トップページ他山域山行リスト>八ヶ岳_記録20130921


八ヶ岳(赤岳・横岳・硫黄岳)

 山行日
2013年9月21日(土)・22日(日) 同行者:NASさん
 コース
9/21:美濃戸口(11:14)〜(11:57)美濃戸(12:18)〜(13:16)林道終点〜(14:30)赤岳鉱泉(テント泊)
9/22:赤岳鉱泉(5:06)〜(5:38)行者小屋(5:51)〜<文三郎道>〜(7:30)赤岳(8:03)〜(8:32)赤岳天望荘(8:43)〜(10:01)横岳〜(10:38)硫黄岳山荘(10:46)〜(11:06)硫黄岳(11:08)〜(12:18)赤岳鉱泉(13:11)〜(13:59)林道終点(14:05)〜(14:36)美濃戸(14:40)〜(15:21)美濃戸口
 今回は、NASさんと、テント山行を計画しました。テントを背負って、キャンプサイトに向かい、その後は軽量ザックで、頂上をアタックという登山を実行してみたかったからです。具体的な山域として、どこがいいだろうと思案しました結果、八ヶ岳とし、2日目は、赤岳・横岳・硫黄岳の縦走としました。この三山の縦走は、私にとって、37年ぶりの縦走です。そんな訳で、以前の記憶と比べながら縦走するという楽しみも増えました。
 詳細は、以下をご覧ください。

<第1日>
 新宿8:00発のスーパーあずさ5号の指定席は、山行計画を決めたときには、3連休初日ということで、すでに満席だった。このため、始発駅である新宿駅ホームの自由席乗り口に7:20から並ぶ。40分前から並ぶことで、座席を無事、確保することに成功。
 八王子を過ぎて、小仏トンネルを抜けると、度々訪れた中央線沿線の山々が見えてくる。
 いい天気だ。こんな快晴の日に山に行けるとは。それだけで嬉しさが込み上げてくる。

 10:08、定刻より少し遅れて、茅野到着。茅野下車は、5年前の赤岳・権現岳縦走以来だ。
 美濃戸口行きのバス乗り場の前には、既に20人ぐらいの長い行列が出来ていたが、座席に座れ、定刻10:25出発。
 11:03、美濃戸口着。
 登山計画書を提出し、登山スタート。
 美濃戸への林道入口には、乗用車進入禁止の看板が出ていた。もう既に奥の美濃戸駐車場が、満杯のようだ。それで、この周辺に駐車した車が多かったのかと納得。
[美濃戸口にて]

 上空は、青空が広がっている。今年、NASさんとの山行では、晴れが続いている。四阿山、西穂高岳など。今回も絶好の登山日和だ。
 
....NASさんは、自称「晴れ男」
 9月下旬ということで、少しは、涼しくなっているかと思ったが、それほどでもない。日陰は、少し涼しさを感じるが、日なたは、もう暑いだけである。

 3連休ということもあり、前後には、登山者が多い。(写真左下)
 今回は、テント山行と いうことで、二人とも70リットルのザックを背負っている。テント山行は、普段と違って、背中のザックの重さが気になるが、今回は、このザックが背負って歩けるかどうかの確認も、重要ポイントの一つだ。

 11:57、美濃戸に到着。食料は、十分持っているのだが、店入口のメニューを見たら、きのこそばが食べたくなり、店内で昼食をとることにした。この先は、まだ長い。ゆっくり休憩し、12:18出発。
 今回、赤岳鉱泉を幕営地としたのは、行者小屋のテントサイトは、3連休初日ということで、かなりの混雑が予想されること、二人とも行者小屋は、行ったことがあるが、赤岳鉱泉は行ったことがなかったという理由による。
 そんな訳で、美濃戸の分岐点(柳川北沢と南沢)で、赤岳鉱泉方面の北沢へ進む。(写真下右)

 緩やかな林道が続くが、ここで、だいぶ登山者数が減った事に気がつく。やはり、行者小屋に向かうパーティが多いということだろう。予想通りだ。
[美濃戸に向かう] [赤岳鉱泉へ向かう]

 13:16、上流に堰堤が見えたところで、左岸に渡る。ここから幅広の林道から登山道に変わった。
 登山道は、沢沿いに続いている。
 13:34、右岸の桟道を歩いていると、青空の下に硫黄岳稜線が見えてきた。(写真下) 

 13:54、沢を右岸に渡る時、大同心が視界に飛び込んできた。八ヶ岳に来たという実感が湧いてくる。
 14:25、前方にテント場が見えてきて、山小屋が近いことが分かった。
 南沢の行者小屋ルートと比べると、こちらの北沢ルートの方が歩き易いと感じたのは、NASさんも同様だった。後で調べたら、行者小屋の標高は、約2350m、赤岳鉱泉は、約2220mなので、標高の面から見ると、確かに赤岳鉱泉の方が、歩き易いようだ。
 これは、結果的にテント山行のザックを背負って歩いた我々にとって、ラッキーだった。
[硫黄岳稜線が見えてきた]

 14:30、赤岳鉱泉に到着。
 幕営の使用料として、一人1000円、計2000円を山小屋に支払う。
 テントを張った後、再び山小屋の前に戻り、NASさんと生ビールで乾杯。ザックから取り出したつまみ(今回、ザックが大きかったこともあり、いろいろと持ってきた)を食べながら、2杯目は、缶ビールと、飲み続ける。
赤岳鉱泉に到着(奥に赤岳が見える)] [山荘のテーブルで、乾杯]

 明るいうちにテントに戻り、夕食の準備に入る。
 アルファ米を使用して、ハヤシライスとした。隣のNASさんは、カレーだ。最近のアルファ米は、普通の米と比べても、全く味に遜色がない。ただ作り方は、未だ我流である。
 ....学生時代のアルファ米は、不味かった記憶有。

 夕食後、明日のサブザックのパッキングの準備をしていると、横岳に夕日が染まってきた。思わず、テントから出て、大同心をデジカメ撮影。そういえば、5年前も行者小屋から夕日に染まる赤岳を眺めたことを思い出した。
 
 時刻は、まだ18:30だが、就寝タイムとした。こんなに早く眠れるかと思ったが、本日の運動量、アルコール摂取等で、すぐに眠りに陥った。
[テント場から大同心・小同心] [夕食は、ハヤシライス]

<第2日>
 4:20、起床。
 まだ辺りは、真っ暗だが、普通、テント場であれば、もうゴソゴソと活動してもおかしくない時間だ。
だが、周囲のテントに動きがない。NASさんとは、「珍しいね。こんな時間なのにテント場が静かなのは。」と話をしながら、朝食用のパンをかじる。

 5:06、赤岳鉱泉を出発。
 ヘッドランプを着用する。背中のサブザックには、雨具と食料、水程度しかないので、昨日とは、格段の違いだ。おかげで、昨日とは、歩行ペースがだいぶ違う。
 中山乗越を越える頃には、だいぶ明るくなってきた。この乗越を越えるとき、せっかく登ったのに下るのは、もったいないと思っていたが、それほど下ることなく、行者小屋に到着。(5:38)
 やはり、テントの数は、こちらの方が多かった。山小屋前のベンチにて、靴の紐を締め直したり、帽子を取出したり、これからの急登に対し準備を行う。
 5:51、出発。5年前と同様、文三郎尾根を登り、赤岳を目指す。
[行者小屋に到着(奥に阿弥陀岳)]

 6:13、鉄の階段が現れた。昨日に続き、今日もNASさんの調子がよさそうだ。ペースを落とすことなく、階段上りをこなしていく。
 ....西穂高の時とは、まるで別人。

 6:30、息を整えるついでに振り返ると、蓼科山や、北アルプスが姿を現し、槍ヶ岳がすぐに同定できた。やはり、目立つ山だなぁと思う。
 6:47、中岳の頂上に人がいるのが見えたので、思わずデジカメ撮影。

 6:52、中岳・阿弥陀岳との分岐点に到着。ここで、登ってきた斜面の反対側に位置する南アルプスや権現岳を今回も、くっきりと眺めることができた。
 八ヶ岳は、蓼科山を含めて、今回で5回目だが、全て好天気だ。どうやら八ヶ岳とは、天気の面で相性がいいようだ。
 分岐点から少し登ったところで、南アルプス方面をデジカメ撮影する。
[文三郎尾根を行く]

 赤岳頂上近くになると、下山者とのすれ違いが多くなってきた。そのため、クサリ場などで渋滞が始まる。だが、ここでは、景色を眺めていると、時間が経つのも忘れてしまう。おかげで、待ち時間は、全く苦にならなかった。

 権現岳方面との分岐点を過ぎれば、今度は、東側の眺望が広がる。
 待望の富士山を眺めることができた。
 この文三郎尾根ルートは、一度に山々が見える訳ではなく、最初は、蓼科山と遠方の北アルプス、そして近くの南アルプス、最後に富士山と、眺める山々の順番と言い、演出は、抜群である。
[赤岳の岩場を登る(振り返って撮影)]

 7:30、赤岳頂上に到着。案の定、登山者ラッシュだった。特に山頂標識周りは、次から次へと記念撮影が続く。ふと気がつくと、皆が皆、ニコニコしている。頂上を極めた達成感が顔に表れている。
 我々も、記念撮影を実行。
 最後にNASさんのスマホでも撮影してあげると、NASさん、「赤岳なう。」と、2010年に流行したフレーズで、画像付メールを送信していた。
[山頂光景(振り返って撮影)]

 ゆっくり頂上で休憩した後、8:03、赤岳頂上山荘前を出発する。
 ここから北上して、横岳、硫黄岳への縦走を目指す。
 赤岳の下りでも、登りの時と同様、登山者とのすれ違いのため、結構、時間がかかってしまった。
[横岳へと下る]

 赤岳天望荘にて小休止。(8:32〜8:43)
 ここから先、横岳のクサリ場が待っている。そんな訳で、カステラやパンを食べ、腹ごしらえ。
 食べ終わったところで出発する。

 いよいよ岩場でのクサリ場、ハシゴの連続となる。
 このクサリ場やハシゴを初めて通ったのは、37年前。その前年に初めて登山らしい登山をしたのが、富士山であり、翌年、第2弾として父に連れてこられたのが、この赤岳・横岳・硫黄岳だった。当時は、岩場に対し、全くの予備知識もなく、いきなりクサリ場が現れ、手を放したら、転落してしまうではないかと、ビックリしたことを今でも覚えている。

 だが、今回、通ってみて、それほど恐ろしい箇所とは、思わなかった。山慣れしてしまったこともあるが、37年前は、今ほど整備されていなかったのではないかと思われる。
 だが、横岳(奥ノ院)頂上を通過後、西側のクサリ場のトラバースは、今回も緊張した。(写真下右) ここは、足が滑ったら、本当に転落するような場所だった。
[鉄ハシゴを下る] [クサリ場のトラバース]

 10:16、今までの岩場が終了し、歩き易い登山道に変わった。
 左には、大同心のピークが見え、よく見ると、その頂上に2人の登山者が休憩中だった。
[大同心のピークに登山者2名]

 10:38、硫黄岳山荘にて小休止。目の前に台座ノ頭の平らな斜面が広がる。先ほどの横岳の岩場とは、対照的な斜面だ。これだけ地形が変わるのも珍しい。
 小屋の前には、30人以上の人が休憩中だった。ここで、ペットボトル1本を購入し、水分補給。
 8分休憩した後、出発する。

 この先は、硫黄岳への緩やかな登りだ。道迷い防止のため、ケルンが所々、立っている。
[硫黄岳へ向かう]

 11:06、硫黄岳頂上の標識のあるところにて記念撮影。三角点は、別の箇所にあり、ちょっと離れているので、今回は、パスした。北側の天狗岳方面の山々を眺めた後、下山開始。

 赤岩の頭手前で赤岳鉱泉方面に下っていく。
[赤岳(左)と阿弥陀岳を眺めた後、赤岳鉱泉へ下る]

 樹林帯に入ると、遠景は、全く見えなくなってしまった。
 ジグザグに下っていくが、傾斜が変わらず、単調な繰り返しとなるので、非常に長く感じる。
 11:49、ようやくジグザグの下りが終了し、ここからは、尾根筋に下っていくような山道となった。

 やがて沢音が聞こえ始め、だいぶ下ってきたことを認識する。
 12:09、ジョウゴ沢を渡る。
 ここからは、緩やかな斜面となり、赤岳鉱泉は、もうすぐだ。
[樹林帯に入れば、我慢の下りが続く]

 12:18、赤岳鉱泉に戻ってきた。
 テントを撤収する。上空が曇り始め、何やら雨が降ってきそうな天気となった。今日は、昨日ほど天気が安定していないようだ。
 13:11、赤岳鉱泉をスタート。
 食料や水の面から軽くなっているのだが、それでもやはり、ザックが重く感じる。
[再びテント場に戻ってきた(手前の黄色が我がテント)]

 来た道を引き返すが、行きと違って、林道歩きが長く感じる。
 14:36、美濃戸に到着。このペースで行けば、16:30のバスには、十分間に合うので、ここでゆっくり休憩しようと思ったのだが、NASさんから、とにかく美濃戸口まで一気に行こうと言われ、水を飲むだけの小休止となった。
[美濃戸を通過(NASさん撮影)]

 15:21、美濃戸口バス停に到着。
 バスの発車まで、まだ1時間以上余裕があった。
 NASさんが、目の前の山荘で、風呂があることを発見。店の人に尋ねると、混んではいないとの事。そんな訳で一風呂浴びることにした。その後は、お決まりの生ビールで乾杯。
 美濃戸で休まなかった分、ここで風呂に入れることができたのは、ラッキーだった。

 16:30の最終バスは、増便され、2台で出発することになり、車内は、混むことなくゆったり座って茅野に向かった。
 [美濃戸口に到着]


 今回は、何といっても天気が良かったことが最高でした。
 文中でも書きましたが、八ヶ岳の天気とは、相性がいいようです。
 眺めた山は、北アルプス、御嶽山、中央アルプス、南アルプス、富士山、奥秩父など、多岐にわたります。
 そして、下山後の思わぬ入浴。サッパリした身体での生ビール。最高のひと時でした。

 さて、37年前と比べると、横岳は、だいぶ歩き易くなったと思いました。ですが、今でも登山を初めて間もない人が、横岳を縦走したら、やはり、恐怖感を味わうことになるでしょう。今回、新たに恐ろしいと感じたのは、鉄ハシゴのステップが細く感じ、全体重を片足にかけたら折れてしまうのではないかということでした。やはり、メタボには、メタボの恐怖が付きまとう訳であります。

 また、今回の目的であるテント山行は、70リットルザックでも、そこそこ歩けることが分かりました。混雑する山小屋を回避し、テントを麓に張り、ザックを軽量化してピーク登山するのは、結構、効率的です。今後、このパターンの山行も実践していきたいと思っています。




※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。