トップページ他山域山行リスト>四阿山・根子岳_記録20130803


四阿山・根子岳

 山行日
2013年8月3日(土) 晴 同行者:NASさん、TOTさん
 コース
菅平牧場管理事務所(8:55)〜(9:53)小四阿〜(10:25)中四阿(10:30)〜(11:31)四阿山(12:09)〜(13:02)鞍部(13:10)〜(13:52)根子岳(14:19)〜(15:31)菅平牧場管理事務所(15:43)〜(16:15)日帰り温泉(16:55)〜(17:05)菅平高原ダボス
 前回、日光白根山を登った、高校時代の仲間であるNASさん、TOTさんとの3人で、四阿山に登ってきました。天気に恵まれ、花も多く、温泉もあり、記憶に残る充実した山行でした。
 なお、私自身としては、ビックリ体験がありました。
 詳しくは、以下をご覧ください。


 朝一番の長野新幹線で、東京から一気に上田に向かう。始発駅だから、自由席でも座れないことはないだろうと、思っていたが、意外に乗客が多く、早めにホームで並んでおいて正解だった。
 上田駅からは、菅平高原行のバスに乗ってもいいのだが、その場合だと、菅平高原バス停から菅平牧場管理事務所(登山口)まで、舗装路の登りを1時間程度、歩かなくてはならない。
 そこで、今回は、3人ということもあり、上田駅から菅平牧場管理事務所まで、タクシーで行くことにした。

 駅前のタクシー乗り場にて、タクシーは、簡単に捕まえることができた。だが、最初は、信号が多く、頻繁に赤信号停車。後半は、道幅の狭い山間部の道で、タクシーの速度は、上がらない状況。
 菅平の街を通り抜け、菅平牧場に入るところで、入山料金を取られる。(1人:200円) 
 入場券を見ると、この登山コースの場合、牧場内を通過することになるためらしい。

 8:47、ようやく菅平牧場管理事務所(登山口)に到着。車が入れるのは、ここまでだ。
 タクシー代は、9,720円だった。
[牧場管理事務所前の駐車場] [登山口の標識]

 この登山口からは、根子岳、四阿山の両方に行けるが、我々は、まず四阿山に行くことにした。反時計回りで、根子岳経由でここに戻ってくる計画だ。
 8:55、登山口を出発する。
[牧場内の舗装路を行く]

 上空には、雲が多いが、すぐに天気が崩れるようには、見えなかった。
 「いい天気だね〜」
 そんな会話が飛び出す。
 日差しは、強く感じるが、気温は、それほど高くない。おかげで、汗の量は、それほどでもない。
 左折し、牧場横の登山道に入る。近くには、放牧された牛の群れが見える。長閑な光景だ。
 登山道となってからは、樹林帯の中を進む。
 やがて、大明神沢を渡り、道は、沢の下流方向に戻るように続いていた。
[大明神沢を渡る]

 山道の左右は、自然林とササが茂っている。前方を歩く二人から少し遅れて歩いている(これは、カメラ撮影のためでもある)と、ふと右側に何か気配を感じた。

 「ワー! クマ!」
 山道から右側約5m離れた、ササが茂っている所で、クマが、倒木の上から首から上だけを見せていた。そこで、モロに目と目が合ってしまった。
 だが、クマの方も驚いたようで、すぐに身体をターンさせ、後方に走り去っていった。
 今まで、イノシシ、カモシカ等は、見かけたことはあるが、クマには遭遇したことがなかった。今回、初めての経験である。そんな訳で、実際、自分が遭遇したら、どういうパニック状態になるかと興味があったが、やはりと言うか、思いっきり、叫んでしまった。
 クマ自体は、犬を一回り以上、大きくしたような体形で、真っ黒、それと動きが素早かったという印象が残った。

 「どうした。」
と、前の二人が、振り向く。
 「クマが出た。」
と、話すが、それほど驚く様子もない二人。やはり、実際に見た人間とそうでない人間の差だろう。 
 その後、歩いていると、クマと目と目が合った時の情景を思い起こす。なかなか興奮が止まず、他の事が考えられなくなっていた。

 そんな折、樹林帯の登りが続いていたが、突然、視界が広がる場所に出た。南東方面から南側の風景が見渡せる。
 浅間山方面は、山稜にガスがかかり、どこが浅間山か、はっきりしなかったが、目の前に広がる緑の樹林帯が美しい。
 ....ようやくクマのことが脳裏から消えていった。

 少し進んでいくと、道標があり、ここが小四阿(1917m)だと知る。この標識の書き方で、ここが小四阿だとは、ちょっとわかりにくい。ダボス牧場の別名のように見える。そんな訳で、ここが小四阿と断定できたのは、次の中四阿を通過した時、同じような道標を見たときだった。
[小四阿にて] [菅平方面(振り返って撮影)]

 この辺りは、高山植物の花が多く、ますます前の二人と距離が開いてしまう。
 左手に鎮座する草原状の山肌の根子岳は、最初、くっきり見えていたのだが、そのうちガスが湧いてきて、ピーク周辺は、見えなくなってしまった。まるでガスが生き物のように見える。

 ケルンのある尾根筋を進むと、二つの岩稜ピークが見えてきた。奥のピークが、中四阿のピークかなと思う。
 その二つのピークを右から巻いた直後、左手に道標を発見。ここで、ダボス牧場(中四阿)と書かれてあり、ここが中四阿だとわかった。四阿山までは、1.7kmとある。
 意外に近いなと思う反面、この先、下りになり、鞍部を通過後、四阿山の斜面を登り返すというのが見えているので、決して楽な行程ではないのが予想される。
[二つの岩稜ピークを右から巻いていく]

 せっかく登ったのにと、TOTさんが呟きながら下っていく。
 だが、幸いなことにそれほど下ってしまう訳ではなかった。すぐ鞍部に到着した。
 登り返しの樹林帯の中、2番目に歩くTOTさん(3人の中で、一番体格がいい)の足取りが遅くなってきた。途中で、何度となく、立ち止まっている。やはり、この登りは、キツそうだ。
[四阿山への登り]

 樹林帯の急な登りは、標高差100mちょっとで終了し、右手に四阿高原への分岐路を見る。(11:00)
 ここまで登ると、樹林帯が開け、緩斜面となり、非常に歩き易くなった。
[緩やかな登りとなる]

 11:10、左から根子岳からの登山道が合流する。
 ここは、草地があり、腰を下ろすには、最適な場所だ。四阿山頂上には、ここから往復することになるが、昼飯を頂上で食べようということで、ザックは、背負っていくことにした。
 
ただ残念なことに山頂に近づいたら、ますますガスが出てきてしまい、前方の四阿山のピークは、完全に見えなくなってしまった。
 ここまで来ると、すれ違う登山者の数が倍増する。こんなにすれ違うということは、山頂にどれだけ人がいるのか、気になってしまった。
[頂上手前の木道階段]

 11:31、ついに四阿山頂上に到着。
 予想以上に狭い頂上だ。そこに数えてみたら、50人以上の登山者が休憩中だった。
 我々は、奥の方でザックを下ろす。
 早速、ランチタイムとした。周囲は、相変わらずガスで何も見えない。晴れていれば、浅間山方面や北アルプス方面も見えるのだろう。

 二人が食後、休憩している間、私は、散歩がてら、奥の三角点を訪問することにした。ここは、山頂に三角点がなく、三角点は、奥の稜線上に設置されている。
 頂上の奥に進むと、意外なことに鎖場が出てきた。さらに驚いたのは、その鎖場を続々と登山者が登ってきたことだ。奥から来るということは、浦倉山の方から登ってくる訳で、四阿山の場合、結構、登山者は、いろいろなコースから登ってくるようだ。
[四阿山頂上は、登山者多数] [三角点まで散歩]

 12:09、頂上を出発する。
 来た道を引き返し、先ほどの分岐点まで戻った。ここで、水分補給のため、腰を下ろして小休止。山頂よりも、ここの方が、弁当を広げるには、より適した場所のような気がする。
 だが、相変わらず、ガスのため、何も見えないのが残念だ。

 12:25、分岐点を後にする。ここからは、先ほど登ってきた道を左に見て、直進していく。すぐに急な下りとなった。何故か土や岩が濡れており、慎重に下っていく。
 この下りを見て、根子岳から四阿山への逆コースでなくてよかったと、NASさん。この登りは、確かにキツイだろう。
[根子岳へ向かう四阿山の下り]

 急な下りの途中で5分休憩した後、13:02、鞍部に到達した。(写真下)
 今までの樹林帯がウソのようにこれからは、草原状の斜面となるのがわかる。
 「四阿山は、あれほどの樹林帯なのに、根子岳は草原状というのは、不思議だね〜」と、目の前の草原を登っていく二人の山ガールの姿を見ながら、二人が話していた。
 ....だが、後ほど、山ガールでなかったことが判明。
[根子岳と四阿山の鞍部にて]

 草原状の斜面の登りは、楽しい。何度も振り返って、四阿山を望む。だが、四阿山のピーク付近には、ガスが立ち込め、なかなか全容を見せてくれなかった。
 途中の岩場のピークを2か所、通過し、最後の岩場のピークに到着。ここは、下の鞍部からは、根子岳のピークのように見えた場所だ。
 ここで振り返って、四阿山を眺める。

 進路方向を見れば、根子岳頂上の祠が見えた。頂上までは、もう少しと思ったが、ここから岩場となり、状況が一変した。ちょっと緊張しながら岩場を通過する。
 岩場を通過して、やれやれと思ったら、左下がガレ場である尾根筋を通過する。ここも1箇所、緊張する所があった。その後、マルバダケブキが咲く斜面を上がれば、根子岳頂上だった。(写真下左)

 根子岳頂上。
 ここは、私にとって、33年振りの訪問となった。
 最初に登った時も高校時代の仲間2人と一緒だった。今回のメンバーとは別のメンバーだが、皆、知っている仲だ。あの時も、快晴の8月で、頂上の祠の前で記念撮影した記憶がある。
 だが、何で登った山が根子岳だったのだろう。それが未だによく分からない。
 まあ、そんなことは、どうでもいいこと。
 最初の友人2人、今回の2人、ともに高校卒業後、毎年、年末に一緒に集まって飲む仲間である。考えてみたら、年末の飲み会は、もう30年以上、続いている。良き仲間を持ったと思う。
 そんな思いを懐きながら、3人で記念撮影。(写真下右)

 ここまで来れば、後は、下るだけだ。そんな訳でゆっくりと休憩する。
 登山者が続々とやってくる。人気の山なのが、よくわかる。
[根子岳頂上] [3人で記念撮影]

 14:19、頂上を出発する。すぐに[菅平高原ダボス・峰の原高原]方面への右折路を見るが、直進し、菅平牧場を目指す。小石が多く、ちょっと歩きにくい。
 正面には、緑に囲まれた菅平の町並みが広がっている。しばし、立ち止まっては、雄大な眺めを堪能する。
[菅平牧場に下っていく]

 いい加減、下りに飽きてきた頃、東屋が現れた。
 二人は、東屋の日陰を求めて小休止。
 ガスが切れて、ここからは、菅平の町並の左奥に標高のある高原状の山並みが見えた。調べてみると、美ヶ原方面の山々のようだ。
[途中、東屋で小休止。後方は、根子岳(振り返って撮影)]

 15:31、再び登山口に戻ってきた。
 入口の案内板を見ていたら、左端にしっかり熊出没注意の看板が立っていた。出発時は、全く気がつかなかったが、信州の山ならば、どこでもいるだろうということを改めて認識する。

 この後、TOTさんが、ソフトクリームが食べたいということで、3人で小さな建屋の休憩所に立ち寄る。お蔭で、私は、そこで、ソフトクリーム以外に登山記念バッジを購入することができた。
 ....考えてみたら、今回の山には、山小屋が全くなかった。
[再び登山口に戻ってきた] [熊出没注意の看板あり]

 ここからは、ひたすら舗装路を下っていくことになる。
 途中、200円徴収された牧場入口を通過するが、朝の券を見せて問題なし。
[菅平高原バス停に向かって歩く]

 牧場から出ると、すぐ右手が、ラグビー場だった。高校生だろうか。ラグビーの試合が行われ、この強い西日を浴びながら、グランドの中を走り回っている。

 
一直線路を終え、ホテルやゴルフ場のクラブハウスなどの建屋が現れてきた。だが、芝のグランドも多い。ここでもラグビーの試合をしていた。ラグビーは、テレビ観戦しか経験がないが、こうやってグランド横から眺めていると、グランド上の選手は、大声を出しているのがよく分かった。
[周囲は、ラグビー場が多い]

 日帰り入浴の看板が出ていたホテルに立ち寄る。
 ....ここに日帰り温泉があるのは、事前にネットで調査済み。

 フロントの女性から、今は、空いていますが、そのうち合宿中のラグビー選手が帰ってくるかもしれませんと言われ、少々慌てる。
 毎年、草津の湯に通うという自称温泉評論家のNASさんとしては、ここの湯は、ほのかなイオウの匂い(臭いではない)があり、如何にも温泉ということで、評価大だった。幸い、湯から上がるまでラグビー選手は、来なかったので、風呂場は、3人で独占状態。最後に山帰りのグループが入れ替わりに7,8人やってきただけで、タイミングとしては、最高の時間帯だった。
 風呂上がりには、恒例の缶ビールで乾杯する。
[日帰り温泉に立ち寄る]

 汗を流し、サッパリした身体で、バス停に向かう。
 西日が、弱くなると、涼しい風が吹いてきて、さすが高原の避暑地だと感じる。
 バス停までは、わずか10分程度の歩きだが、その間、小学生のサッカー合宿、高校生・大学生?テニスの合宿、そしてラグビー(高校・大学)の合宿、それに珍しく野球部(高校?)の合宿も見かけ、普段、見られない光景を楽しむ。

 17:25発の上田行のバスに乗車。バスの乗客は、我々3人と、他に登山者2人だけだった。
 ビールの酔いが回ってきたようで、車中では、3人ともウトウトしていた。
 [菅平高原バス停で上田行のバスを待つ]


 今回は、天気や、高山植物の花にも恵まれ、非常に快適な登山を楽しめました。
 個人的には、33年ぶりの根子岳訪問と、クマ遭遇が一番印象に残っています。
 NASさん、TOTさん、ご同行ありがとうございました。
 さて、次はどこの山にしましょうか。



 今回、出会った花の一部
[マツムシソウ] [ヤナギラン] [ハクサンオミナエシ]
[ミネウスユキソウ] [マルバダケブキ] [ヤマハハコ]



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。