トップページ他山域山行リスト>北穂高岳_記録20150919


北穂高岳

 山行日
2015年9月19日(土)〜21日(月) 快晴〜快晴
同行者:「山の会」メンバー 7名
 コース
9/19:上高地バスターミナル(11:42)〜(11:52)河童橋右岸(12:15)〜(13:05)明神(13:11)〜(14:07)徳沢(14:27)〜(15:27)横尾山荘(泊)
9/20:横尾山荘(6:15)〜(7:33)本谷橋(7:37)〜(9:41)涸沢小屋(10:38)〜(14:58)北穂高岳(15:18)〜(15:20)北穂高小屋(泊)
9/21:北穂高小屋(5:20)〜(5:21)北穂高岳(5:27)〜(9:15)涸沢小屋(9:43)〜(11:38)本谷橋(11:43)〜(12:43)横尾(13:00)〜(13:44)徳沢(14:09)〜(14:56)明神(15:00)〜(15:40)河童橋(15:51)〜(15:57)上高地バスターミナル
 9月連休における山の会山行として、北穂高岳に行ってきました。先月の前穂・奥穂と違って、3日間全て快晴という、非常に稀な、恵まれた天候でした。やっぱり、山は、晴れが一番だと、つくづく感じ入りました。
 詳細は、以下をご覧下さい。 


<第1日>
 新宿から特急あずさに乗車し、松本にて下車。
 今まで幾度も松本で下車しているが、西口(アルプス口)側に降りたのは、初めてだった。西口は、東口(お城口)と違って、駅前が、至って地味だ。自家用車用の駐車場が、エリアの殆どを占有している。その隣のタクシー駐車場にて、1台のジャンボタクシーが我々を待っていた。
 今回は、メンバー8人(男性3人、女性5人)ということで、リーダのTOIさんがチャーターしてくれたのだ。おかげで、上高地バスターミナルまでは、気持ちよく移動できた。
[松本駅西口で、予約済のジャンボタクシーに乗車]

 11:42、上高地バスターミナルに到着。
 タクシーから降りると、陽光が差し込んできて、眩しい。上空は、いい天気だ。
 前回8月の時とは、雲泥の差。やはり、晴れていると、これからの山歩きに対し、ワクワクしてくる。
 ここでリーダのTOIさんから、余計な荷物は、まとめて預けておきましょうという提案で、私は、下山後の着替え等の入ったスタッフバッグ1つをザックから取り出す。TOIさんは、皆から集めたものを大きな袋に入れて、個数を減らし、手荷物預かり所に運んでいく。「こんな所に手荷物預かり所があったのか」と、預かり所の存在を今回、初めて知った。
 ....これは、至極便利。
[上高地バスターミナルにて、余計な荷物を取り出す]

 穂高を眺めようと、河童橋で梓川の右岸に渡るが、生憎、稜線は、雲に覆われ、岳沢の斜面だけが見えていた。ここで、ランチした後、再び左岸に戻り、ひたすら林道を歩いていく。
 8月の時よりもザックが軽いので、歩き易い。いつもは、サルの群れが突然現れ、ドッキリさせられるが、今日は、まだ出てこないかと、サルの事が脳裏に浮かぶぐらい余裕があった。

 14:07、徳沢に到着。
 前回、ちょうど仕込み中で食べることが出来なかったソフトクリームを今日は、GETできた。なるほど、甘さ控えめでミルク味が程よい。歩き続けた後なので、余計美味しく感じる。
[徳沢のキャンプ場] [念願のソフトクリーム]

 15:27、横尾に到着。
 今日は、この横尾山荘に宿泊予定だ。今までも、自宅を早朝出発した場合は、ここが宿泊地となっている。
 山荘で風呂に入った後、山荘の外に出て、缶ビールで乾杯。しかし、8月と違って、日が傾いてくると身体が冷えてくるのがわかる。やはり、秋だなぁと思う。
 山荘内に戻って、夕食をとり、一段落した後、19:30には、一人先に寝させてもらった。
 ....このところ、ずう〜と、睡眠不足だったので。

[横尾山荘手前にて] [風呂上がりのビール]

<第2日>
 4:50に朝食開始。
 昨晩は、グッスリ眠ることができ、とても目覚めがいい。6:00過ぎに山荘を出ると、準備中の登山者で、既にベンチが埋まっていた。
 軽く準備運動をして、6:15、横尾山荘を出発する。
 横尾大橋を渡るときに、前穂を眺める。
[横尾山荘前にて]

 登山道の途中で小休止し、歩き始めると、7:22、樹林帯の上に一つのピークが目に入る。どこの山かと思ったら、北穂高岳だった。今日、あそこまで本当に行けるのかなと考え込んでしまうほど、遥か先に見える高峰だった。
[北穂が見えた]

 7:33、本谷橋に到着。
 強烈な陽光が吊り橋に注がれ、河原の石が光っているように見える。
 少し前に小休止したこともあり、ここは、軽く立ち止まった程度で、出発する。
[本谷橋にて]

 涸沢の左岸を登り、南岳方面の高嶺を仰ぐと、やがて前穂ピークが見えてきた。横尾では、左手に見えていた山が、今、進路方向正面に見えている。ようやく北尾根の反対側まで回ってきたことを実感する。

 8:55、沢に出たところで、小休止。正面には、奥穂が聳え立ち、上空は、雲一つない青空が広がっている。こんな天気に来れたことを思わず、天に感謝したい気分になった。 
[正面に奥穂が見えてきた]

 涸沢小屋に向かう途中、ちょっと寄り道して、先月テントを張った場所に来てみた。テント場のすぐ後ろにあった雪渓が全て消えており、前穂高に続く大雪渓もかなり小さくなっていた。
[8月使用したテント場に寄り道]

 9:41、涸沢小屋到着。
 ここまで、メンバー全員、調子よく歩けている。この様子であれば、この先も問題ないだろう。
 ちょっと中途半端な時間帯だったが、朝食が5時頃で、既に4時間半以上、経っている。そんな訳で、ここで食事とした。

 逆光気味だが、前穂の北尾根がくっきりと眺められる。視点を小屋前に移すと、サングラスをかけた登山者が多く、まるでスイスの山小屋テラスにいるような錯覚に陥る。
 ....だけど、テーブルの上には、カレーライスとラーメン。
[涸沢小屋にてランチタイム]

 10:38、涸沢小屋を出発。
 ここからストックをたたんで、ヘルメットを着用。
 いよいよ急登になる。最初は、ジグザグの登山道という雰囲気で、振り返ると常に前穂北尾根が視界に入った。その後、岩場を通過する。(写真下)
[岩場の登り]

 長いクサリ場の下に到着したが、下山者が多く、とりあえず小休止。(12:34〜12:45)
 下山者が一段落したところで、登り始める。長いクサリが終わった後、鉄ハシゴとなった。(写真下)
[鉄ハシゴを登る]

 左手に重量感のある奥穂高岳が見えてきた。ザイテングラートからザレ場を横断する登山道が1本の筋のように見える。ザレ斜面に部分的に存在する草が黄色く染まっており、すでに秋色となっていた。
 相変わらず、登りは急だ。見上げると、正面には、まだ南稜の尾根筋が続いているのがわかる。
[落石が恐ろしい登り]

 14:41、奥穂高岳方面との分岐点を通過。道標によれば、北穂高岳まで0.2km。あと、もう一息だ。
 少し下った後、最後の登りにかかる。

 14:48、北穂高岳北峰到着。
 まずは、無事登頂できたことを祝し、皆で記念撮影。
 残念ながら、槍ヶ岳方面は、入道雲が湧いており、山並みは見えず。
 だが、奥穂方面は、ガスが湧いていたものの、素晴らしい光景だった。
[北穂高岳の標識前にてメンバー全員での記念撮影]

 夕食前にビールで乾杯しようと、皆で外に出る。
 すると、雲が消え始め、北側の光景が現れ始めた。
 売店で、生ビールを購入し、乾杯するが、日が段々沈んでくると、急激に気温が下がり、生ビール2杯目の注文に躊躇してしまった。
 17:13、夕食スタート。我々8人で、ちょうど一つのテーブルを占有して食事する。
 目一杯食べた後、外に出て、夕日の撮影に入った。
 続いて、北穂小屋前のテラスに戻り、槍ヶ岳を再び撮影する。
 日没前まで、実に印象的な光景が続いていた。
[北穂高小屋前にて、ビールで小宴会]

<第3日>
 4:00起床。
 まだ暗い中、外に出て、ホットコーヒーを注文。外の売店は、4:30から営業を開始していた。朝食は、4:30スタートだったが、混雑が予想され、出発時刻が読めないため、我々は、弁当とし、途中で食べる計画とした。
 外にて出発準備をしている時、明るくなってきた東方面を撮影。
 5:20、小屋を出発する。
 北穂高岳北峰にて、360度の光景を堪能する。まだ日が出ていないので、薄暗いのだが、ガスは、なく、奥穂も槍も、その山容を見せていた。
 5:27、北峰をスタート。
 南稜のテント場に向かう途中で、ご来光となり、南稜テント場が赤く染まった。
 やがて、奥穂高岳も同様となった。
[朝日を浴びながら、昨日登ってきた道を戻る]

 下りに入ると、大天井岳から常念岳、蝶ヶ岳の稜線が逆光になり、薄らと霞んで見えるようになる。ちょっと幻想的な光景だ。だが、そんな景色に見とれていると、足下が危ない。落石が恐ろしい斜面だ。前にコケたら、そのままゴロゴロと転がっていきそうな感じだ。
[屏風ノ頭が眼下に見える]

 昨日渋滞していたクサリ場に到着。
 ここで、やはり渋滞となる。
 登山者が一段落したところで、下っていく。だが、下り終わって振り返ると、その間、登山者が次々と到着しており、長い行列が出来ていた。
[鉄ハシゴの後のクサリ場にて] [登りは、長い行列(振り返って撮影)]

 9:15、涸沢小屋に到着。途中の渋滞や小休止の他、多くの登山者とのすれ違いでも、結構時間を取られたため、予定より、だいぶ時間がかかってしまった。
 このため、そんなにゆっくりしている訳にはいかず、北穂高小屋の弁当(オニギリ2つ)をさっさと食べ、9:43、歩き始める。まだ、これから5時間は、歩かなければならない。
[涸沢小屋に戻ってきた]

 涸沢キャンプ場を振り返る。
 光線の具合だろうか、昨日見たときよりも、紅葉の度合が進んでいるように感じた。
  ....今年は、2回も涸沢に来れて大満足。
[涸沢キャンプ場を振り返る]

 横尾までの登山路では、道幅が狭い中、すれ違う登山者や後方から追い抜いていく下山者が多く、とにかく立ち止まるケースが多かった。
 12:43、横尾到着。
 まだ予定よりも遅い。そんな訳で、この先もひたすら歩き続ける。幸い、もう道幅が広い林道なので、マイペースで歩ける。

 14:56、明神着。ここでリーダのTOIさんが、ジャンボタクシーに連絡し、16:00上高地ということを連絡する。ゴールは、もう少しだ。
 明神を過ぎたら、圧倒的に観光客の姿が増えてきた。8月の時よりも人が多いな〜と河童橋の風景を眺めていたら、その後、上高地バスターミナル手前で、長い行列に出くわす。
 この行列、バスターミナルから続いていて、途中で、梓川沿いの歩道に折れて、まだ続いていた。(写真下) これは、沢渡へのシャトルバスを待つ行列だった。ここまで続く行列を見たのは、長年、上高地を訪れていたが、初めての光景だった。
[上高地バスターミナル手前にて、長い行列を見る]

 15:57、上高地バスターミナル到着。
 バスを待つ人、人、人といった感じで、とにかく人だらけ。タクシー乗り場の方も、前回8月と違って長い行列が出来ていた。手荷物預り所にて、荷物を受け取り、ジャンボタクシーの待つタクシー乗り場の奥に向かう。
 ジャンボタクシーは、すでに到着しており、即乗車。上高地バスターミナルに5分程度しか滞在せず、脱出したのは、我々ぐらいだろう。

 その後、新島々から先、国道158号線が渋滞し始めると、左折して農道を走ったり、運転手さんの協力で、途中、湯の華銭湯「瑞祥」に立ち寄る時間が出来た。そして、予約済みの特急あずさに乗車し、缶ビールで乾杯しながら、帰路につく。
[上高地バスターミナルにて]


 今回は、冒頭にも書きましたが、とにかく天気に恵まれた山行でした。
 そして、シルバーウィークという大型連休でも、行き帰りは、予約の電車・タクシーでしたので、移動も非常に楽チンでした。タクシーや山小屋の予約から計画立案等、リーダのTOIさんをはじめ、メンバーの方々にも、いろいろとお世話になりました。厚くお礼申し上げます。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。