トップページ他山域山行リスト>前穂高岳北尾根・奥穂高岳_記録20150813


前穂高岳北尾根・奥穂高岳

 山行日
2015年8月13日(木)〜16日(日) 同行者:NASさん、Bさん
 コース
8/13:上高地バスターミナル(5:46)〜(6:48)明神(6:56)〜(7:50)徳沢(7:59)〜(8:57)横尾(9:31)〜(10:38)本谷橋(11:03)〜(13:14)涸沢ヒュッテ(13:20)〜(13:23)涸沢テント場(泊)
8/14:涸沢テント場(泊)
8/15:涸沢テント場(1:30)〜(1:32)涸沢ヒュッテ(2:46)〜(4:36)5・6のコル(4:49)〜(5:23)5峰〜(6:41)4峰(6:43)〜(?)3峰〜(11:09)2峰〜(11:33)前穂高岳(12:17)〜(12:56)紀美子平〜(14:34)奥穂高岳(14:43)〜(15:18)穂高岳山荘(16:17)〜(18:09)涸沢小屋(18:55)〜(19:00)涸沢テント場(泊)
8/16:涸沢テント場(9:04)〜(10:12)本谷橋(10:22)〜(11:25)横尾(11:50)〜(12:53)徳沢(13:29)〜(14:23)明神(14:46)〜(15:42)上高地バスターミナル
 このところ、盆休みは、西穂・奥穂縦走を計画実行しておりましたが、昨年は、雨で西穂山荘まで、一昨年は、NASさん体調不良で西穂山荘から西穂まで、3年前は、反対側の奥穂から天狗のコルでエスケープと、なかなか完遂できないため、今年は、趣向を変え、前穂北尾根としました。
 今年の盆休みも、昨年同様、天候不良でしたが、今回は、粘って予備日を使用したところ、最後の2日間だけ、好天に恵まれました。
 詳細は、以下をご覧ください。


<第1日>
 今回のメンバーは、NASさん、Bさん、花立小僧の3人。NASさんは、花立小僧の高校時代の友人。Bさんは、NASさんの大学時代のクラブOB仲間である。お二人とは、今年、丹沢での岩トレや、妙義山(相馬岳)山行で、同行させてもらっている。
 盆休みということで、山小屋の混雑が予想されるため、テント山行とし、涸沢をベースとして、北尾根を登り、奥穂経由で涸沢に戻ってくる計画を立てた。

 出発は、8/12、Bさんの車で、22:00前に沢渡駐車場に到着。ここで仮眠して、8/13早朝、タクシーで上高地に入った。
 上高地は、早朝にもかかわらず、大勢の登山者で混雑していた。シャトルバスが到着し始めた頃だったようだ。
 「しかし、ついてませんね〜。沢渡では、雨が降っていなかったのに。」
 沢渡では曇り空だったのだが、残念ながら、ここでは、もう雨が降っていたのだ。

 5:46、登山届を提出して、出発する。
[上高地バスターミナルにて(5:22)]

 今日は、当然のことながら、ザックが大きくて、重い。
 ロープやハーネス、カラビナなどの登攀用具やテント、火器、シュラフ、防寒ウェア等で、70リットルザックが膨れている。
 河童橋の前で、雨具の下部を着用し、傘を差しながら、歩いていく。(写真下)

 横尾で小休止。これからの山道を考慮し、雨具の上部も着込んで、傘を折りたたんだ。
[傘を差しながら歩く] [横尾にて小休止]

 横尾から本谷橋までは、それほど長く感じなかったが、本谷橋からの先が長く感じ、途中、休み休みしながら、どうにか涸沢ヒュッテへ到着。(13:14)
 ....既にヘロヘロ。

 ヒュッテで確認すると、テント場の受付は、13:30からテント場傍にある事務所で受け付けるということで、そちらに向かう。
 テント場の事務所にて、受付用紙に記入するが、用紙が濡れてしまい、再度書き直す。雨の日は、何もかも面倒な状況だ。
 どうにか受付終了し、テント場で設営。(写真下)
 張ったテントの背後は、雪渓となっている。今年は、まだ雪渓がだいぶ残っており、テント場が狭い。(その後、幕営スペースがなくなり、雪上にテントを張り始めたパーティが出てきた)

 明日が早いため、さっさと就寝しようと、ヒュッテのトイレに向かうと、背後から声をかける人が。
 なんと、元職場が一緒だった知人YSさん(今年のGWにて箱根明神ヶ岳を一緒に登った)だった。YSさんもテント泊(単独)ということで、聞けば、我々から50mぐらい手前の箇所で、設営されていた。
 ....いや〜、ビックリ。
[涸沢テント場で設営]

<第2日>
 本来は、1:00起床と言っていたが、1:00時点では、雨がザーザー降りで、風も強く、出発は延期となった。
 5:00、そのままテントで寝ていると、目の前が水没していることに気がつく。
 これは、テント下に板(テント場でレンタルされていた)を敷いていたが、これが、テントのグランドシート部より、全体的に小さかったので、テントのグランドシートの四方に溝ができ、そこにフライの下から風とともに雨が入り込み、水が溜まったと分かった。(その後、テント横の雪渓が解けて、テント内に水が入ったことも分かった)
 ちょうど枕元に昨日の夕方、NASさんが食べたカップヌードルの空き容器があったので、急遽、それを使って、水を外にくみ出す。
 ....この経験以来、カップヌードルの器を見ると、水没したテントを思い出すようになった。

 7:30、テントから出ると、雨は止み、曇り状態となった。
 今から北尾根に向かうパーティを2組見かける。その後、YSさんから、奥穂に行ってきますとの挨拶を受け、その後姿を見送る。
 午前中、薄日が差す時間帯もあったので、濡れたシュラフを干したりして過ごす。我々にとって、今日は、完全休養日となった。

 夕方、涸沢岳の上に青空が見え、夕日が照り出してきた。明日は、天気予報通り、晴天が望めそうだ。その後、YSさんのテントを訪問すると、無事、奥穂頂上に立てたとの事。但し、ガスの中で何も見えなかったようだ。
[時々、薄日が差してくるので、シュラフを干す]

<第3日>
 1:30に荷物を持って、テント場を離れようとしたとき、ヘッドライトを点けたYSさんと出会う。聞けば、今日は、北穂から涸沢岳を回り、ご来光を北穂あたりで見たいので、今から出発しますとの事。
 「お気をつけて」
と、YSさんとの挨拶を終えた後、我々は、反対側の涸沢ヒュッテのテーブルに向かう。幸い、テーブルが空いていたので、コソコソと朝食の準備と装備のチェックを開始。どこで必要になるか分からないので、スタート時点から登攀用具やハーネスを装着することにした。
 朝食後、2:46、ヒュッテを静かに出発。
[涸沢ヒュッテのテーブルにて準備]

 雪渓に下り立つ直前で、アイゼンを装着する。
 ....だが、ワンタッチ式でないので、結構、面倒。

 目の前には、大雪渓が広がる。雪は、まだ固めで、アイゼンの効きがいい。
 途中、左手に折れて、5・6のコルに繋がる、雪渓のある沢を登っていかなくてはならないのだが、暗かったということもあり、ちょっと行き過ぎてしまった。(結果的に左岸を登る羽目になった)
 振り返ると、後ろからライトが3つ、4つと続いている。同じように北尾根を目指すパーティが幾つか、やってきたようだ。だが、彼らは、沢の右岸寄りを登っていった。最短距離でコルに向かっている訳で、あっさり追い抜かれてしまった。
 ....進むスピードも滅法速かった。

 我々も、途中で、左岸から雪渓を慎重にトラバース(正確には、斜めに登る)し、右岸にルートをとった。
 ....暗いからスリル感がなかったが、明るかったら、ビビッていたかも。

 その後も、アキレス腱が伸びるような急登が続く。涸沢テント場から、5・6のコルまで、460mぐらい標高差があるのだが、薄暗い中ゆえ、意外にも短く感じた。
[雪渓を歩き始める]

 4:36、5・6のコルにようやく到着。
 風が強くなり、頬が冷たくなる。じっとしていると体温が奪われていく感じだ。
 まだ暗く、これから進む5峰の斜面には既に先行者のライトが続いていた。
 コルでは、ちょうど男性ガイド+若い女性2人(山ガール風)のパーティが出発するところだった。

 そのパーティがライトを点けて登っているのを眺め続ける。結構なハイペースだ。体力は、相当あるようだ。そのうち、山の岩肌がはっきり見えてきた。
 「明るくなったので、我々も出発。」
ということで、5峰の斜面に取り付く。(4:49)
 ....NASさんは、岩場をライトを点けて登りたくないという安全第一主義だった。
[5・6のコルにて北穂方面(槍ヶ岳も見えた)を振り返る。あっと言う間に明るくなった]

 事前調査によれば、5峰の登りは、ロープ無しで、登れるルートとの事だったが、確かに明るければ問題なかった。

 振り返ると、既に5・6のコルが小さく下に見える。(写真下)
 5:14、背後から陽光が差し込んできた。ご来光だ。早速、デジカメを取り出す。
[5・6のコルを振り返る(振り返って撮影)]

 岩場といえども、ここは、ルートが分かりやすく、登りやすい。
 見渡せば、目の前の北穂が大きい。(写真下)
 この時は、とにかく昨日までの天気とは180度異なる状況に大満足しながら、登っていた。
[5峰の登り]

 5:23、5峰の細長いピークに到着。(写真下)
 厳密な意味で5峰のピークは、少し先の小ピークだが、そこは、あっさり右から巻いた。
 目の前に4峰が聳え立つ。
 朝日が当たる4峰の山肌が、岩だらけで、先程の5峰(まだ低木があり、緑が目立った)とは全く違う様相を見せていた。
[5峰の細長いピークにて]

 事前調査によれば、4峰もザイルを出す必要はないらしい。但し、ルートを見極める必要ありとの事。眺めると、いつ落石が発生してもおかしくないように見える。
 そう言えば、まだ暗い中、5・6のコルに向かっている頃、北穂の方から大きな落石のような音を聞いたことを思い出した。
[4峰の全容]

 安定した岩場を確認しながら、登っていく。
 この辺りに来ると、身体が慣れてきて、登るペースも日が照り出してきて、暑く感じる。
[4峰の登り(振返ってNASさん撮影)]

 振り返れば、北穂、槍ヶ岳が一望だ。Bさんが、岩場の途中で、ポーズ。(写真下)
 4峰は、最初、素直に正面を登っていき、その後、左(奥又白池側)に進んだ。
[4峰の登りのBさん(振返ってNASさん撮影)]

 奥又白池側から再び、涸沢側に登っていく。
 
4峰の岩壁に残置支点をNASさんが発見。まだ時間的に余裕があるということで、ロープを取り出し、岩壁にNASさんとBさんが練習と言って、チャレンジする。
 一方、私は、左右を見渡し、別のルートを探る。すると、やはり、岩壁に取り付かなくても、右手からの岩場を登っていくことで、NASさん達の岩壁の上に出た。結果的にNASさん達も、時間がかかりそうなので、岩壁を諦め、迂回するようにして先へ進む。
 ....このあたりの岩場は、迷路のよう。
[朝日を浴びながら登っていく]

 もうすぐ4峰ピークというところで、振り返る。(写真下)
 さっき通過した5峰ピークが、かなり下に見えた。
[4峰の登りから振り返る(振返って撮影)]

 4峰ピークを通過(6:41)し、3峰とのコルに下っていく。
 先程の5峰の下りでは、大して下っていなかったが、ここは、しっかり高度を下げていく。ルートは、明確だが、相変わらず落石しないよう、緊張しっぱなしだ。
[4峰の下り]

 4峰の下りから、次の3峰の岩場を正面に望む。ここからが、いよいよ北尾根の核心となる。
 3峰登りの取付き点(ロープが2,3本ぐらい垂れ下がった最下点)に10人ぐらいが待ち行列となっていた。また、その下のコルには、13,4人ぐらいの登山者が見えた。
 こりゃ、大渋滞だ。当分、待たされそうだ。
 NASさん達は、先に下っていったが、私は、後ろから誰も来ないので、ゆっくりと撮影しながら、3峰の岩壁を眺めていた。
 よく見ると、5・6のコルで見かけた男性ガイド+女性2人のパーティが、ちょうどロープを使用して登り始めているところなのが分かった。

 そのうち、取付き点にいるパーティは、どうもガイド+2人といったパーティばかりのようで、同じロープを利用して登っているように見えた。渋滞が予想される箇所なので、ガイド付きパーティは、効率よく登っているようだ。
[3峰の全容(右下に待ち行列が見える)]

 コルに到着。(6:55)
 コルで休憩していたのは、ガイド無しの一般パーティばかりだった。
 ここからは、各パーティがロープを張るので、時間がかかった。
 待っている間、槍穂の眺めを堪能する。

 7:39、ようやく我々の番となった。
 結果的にさっさとコルに着いたNASさん達で、約50分、待ったことになる。
[3峰の登りでの待ち行列]
 
 リードは、NASさん。確保は、花立小僧。
 いきなり、NASさん、ホールドの細かい広めのクラックで、1箇所、ザックを背負っていながらの変則バック&フットで、上がっていく。あれっ、このルートは、V級程度でなかったのかと、一瞬、焦る。
 続いて、自分の番となったが、他に方法はないかと、左足は、スメアリングで、ファイト一発。腕を伸ばしたら、左手がオープン・ハンドで、なんとかホールドできた。
 ...という訳で、ロープのお世話にならなかったが、ちょっとビックリ。
    途中から、Bさんの確保をNASさんに代わってもらい、花立小僧は、撮影係となる。
[3峰の登り(1)(振返って撮影)]

 その後は、ヒヤヒヤすることもなく、順調に登っていけた。
 ラッキーだったのは、我々の後のパーティが1組だけで、先に行ってもらおうとリードの男性に伝えたのだが、自分達も遅いので、結構ですとの返事。そんな訳で、男性が追いついては、会話をするような間柄となった。
[3峰の登り(2)(振返って撮影)]

 ちなみにクライミング中に撮影している写真(下)などは、4点支持で、セカンドは、立ち止まっている。そういう体勢のときに撮影している。(9:52)
[3峰の登り(3)(振返ってNASさん撮影)]

 3峰のピークを目指す手前で、右手に整備されたような山道を見る。
 これが、事前調査で知った3峰ピークの巻道だなということで、
無視し、直進していく。
 だが、頂上の大岩を左から回り込まず、右側からトラバースしたら、そこから直登できず、少し下る破目に陥った。すると、さっきの巻道に合流してしまった。

 その後、左手に奥又白池(初めて見た)が見下ろせた。(写真下)
 濃緑色の池の回りは、樹林の緑、草原の黄緑で覆われていた。
[左下に奥又白池が見えた]

 涸沢側の小さめの岩がゴロゴロしている箇所を登っていく。(写真下)
 ここまで来ると、ロープは、不要となった。
[涸沢側を登っていく(振り返ってNASさん撮影)]

 涸沢側から、奥又白池側に回ると、正面に前穂のピークが見えた。
 ようやくゴールが見えた瞬間だ。
 2峰のピークを通過し、先の懸垂下降点へと向かう。
[2峰のピークから懸垂下降点へ向かう]

 Bさんが最初、懸垂下降し、続いてNASさん。私が最後となった。
 下を見たら、5,6mぐらいではないだろうか。ミニ懸垂下降という感じだ。
 前穂のピークにギャラリーがいて、ちょっと緊張。
[2峰懸垂下降地点にて]

 エイト環で懸垂する。ゆっくりと下降し、NASさんに撮影を依頼。(写真下)

 北尾根フィナーレと思えた懸垂下降は、呆気なく終了し、あとは、前穂ピークへの登りだけだ。
 その前穂ピークへの岩場を一歩ずつ確かめるように登っていく。
[2峰でのミニ懸垂下降(振返ってNASさん撮影)]

 11:33、前穂高岳頂上に到着。(写真下)
 私にとって、通算3度目の登頂となる。どういう訳か、前穂高岳の頂上は、3回とも快晴で、相性が良いようだ。
 ここで、ロープやカラビナ類をザックにしまい込み、ランチタイムとして、大休止。
 周囲には、同じように北尾根を登ってきたパーティが休憩中だったが、食事中にどんどん出発していった。
[前穂高岳頂上にて(NASさん撮影)]

 12:31、前穂高岳頂上を出発し、紀美子平に向かう。
 ....この下りが長かった。
 
 だんだん老眼になり、バランス感覚が鈍くなってきているせいか、この下りが、なかなかリズムよく下っていけなかった。
 12:56、紀美子平にようやく到着。ここから、吊尾根を黙々と歩いていく。
[紀美子平への下り]

 13:29、振り返ると、午前中登ってきた北尾根がくっきりと眺めることが出来た。(写真下)
 ここから見ると、3峰のピークが目立たないのが分かる。
[吊尾根から登ってきた北尾根を望む(振り返って撮影)]

 ヘロヘロ状態で、14:34、奥穂高岳頂上に到着。
 ....この吊尾根の登りは、本当にキツかった。

 槍ヶ岳方面を望む。
 さすがに3190mだけのことはあり、風が冷たい。さらに登山者が続々と登ってくる。頂上は、記念撮影ラッシュとなっていた。我々としては、今回の場合、単なる一通過点だった。そんな訳で、3人で記念撮影を撮ることもなく、さっさと下山することに。
[奥穂岳頂上] [さすがに3190mは、風が冷たい]

 奥穂からの下り道は、最初は、歩き易いが、穂高岳山荘に近づいてくると、鉄ハシゴやクサリが出てくる。眼下の穂高岳山荘前の広場には、多数の登山者の姿が見えていた。(写真下)

 15:18、穂高岳山荘に到着。
 ここで、カップヌードルを食べて、エネルギー充填。まだこの先、ザイテングラートの下りが待っている。
[穂高岳山荘手前のハシゴ]

 ほぼ1時間の休憩の後、穂高岳山荘を出発する。
 目の前には、登った前穂北尾根が大きい。だが、前穂のピークには、ガスが発生し、姿が隠れていた。この下りも、吊尾根同様、話をする余裕もなく、黙々と下っていく。
[ザイテングラートを下っていく]

 18:09、涸沢小屋到着。
 ここまで下ってくれば、もう安心。計画通り、無事、北尾根を踏破できたことに缶ビールで乾杯。
 だが、日が沈んで、気温が一気に下がったようだ。缶ビールを飲んだ身体が、急激に冷えてきた。

 19:00、テント場に戻った。
 夜中に会ったYSさんのテントは、既に撤収されていた。無事、下山できたということだろう。
[無事、涸沢小屋まで降りてきた]

<第4日>
 4:59起床。テントから出たら、今日も好天気となっていた。既に明るく、前穂北尾根、奥穂、涸沢槍、北穂南稜などが見渡せた。やがて、前穂北尾根に陽光が照り出した。続いて、奥穂側も同様となった。

 6:30頃からテント撤収開始。一段落したところで、Bさんからホットコーヒーをご馳走になる。
 コーヒーを飲みながら、北尾根を眺める。今日も天気がよさそうだ。4峰、3峰を眺めていると、昨日、北穂や涸沢岳を見ながら、登っていたシーンを思い出す。

 9:04、涸沢テント場を出発する。
[涸沢は、今日もいい天気]

 11:25、横尾に到着。
 ここで、3人での記念撮影を初めて実施。(写真下)
 見上げると、前穂が聳え立つ。
[横尾にて記念撮影]

 徳沢では、名物のソフトクリームが準備中ということで諦めた。その代わり、カレーうどんを食べたが、これが美味かった。
 その後も黙々と、林道歩き。話す余裕もなく、ひたすら歩き通す。

 15:31、河童橋にて小休止。ここまで来ると、観光客の数が一気に増えた。(写真下)
 15:42、上高地バスターミナルに着くと、案の定、沢渡行きのシャトルバスには、バス乗り場から上高地インフォメーションセンターの建屋を越えた長い待ち行列が出来ていた。だが、タクシー乗り場に行ってみると、意外にも空いており、5分も待たずに乗れてしまった。
 「土曜日が晴れてから、最後まで、ラッキーでしたね。」
 そう言って、我々は、上高地を後にした。
 [河童橋にて穂高連峰を振り返る(振り返って撮影)]


 行程前半の天気は、最悪でしたので、昨年の西穂・奥穂縦走と同様、雨で撤退かと思われましたが、涸沢での1日停滞後、晴れが続いたのは、非常にラッキーでした。また、1日停滞が、体力を回復させ、北尾根へのスタミナ十分となったという点では、結果的にマイナスではなかったと思います。もし、初日から晴れていたら、北尾根が登れたとしても、その後、バテバテになっていたかもしれません。

 NASさん、Bさん
 非常に楽しい山行でした。今後とも宜しくお願いします。
 今回、あまりアドレナリンが出て来なかったような気がします。凹部のクライミングが多かったせいでしょうか。それとも、下を見るなど余裕がなかったせいでしょうか。




※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。