドエイド処置のために小休止。あたりは、植林だが、幸い、まだ花粉は、それほど飛んでいなかった。
[植林帯の登りが続く]

 植林帯の斜面を登っていくと、正面に小ピークが見えた。(写真下)
 石老山ピーク南西寄りの小ピークだろうか。展望台以降、視界の広がるような箇所がないので、とにかく歩き続けるだけだった。右手には、木立の間から丹沢の山並みが見えるのだが、如何せん、手前の樹林の密集度が高く、撮影する気にはならなかった。
 展望台からここまで、何人かの登山者とすれ違う。「この時間帯ですれ違うとなると、結構、朝早くから登山者が入っているね」と、NASさんと話す。
[正面のピークが山頂だろうか]

 階段が現れる。(写真下)
 直線状で、遥か先まで続いている。ちょっと気力が萎えるような道だった。だが、途中から凍結した階段となった。試しにコチコチに凍った雪の上に靴を載せてみると、ツルツル滑る。そんな訳で、緊張する分、飽きずに登っていけた。
[一直線の階段となる]

 10:45、右から山道が合流する。(写真下左)
 地図で現在位置を確認。すると、頂上は、すぐ先であることがわかった。
 「この先が山頂だ。意外と近かったね。」と話をしていると、これまた4、5人の登山者とすれ違う。
 頂上の手前で三角点を発見。(写真下右)
 何故か、ここの三角点は、頂上よりも、明らかに低い箇所に設置されてあった。
[篠原からの登山道と合流する] [三角点発見]

 10:49、石老山頂上に到着。
 頂上には、ベンチが結構、用意されてあり、そこに20人弱ぐらいの登山者が既に休憩中だった。こんなに人が居るのかと、いささかビックリ。
  ....意外に人気のある山だと知る。
 早速、空いていたベンチを1つ使用し、早めのランチタイムとし、湯を沸かす。この季節、やはり熱い飲み物が欲しくなる。周りで休憩している人たちも殆ど火器で湯を沸かしていた。
 食事が一段落し、丹沢方面をじっくりと眺める。この方向だけ、手前の樹木がなかった。先ほどの展望台よりも蛭ヶ岳や不動ノ峰の稜線がよく見える。だが、陽が高くなり、クリア度合が低下してしまった。
 何かが足りないな〜と思っていたら、富士山を見ていなかったことに気がついた。残念ながら、今日は、雲に隠れたままだった。
 昼が近づくにつれ、ますます登山者がやってきた。そんな訳で、予定より早めに出発することにした。(11:34)
[石老山からの丹沢の眺め] [石老山頂上にて(振り返って撮影)]

 顕鏡寺方面に下ることにする。
 いきなり、日陰でコチコチに凍結した階段を下るハメに。これは、ちょっとアイゼンが欲しいなと思いつつ、凍結していない箇所を探しながら通過した。
 その後は、日当りがいいために雪は残っておらず、快調に植林帯を下っていく。
 それにしても、若いカップルや、中年ご夫婦など、すれ違う登山者が多いこと。ちょうど、昼の時間に頂上で食事をとるようなタイミングで登ってきているようだ。
[植林帯を下っていく]

 11:55、山道から左折し、奥に進んだ所が、融合平見晴台だった。やはりというか、ここの展望は、相模湖方面だけだった。前回の陣馬山から相模湖に下った尾根は、どれだろう...など、眺め入る。 何枚かデジカメ撮影した後、引き返す。
 登山道に戻る際、地名としての「融合」とは、どういう意味だろうか、ちょっと考え込んでしまった。
[融合平見晴台にて]

 植林帯が続く。だが、こちらの植林帯は、稜線のそれと異なり、陽が射し込んで、結構明るいので、陰鬱な気分にならずに済んだ。
 山と高原地図(高尾・陣馬)によると、この先の顕鏡寺付近は、「奇岩の道」と朱書きされてあった。この「奇岩の道」とは、どんなところだろう。ちょっと興味をそそる名称だった
[日差しの入る植林帯]

 12:10、前方に小さな説明板のようなものが立っている。見れば、八方岩という岩の説明板だった。岩の上には、南東方面の視界が広がる。
 これが、奇岩の始まりかと思いつつ、下っていくと、試岩(大試岩と小試岩)というのがあり、その後、途轍もなく巨大な岩が左に現れた。(写真下)
 下には、赤い祠の神社が祀ってある。ここにも説明板があり、この大岩を擁護岩(別名:雷電岩)と呼ぶらしい。岩下の神社は、飯綱権現神社と言い、この神社をかかえて守るため、擁護岩と呼ばれるようだ。説明板によると、この岩が石老山で最も大きい岩で、高さ約22m、横幅約19mと記されてあった。
 その後、次から次へと、大岩が現れた。各説明板によれば、それぞれに吉野岩、鏡岩、子天狗岩、蓮華岩、大天狗岩などの名前がつけられてあり、それ以外にも文章が記され、全部読んでいると、結構、時間を費やしていた。だが、別段、急ぐこともないので、じっくりと説明文を読み、岩を観賞しながら下っていく。
[大岩が現れた]

 12:24、寺の境内に入った。
 左折すると、岩窟と名づけられた岩が屋根のようになった小屋があった。(写真下左) 説明板によれば、道志法師、源海法師が住居としたらしい。
 岩窟を通り過ぎ、先に進むと、本堂があった。ここが顕鏡寺のようだ。(写真下右) 参拝後、引き返すように歩く。
  ....帰宅後、この顕鏡寺には、大イチョウの木や樹齢400年以上という蛇木杉があることを知ったが、残念ながら、見ておらず。
[顕鏡寺にある岩窟] [顕鏡寺]

 顕鏡寺からさらに下っていくと、再び大岩が現れた。力試岩、文殊岩、駒立岩、仁王岩、屏風岩といった岩を見物しながら、下っていく。これだけの岩が続くのであれば、登りに使用しなくてよかったと思った。登りで、これらの岩見物をしていたら、相当、時間を喰っていただろう。その結果、展望台への到着は、遅れ、クリアな眺望は、期待できなかった筈だ。
[寺の先でも、大岩がまだ続く]

 奇岩エリアが終わると、前方に民家が見えてきた。
 12:42、幅広い道に出た。(写真下) 左手に大きな建屋を見ながら進んでいく。すぐに、この建屋が相模湖病院ということがわかった。
 12:45、広小路という説明板を発見。ここは、昔、顕鏡寺の総門があった場所とのこと。だが、今は、病院の入口のようなものだった。この先は、一般道路を下っていく。
 13:00、石老山入口バス停到着。バス時刻を見ると、13:37で、まだ40分弱の時間があった。ということで、駅に向かう方向に歩き出す。
[民家が見える道路に出た]

 次のバス停、プレジャーフォレスト前に到着。(13:07)
 ここは、午前中、通ったところだ。
 差し込んでくる日光は、冬とは思えないほど強く感じる。だいぶ暑くなってきた。ビールを売っているような店がないか探すと、目の前にカレー&コーヒー店を発見。(写真下左)
 確認すると、瓶ビールならありますよということで、即、注文。この結果、駅まで歩く気力がなくなり、NASさんとの山行で、初めてバスに乗ることになった。
  ....何よりも、ビール優先。

[バス停の奥にあったカレーハウス] [瓶ビールで乾杯]

 バスに乗車し、13:48、相模湖駅に到着。
 例によって、前回、日本酒を購入した店に向かう。今日は、濁り酒を購入し、NASさんとは、駅の外で再度、乾杯。
 その後、14:11発の高尾行きに乗車し、帰路についた。
  ....この電車は、前回の陣馬山と全く同じ電車だった。
 [バスで、相模湖駅に戻ってきた]


 石老山。素晴らしい山でした。この山歩きは、なかなか変化があって、面白く感じました。
 特に展望台あり、奇岩見物ありで、今までにない趣向の山行となりました。石老山に多くの登山者が訪れるのか、よくわかりました。今度訪れる時は、富士山を是非、眺めてみたいものです。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。