トップページ他山域山行リスト>平標山・仙ノ倉山_記録20180721


平標山・仙ノ倉山

 山行日
2018年7月21日(土)・22日(日) 晴・晴
同行者:「山の会」メンバー 7名
 コース
2018/7/21:三国峠登山口(9:04)〜(9:47)三国峠(9:55)〜(11:05)三国山(11:14)〜(13:24)三角山(13:30)〜(14:01)大源太山(14:12)〜(15:18)平標山ノ家(泊)
2018/7/22:平標山ノ家(6:22)〜(7:21)平標山(7:33)〜(8:39)仙ノ倉山(9:09)〜(10:03)平標山(10:19)〜(11:56)松手山(12:00)〜(13:42)駐車場(13:51)〜(13:55)平標登山口
 今回は、「山の会」月次山行として、上越国境の山に行ってきました。
 初めての山域で、山行計画を聞いた時からワクワクしていたのですが、天気が余りにも良過ぎて、初日は、炎天下の縦走となりました。
 詳細は、以下をご覧下さい。


<第1日>
 朝7:00発の上越新幹線「MAXとき303号」に東京から乗って、越後湯沢にて下車。(8:10)
 越後湯沢からのバスだと、浅貝の先、西武クリスタルが終点となり、三国峠登山口までのバスが無かった。このため、今回は、ジャンボタクシーを予約して、三国峠登山口に到着した。(8:48)(写真下左)
 目の前では、新三国トンネル工事が進行中で、騒がしい中、念入りに日焼け止めクリームを塗ったり、ツバの広い帽子を被ったりと、暑さ対策を実施。今日は、どう見ても熱中症になりそうな天候だ。
 今回の参加メンバーは、8名。各自、準備OKとなったところで、いよいよ出発となった。(9:04)
 「上信越自然歩道」という大きな看板が立っている、細い経路を進んでいく。(写真下右)
[三国峠登山口に到着] [いざ出発]

 登り始めは細い山道だったが、途中から幅広の登山道になった。ここは、旧三国街道。
 この三国峠越えは、上杉謙信の関東遠征にも利用され、古くから関東と越後を結ぶ交通の要だった。だが、1902年(明治42年)に鉄道(信越本線)が開通してからは、人や物資の運送が鉄道に取られ、峠付近の街道は、衰微していく事になる。なお、上越線が開通したのは、1931年(昭和6年)で、これで、群馬・新潟間での移動時間がさらに短縮された。
 三国街道は、三国峠が難所となり、群馬・新潟県境に初めて自動車の通れる道路が出来たのは、三国トンネルが貫通(1957年)し、供用開始した1959年(昭和34年)との事。
 そして現在、約60年経った三国トンネルに代わって、新三国トンネルが工事中となっている。

 ちなみに、司馬遼太郎の作品「峠」では、冒頭、主人公の河井継之助が、冬に三国峠を越える場面が出てくる。だが、実際は、三国峠ではなく、碓氷峠だったらしい。
 ....ちょっと残念。今回、夏とはいえ、河井継之助の気分で峠を越えてみたかったのに。

 出典:Wikipedia(三国街道、上越線、国道17号、峠etc.)
[幅の広い登山道を進む]

 ジグザグ路が続き、自然林の中を歩くこと、約40分。
 左手に鳥居が見えた。ここが三国峠だった。(写真下)
 御阪三社神社と掲げられた社があり、参拝し、小休止。ベンチに腰かけるも、日陰がなく、顔から汗が出てくる。
[三国峠に到着]

 三国峠からは、先程までの峠道と異なり、階段状の急な登りが続く。
 だが、登山道自体は、よく整備されているので、安心して歩ける。時々、視界が広がる地点を通過するが、全く知らない山域なので、どんな山が見えているのかサッパリ分からない。それよりも登山道付近の高山植物の花が気になる。
 シモツケソウが目立つなと思っていたら、ニッコウキスゲの群落が現れた。高山植物の群落は、平標山まで行かないと、見れないと思っていたので、痛く感動。皆、スマホやデジカメで撮影。
[ニッコウキスゲ群落が現れる]

 ガレ場の木の階段を登る。ちょっと木の階段が傾いて歩き難いが、ここは、風の通り道となっていて、涼しさを感じた。
 左前方には、送電線が延びていて、その先には、苗場スキー場が見えた。メンバーの中には、夏の苗場スキー場を見るのは初めてということで、立ち止まって撮影する人も。
 来週、あそこに何万人と集まるフジロックフェスティバルが開催予定だ。
[三国山への登りにて]

 11:05、三国山頂上に到着。
 頂上付近だけが、小さな広場となっていた。山頂標識の前には、三角点があったが、角が削れており、等級が不明の状態だった。
 メンバー8人全員の記念撮影をした後、昼食にしようかとの提案が出されたが、まだ時間的には早い、かつ、ここは、日影が無く、風も全く無いということで、即却下。ということで、取りあえず出発。
[三国山に到着] [三国山山頂標識]

 三国山を下っているときは、樹林帯でよかったのだが、次の小ピークを越えると、登山道に木陰が少なくなった。視界が広がるのは、嬉しいが、頭上から太陽が照りつける。
 再び登りになった所で、小さな木陰を見つけ、ここでランチタイム(11:50〜12:10)とした。(写真下)
[稜線にてランチタイム]

 ランチタイムを終え、出発するが、登山道周辺は低木となり、木陰がなくなってしまった。
 登山道は、刈り払われたササの葉で、下りは、滑りそうになる。
 景色は、素晴らしいのだが、兎に角、暑い。暑いのだ。

 12:28、1597m峰を通過。
 30分おきぐらいに水分補給をしながら、進むと、小ピークに到着。(13:24)
 ここが三角山の頂上だった。
[三角山頂上にて]

 13:30、三角山を出発。目の前に大源太山が見えた。なだらかなピークまでは、樹林帯の方が、ササ原部分よりも多い感じで、緑の模様が見える。
 それとともに稜線の登山道も見える。どうやら、この先も木陰が無いようで、暑さを覚悟。
[大源太山に向かう]

 13:41、樹林帯の中にて、大源太山の分岐点に到着。ここでザックを下ろし、空身で頂上に向かった。空身だと、やはり、息が切れない分、登りやすい。

 14:01、大源太山頂上に到着。
 三角山頂上もそうだったが、ここもトンボが多い。トンボが多いということは、食用となる蚊などの羽虫も多いことだろうか。記念撮影すると、トンボの大群もしっかりと写っていた。
 ここも三国山頂上と同様、山頂標識の手前に三角点が設置されてあった。
[大源太山頂上にて]

 大源太山頂上を往復した後、ザックを再び背負って、北上していく。
 目の前には、緑に染まった平標山と仙ノ倉山の山容がクッキリと眺められた。明日は、あの稜線を歩くかと思うと、胸が躍る。
 ....しかし、暑いぞ。
[平標山と仙ノ倉山が目の前に]

 15:18、本日の宿泊地、平標山ノ家に到着。
 やれやれ、ようやく着いたかと、首に掛けたタオルを絞ると、汗がタップリと落ちる。やはり、今日の発汗量は、半端なかった。

 ここには、仙平清水という湧水?が引かれており、水は、豊富。外に置かれた流しの中には、缶ビール、缶コーラなどが冷やされてあった。早速、缶ビールを購入。
 真夏なので、登山者は、少ないかと思ったが、自炊棟には、結構、登山者が訪れていた。お蔭で、外にある小屋近くのテーブルは、全て埋まっていた。
[平標山ノ家に到着]

 小屋から少し離れたテーブルが空いていたので、早速、乾杯。
 小屋の北東側には、仙ノ倉山が聳え立つ。仙ノ倉山のピークは、地理的に見えないが、台形状の山腹の濃淡の緑一色の斜面が美しい。その右奥には、エビス大黒ノ頭が切り立った山頂を見せている。仙ノ倉山とは、対象的な姿だ。
 しかし、この場所は、やはり暑い。ということで、乾杯後、一段落した所で、日陰のテーブルが空いたので、そちらに引っ越す。
[外のテーブルにて乾杯]

 夕食後も、小屋近くの外のテーブルにて飲み続ける。
 だいぶ薄暗くなってきたが、それとともにガスが出てきて、仙ノ倉山が見えなくなってきた。
 さあ、明日の天気は、どうだろうか。
[夕食後も、外で飲み続ける]

<第2日>
 4:45、起床。
 残念ながら、昨日の夕方と同様、ガスが湧いていた。本日、目指す平標山や仙ノ倉山のピーク方面は、ガスに覆われて、下の山腹しか見えない。
 果たして、今日は晴れるのか、ちょっと心配な雲行きだ。
 5:30に朝食をとって、6:22、山小屋を出発した。
[平標山ノ家を出発(振り返って撮影)]

 今朝の天気には、いささかガッカリしたが、登っていくうちに朝日が差し込んできた。(写真下)
 だが、ガスが消える訳ではなく、この先、今日は、ガスの中の歩きかと思えた。
[平標山の頂上付近は、雲に覆われている]

 7:21、平標山頂上、到着。
 山頂は、ガスに囲まれ、全く視界が広がらない。まだ、朝が早かったせいか、他の登山者の姿も見られなかった。ここでザックをサブザックに代えて、仙ノ倉山に出発する。
[平標山頂上]

 平標山を下っていくと、横風が強くなってきた。途中で、メンバーが雨具を着用するために小休止。
 しかしながら、これだけの強風なのに上空のガスが切れないのは、悔しい。
[仙ノ倉山へ向かう]

 緑の平原を歩いていく。一瞬、日が差し込んできた。
 太陽光が強ければ、ガスが切れ、もっと広大な光景が見られるはずだと思うと、昨日の暑さを忘れて、もっと太陽光をと願ってしまう。
[一瞬、ガスが切れて日が差す]

 だが、仙ノ倉山に近づいてくると、太陽が敗色濃厚となり、再びガスが濃くなった。
 この辺りは、ニッコウキスゲが咲き乱れ、そこだけ眺めると、気分爽快の世界に踏み込んだ気分になれるのだが、全体を見渡してしまうと、ガスのために、その気分が壊れてしまう。
[再びガスの中]

 8:39、仙ノ倉山頂上に到着。
 360度、ガスで何も見えない。ここから万太郎山方面を眺めたかったのだが、残念だ。
 ガスが切れないかと30分、頂上で粘っていたのだが、一向に状況が変わらないので頂上を後にした。
[仙ノ倉山頂上にて記念撮影(TOIさんカメラにて)]

 仙ノ倉山から引き返し、ニッコウキスゲの群落を通過し、あとは、平標山への登りが待っているという水平路あたりで、何と、前方のガスが、見事に消えてしまった。
 緑の山肌に一本の登山道が続いている。この眺めが見たかったのだ。
 念願かなって大満足。
[平標山のガスが消えてしまった]

 左手の山々もガスが消えて、見渡せるようになっていた。(写真下)
 手前に大源太山(左端がピークとなっている)、その奥、画像のほぼ中心にあり、横に長いピークの山が三国山である。あの山から縦走してきたかと思いながら、しばし見入る。
[昨日、登った大源太山、三国山方面を眺める]

 さあ、ここから平標山の登りというところで、ベンチがあり、誘惑に負けて、小休止。
 先ほどまで、この辺りを覆っていたガスは、どこに行ってしまったのだろう。 ようやく晴れ渡り、昨日の昼間と同じような天気となった。
[途中のベンチで小休止]

 10:03、再び平標山頂上に到着。
 ガスが湧いてきて、北側は、よく見えなくなっていた。また、先程と違って登山者の多いこと。我々以外に20人ぐらいの登山者が休憩中だった。
[平標山頂上にて記念撮影(TOIさんカメラにて)]

 平標山頂上で、ゆったりと休憩した後、松手山方面と下っていく。すれ違う登山者が多く、スタスタと歩いて行けなかった。この暑い時季でも、結構人気のある山のようだ。
[松手山に向かう]

 驚いたのは、この斜面も、高山植物の花が満開だった事。
 シモツケソウ、ハクサンフウロ、ツリガネニンジンなどの花が咲き乱れる。
[お花畑が続いていた]

 やがて急斜面に対し、ジグザグに設置された階段下りとなる。その向こうには、またしても苗場スキー場が見える。今回の山行は、周囲の山名を知らないためか、苗場スキー場のゲレンデ斜面ばかりを撮影していた。
[階段状の下り。奥には苗場スキー場が見えた]

 松手山頂上まで、もう少しというところだったが、腹が減ってきたということで、木陰がなくても、早めのランチタイム(11:21〜11:38)とした。

 その後、緩い下りが続いた後、松手山(標高1614m)に到着。(11:56) (写真下)
 だいぶ標高が下がったことで、暑くなってきた。周囲の光景は、それほど変わらないということもあり、水分補給のための小休止をしただけで、出発する。
[松手山にて]

 松手山を過ぎると、樹林帯の急斜面となった。今までの草原下りとは、180度異なる。
 視界が広がったと思ったら、目の前に送電線が見えた。その向こうは、例によって苗場スキー場だ。
 やがて、送電鉄塔の横を通過し、再び樹林帯に突入する。(写真下)
[樹林帯を下っていく]

 13:37、舗装路に降り立った。ここからは、水平に続く車道を進む。(写真下)
 途中で、右折し、駐車場のトイレ前にて小休止とした。
 駐車場入口にあった自販機で、冷えた缶コーラを買って飲む。
 ....やはり、冷えた炭酸は、無視できなかった。
[平地に出た]

 ゆっくりと国道17号線を南に進み、平標登山口バス停に到着。(13:55)
 越後湯沢駅行きのバスは、14:05。バスは、ほぼ定刻通りにやって来た。
 ....この後は、越後湯沢駅で日帰り入浴し、極楽気分を味わった後、ビールで乾杯し、新幹線で帰京。
 [平標登山口バス停に到着]


 そもそも、この山行は、1週間後の7/28,29に予定されていたのですが、その週末には、苗場スキー場で、フジロックフェスティバルが開催されるということで、1週間、前倒しになったのですが、それが好天につながりました。

 また、今回も良きメンバーに恵まれ、楽しい山歩きとなりました。
 同行の山行メンバーの皆さんに感謝致します。有難うございました。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。