トップページ他山域山行リスト>扇山_記録20120512


扇山

 山行日
2012年5月12日(土) 晴 同行者:NASさん
 コース
鳥沢(8:28)〜(9:22)梨ノ木平(9:26)〜(10:16)稜線合流点〜(10:24)扇山(10:57)〜(11:09)鳥沢分岐点〜(11:19)犬目分岐点〜(11:35)君恋温泉分岐点〜(11:46)車道合流点〜(11:48)宝勝寺入口〜(11:54)サンメンバーズカントリークラブ〜(12:10)太田〜(12:36)太田峠〜(12:45)車道合流点〜(12:58)梁川
 今回は、中央線沿線の扇山を訪問しました。
 北アルプスなどに向かう際、特急「あずさ」の車窓から北側の山並を眺めていますと、とても存在感のある山が、鳥沢駅付近にて現れます。「あの山は、なんという山だろう」と思ったのが、この扇山でした。そんな憧憬の的だった扇山でしたが、本山行において、一番の核心部は、帰路でした。
 詳細は、以下をご覧下さい。


 今回もパートナーは、高校時代からの友人、NASさんである。
 鳥沢駅に8:22に到着。
 観光案内板の前に立ち、
 「今日は、ここから、こう行って、山頂へ...」
 と、今回のコースを二人で確認する。
 だが、NASさんと話しているとき、この案内板に別の印象を持った。この観光案内図には、猿橋などの観光スポット、温泉、小・中学校といった地図情報のほかに登山コース・時間などが、しっかりと明記されてあり、しかも、そのルートが正確に記載されてあるのだ。
   ....丹沢では、見たことがない。
[今日の出発点:鳥沢駅(駅前での観光案内板)]

 20号線を渡り、細い舗装路を登っていく。分岐路には、道標が立っており、道に迷うことはない。
 鳥沢駅前には、結構、登山者がいたのだが、この扇山ルートを登っていく人は、殆ど見かけない。   ....単独の女性一人だけ、途中で追い越した。
 「鳥沢駅前の登山者は、皆、倉岳山の方かな〜」なんて、NASさんと話しながら、舗装路をひたすら歩いていく。
 登り道が続いていたが、右手にゴルフ場のコースが見えてくると、なんと下り坂になった。
 「もったいない〜。」
と言いながら、梨ノ木平に向かう。
[扇山道標に従い、車道を進む]

 梨ノ木平の前までやってくると、ちょうど前方に富士急のバスが到着した。直ぐ右手がゴルフ場入口だったので、
  「ゴルフ場専用のバス?」
  「それにしては、停車位置がゴルフ場入口から離れている。」
そんな話をしていると、乗客が降りてきた。なんとその姿は、どう見ても登山者風。
 「あれっ、バスがあったのか?」と、二人してポカンと口を開けて、道を横断する登山者を眺めていた。どうやら、中央線の駅からこの梨ノ木平まで、臨時バスが出ているようだ。
  ....帰宅後、調べたら、鳥沢駅から出ていた。ショック!

 まあ、陣馬山、石老山の時のように、バスは、敢えて利用せず、歩ける場合は、歩いていくというのが、この中央線沿線の山でのポリシーなのだが、今回のようにバスが走っていないと思っていたところに、いきなりバスが現れたのは、いささかショックだった。
  ....反省(
NASさん、スミマセン)
[ん? 前方にバスが停車]

 左手の広場に上がれば、ベンチやトイレがあり、いかにも登山口という光景が広がっていた。
 それにしても、一気に登山者だらけの世界となってしまった。今までのアプローチがウソのようだ。
 登山口で観音様を参拝したり、その奉建誌を読んでいる間に、殆どの登山者が歩き始めていた。
 これは、出遅れてしまったと思い、慌てて出発する。(9:26)
[梨ノ木平登山口]

 山道に入ると、すぐに団体さん(20人ぐらいの列)に追いついてしまった。
 「これが嫌なんだ。」
と、NASさん。道を譲ってくれるのはありがたいが、列が長いので、小走りに進むと、息が切れてしまうのが辛いらしい。その団体さんを追い抜くと、人影が消えてしまった。
 植林帯の中だが、右下の沢から、せせらぎが聞こえてくる。左手は、自然林の新緑が眩しい。なかなか風流な歩きだ。
 やがて、山道の斜度がきつくなってきた。
 ハイドレで、水分補給。今日は、ハイドレーションを利用し、ザックを下ろさなくても水分補給できるような装備で登っている。
[ようやく山道へ]


 9:46、赤い祠を左上に見る。(写真下左)
 ここ、中央線沿線の祠は、赤く塗ってあるのが印象的だ。確か石老山で見た祠も赤かった。

 10:02、分岐点。(写真下右)右は、つつじ群生地と書かれてあった。(帰宅後、調べたら、この右のルートは、行き止まりではなく、そのまま下っていけることがわかった)
 NASさんとは、「今日、つつじ群生地は、パスしよう」と話し、左の扇山山頂方面に進んでいく。
[赤い祠] [分岐点あり(右:つつじ群生地)]

 植林帯は、途中で終了し、自然林の中の歩いていく。アカマツが目立ってきた。見上げると、稜線が近いことが分かる。NASさんのピッチが速い。
  ....二日酔いでないNASさんは、さすがに快足。

 10:16、稜線に出た。(写真下) たいした休憩も取らず、歩き始める。
 すぐ先に樹高のあるヤマザクラが満開だった。
  ....しかし、撮影した画像は、イマイチ。
[稜線に出た]

 稜線に上がってしまった後は、新緑に囲まれたプロムナードだ。
  「この山は、登りやすい山だね。」
と、話しながら、なんでそう思ったのか考えてみた。
  ・階段がない(段差がない)
  ・急登でも直登でなく、ジグザグ路
  ・地面が土で足に優しい
など、指を折る。
  「そのうち、トレイルランナーだらけにならないだろうか。」
と思ってしまった。
[山頂まで、あとわずか]

 前方が開けてきた。どうやら山頂のようだ。
 左手には、ここにもヤマザクラが花を咲かせており、既に10人以上の登山者が休憩中だった。
[山頂が見えてきた]

 10:24、扇山頂上到着。
 富士山は、あいにく雲で裾野の一部を見せるだけだった。この時季では、仕方がないかと諦めながら、富士山の左手手前に位置する御正体山を立ったまま、眺め入る。今回は、登りの途中から、この御正体山が、よく見えていたのだ。
 「早いけど、食事にしよう。」
と、シートを広げ、ランチタイムとした。
 凍らせておいたパイナップルの缶詰をまず食べる。すでにシャーベット状になっていたが、冷たさは、まだ十分あった。今日は、それほど強烈な暑さという訳ではなかったが、汗をかいた身体に冷えたフルーツは、嬉しい。

 その後、少し時をおいてパンを食べ、最後にNASさんからの差し入れであるデコポンを戴く。もう日帰りならば、火器を持参する気になれない。ホットな食べ物より、凍らせた食べ物が欲しくなる季節になったことで、時の流れを感じる。NASさんと歩き始めて、半年、経ったのだ。
  ....光陰矢の如し

[扇山頂上にて] [あいにく富士山は、見えず]

 頂上を出発。(10:57)
 東側に下っていく。こちらも新緑の木々が眩しい。ジグザグ路をどんどん下っていく
[東側へ下っていく]

 11:09、分岐点に到着。
 地図を取り出し、現在位置を確認する。道標によれば、右手は、[山谷・中野]と記され、鳥沢に下っていく分岐点だとわかった。ここは、左の[犬目・大野]と記された方向を選択する。
[鳥沢分岐点]

 11:19、2番目の分岐路に着いた。
 道標は、直進方向が[見晴台・新田・四方津]、右折方向が[県道・犬目]とある。ここは、右折する。周囲にヤマツツジが目立ってきた。(写真下) 新緑に朱色のヤマツツジが似合う。
[この辺り、ヤマツツジが満開]

 11:35、3度目の分岐点。
 道標は、直進[犬目・貯水池・四方津]とあり、右折は[不動・県道]とあった。君恋温泉は、右折方面だった。ここは、直進していく。
 すると、11:46、車道に出た。山と高原地図(高尾・陣馬)で確認すると、この車道に出る前に分岐点があった筈なのだが、見落としたようだ。
  ....別にNASさんと話に夢中になった訳ではないのだが

 ここで左折し、車道を歩いていく。
[車道に出た]

 途中、旧甲州街道の案内図の看板を見たり、このあたりが、犬目の宿場だったのかなと思いつつ、進んでいく。(写真下左)
 地図を片手に注意深く進む。右折ポイントを見逃さないためだ。
  「ここが右折ポイントでは?」
と、先頭を行くNASさんから声をかけられる。そこには、目立たない道標があった。(写真下右)
[旧甲州街道を進む] [道標]

 ゴルフ場コースを見ながら下っていく。ゴルフ場の先に見える濃緑の山は、倉岳山のようだ。やがて、中央高速の下をくぐる。
  「ここが右折地点だ。」
 道標が立っている。(写真下左)
 山と高原地図(高尾・陣馬)に記載されてある大田だ。すぐ先には、バス停があり、「太田」と書かれてあった。(写真下右)
 道標には、直進(実際は、左折となる)が、[大野貯水池・四方津方面]、右折が、[山道・恋塚方面]と記されてある。山と高原地図では、右折は、大田峠を越え、梁川に至るルートが書かれてある。
 だが、目の前の道標には、「恋塚」とあり、恋塚が、どこを指しているのか地図を見ても、わからず。
 「まあ、地図が示している梁川駅へのルートを行ってみよう。」
と、山と高原地図を信用して、右折する。
[太田での丁字路] [バス停あり]

 地図では、左折する方向に進むので、道なりに左折する方向(写真左の矢印)に進む。
[左折する(赤い矢印)]

 畑の横を登っていく。進路方向としては、間違いないのだが、道標もなく、何となく一抹の不安を感じる。
 その予感は、当たってしまった。
 左手に墓地を見た後、尾根筋に出たが、そこでルートを見失う。少なくとも、地図に載っているルートなのだから、登山道が消えることは無いだろうと判断し、引き返すことにした
[畑の横を登っていく]

 再び、先ほど左折した箇所に戻ってきた。(写真下)
 今度は、直進してみる。
 しかし、今度は、進路方向がおかしいことに気がついた。目の前に中央高速が見えてきたのだ。
  「これも違うな〜。でも左折するような箇所は途中、なかったね。」
 と、NASさんと確認して引き返し、またしても、先ほどの分岐点に戻る。
[再び分岐点に戻り、直進する]

 すると、最初左折した道路の5mぐらい手前にVターンして登っていく細い山道を発見した。(写真下) これが、正規ルートではないかと自信があった。これ以外に左折するルートが見つからなかったからだ。すると、すぐに手製の小さな道標「梁川方面」というのを発見した。
 「これだったね。」と、NASさんとニッタリ。
 「しかし、何で最初の太田で、道標に「梁川方面」という地名を出さないのだろう。」
 と、NASさんと話しをしていたが、その理由がすぐにわかった。
 道が不明瞭になったのだ。
 歩き慣れている人であれば、再びルートを発見できると思えるが、山歩きを始めたばかりの人には、ちょっと不安が募るような所だった。
[3度目の正直。正面に山道を発見]

 緩やかな登りの植林帯がほぼフラットになったところで、太田峠の看板を見つけた。(写真下)
 これで地図上のルート通りに歩いていることを確信する。ここから先で、さっきのように不明瞭な道にならないか不安だったが、これは、杞憂に終わった。
 下り道は、わかり易いルートだった。ササヤブは、キチンと刈ってあり、結構歩きやすい。また、途中、作業小屋のようなものがあり、その先からは、通常の登山道そのものだった。
[怪しい山道を進み、太田峠に到着]

 12:45、車道に出た。
 ここには、「大田⇒」の道標があったので、逆ルートで来た場合、この山道入口を見落とすことはないだろう。ここからは、ゆっくりと車道を下っていく。
 やがて、予想外の住宅街となって、ちょっとビックリ。
 [反対側の車道に出た]

 12:58、梁川駅下の売店で冷えた缶ビールを購入し、乾杯。
  「今日は、最後の帰路ルートが核心部だったね〜」
と、本日の山行をNASさんと振り返った。
[梁川駅に到着] [乾杯]


 扇山は、期待した通りの山でした。今度は、冬のシーズンに訪れ、真っ白な富士山を眺めてみたいと思いました。

 太田での道標が、梁川方面と記載していない理由がよくわかりました。
 ハイカーに対して、太田からは、車道を通り、大野貯水池経由で四方津駅に向かうことを暗に推奨している訳でした。
 今回の太田峠ルートは、山と高原地図上でも通常の赤色ルートで記載されてます。鳥沢駅前の案内図でも同様の表記でした。ですが、今回の経験で、通常の赤色ルートでも、現地の道標での方向を示す地名が異なる場合(今回は、恋塚というよくわからない地名でした)は、要注意ということをしっかり学習しました。

 注)
 「太田」という地名は、富士急のバス停名が、「太田」なので、それを採用しています。
 山と高原地図(高尾・陣馬)や、鳥沢駅前にある鳥沢駅周辺観光案内板では、ここの地名を「大田」と記しています。
 また、その先の「太田峠」も、現地での標識が「太田峠」と書かれてあった(後付けで「、」を加えたような感じでしたが)ので、ここでも「太田峠」と記しています。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。