トップページ他山域山行リスト>木曽駒ヶ岳・宝剣岳_記録20170826


木曽駒ヶ岳・宝剣岳 〜中央アルプス〜

 山行日
2017年8月26日(土)・27日(日) 晴・晴
同行者:YSさん
 コース
2017/8/26:千畳敷(13:17)〜(14:08)乗越浄土(14:13)〜(14:37)中岳(14:47)〜(14:58)頂上山荘テント場(テント泊)
2017/8/27:頂上山荘テント場(5:03)〜(5:14)木曽駒ヶ岳(5:58)〜(6:13)頂上山荘テント場(8:18)〜(9:08)宝剣岳(9:18)〜(9:53)乗越浄土(9:57)〜(10:36)剣ヶ池(10:41)〜(10:46)千畳敷
 今回は、元会社同僚のYSさんと木曽駒ヶ岳に行ってきました。8月最後の週末で、山小屋が混雑するのは予想できましたので、テント山行としました。
 詳細は、以下をご覧下さい。


<第1日>
 今回、YSさんとは、思う存分、山稜を歩いて登山を満喫するという事ではなく、手製の料理とともに酒を味わい、久々の対面なので、ゆっくり話でもしましょうという、のんびり山行とした。
 新宿発7:00のスーパーあずさ1号に乗車。最近は、ホントにお世話になっている列車だ。指定席が取れず、自由席となったが、YSさんとともに早めにホームで並んでいたため、余裕で座れた。

 上諏訪で、始発の豊橋行きに乗り換える。3両という短い車両編成だ。9:35、岡谷に到着。ここで、登山者だけでも、40人ぐらい乗車してきた。スーパーあずさ1号は、岡谷も停車するので、ここで乗り換えてもいいのだが、木曽駒方面の登山者は、皆、この飯田線に乗るのが分かっていたので、始発の上諏訪で乗り換えたのだが、これは、正解だった。座席は、埋まり、車内の雰囲気は、一変した。
 辰野を過ぎ、飯田線に入る。調べたら、この電車は、辰野から豊橋まで6時間17分かかることが分かった。1本の電車でこんなに長時間走る電車も珍しい。

 11:07、駒ヶ根到着。ここからバスで、しらび平へ移動した後、ロープウェイに乗って、千畳敷には、12:37に着いた。さすが週末という感じで、ロープウェイの乗客は、予想以上に多かった。
[しらび平からロープウェイに乗車]

 千畳敷から初めて眺める宝剣岳方面の印象は、草木の鮮やかな緑と岩の明るい灰色とのツートンカラーだった。そして、宝剣岳があれかと、ちょっと尖がったピークをしばし見入る。
 その後、信州駒ヶ岳神社の祠に対し、参拝したりと、なかなか出発できない状況だった。
[千畳敷から宝剣岳を眺める]

 13:17、ようやく千畳敷を出発する。YSさんは、ダブルストック姿でスタートとなった。
 歩き始めて、すぐ渋滞となってしまった。何で?と思ったら、前方に水溜りを発見。これが、原因のようだ。このあたりでは、登山姿でない若い観光客の集団も目につく。千畳敷カールを一周するのだろう。
[いよいよ千畳敷をスタート]

 13:30、分岐点に到着。右に下るのは、千畳敷カールを一周するコースだ。
 ここには、誰の目にも入るような警告カンバンが立っていた。
「警告 軽装登山危険! この先登山道です。登山に適した装備・技術・経験等無い方の登山は非常に危険です。(山岳遭難事故多発)」
 ロープウェイで、簡単にここまで来てしまうと、装備の無い観光客でも、この先を登ってしまうのだろうか。

 13:50、段々と斜面が急になっていく。登山道は、歩き易さ重視で、ジグザグ路となっていた。
 息が苦しくなり、立ち止まって振り返ると、遠く南アルプスが目に入った。(写真下) 
 ....背中のザックがやっぱり重い。
[振り返って、遠く南アルプスを眺める]

 14:08、乗越浄土に到着。
 周囲は、20人以上、登山者が休憩中だった。我々も小休止とした。
 振り返って、歩いてきたルートを見下ろすと、千畳敷駅の赤い屋根が目に入る。1時間弱で、あそこから歩いてきたのか思うと、人間の脚力というのは、凄いパワーだと改めて認識。
[稜線まで登り切ったところが、乗越浄土]

 14:13、浄土乗越を出発する。
 宝剣山荘、天狗荘の横を通過し、中岳への登りに入る。中岳のピークを越えて、ようやく今回の目的地、木曽駒ヶ岳が見えてきた。その左奥には、御嶽山が見えた。(写真下)
 テント場までは、下るだけだと分かると、幾分、楽になった。
[木曽駒ヶ岳と頂上山荘のテント場を眺める]

 14:58、頂上山荘に到着。
 山荘前のテント場には、すでに多数のテントが張られており、2つのテント(※注)が並んで設営できる場所を探す。だが、すぐには見つからず、結局、エリアを一周してしまった。中岳から見下ろした時は、広いテント場だと思ったが、大きい岩が多いため、どこでも設営とは、いかなかったのだ。
 「ここにしよう。」と決めたら、早速、テントをザックから取り出す。

(※注)
 YSさんとのテント山行のときは、各自がテントを背負う山行スタイルとなっている。私のテントは2人用なので、ゆったりと過ごすことが出来る。
 ....ザックは、重いけど。
[テントを設営する]

 一段落したところで、山荘にて缶ビールを調達。
 テント近くの平らな岩をテーブル代わりにして
 「かんぱい〜。」
 正面に八ヶ岳の山並みを見ながら、ビールを味わう。至福のひと時だ。
 ビールのつまみを食べながら、食材を取り出し、料理を作り始める。
[まずは、缶ビールで乾杯]

 まずは、持参した3、4人分のナスとピーマンで、マーボーナスを作る。フライパンが小さいので、2回に分けて作った。YSさんからは、日本酒を戴く。
 早めの飲食だったが、やはり気温が下がっていくのがわかる。ダウン上着の上にウィンドブレーカーを着用。やはり、ここは、標高2860mぐらいなので、歩いていないと身体が徐々に冷えていく。
 その後、カレーライス(横須賀海軍カレーのレトルトをチョイス)を夕食とした。YSさんは、生野菜入りのスパゲティだ。(写真下右)
 周囲は、徐々に薄暗くなってきた。
[男の料理:マーボーナス] [スパゲティに生野菜]

 だが、食べたり、飲んだり、話をしているうちに身体の調子がおかしくなってきた。
 酷い頭痛がしてきたのだ。この症状は、どう見ても高山病だ。しかし、ここは、標高2900m以下。未だ高山病は、富士山以外で発症したことは無かった。
 ロープウェイで一気に標高が変わったのが原因か。あるいは、体調自体が悪かったのか。いずれにしても、3000m以下で高山病になってしまったことにショックを受ける。今までは富士山の時だけ、気をつければよかったのだが、これからは、そんな事が言っていられなくなる。
 YSさんには、申し訳なかったが、早めにテントへ。
[夕日で茜色に染まる]

 <第2日>
 4:25、起床。まだ頭痛が続いている。夜中も頭痛で、2、3度目が覚めた。
 5:03、テントを出てYSさんと頂上に向かう。
 5:14、駒ヶ岳頂上に到着。すでに大勢の登山者がご来光を待っていた。太陽が出てくるあたりの雲だけ、積乱雲のような雲があり、盛り上がった状態だ。大丈夫だろうか。ちょっと不安になった。
 5:17、朝日が出てきた。
[木曽駒ヶ岳頂上にて]

 陽が昇っていく方角から東へと、眺める。
 甲斐駒ヶ岳の見事な三角形が目に入る。
 南アルプスの奥に富士山も見える。
 さらに南側に目を向けると、宝剣岳、空木岳方面がくっきりと眺められた。
 続いて、御嶽山を眺める。(写真下)
 さらに乗鞍岳、北アルプスと山並みが続いているのが見えた。
 残念ながら、八ヶ岳は、雲海が高く、ほんの少ししか見えてなかった。

 それにしても素晴らしい眺めだ。3000m級の山々が、殆ど見えるのではないだろうか。
 ここは、危険個所もないし、時間もかからない。山を始めたばかりの登山者を連れてくるのに最も適した山ではないかと思えた。
[御嶽山の眺め]

 頂上を下りる頃になると、高山病の症状が治まっていた。富士山での高山病も発症してから12時間で解消されるのが、今までの経験。やはり、ここでも12時間で、高度順応したようだ。
 おかげで朝食は、テント場で気分よく食べられた。
[朝のラーメン。ネギたっぷり] [朝のサラダ(YSさんより差し入れ)]

 今日も天気は、快晴となり、シュラフを干しながら、食後のコーヒーを飲む。
 やはり、山は、好天気が一番だな〜としみじみ思う。
 「そろそろ始めますか」と、朝食を片付けた後、テントを撤収する。
[テントを撤収中]

 帰りは、中岳ピークをパスし、右側から巻いていく。
 このルートは、冬季通行止めとなるようだが、確かに雪が積もると、岩が凍りついて滑落しやすいためかと思えた。
[中岳を巻く]

 宝剣山荘の横を通り、宝剣岳へと寄り道する。
 途中で、ザックを下ろし、空身で頂上に向かう。
 前方には、登山者の列が見えた。どうも頂上手前で渋滞しているようだ。
[宝剣岳の登り。この後、渋滞する]

 9:08、宝剣岳頂上に到着。
 千畳敷駅の建屋を見下ろす。(写真下左)
 さらに視点を南へ移せば、空木岳や南アルプス南部も見渡せた。
 次から次へと登山者がやってくるので、長居はできない。記念撮影だけ撮って、下りに入る。
 なかには、頂上の岩の上に立つ人も。(写真下右)
 
....見ているこっちが、恐ろしい。
[宝剣岳頂上にて(1)] [宝剣岳頂上にて(2)]

 頂上直下で、クサリ場が続くが、ここで渋滞発生(登りの時と同じ)。登りを優先しても、頂上でのスペースは限られているので、結局は、下山者を下ろさないと、デッドロック状態になってしまう。
 天気がいいせいか、登山者がひっきりなしに続いていた。
[宝剣岳の下り:渋滞中]

 乗越浄土を通り、来た道を引き返す。
 千畳敷カール遊歩道との丁字路で、登りの時とは違ったルートへ下っていく。
 すると剣ヶ池横の広場に出た。ここは、屹立した宝剣岳の姿が印象的で、絶好の記念撮影ポイントだ。YSさんがシャッターを依頼される。(写真下)
[剣ヶ池にて]

 剣ヶ池を出発したら、何と登りとなった。
 ここで、登りとは、ちょっと足腰にダメージが。ヒーコラ言いながら、どうにかロープウェイ駅に到着。(10:46)
 まずは、生ビールでYSさんと乾杯。生ビールを飲みながら、南アルプスを眺めるのは、なんとも贅沢な話だ。
[千畳敷にてビールで乾杯]

 ロープウェイは、ダイヤを無視し、フル稼働状態で、観光客・登山客を輸送している。
 お蔭で、早めに下ることが出来た。しらび平では、これからロープウェイに乗る観光客で、長蛇の列が出来ていた。これから、まだまだ千畳敷に人が移動していく。
 菅の台バスセンター行きの臨時バスが運行されており、幸いにもタイミングよく乗車できた。
[しらび平を出発]

 菅の台にて下車。日帰り温泉施設「こまくさの湯」に立ち寄る。
 まだ時間が早いせいか、それほど混雑しておらず、露天風呂にて、ゆったりと過ごす。
 サッパリした後、「今回は、天気に恵まれましたね。」と、YSさんと、この2日間を振り返りながら、駒ヶ根駅行きのバスを待った。
 [こまくさの湯に立ち寄る]


 YSさん
 久しぶりにお会いでき、楽しいひと時を過ごすことが出来ました。誠に有難うございました。
 好天気に恵まれ、木曽駒ヶ岳の印象は、素晴らしいものになりましたが、テントでじっくり飲みましょうと言っておきながら、まさかの高山病で、早めの就寝となってしまい、申し訳ございませんでした。
 これに懲りず、また、ご一緒させて下さい。




※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。