トップページ他山域山行リスト>雨乞岳_記録20160619


雨乞岳

 山行日
2016年6月19日(日) 曇後雨 同行者:「山の会」メンバー 9名
 コース
ヴィレッジ白州側の雨乞岳登山口(9:38)〜(10:11)遊歩道分岐点(道標#1)〜(10:21)遊歩道分岐点(道標#2)〜(10:26)分岐点(道標#3)(10:28)〜(11:10)水場(11:14)〜(11:25)道標#4(11:35)〜(11:52)道標#5〜(12:10)道標#6〜(12:29)雨乞岳(13:05)〜(13:40)水晶ナギ分岐点(14:02)〜(14:40)ホクギノ平〜(16:25)石尊神社入口
 山の会の年間山行計画で、雨乞岳が紹介されるまで、この山が、どこにあるのか、全く知りませんでした。聞けば、南アルプス甲斐駒ケ岳のほぼ真北に位置する山で、山梨百名山の一つということでした。
 地図上にて、甲斐駒ケ岳と鋸岳の間から北側にのびている尾根を指で辿っていきますと、一旦、標高1700mレベルまで下がるエリアがありますが、その後、再び標高が上がり、2000mを超えた唯一のピークが雨乞岳でした。
 孤高の山という感じで、何となく新鮮さが期待できそうです。ちょっと時間が無くて、事前情報と言えば、地図(山と高原地図「北岳・甲斐駒」)を購入しただけで、山行当日を迎えてしまいました。

 
詳細は、以下をご覧下さい。


 新宿7:00発のスーパーあずさ1号に乗車し、小淵沢で下車。
 今回の山行は、地味な雨乞岳なので、参加メンバーが少ないかと思ったら、意外にも多く集まり、総勢10名のグループ登山となった。このため、ジャンボタクシー+通常タクシーの2台で、登山口に向かう。
 20分強、タクシーに揺られ、ヴィレッジ白州のキャンプ場が見えたと思ったら、登山口に到着。
 目の前に駐車していた車は、3台だったが、車道の奥にも、駐車していた車が何台か見えた。結構、登山者が入っているようだ。
 9:38、準備運動後、出発する。
[雨乞岳登山口] [すぐに自然林が広がる]

 登山道に入ると、新緑の世界。いつもと何か違うなぁと、気がついたのが、杉や檜の植林帯が見当たらないことだった。周囲は、広葉樹林だらけで、地面には、草が茂っており、これまた緑一色。
 新緑の林に囲まれ、歩き始めて早々、気分がいい。
 一方、登山道は、まだ新しいようで、綺麗に整備されており、斜度も急ではなく、登りやすい。そんな訳で、快適なスタートとなった。

 あまりの静けさにクマが出て来るのでは、ということで、メンバーのSHRさんが、クマ鈴を取り出す。その音が、周囲に響き渡る。
[コアジサイが満開]

 10:19、登りが徐々にきつくなってきた頃、先頭を歩いていた会長の体調が悪くなったようで、会長から「先に行って下さい」宣言。ということで、メンバーのTOSさん、YUTさんを一緒に残し、我々は先に出発した。
 ....TOSさん、YUTさんと言えば、我が山の会の助さん、格さん。(二人とも、雨乞岳は初めてではないので、今回会長サポートに回って戴く)
[途中で会長、TOSさん、YUTさんを置いて先に出発]

 尾根の背に乗ったところで、道標[雨乞岳山頂、雨乞岳登山道入り口]があり、小休止とした。
 この道標には、「#3 登山道分岐」という手書き看板もあった。なんで登山道分岐なのか、周囲を見てみても、よく分からない。ただ登ってきた反対側に経路のようなものが見えた。これが登山道なのだろうか。山と高原地図を見ても、分岐する登山道は記載されてなかった。
 立ち止まっていると、幾分、涼しさを感じる。
[道標の所で休憩]

 尾根筋を直登していくと、段々、尾根幅が広がっていく。辺りは、自然のままといった樹林帯が続いている。素晴らしい樹林帯だと、思わず呟く。
 白樺のような樹木が目立ってきた。
[どこまでも自然林が続く]

 1605mピーク付近になると、ガスが湧いてきた。
 なんだか、天気が怪しくなっていく。ここまで、なんとか雨は降ってこなかったが、いよいよ雨かなと思わせるような変化だ。
[ガスが濃くなってきた]

 尾根がフラットになり、楽になる。
 だが、相変わらずガスが濃く、周囲の景色は、さっぱり分からない状況が続く。
[ガスの中を進む]

 11:10、「運が良ければ水場→」の手書き道標を発見。水場と言われているのは、右下に見える小さな沢だった。水の流れる音が聞こえ、水があることが分かる。ここで、小休止している間、SHRさんが、小沢に下っていく。すると、上流から水が流れているのではなく、伏流となっており、ここで、水が湧いているということがわかった。

 雨がポツリポツリと降ってきた。かと思うと、ほんの一瞬だが、日が差し込んできた。上空の雲は非常に不安定のようだ。
[水場にて小休憩]

 左手に視界が広がる箇所を通過。しかし、ガスで何も見えない。天気が良ければ、甲斐駒方面の眺望が得られるらしい。だが、天候は、悪い方向に向かっている。いよいよ雨が強くなってきて、傘を差すようになった。
 このあたりで、2人の中高年パーティとすれ違う。これで、6組めぐらいだ。登山口で見かけたマイカーのパーティだろう。
[天気が良ければ、甲斐駒方面が見えるらしい]

 12:29、雨乞岳頂上に到着。
 東側の視界が広がる頂上だったが、ガスと雨で全く何も見えない。
 ここで、ランチタイムとするが、雨が徐々に強くなってきた。
 会長グループは、果たして到着できるのかと気になっていたが、姿が見えて一安心。会長グループと合流し、13:05、雨の中、頂上を後にする。 
[雨乞岳頂上にて]

 下りは、石尊神社方面へのルートをとる。
 いきなり急な下りが続く。
 落葉松林の中、相変わらずガスも濃く、殆ど目の前の山道だけを見ながら歩く。
[頂上から急な下りが続く]

 雨が、だいぶ弱くなった。
 水晶ナギ分岐点で小休止。ここで、会長グループの3人は、遅めのランチタイム。我々は、その間、水晶ナギ見物に出かけたつもりだったが、水晶ナギ手前のザレ地にて、これが水晶ナギかと思い、そこで引き返してしまった。帰宅後、調べてみて、そのことに気がつく。やはり、事前調査は、必要だなと反省。
[水晶ナギ分岐点にて]

 雨が弱まったことと、緩やかな尾根下りが続いたことで、歩くペースは、快調。
 残念なのは、目の前の樹林帯ぐらいしか見えていないことだ。
[ガスに囲まれた中を歩く]

 雨が本降りとなり、デジカメを雨具(上着)の中に入れる。
 この辺がホクギノ平の筈と思いながら、注意して歩いていくと、「雨乞岳登山道」という小さな道標に手書きで書かれた「ホクギノ平」の文字を見つけた。辺りは、尾根筋の樹林帯で何の変哲もない場所だった。

 だいぶ登山道の道幅が広がる。ジグザグに下っていくと、だいぶ雨が弱くなってきた。
 15:13、途中で小休止。(写真下)
 長い尾根下りが続いている。単独で歩いていたら、飽きてしまうだろうなと思える下りだった。幸い、今回は、話し相手が多いので、飽きることなく、下っていけた。
[尾根の途中にて、雨の中の小休止]

 16:23、車道に出た。(写真下)
 左折して、石尊神社側へ歩く。雨は、もうほとんど降っていなかった。

 16:25、石尊神社前に到着。下山の途中、携帯で電話したタクシーが16:30に到着。
 タイミング的には、バッチリだった。
 ....でも、なかなか電波が届くエリアが見つからなかったのだ。
[車道に出た]

 小淵沢駅で着替え、サッパリしたところで、駅の土産物売りの中にあるカウンターでウィスキーや缶ビールで乾杯。
 今回は、久々の雨山行となったが、それだけに印象深い山行となった。
 [小淵沢駅にて]


 久々に本降りの雨中山行となってしまいました。
 ですが、登山口と下山口を含めて、山小屋もなく(ホクギノ平付近で作業小屋のような物をチラッと見かけた記憶がありますが)、自然林の樹林帯が続く、この山は、観光化されていない珍しい山だなと思いました。
 この山は、100年経っても、今のままであることを祈りたい、そう思いたくなるような山でした。
 また、余談ながら、紅葉のシーズンは、結構、色鮮やかになるのではないかと思え、機会があれば、秋に再訪したいと思っています。

 最後に本山行を企画していただきましたリーダのHIMさん、ありがとうございました。
 自然たっぷりの山に満足しました。




※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。