トップページ他山域山行リスト>谷川岳・茂倉岳_記録20121005


谷川岳・茂倉岳

 山行日
2012年10月5日(金) 晴後曇 単独行
 コース
谷川岳ロープウェイ土合口駅(8:58)=<ロープウェイ>=(9:12)天神平(9:16)=<天神峠ペアリフト>=(9:23)天神峠(9:27)〜(10:01)熊穴沢避難小屋〜(11:02)谷川岳肩の小屋(11:13)〜(11:19)谷川岳トマノ耳(11:30)〜(11:46)谷川岳オキノ耳(12:20)〜(13:18)一ノ倉岳(13:20)〜(13:37)茂倉岳(13:41)〜(13:50)茂倉岳避難小屋〜(14:47)矢場ノ頭(14:58)〜(16:33)蓬峠分岐点〜(17:03)土樽
 以前から谷川岳に登ってみたいと思っていました。
 しかしながら、春は、まだ雪があり、真夏は、暑すぎ、紅葉シーズンでは、ロープウェイに乗るまで時間がかかり、谷川岳への登山道に長蛇の列ができると聞かされ、なかなか訪れる機会が得られませんでした。
 ところが、今年、10月5日(金)の平日が会社休日となり、これは、チャンス!と思い、急遽、行ってきました。
 紅葉には、まだ早かったのですが、山の風景を、しっかり堪能してきました。
 詳しくは、下記をご覧下さい。 


 東京6:08発、朝一番の新潟行き上越新幹線「MAXとき301号」に乗車。どういう訳か、この「MAXとき」は、上毛高原を通過してしまう。そのため、高崎で下車し、そこから在来線の各駅停車で水上に向かった。
 水上に着くまでの約1時間、睡眠タイムのつもりでいたのだが、久しぶりに乗る上越線のため、車窓からの風景を楽しんでしまい、結局、眠ることができなかった。
 ....ちょっと睡眠不足気味
 8:13、水上に到着。終点なので、乗客は、改札を出るグループと、連絡している長岡行きの各駅停車に乗り継ぐグループに分かれた。
 改札口を出て、谷川岳ロープウェイ土合口行きのバス乗り場に向かう。
 バスは、定刻通り、やってきて、8:25に出発。
 乗客は、平日にも関わらず、結構多く、座席がほぼ埋まるほどの乗車率で、殆ど登山姿の人達ばかりだ。

 ロープウェイ乗り場にて、登山届を書いて提出。
 その後、ロープウェイに乗車するが、次から次へと来るゴンドラのため、すぐに乗車できた。
 この間の日光白根山で乗ったロープウェイより、速度が遅く感じる。風があるためか、減速しているようだ。
 振り返れば、白毛門方面の山並みが見えてきた。(写真下)
 今日は、絶好の登山日和だが、楽しみにしていた谷川岳は、ガスが湧いており、下の山腹しか見えていなかった。
[谷川岳ロープウェイで標高を稼ぐ]

 ロープウェイから降りたら、ここは、もう天神平。標高1319m地点だ。
 思えば、この天神平は、約40年ぶりの訪問だ。だが、殆ど風景に関しては、記憶がない。
 雨の降る中、家族4人、ロープウェイから降りて、何やら建屋の中で休憩し、そこにダルマストーブが焚かれてあったことだけ、何故か今でも鮮明に覚えている。
 その建屋は、今のレストランの場所だろうか。時間があれば、立ち寄りたいところだったが、今日は先を急ぎ、そのままリフト乗り場に進む。

 ここ天神平から谷川岳を目指しても良かったのだが、せっかくなので、リフトで天神峠まで上がってみた。このほうが、最初が下りとなり、歩きやすいと思ったからだ。

 リフトの右手に広がる樹林の一部が、紅葉していたのでデジカメを取り出す。撮った後、わかったのだが、何故かここだけ紅葉していた。(写真下)
 上空の雲は、右から左へと流されていく。
 風が結構、強いようだ。
[続いてリフトに乗る]

 9:23、リフト下車。
 ここの駅名は、天神峠といい、標高1502m。素晴らしい光景が広がる。
 景色に見惚れてしまい、時が経つのを忘れそうだ。これは、イカンと、9:27、天神平を右下に見ながら、尾根筋に下っていく。(写真下)

 今日は、文句なしの絶好の天気なのだが、足元の山道は、濡れた箇所が見られる。どうやら昨日、雨が降ったようだ。
 今回、新品のトレランシューズを履いてきた。試しに岩の上に足を乗せてみると、物の見事に滑る。これは、まだ靴底が新しいためなのだろうか。とにかく、岩の上は、慎重に歩くことを認識した。 
[天神平を見下ろす]

 10:01、熊穴沢避難小屋の横を通過。
 ここから、本格的な登りとなり、ロープやクサリ場が現れる。右手後方を眺める。
 この辺りの登山は初めてなので、目に入る山々がとても新鮮だ。

 目の前には、登山者の列が続いている。平日でも、こんなに登ってくるということは、明日からの3連休は、相当な人出になりそうだ。

 進路方向の正面の尾根筋に紅葉が若干、見えてきた。(写真下)
[谷川岳方面は、少しだけ紅葉]

 登山道の周囲の木々が消えていく。
 ガスが濃くなってきた。
 階段状の登山道を進むが、歩いているにも関らず、寒気を感じてきた。だいぶ気温が下がっているようだ。
[ガスの中に突入する]

 傾斜が緩くなったかと思ったら、前方に小屋が見えた。
 最初、ここが肩の小屋だとは思えず、地図で確認してはじめて、肩の小屋だとわかった。
 というのも、こんなに近い筈がないという先入観があったためだ。

 小屋の西側に向かってみる。
  結局、小屋の中には入らず、出発することにした。
 笹原の中の登山道を進んでいく。傾斜は、緩く、登りやすい。
 途中、右手から西黒尾根からの登山道が合流する。
[小屋が突然、現れた]

 11:19、谷川岳のピークの一つ、トマノ耳に到着。
 トマノ耳の標識前で記念撮影し、小休止。次から次へと登山者が登ってくる。山頂標識は一箇所しかないので、記念撮影の待ち行列ができていた。

 そんな光景を眺めていると、ガスが切れてきた。
[谷川岳(トマノ耳)にて]

 続いてもう一方の谷川岳のピークであるオキノ耳に向かう。
 トマノ耳の標高は、1963m、オキノ耳は、1977mということで、これから向かうオキノ耳の方が、若干高い。
 それにしても天気の変化が激しい。日が照ると、明るい山頂となるのだが、一たび太陽が雲に隠れると、今にも雨が降ってくるのではないかと思えるほど、暗くなる。

 オキノ耳に11:46、到着。
 ここで、ランチタイムとし、食事をしていると、正面(西側)の光景が次第に変化してきた。
 今度は、左のトマノ耳方面に目を向ける。
 時計を見ると、12:20。だいぶ長居をしてしまった。
 ガスだらけと諦めていたのだが、意外に今日は、変化があり、すぐにカメラを取り出せるようにして粘っていたら、あっという間に時間が過ぎてしまった。
 ザックを背負い、北側の稜線を進む。
[オキノ耳に到着]

トマノ耳の頂上を過ぎると、たちまち喧騒の世界から、静寂な世界へと変化してしまった。
 あれほど目についた登山者の姿が、全く見えないのである。どうやら、登山者は、皆、谷川岳の頂上を目指したら、再び天神平に戻るか、西黒尾根を下って帰るようだ。
 私としては、今回、この先の「一ノ倉沢を上から眺める」ということを非常に楽しみにしていたのだ。

 前方には、紅葉の稜線が見える。(写真下左)
 そのうち、前方の一ノ倉岳が見えてきた。(写真下右)
 しかし、この姿が見えているのは、一瞬だった。すぐにガスが覆う。

 でも、右下の一ノ倉沢方面には、何故かガスがかかっていなかった。これならば、この先が楽しみだと思いながら、稜線を歩いていく。ほぼ平坦な歩きとなる。
 途中、平らな岩の上から右下を覗いてみる。また、振り返ってオキノ耳方面の斜面を眺める。
 
 ノゾキという小さな標識があった所で、単独の中年男性が休憩中だった。挨拶後、この先一ノ倉岳方面に向かう登山者がいたのか聞いてみたら、30分ぐらい前に一人向かったという。やはり、この先は、殆ど登山者は、いないようだ。
 時計を見たら12:58、オキノ耳から既に40分経っている。撮影に時間を費やしてしまった結果、だいぶコースタイムより遅れている。一ノ倉岳まで50分と地図にはあるが、残り10分で、あの一ノ倉岳の登りをこなすのは、ちょっと無理だ。

 この先のコースタイムが読めないので、ここは、ペースを上げていく。
 だが、さすがに一ノ倉岳の登りはキツイ。
 呼吸が激しくなると、不意に下ってくる登山者とすれ違う。単独の若い男性だった。反対側からこの時間に登ってくるというのは、どういったルートだろうと思いながら、後姿を見送る。すると、オキノ耳方面の光景が目に入った。
[一ノ倉岳に向かう] [ガスが切れ、一ノ倉岳が見えてきた]

 13:18、一ノ倉岳ピークに到着。
 小さなカマボコ型の避難小屋と道標があるだけの地味な山頂だ。(写真下)
 ガスに覆われ、全く四方は見えない。道標がないと間違った方向に行ってしまいそうだ。
 ここは、確実に方向を確かめ、中芝新道ではなく、茂倉岳へと進む。

 周囲は、ガスではっきりしないが、笹原の斜面だということがわかった。
 晴れていれば、遙か先まで笹原が続くのだろう。そんな風景が見られないのが、至極残念。
[一ノ倉岳ピークに到着]

 ガスの中、進んでいくと、道標が見えた。
 ここが、茂倉岳頂上だった。
 谷川岳トマノ耳が1963m、オキノ耳が1977m。一ノ倉岳が1974.2m。ここ茂倉岳は、1977.9mとある。今日の最高地点だ。
 ここも一ノ倉岳と同様、ガスに覆われてしまい、登頂の感動は、イマイチだった。
 地図で進路方向を確認し、尾根沿いの山道を進む。
 ここからは、茂倉新道を下って土樽に下るつもりだ。
[ガスの中、茂倉岳頂上に到着]

 茂倉岳から8分後、眼下に立派な避難小屋が見えてきた。

 13:50、避難小屋前に到着。地図(山と高原地図:谷川岳)を見ると、次の確認ポイントは、矢場ノ頭というピークで、茂倉岳から55分とある。ここまで9分ぐらいかかったので、残り40分ぐらいかと思い、歩き出す。
[避難小屋が見えてきた]

 尾根の下りとなるが、山道の幅が狭く、曲がりくねっており、ちょっと歩きにくい。また、左側の斜面に倒れたら、そのまま斜面を転げ落ちてしまう状況だった。
 そんな訳で歩行ペースが上がらない。

 一瞬、ガスが切れて前方の視界が広がった。

 14:21、小ピークに到着した。ここが矢場ノ頭?と思ったが、腕時計の高度計では1675mを表示しており、明らかに標高が違う。それに時間的にも早すぎるということで、地図で再確認すると、どうやらここは、1683m地点のようだ。矢場ノ頭までは、ここからまだ1kmぐらいある。
[ガスの中、紅葉した尾根を下る]

 14:47、矢場ノ頭に到着。ザックを下ろして小休止とした。(写真下)
 ちょうど日が差し込んできた。振り返ると、茂倉山方面は、まだガスの中に隠れている。標高が下がり、ガスの下に出たようだ。
 
 茂倉岳からここまでコースタイム55分のところ、1時間6分かかった。撮影しながら下ってきたが、それほど時間を喰った記憶はないので、ちょっと不思議な気分だ。
 この先、1時間40分で、蓬峠分岐点の丁字路に出るはずなのだが、本当に1時間40分で下り終えるか、不安になってきた。そんな訳で、早めに出発することにした。(14:58)
[矢場ノ頭にて]

 地図上では、「木の根が露出し歩きにくい」と記載があったが、まさにその通りだった。
 結構、木の根が張り出している箇所が続く。(写真下)

 いい加減、飽きた頃、ようやく歩きやすい山道となった。
 1時間40分で下れば、蓬峠分岐点の丁字路には、16時40分ぐらいになる。土樽駅には、そこからさらに25分かかるので、17時過ぎぐらいに到着する予定だ。この時間であれば、まだ日没前のはずだが、それでも、初めてのルートゆえ、自然と下るペースが速くなっていく。

 土樽駅での越後湯沢方面列車は、18:01があり、これに乗車予定なので、17時到着としても、まだ1時間程度の余裕がある。
 ちなみに土樽駅でのダイヤは、越後湯沢方面は、13:59の次が、18:01で、その次が20:53である。水上方面は、15:21の次が、18:11である。せめて2時間に1本あれば、土樽駅利用の登山者が多くなるのではないかと思うのだが。
[木の根が張り出している山道]

 ひたすら樹林帯の中を下っていく。途中、ブナが目立つエリアがあり、思わず立止まってしまったが、それ以外は、「とにかく下れ、下れ」である。

 左下の方から、何やら自動車の走行音が聞こえてくる。関越自動車道からの音のようだ。音が大きい⇒道路が近い⇒登山口が近いと、連想するのだが、なかなかどうして、下りが終わらない。そんな訳で、自動車音を聞きながら、下り続けるハメになった。
[自然林の中の下り道]

 16:22、山道が平坦になった。尾根下りが終わったようだ。
 前方に道標を発見。(写真下)
 思えば、道標は、茂倉岳頂上以来である。今、下ってきた山道の途中には、一つも道標がなかった。まあ、分岐点が、なかったので道に迷うことはないだろう。
 だが、このことは、間違ったルートに入ってしまうと、すぐには気がつかないという危険性が潜んでいるので要注意だ。

 すぐ先に同様な道標を見る。その道標には、タクシーのTELが記載された貼紙が掛けられてあった。携帯で呼べば、来てくれるのだろう。越後湯沢まで小型車で、約3,800円とある。今日は、急ぐ旅でもないし、歩けないほど疲れてはいないので、タクシーは、パスし、道なりに進んでいく。
 2,3分後には舗装路となり、16:33、橋を渡った先の丁字路が蓬峠分岐点だった。
[ようやく長い尾根下りが終了]

 時間的に余裕があったので、途中、「安全登山の広場」と言うベンチのある所で小休止したり、上越線の新清水トンネル入口などに寄り道したりして、土樽駅に到着。(17:03)

 駅の待合室では、既に単独の中年男性が電車を待っていた。着替えた後、その男性の方と話しをする。
  「今朝、同じ電車でしたね。見かけましたよ。」
 と言われてしまったが、こちらは、全く記憶がなかった。どうやら地元の方のようだ。今日は、この土樽から登り始め、土合に抜ける予定だったが、時間オーバーということで、引き返し、結局、茂倉新道を往復されたらしい。
 ここで、2つ質問してみた。
 Q)「茂倉岳から矢場ノ頭間のコースタイム55分は、本当でしょうか?」
 A)「これは、正直キツイですよ。もっと時間がかかると思います。」
 Q)「この山域は、道標が少ないような気がするのですが」
 A)「そうですね。確かに山頂と分岐点ぐらいしかありませんね。」
 やはり、思った通りの回答だった。
[土樽駅まで歩いた]

 18:01が近づいてきた。
 単独男性の方は、18:11発の水上行きに乗車ということで、先に失礼して、待合室を出た。
 ホームで一人、長岡行きの各駅停車を待つ。すでに日はどっぷりと暮れて、あたりは、真っ暗だった。
 今日、眺めた光景を思い出す。
 天神平、上州武尊山、トマノ耳、オキノ耳、一ノ倉沢、長かった茂倉新道...
 今回の山行は、とても印象深いものになったなぁと思いつつ、ホームに進入した電車に乗り込んだ。
 [土樽駅ホームにて]


今回の山行は、上述の通り、思い出深いものとなりました。
 紅葉シーズンには、早かったのですが、それでも所々、紅葉を見ることが出来ましたし、ガスの中から現れたオキノ耳や、一ノ倉沢の眺めなどは、クッキリと脳裏に焼きついています。

 上越の山では、道標は、最小限。ベンチも無し。(安全上のため、避難小屋は、幾つかありましたが)
 特に一ノ倉沢を見下ろす箇所などは、危険この上ない所ですが、別段ロープなど、何も設置されてませんでした。
 今回は、そんな自然のままの山をたっぷりと堪能してきました。
 また、別ルートで、この山域を歩いてみたいと思います。

 【注】
 土樽駅手前には、蓬橋というバス停(今回、その前を通過)があり、平日であれば、15:30発、16:27発、土・休日であれば、16:40発で、越後湯沢行きのバスがあります。なお、ダイヤに関しては、盆休み、年末年始等の例外がありますので、詳しくは、「南越後観光バス」のサイトでご確認下さい。




※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。