トップページ他山域山行リスト>甲斐駒ヶ岳_記録20170925


甲斐駒ヶ岳

 山行日
2017年9月25日(月) 晴 同行者:AKFさん、HIMさん
 コース
北沢峠(こもれび荘)(4:37)〜(6:41)双児山〜(7:19)駒津峰(7:25)〜(7:53)六方石(7:55)〜(8:50)甲斐駒ヶ岳(9:29)〜(10:08)六方石(10:10)〜(10:43)駒津峰(10:45)〜(12:10)仙水峠(12:12)〜(12:40)仙水小屋〜(13:02)長衛小屋〜(13:12)北沢峠
 今回は、山の会メンバーのお二人から誘われて、甲斐駒ヶ岳に行ってきました。夏でも花崗岩で白く、摩利支天の凸部を持つ、この個性的な姿の山は、私にとってBEST5に入る山で、昔から憧憬の的でした。
 当日の天気は、素晴らしく、展望に恵まれた山行でしたが、それ以外にも、いろいろありました。
 詳細は、以下をご覧下さい。


 9月頭での「山の会」定例会終了後、JR新橋駅界隈の某中華料理店で皆とワイワイしていた時、女性メンバー2人から
 「花立小僧さん。9/25(月)の平日ですが、甲斐駒に行きませんか。」
と、山の誘いを受け、仕事は休めそうだったので、即OKの返答。
 よくよく聞けば、「山の会」月次山行として、9月23・24日に仙丈ヶ岳を登る計画が立てられたが、その参加メンバーのうち、この女性メンバー2人だけが、もう一泊し、個人山行として甲斐駒も登りたいという計画を秘かに練っていた様子。

 そんな訳で、24日日曜の昼、甲府駅前にて一人、広河原行きのバスを待った。
 ....昨日の箱根外輪山縦走で、まだ足の筋肉痛あり。

 広河原からバスを乗り継いで、北沢峠に到着。(14:42)
 バス停のすぐ先にある「こもれび山荘」に入り、仙丈ヶ岳から既に到着済の2人と合流した。
[甲府駅にて]

 4:00、起床。
 出入口前で支度をしていた頃は、まだ動く人影が見られなかったが、我々が小屋を出る頃になると、小屋内で宿泊者が、だいぶ動き始めた。今回は、再び北沢峠に戻ってくるので、着替など余計な荷物は、山小屋の棚に置かせてもらう。
 4:37、夜が明ける前に山小屋を出発。
[夜明け前に山小屋を出発]

 山小屋を出てすぐ、道標[双児山・駒ヶ岳]と書かれた方向へと進む。ヘッドランプだけの光だが、道幅は広く、迷うことはない。樹林帯の中を黙々と登っていく。
 ようやく明るくなって、振り向いた時、南アルプスの山並みが見えてきた。
 続いて、樹林帯が切れた所から、今年8月にも眺めた特徴ある山が見えてきた。

 甲斐駒ヶ岳は、今回が2度目で、初めて登ったのは、もう30年ぐらい前のことだ。その時は、黒戸尾根から登り、北沢峠に下りてきた。そんな訳で、実は、今、登っているルートは、一度、下りで通っている筈なのだが、全く記憶が無かった。
[日が昇り、明るくなる]

  さらに高度を上げていくと、樹林が少し低くなり、周りの山々が眺められた。
   右手寄り見えた光景
   振り返って見えた光景

 6:41、双児山を通過。「双児山」という山頂標識があったが、周囲は、樹林で囲まれ視界は、遮断されている。そんな訳で、前を行く二人は、あっさり通過していく。
[双児山を通過]

 樹林帯の双児山のピークを過ぎ、下っていくと、鞍部から駒津峰への登りに変わる。
 ここで、ふと右手に目を向けた。
 正面を見上げると、ここからは、ハイマツの斜面で、ちょうど日陰のせいか、冷え冷えしてくる。(写真下)

 相変わらず前の二人のペースが速い。撮影していると、すぐに間隔が開いてしまう。
 ハイマツゆえ、先が見えてしまっているので、心理的に辛い登りだ。
 左手を眺める。
[駒津峰への登り]

 長い登りが終わると、前方が眩しい。目を細めながら、駒津峰の頂上に到着した。
 正面には、逆光気味だが、甲斐駒がクッキリと見えた。
 今まで他の登山者とは、双児山の登りの途中で、単独男性に追い抜かれただけだったが、驚いたことに10人以上の登山者が休憩中だった。どうやら、皆、仙水峠経由で登ってきた人たちのようだ。
 駒津峰の標識の先から、前を望む。
[駒津峰に到着]

 7:25、駒津峰を出発。ここから先は、紅葉が始まったという感じで、緑から黄色に変わっていくグラデーションが目立つ。
 7:53、六方石でほんの少し休憩。ここからは、御嶽山や乗鞍岳方面の山々がよく眺められた。歩き出すと、すぐに直登ルートと巻道ルートとの分岐点に出た。ここは、巻道ルートを選択する。
[駒津峰を出発]

 六方石を過ぎ、樹林帯を右へトラバース気味に進むと、突如、視界が広がった。樹林帯が終わり、白砂の斜面が現れたのだ。もう日陰はない。足下の砂で足が滑る。ここからは、我慢の登りとなる。
 8:16、摩利支天分岐を通過。
[白砂の斜面を直登する]

 頂上方面が見えているのだが、なかなかその差が縮まらない。
 相変わらず、足下は滑りやすい。
 振り返ると、栗沢山やアサヨ峰のピークが見下ろせるような高さまで登ってきたことに気がつく。ちょうど鳳凰三山の上に富士山が姿を見せていた。
[白砂の斜面が続く]

 8:46、黒戸尾根からの登山道と合流する。道標には、山頂まで5分、竹宇登山口まで5時間30分とあった。あと5分と思う一方、黒戸尾根を下るだけで5時間30分かと、その長さに改めて目を見張る。

 8:50、甲斐駒ヶ岳頂上に到着。
 30年前にあった山頂標識は、「東駒ヶ岳」だった。だが、その「東」の文字は、人の手で消された跡があり、「駒ヶ岳」だけの標識となっていたことを思い出す。今思えば、「東駒ヶ岳」という長野県側からの呼び名は、ポピュラーではなかったのかもしれない。
 頂上にて記念撮影をしたり、今まで見れなかった八ヶ岳方面の景色を眺めたり、一等三角点を撮影したりして時間が過ぎていった。
[甲斐駒ヶ岳頂上] [頂上から八ヶ岳を望む]

 9:29、頂上を出発。
 登ってきた道を引き返す。砂の斜面は滑りやすく、緊張しながら下っていく。

 駒津峰からは、仙水峠側のルートを選択する。駒津峰から眺めた仙水峠側は、ガスが湧き、どこが峠か分からない状況だった。(写真下)
[駒津峰から仙水峠に向かう]

 順調に見えた山行だったが、アクシデントは、この仙水峠への下りで発生した。
 最後尾を歩いていた私がバランスを崩し、ものの見事に前方にコケた。山を歩き始めて40年以上経つが、下りで、ここまで完璧に前へ倒れたのは初体験だった。
 倒れるまでの記憶を思い出すと、左足が何かにつまずいた感じで、思わず右足が前に出たが、段差があったため、バランスを崩し、そのまま前に倒れてしまった。その際、目の前に迫った岩を避けるため、思いっきり、顔面を上に向け、右手を前に出した。
 だが、それでも鼻の頭や右部は、岩に当たって出血し、右手親指付け根部分の皮が剥け、出血。
 「やってもうた。」と思ったが、幸い、今回、同行メンバーの一人は、その道のプロの方だったので、応急処置をしてもらって、一段落。右手と顔面は、絆創膏やサージカルテープだらけとなった。
 ....特に顔面は、×印のようにテープが貼られてしまった。
[下りでアクシデント]
・・・ マウスポインタを画像の上に持っていけば...
[右手負傷]

 12:10仙水峠に降り立った。だが、ガスが湧いてしまい、甲斐駒方面は、見えない。ここから屹立した摩利支天を仰ぎたかったのだが、残念だ。道標を何枚か撮影しただけで、歩き始める。
 
 仙水小屋へのルートは、何故か岩だらけの道で、歩き難い。20分ぐらい歩くことで、ようやく樹林帯へと突入する。
[仙水峠から仙水小屋へと向かう]

 仙水小屋からは、緩やかな下り道となる。長衛小屋を通過し、南アルプス林道に出ると、北沢峠までは、登坂となる。短いとはいえ、この最期の登りが苦しい。

 13:12、北沢峠到着。
 バスダイヤは、13:30発で、どうにか間に合った。荷物を小屋まで取りに行ったり、着替をしていたら、すぐに時間が経ってしまった。
 月曜日だったが、バスは、増便で2台となって北沢峠を出発した。
[北沢峠でのバス待合室にて]

 その後、広河原にてバスを乗り換え、甲府に到着。その間、顔の絆創膏姿は、そのままだったが、甲府駅ビルにて顔を洗い、絆創膏を貼り替えた。幸いにも、鼻は腫れておらず、内出血もしていなかった。単に鼻の表面を岩肌で切っただけのようだ。

 その後、駅ビルの店に入り、3人で乾杯。
 ....お疲れ様でした。
 [甲府駅にて乾杯]


 30年ぶりの甲斐駒でした。初回の時、天気は快晴だったことを覚えていますが、今回も素晴らしい天気に恵まれました。お蔭で、南アルプスだけでなく中央アルプス、北アルプス、八ヶ岳、富士山の眺望を満喫しました。
 ですが、今回、初の下山事故を起こしたことは、大いなる反省点です。今後は、もっと集中して歩かないと危険ということを痛感しました。
 ....年齢的な衰えか?

 AKFさん、HIMさん
 宿の手配から、下山中のアクシデントの対応まで、いろいろとお世話になりました。
 誠に有難うございました。




※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。