トップページ他山域山行リスト>北横岳・縞枯山_記録20180503


北横岳・縞枯山

 山行日
2018年5月3日(木)・4日(金) 曇・曇
同行者:「山の会」メンバー 8名
 コース
2018/5/3:山頂駅(10:35)〜(10:41)坪庭南口〜(10:50)縞枯山荘(11:54)〜(12:08)坪庭南口〜(12:15)坪庭北横岳分岐〜(12:58)三ツ岳分岐〜(13:05)北横岳ヒュッテ(13:13)〜(13:27)北横岳南峰(13:29)〜(13:32)北横岳北峰(13:43)〜(13:46)北横岳南峰(13:53)〜(14:06)北横岳ヒュッテ(14:18)〜(14:25)三ツ岳分岐〜(15:03)坪庭北横岳分岐〜(15:15)山頂駅(15:33)〜(15:37)坪庭南口〜(15:50)縞枯山荘(泊)
2018/5/4:縞枯山荘(6:26)〜(6:33)雨池峠〜(7:19)縞枯山(7:24)〜(7:45)縞枯山展望台(7:47)〜(8:30)茶臼山〜(8:34)茶臼山展望台(8:39)〜(8:42)茶臼山(8:47)〜(9:19)中小場〜(9:38)大石峠〜(9:56)茶水の池(10:01)〜(10:05)麦草ヒュッテ(10:30)〜(11:02)狭霧苑〜(12:50)渋御殿湯
 「山の会」でのGW山行は、北八ヶ岳を計画しました。私自身、行ったことのない山域で、楽しみにしておりましたが、当日は、天候が今一つ。
 いろいろと予想外の出来事がありました。詳細は、以下をご覧下さい。 


<第1日>
 今回も新宿7:00発スーパーあずさ1号に乗車。
 9:09、茅野で下車。茅野駅前では、雲が多かったものの、日が照っていたが、ロ−プウェイに乗る山麓駅で、ジャンボタクシーから降りると、そこは、もうガスがかかり、別世界。
 すぐにロープウェイに乗るが、周囲は、真っ白で、窓ガラスの向こうは、何も見えない。今まで何度となくロープウェイには乗ったことがあるが、ガスで、360度、全く視界が見えない状況というのは、初めての経験だ。

 山頂駅に到着後、雨具を着用して出発。
 建屋から一歩、踏み出すと、強烈な風が全身に当たる。
 八ヶ岳で、こんな風に遭遇するのは、2年前のGWに行った硫黄岳を思い出すなぁと、ふとメンバーを見たら、あの硫黄岳の突風に向かった5人が、今回も揃っているではないか。
 ....ちょっと焦る。
[ロープウェイ山頂駅を出発]

 山頂駅からは、縞枯山荘に直行する。まずは、ザックを置いてから、サブザック1つで北横岳に登ろうというのが、今回の計画。
 ガスの中から、山荘の青い屋根が見えてホッとしたところで、木道が水没。木道は、水の上に浮いていた状態だった。おかげで、靴の中まで水が入ってしまったメンバーもいた。
 ....私も片足が犠牲となった。
[縞枯山荘がガスの中から現れる]

 山荘内のストーブで、靴を乾かしつつ、ついでに足も乾かしながら、早めのランチタイム。
 11:54、サブザックを背負って、出発。
 幸い、ガスが少し薄くなっていた。
 山頂駅の方へ戻り、途中で右折し、北横岳へと向かう。左手には、坪庭が広がる。(写真下)
 まさに溶岩が固まった台地だ。
[坪庭を歩く]

 北横岳への登りに入ると、右手に縞枯山の全容が見え、その手前に坪庭が見下ろせた。(写真下左)
 その右奥には、南八ヶ岳方面の厳しい山稜がチラッと見え、よく見てみると、富士山のような形をした山が見えた。どうやら、編笠山のようだ。(写真下右)
 もっと天気が良く、晴天の下であれば、雄大な光景に映っただろう。曇り空では、ちょっと地味な印象になってしまい、残念だ。
[縞枯山と坪庭] [最奥は、編笠山のようだ(望遠)]

 シラビソなどの針葉樹林帯の中を進む。
 登山道の箇所だけ、雪が残っていて、登山道が積雪で盛り上がっている状況。まだ雪が固いので歩き易いが、解け始めたら、さぞかし歩き難いだろう。
[三ツ岳分岐点を通過]

 13:05、北横岳ヒュッテ前にて小休止。
 地図を見ると、ここまで来たら、北横岳は、もうすぐだ。だが、実際は、この先からが厳しかった。
 残雪が目立ち、全員、軽アイゼンを装着。
[北横岳ヒュッテに到着]

 残雪の急登となるが、軽アイゼンのお蔭で歩き易い。
 一列で、我慢強く前進していく。皆、息をするだけで、会話が減ってきた。
 やがて登山道は、階段状の登りとなった。
[雪が多くなる]

 北横岳南峰の山頂に出て、やれやれと思ったのだが、ここで、物凄い強風に遭遇する。
 やはり、2年前の硫黄岳メンバー5人が集まっているせいだろうか。
 但し、今回は、風が強いと言っても、硫黄岳の時と違って、まだ自分が進みたい方向へ歩くことが出来る。だが、風を避ける場所が無いので、すぐさま、北峰に向かうことにした。
[北横岳南峰にて]

 ほんの少し、樹林帯を進めば、北横岳北峰に到着。手許の山と高原地図「八ヶ岳」では、北横岳南峰2472.5m。北峰は、2480mで、北峰の方が、若干高い。(だが、三角点は、南峰にあった)
 今回の山行の最高地点となる北横岳北峰にて、全員の記念撮影を実施。(写真下右)
 風は、相変わらず強かったが、そのせいか、ガスが少し流れていって、蓼科山の山麓が見えてきた。
[北横岳北峰にて] [全員での記念撮影(TOIさんカメラによる)]

 北峰から南峰に戻ってきた。
 強風の中、ここでも全員での記念撮影を実施。着いた時は、山麓の畑のような地形が見えていたのだが、撮影時には、何も見えなくなってしまった。(写真下左)
 ところが、下山となった瞬間、縞枯山方面が見えてきた。よく見ると、縞枯山荘の青い屋根も見えた。(写真下右)
[南峰でも全員記念撮影(TOIさんカメラによる)] [ガスが切れてきた]

 帰りも、一列となって下っていく。
 ここで、私にアクシデント発生。緩い下りにて、横に伸びていた木の枝を避けようと足を上げたのだが、それでも左足が引っかかってしまい、前方に倒れてしまった。昨年の秋の甲斐駒で、コケた時の悪夢が蘇る。
 幸い顔面近くに岩は無く、顔面の怪我は避けられたが、左足の膝小僧を思いっきり、岩にぶつけ、まだ2,3回しか使っていない雨具に穴が空いてしまった。
 ....ちょっとショック。
 雨具の下のズボンは、どうかと思い、雨具をめくってみると、ズボンには、破けたような跡が全くなかった。ズボンは、大丈夫だったかと安心して、歩き出すが、ちょっとぶつけた左の膝小僧が痛い。そこで、ズボンをめくってみると、大量の血が流れていた。
 う〜む。ズボンが切れていなかったからと言って、その下の皮膚が大丈夫という訳ではないということを改めて知った。
 ....登山ズボンの強度にビックリ。
[下りは、より慎重]

 樹林帯の中の一本道を下っていく。
 行きで見た縞枯山の山容が、帰りでも見れた。縞枯山が見えた地点で軽アイゼンを外す。
 その後、丁字路に戻った時、せっかくなので、坪庭を一周しましょうと、坪庭の周遊ルートに出たら、右折し、山頂駅へと向かう。
 山頂駅に近づいて来たら、こんな天候にも拘わらず、観光客の何人かとすれ違った。
[山頂駅に近づいてきた]

 15:15、山頂駅に到着。
 建屋の中では、腰を下ろして、しばし皆と談話。やはり、風のない場所は、オアシスのようだ。
[山頂駅に入り、小休止]

 15:50、再び縞枯山荘に戻ってきた。
 それにしても、静かな山荘だ。聞けば、今夜は、我々9名と、それぞれ小学生の女の子を連れたお母さんが2組、宿泊するだけだという。ゴールデンウィークの最盛期の時期だというのにビックリ。やはり、天候のせいだろうか。
[再び、山荘に戻ってきた]

 一つの炬燵を、小学生の女の子たちと一緒に囲む。(写真下左)
 まず缶ビールで乾杯した後、、先日、○○歳になったばかりのHIMさんの誕生日をバームクーヘンで祝う。ご本人は、山小屋でのお誕生日会ということで、嬉しさ倍増。熱い感動を受けて戴く。
 ....小学校の女の子たちにも切り分けたバームクーヘンをプレゼント。

 いつものことながら、夕食前で飲み過ぎ状態になっている。今回は、ビールの後、マッコリばかり飲んでいた。
 。。。。ちょっと、低アルコールを意識。
 夕食は、炬燵から食堂に移動する。食べる前に記念撮影。(写真下右)
 あれだけ酒を飲んだのにと思ったのだが、やはり、ペロリと食べてしまった。
[夕食前に炬燵で乾杯 (TOIさん撮影)] [夕食にて (TOIさん撮影)

<第2日>
 5:00起床。昨晩は、夕食後も飲んでいたが、20時に就寝したので、目覚めは、問題なし。
 5:30には、朝食スタート。昨夜のアルコールもどこへやら、しっかり食べてしまった。
 6:28、山荘を出発する。
 雨池峠を過ぎた先で、縞枯山の北側斜面に取り付くが、その前に軽アイゼンを装着する。北側斜面には、ビッシリと雪が残っていた。
[縞枯山への登り]

 ひたすら直登を進む。左右の樹林帯は、あまり変化が無く、単調な登りとなるが、約40分の登りを終えて、縞枯山の頂上に到着。
 周囲は、樹林に囲まれ、視界は、広がらない。記念撮影だけして、出発する。
 この後、粉雪が本格的に降り始めた。
[縞枯山頂上での記念撮影(TOIさんカメラによる)]

 7:41、縞枯山展望台分岐点にて、ザックを下ろし、展望台へと向かう。
 しかしながら、展望台でも、見えるのは、乳白色のスクリーンのみ。何も見えないので、あっさりUターンする。ただ不思議だったのは、ここでは、風が吹いていなった。

 縞枯山の下りに入り、ようやく雪が止んだ。
[縞枯山展望台]

 展望台分岐点に戻り、縞枯山の斜面を下っていく。
 8:10、縞枯山と茶臼山の間の鞍部を通過。ここには、右手に分岐路があり、「五辻・ロープウェイ」への標識が立っていた。直進すると、周囲は、立枯れの木が目立ってきた。(写真下)
[立枯れの木が目立つ]

 先程の縞枯山の登りの時と同じように雪が積もった斜面を直登していく。なんだか、もう一度、縞枯山を登っているイメージだ。
 8:30、茶臼山頂上に到着。
 ここで、ザックを置き、道標の指す展望台に向かった。
[茶臼山頂上]

 8:34、茶臼山展望台に到着。ここも、縞枯山展望台と同様、ガスに覆われ、何も見えない。
 そんな訳で、茶臼山展望台という標柱を撮影した後、茶臼山へ戻る。
[茶臼山展望台に寄り道]

 茶臼山からの下りで、軽アイゼンを外すと、今度は、粉雪ではなく、霰が降ってきた。まあ、視界不良となるほどのレベルではないので、どんどん下っていく。
 樹林帯から飛び出したと思った箇所が、中小場だった。ここは、昨日の北横岳と同様、強烈な風が襲う。(写真下)
[中小場にて]

 だが、この風のお蔭で、少し遠景が見えた。
 一瞬、日が差し込んできた。すると、霰が止んだ。だが、再び日が陰ると、霰が降ってきた。
[茶臼山の山肌]

 中小場から先で、霰は止んだが、足下の岩の上には、霰が積もっており、滑らないように注意深く下っていく。
 大石峠を越えると、フラットな歩きとなり、麦草ヒュッテ前にてランチタイムとする。
[麦草ヒュッテ前にて小休止]

 本来、予定していたコースは、麦草ヒュッテから丸山を登り、高見石小屋から渋温泉に下るつもりだったが、ここまでで、時間をだいぶ食ってしまった。そこで、エスケープルートとして考えていた、丸山を登らない狭霧苑経由のルートを採用した。これで、歩行時間は、30分程短くなる。
 結果的には、北八ツらしい樹林帯を歩く結果となり、なかなか趣のあるエリアだった。
[狭霧苑に向かう途中にて]

 11:02、狭霧苑を通過。(写真下)
 ここは、右手にR299が見えて、ちょっと興ざめな部分は、あるものの、登山者が少なく、静かな山歩きができた。
[狭霧苑にて左折]

 冷山のコルに向かう途中、登りとなる。
 振り返ってみると、今回登った北横岳、縞枯山、茶臼山などが見渡せた。(頂上付近だけだが)
 左端には、蓼科山が見えていたが、ピークは、雲の中だった。
[蓼科山、北横岳、縞枯山、茶臼山と見えてきた]

 蓼科山からさらに視点を左側に向けると、日が当たっている山々が見えた。
 車山だ。
[車山あたりには、日が照りつけていた]

 登りが続く。
 高度を稼いでいくと、やがてフラットな歩きに戻った。
[冷山コルへの登り]

 どこがコルか、分からなかったが、道標[渋の湯・狭霧苑]と手書きで書かれた道標のある辺りが、コルだろうと勝手に想定し、小休止。(12:01)

 12:09、出発。
 冷山の南側斜面を下っていく途中、前方に天狗岳が見えてきた。東天狗と西天狗の双方が眺められるビュ―ポイントを探すが、どうしても手前の樹木が邪魔となる。(写真下) 
[渋の湯への下りにて]

 渋の湯に近づいていくと、急斜面の下りとなった。
 だいぶ下ったなと思っていると、卵の腐ったような硫化水素の臭いが鼻をつく。温泉場が近づいてきたと、風呂上がりのビールが目に浮かんだ。
[急な下りとなる]

 12:50、渋の湯(渋御殿湯)に入る。
 滑りやすい床に注意しながら、浴槽へ。やはり、気持ちがいい。
 ....だが、怪我をした左足膝小僧を湯につけさせないため、ちょっと恥ずかしいアクロバット的なポーズとなる。

 風呂から上り、早速、缶ビールで乾杯。
 風呂から早めに出てしまい、時間的に余裕が出来てしまったが、予約していたジャンボタクシーが早めに来てくれたことで、結果オーライとなった。
 温泉の前で、ジャンボタクシーの運転手さんに全員の記念撮影をしてもらう。(写真下)

 この後、茅野駅から特急あずさの指定席に乗り、再び飲み始めたことは、言うまでもない。
 ....TOIさん、帰りの指定席の事前購入、有難うございました。
 [渋御殿湯にて湯上り後に記念撮影(TOIさんカメラで撮影)]


 今回は、全く視界のきかないロープウェイ、木道が水没、烈風の北横岳山頂、雪道でコケたこと、粉雪や霰が降ってきたこと、ルート変更といろいろありましたが、無事、山行を終えることができました。(足を怪我したので、無事とは、言えないか...)
 しかしながら、天候に不満があり、いつか晴天の時に再度、訪れてみたいと思っています。

 「山の会」参加メンバーの皆様
 お疲れ様でした。今回も、よく飲みました。今後とも宜しくお願い致します。




※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。