トップページ他山域山行リスト>硫黄岳・東天狗岳_記録20160507


硫黄岳・東天狗岳 〜八ヶ岳〜 

 山行日
2016年5月7日(土)・8日(日) 曇・晴
同行者:「山の会」メンバー 7名
 コース
2016/5/7:桜平(10:17)〜(10:45)夏沢鉱泉(11:00)〜(11:58)オーレン小屋(12:58)〜(13:19)夏沢峠(13:22)〜(14:36)硫黄岳(14:56)〜(15:42)夏沢峠(15:44)〜(16:07)オーレン小屋(泊)
2016/5/8:オーレン小屋(6:25)〜(6:55)夏沢峠(7:03)〜(8:16)根石岳(8:25)〜(9:05)東天狗岳(9:16)〜(10:42)中山峠(11:00)〜(11:44)中山展望台(11:53)〜(12:58)高見石小屋(13:30)〜(14:09)白駒荘(14:21)〜(15:06)麦草峠
 5月GWの終盤、山の会の月次山行として、八ヶ岳に行ってきました。
 目的は、オーレン小屋から根石岳、東天狗岳を経由し、麦草峠までの縦走です。ですが、初日に余裕があるので、硫黄岳まで往復してきました。
 詳細は、以下をご覧下さい。


<第1日>
 早朝、自宅を出た時は、厚い雲が多かったものの、一部、青空が見えていたので、天気は持つかなと思っていた。だが、甲府を過ぎたあたりから、完璧な曇り空となり、茅野で降りた時、ポツリポツリと雨が降っていた。
 「今日は、雨の中の山行か....」
と覚悟したが、ジャンボタクシーで、桜平に到着したとき、雨は、幸いにも降っていなかった。
 「メンバーに強力な晴れ男、晴れ女がいるんですかねぇ。」
と、話しながら、10:17、桜平をスタートする。
[桜平を出発]

 夏沢鉱泉で小休止した後、再び歩き始める。
 ここからは、道幅が狭くなり、ようやく登山道らしくなってきた。今年の冬は、全般的に雪が少なかったが、その状況が、ここでも見ることが出来る。オーレン小屋に近づいて、ようやく登山道に雪が現れた。
[ようやく残雪が現れる]

 11:58、ガスが薄らとかかったような状況下で、前方にオーレン小屋が見えてきた。私にとって40年ぶりの訪問だった。
 小屋に入ると、なんとなく過去の記憶が蘇ってきた。40年前、父と弟の3人で、早朝、茅野に到着し、美濃戸口から赤岳、横岳、硫黄岳と縦走し、ここオーレン小屋に泊まり、翌朝、上槻木の方へ下っていったのだ。この山行で印象的だったのは、
 ・横岳の縦走が何といってもスリル満点だったこと
  ....今のようなクサリは、無かった記憶あり
 ・オーレン小屋で、風呂に入ったこと
  ....こんな山奥で風呂に入れることが信じられなかった
という点で、未だに横岳縦走と山小屋の浴槽に浸かっているシーンが目に浮かぶ。

 40年後、こうやって再び訪問出来た感動を抑えつつ、昼食をとりながら、小屋の天気予報を見てみると、15:00ぐらいから天気が回復するようだった。
 「天気が良くなる方向でしたら、硫黄岳に行ってきますか。」
ということで、今回8人パーティだったが、そのうちの5人で、硫黄岳を目指すこととなった。
[今日の宿泊先:オーレン小屋に到着] [小屋内で軽く食事]

 12:58、オーレン小屋を出る。
 雨は降っていないが、曇天の下、樹林帯を登って行く。さすがに登山道は、雪が目立ってきた。
 夏沢峠に13:19到着。東側の視界が広がる場所に立っても、ガスで何も見えない。たいした休憩も取らずに硫黄岳を目指す。
[夏沢峠にて]

 森林限界を抜けて、ハイマツの急斜面となった。登山道は、ジグザグについているが、信じられないほど西風が強く、まともに前進できない。出発前、小屋のスタッフ殿から、「とにかく風が強いですよ。」と言われていたが、確かに強烈だった。
 途中、振り返って下を見たら、ガスしか見えなかったのが、西風がガスを吹き飛ばし、夏沢峠の小屋が一瞬、見えた。(写真下)
[夏沢峠の小屋が一瞬見えた]

 西に向かっての登りでは、まともに前進できない。逆に東に向かって登るときは、風が背中を押し、登山道から危うく転落しそうになる。この状態で前進するのは危険ということで、風に当たらないような場所を探し、小休止する。
[あまりの強風のため、この後、岩陰で小休止となる(TOIさん撮影)]

 風を避けて岩に腰を下ろし、小休止していたら、見る見るうちにガスが消えていく。
 あれっと思ったら、ガスが切れて、北側の天狗岳まで姿を現した。(写真下)
 「日が照り始めた。やはり、天気予報通りですね。」
と、メンバーとほくそ笑む。
 それにしても、これほど天気予報がバッチリ当たるとは思わなかった。
[なんと、雲が流れてしまった]

 これなら行けると、硫黄岳頂上方面を見上げたら、ガスが吹き飛んでおり、まだ頂上は、遥か先だということが分かってしまった。
 「硫黄岳頂上は、まだガスで見えなかった方が精神的に楽だったかも」と話しながら、登っていく。風は、決して止んだ訳ではない。まだ西風が吹き続いているが、先程のように前進できないというレベルでは、なかった。
[硫黄岳を目指す]

 14:36、硫黄岳の頂上標識に到着。
 強風だったせいか、他の登山者の姿は見かけなかった。
 今は、陽光が差し込み、逆光だ、順光だとワイワイしながら記念撮影に臨む。南側の赤岳、阿弥陀岳の頂上は、雲に隠れてしまい、ちょっとパッとしない光景だったのが残念。
 14:56、記念撮影に飽きた頃、頂上を後にする。
[硫黄岳頂上標識にて]

 下りは、視界が広がった中、下っていけたので、気分がいい。夏沢峠手前の樹林帯に入ったら、風は、全く気にならなくなった。
[一路、オーレン小屋へ]

 16:07、オーレン小屋に戻った。
 「さあ、風呂だ。」と、タオルを持って、風呂場へ。
 40年ぶりの風呂をゆっくりと味わう。
[まずは、一風呂浴びる(TOIさん撮影)]

 風呂上りに缶ビールを持って、外に出る。ちょうど西日が小屋前のベンチを照らしていた。
 硫黄岳登頂メンバーと乾杯。(写真下左)
 その後は、体が徐々に冷えていくので、部屋に入り、夕食となった。

 夕食は、桜鍋。リーダのTOIさんが今回、コースを決める際、最初の条件がオーレン小屋1泊で、その目的が、この桜鍋だった。それから、コースを考えているので、中途半端な時間に小屋に着いてしまった訳だ。だが、そのおかげで、硫黄岳に登ってこれたのだから、個人的には大満足だ。
 17:30、楽しみな夕食がスタートする。GWでも、今回は、小屋に登山者が、ドカッと押し寄せてきている訳ではなく、落ち着いて食事ができるのが嬉しい。
 桜鍋や天ぷらがテーブルに並ぶ。思ったより馬肉が柔らかくて美味しい。
[夕食前に外で、乾杯] [夕食は、桜鍋。画像の馬肉は、4人前]

<第2日>
 5時半前に朝食をとり、6:25、オーレン小屋を出発する。上空は、青空が広がっている。だが、登山道は、まだ日陰となっており、気温は、まだ低い。
 昨日も登ったルートなので、新鮮味はないが、緩やかな登りで、歩き易い。
[オーレン小屋を出発]

 6:55、夏沢峠に出た。昨日とは打って変わり、硫黄岳の爆裂火口がくっきりと見える。
 これだけ晴れていると、今日は、周囲の光景が楽しみだ。
[夏沢峠にて]

 夏沢峠から北上していく。
 樹林帯が続く。オーレン小屋からの直登ルートとの合流点を通過し、少し下っていくと根石岳山荘手前に出た。(写真下)
 正面のピークが根石岳で、左奥に見えるピークは、西天狗岳のようだ。 

 ゆっくりと根石岳への登りを進む。左手には、乗鞍岳の白い嫋やかな峰が見える。
 さらに目を右に向ける。
[根石岳山荘付近にて]

 8:16、根石岳頂上に到着。
 素晴らしい青空の下、360度のパノラマが広がる。
 中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳、北アルプスなど、まだ稜線は白かった。
 振り返ると、南アルプスの山々が見えていた。
[根石岳頂上にて(TOIさん撮影)]

 根石岳を下り、すぐ先に見える東天狗岳を目指す。
 東側には、浅間山の姿を見つけた。噴煙が目立たなかったのでピンと来なかった。 
[東天狗岳(左ピーク)を目指す]

 9:05、東天狗岳頂上に到着。
 個人的には、2014年7月以来、2回目の登頂だ。皆で記念撮影。(写真下)
 今日は、晴れ男、晴れ女パワー炸裂といったところか。上空には雲一つない素晴らしい天気だ。
 夢中で、周囲の山々を撮影する。
[東天狗岳頂上にて全員での記念撮影(TOIさんカメラにて)]

 東天狗岳からは、中山峠に向かう。
 北側斜面となると、やはり雪が出てくるので、慎重に下っていく。
[中山峠への下りにて]

 10:42、中山峠にてランチタイム。
 木陰の中での小休止。ここで、オーレン小屋を出発して初めて、ペットボトルの水を飲む。
[中山峠にてランチタイム(TOIさん撮影)]

 この東天狗岳から高見石小屋までのルートは、2014年7月に今日の逆コースで歩いている。その時は、ガスで何も見えず、雷がゴロゴロ鳴っていたことだけが記憶に残っている。だが、今日は、中山展望台にて、蓼科山、霧ヶ峰、美ヶ原方面の光景を堪能することができた。
 やっぱり、山は、晴れているのがいいなぁと、しみじみと思う。
[中山展望台にて(TOIさん撮影)]

 中山展望台からは、北側斜面になるということで、アイゼン装着。案の定、下りになると、東天狗岳の時と同じように、ここも残雪が多かった。東天狗岳の下りの時は、アイゼン無しだったMIHさんが、今回、軽アイゼンを付けたら、滅茶苦茶、スピードアップした。
 「やはり、道具は、大事ですね〜」と話す。
[北側斜面となり、雪が多い]

 12:58、高見石小屋に着いた。
 ここで、昼食をとることにした。小屋にラーメンを注文。それができるまで、奥の展望台を散歩する。樹林帯の中の白駒池を眺めたり、TOIさんを記念撮影したりして時間を潰す。 

[高見石小屋に到着] [小屋奥の高見石展望台にて]

 高見石小屋からは、丸山を登らず、白駒池に下るルートを採用。丸山ルートで麦草峠に向かうのであれば、2014年7月と、全く同じルート(但し、逆コース)となってしまうが、白駒池へ行くルートとなると、初めてなので、楽しみが増えた。
 しかし、この白駒池への下りは、雪が多くて、登山道が、荒れていたため、結構、時間がかかった。樹林帯の間から、白駒池がなかなか見えない。見えたと思ったら、もう池畔だった。
 14:09、白駒荘前で小休止とした。(写真下)

 この白駒池は、約38年ぶりぐらいの訪問だった。当時は、確か夏休みに友人の車に乗ってドライブ旅行したときに立ち寄り、観光客だらけだったような思い出がある。今回は、観光客が少なかった分、落ち着いて池を眺めることが出来た。
[白駒池]

 白駒池から麦草峠を目指すが、これが緩やかな登りとなっていた。
 ハイマツと岩から構成される庭園のような「白駒の奥庭」を通り過ぎる。そこを通り過ぎると再び樹林帯となった。
[麦草峠を目指す]

 西日が眩しい状況の下、眼下に麦草ヒュッテの赤い屋根が見えてきた。
 ヒュッテ前の駐車場に目を向けると、TOIさんが予約したジャンボタクシーの姿を見つけた。これで、予定通りのあずさに乗って帰れる、そう思った瞬間だった。
 [麦草ヒュッテが見えてきた]


 今回の山行は、1日めの強風下での硫黄岳登頂、2日目の快晴の下での根石岳、東天狗岳登頂が印象的でした。南ア、中央ア、北ア、御嶽山、乗鞍岳、浅間山等、主だった山々を眺める事が出来、大満足な山行でした。
 リーダのTOIさんをはじめ、メンバーの皆さんには大変お世話になりました。改めてお礼申し上げます。

 なお、今回の山行で、個人的には、八ヶ岳南部の観音平から麦草峠までの縦走路を踏破したことになりました。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。