トップページ他山域山行リスト>幕山・南郷山_記録20160227


幕山・南郷山

 山行日
2016年2月27日(土) 晴 同行者:「山の会」メンバー他 6名
 コース
幕山公園(10:11)〜(10:39)しとどの窟分岐点〜(10:55)大石ヶ平〜(11:34)南郷山分岐〜(11:48)幕山(12:20)〜(12:31)南郷山分岐〜(12:38)自鑑水(12:40)〜(12:58)南郷山(13:05)〜(14:15)五郎神社(鍛冶屋バス停)
 今回は、山の会山行として、梅林で有名な湯河原の幕山へ行ってきました。箱根山域での山行というと、昨年登った明神ヶ岳・明星ヶ岳ぐらいしか経験がありません。また、地図で今回のルートをある程度、確認しておりましたが、幕山の光景などは、全く事前に調査していなかったので、幕山ってどんな山なのか、いきなり実物を見に行くような状況でした。
 詳細は、以下をご覧下さい。


 集合場所のJR湯河原駅改札口に向かうと、もう人、人、人と、観光客だらけで大混雑。
 これらの観光客は、全部、幕山の梅林見物と思われた。各メンバーとは、改札口で集合となっていたが、こんな状況では、立ち止まることが出来ない。人混みに流されるようにすぐ先の幕山公園行のバス停で集合となった。すると、幸いにも臨時便が出て、10分も待たずに出発することになった。

 10:11、バスは、狭い道を通り抜け、終点幕山公園に到着。
 バス停から降りると、すぐに歩き始め、入場券売り場へと移動する。この公園では、湯河原梅林「梅の宴」の期間中(H28年2月6日〜3月13日)、200円の入園料が徴収される。
[幕山公園入口にて]

 公園内の舗装路を進むと、正面に梅林が見えてきた。(写真下)
 幕山の山腹一帯が梅林となっている。
 これが、幕山の梅林かと、初めて見る光景に思わずシャッターを押し続ける。
正面に幕山の梅林が見えてきた

 10:17、公園の管理棟前にて、ようやく落ち着いて全員集合となり、メンバー紹介、今後のルートについて確認する。(今回の山行リーダは、NASさんで、会員以外に2名参加)
 山の会会長の提案から、今回、幕山直登ルートではなく、西側からグルリと回るルートとした。これだと、急登が避けられるのだが、山腹の梅林を通らないので、梅林見物は、あっさり終了してしまう。そんな訳で、梅林は、これで見納めかと思ったら、歩き始めた時、白梅・紅梅を眺めることが出来た。
白梅・紅梅を観賞しながら進む

 しとどの窟(いわや)分岐点まで来てしまうと、梅林見物が終了し、通常の山歩きとなる。緩やかな登りとなっている林道を進むが、先程の幕山公園バス停付近や、管理棟周辺の混雑度合から見たら、ウソのような別世界となった。

 10:56、大石ヶ平に到着。
 ここで、林道から離れ、右手の山道に入る。いよいよ山歩きの雰囲気が出てきた。
[大石ヶ平にて]

 だんだん、会長と他メンバーとの間隔が開いてきた。先頭は、今日のリーダ:NASさんで、最後尾は、私。会長が「先に行って下さい。」とNASさんに伝えていたので、徐々に差が広がっていった。その結果、自然と会長の後姿の写真が増えていく。

 11:16、周囲がハコネダケだらけになってきた。人の背丈以上の高さで、密生しているので、左右の視界が完全に遮られる。ちょっとした迷路のようだ。こんな竹ヤブを見ると、明神ヶ岳と同じ箱根だなぁと思ってしまう。(写真下)

 11:34、南郷山分岐点を通過。幕山まで600mの文字が刻んであった。
[ハコネダケの密集地を通過]

 緩やかな直登となる。周囲は、まだ冬枯れの木立となっているが、よく見ると桜の木のようだ。梅のシーズンが終われば、このあたりで、花見ができそうだ。
 会長は、前方をマイペースで歩いている。他のメンバーは、その先50mぐらいを歩いていた。
 ....今回は、会長のお蔭で、撮影しながら歩くことが出来、満足。
[山頂手前の直線登りにて]

 11:48、ついに幕山頂上到着。
 ここは、芝草が広がり、腰が下ろしやすい場所だ。だが、観光地状態となっており、ざっと数えてみたら、300人ぐらいのハイカーが休憩中だった。
 我々のパーティも時間がいいので、ここでランチタイムとした。

 頂上からは、相模湾が望め、その相模湾に突き出た真鶴半島もよく見えた。だが、その先の大島は、靄がかかり、見えず。真冬の空気の澄んだ日に来れば、房総半島や大島もよく見えるだろう。
[幕山頂上光景] [頂上で記念撮影]

 12:20、幕山頂上を出発し、途中まで来た道を引き返す。
 南郷山分岐点で右折すると、白銀林道にぶつかった。山と高原地図「箱根」2015では、十字路として記載されてあったが、実際は、十字路ではなく、丁字路だった。そこで、右折して白銀林道を少し歩いてみたら、左に「自鑑水」の道標を見つけ、ルートが確認できた。

 12:38、植林帯の中、右手に池(?)が見えてきた。ここを自鑑水と呼ぶようだ。
 自鑑水って何?と、この山域の知識が疎いので、案内板を読む。
「自鑑水(じがんすい) 自害水(じがいすい)
 治承4年(1180年)八月二十三日、石橋山の合戦に敗れ、郷土の英雄・土肥実平に導かれ、源頼朝主従が椙山(湯河原町の山中)をさまよっていると池にたどり着いた。頼朝がこの水を鏡にみたて、そのやつれた顔を見て自害を決意したが、水面に映る自分の姿を見て、髪の乱れを正し、心機一転勇気を奮い起こしたとされる池。自害水とも言う。
 平成二十七年三月吉日             湯河原町
                             土肥会  」

 う〜む。頼朝に絡む逸話だったとは知らなかった。
 でも、この文章は、何かしっくりこない。
  @この水を鏡にみたて、やつれた顔を見て、自害を決意
  A水面に映る自分の姿を見て、髪の乱れを正し、心機一転勇気を奮い起こした
 水面に映る自分の顔を見た後、異なることが連続的に書かれてあるからだ。
 伝説ならば、@とAの間に
 「そこで、自害しようと剣を抜いた時、土肥実平に見つかり、『平氏打倒は、これからですぞ。』と説得されたことを機に心を入替え、」
 ぐらいの文章が欲しいな〜と思った。

 ちなみにもうひとつの案内板(平成十九年四月土肥会八十周年記念事業建之 土肥会・湯河原町・神奈川県 施工湯河原石材(株))では、Aだけを示しており、自害を思い留まったことと水面に映った自分の顔を紐づけていないので、スッキリした文章になっている。
[自鑑水]

 自鑑水を過ぎて山道を進むと、再びハコネダケが左右に現れた。先程と同様、左右は壁のようになっており、何も見えない。
 そんな山道を進んでいくと、前方が明るい。その明るい箇所が南郷山頂上だった。
 ここは、幕山と比べると狭い頂上だ。20人弱のハイカーが休憩中だった。我々は、特に休憩もせず、記念撮影だけ行ない、出発する。(13:05)
 ....会長の歩行ペースが段々と速くなってきた。
[南郷山頂上にて、再び記念撮影]

 もう、この先は、下っていくだけだ。
 頂上を後にして、すぐにちょうど正面に真鶴半島が、視界に入る。丹沢もそうだが、山に登って海を眺めるというのは、何だかとても、スカッとした気分になれる。
[真鶴半島を見下ろす]

 さらに下っていくと、すぐ下にゴルフ場が見えてきた。湯河原CCだ。
 ここは、父が長年、会員だったゴルフ場で、昔、クラブハウスを訪れたこともある。そんな訳で、このゴルフ場だけは、愛着があり、しばし眺め入ってしまった。
 ....こうやって湯河原CCを近くで見るのは、約30年振りだ。

 その後、登山道は、このゴルフコースの境界沿いに続いており、グリーンやフェアウェイを眺めながら下っていく。 
[ゴルフ場(湯河原CC)が眼下に現れる]

 14:00、道が舗装路になったら、周囲がミカン畑となる。道が二分するところで小休止。(写真下)
 左右どちらに行くべきか地図を見て確認し、右折することとした。
 ここは、湯河原駅付近の町並みの眺めがいい。だいぶ下ってきたことを実感する。
[ミカン畑の農道に出てきた]

 住宅街を下っていくと、クスノキの大木が目に入る。
 その手前が五郎神社で、神社の入り口が鍛冶屋バス停だった。(14:15)
 ここからタクシーを呼んで、温泉に入ることにした。
[五郎神社(鍛冶屋バス停)に到着]

 ゆとろ嵯峨沢の湯にて、日帰り入浴。
 湯上り後、生ビールで乾杯。
 ....いや〜旨い

 その後、湯河原駅前で再度、打ち上げ会を実施。刺身や煮付けを戴き、日本酒で乾杯。
 ....いや〜たまりませんですわ。

 こうして初の幕山登山は、幕を閉じたのだった。
 [ゆとろ嵯峨沢の湯で、日帰り入浴]


 初めての幕山でしたが、なかなか味わい深い山だと知りました。山腹の梅林や海を見下ろせる山頂、それに伝説の自鑑水など。頼朝伝説は、椿ライン寄りにあるしとどの窟(石橋山の合戦後、敗れた頼朝が身を隠したと言われる洞窟)だけと思っていましたので、非常に興味深かったです。
 そして、風呂、ビール・日本酒と魚料理。メンバーとの楽しい会話。とても充実した一日でした。

 同行メンバーの方々、いろいろとありがとうございました。




※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。