トップページ他山域山行リスト>矢倉岳・鳥手山_記録20190323


矢倉岳・鳥手山

 山行日
2019年3月23日(土) 曇後雨 同行者:「山の会2」メンバー 4名
 コース
足柄(8:06)〜(8:34)銚子ヶ淵(8:38)〜(9:13)赤坂古道入口〜(9:56)足柄峠〜(10:15)足柄明神跡(10:18)〜(10:23)万葉足柄公園(10:27)〜(11:13)山伏平〜(11:31)矢倉岳(11:58)〜(12:09)山伏平〜(12:45)鷹落場(12:53)〜(13:26)鳥手山(13:40)〜(15:06)樋口橋〜(15:23)山北
 今回は、「山の会2」メンバーとともに箱根北部の山に行ってきました。
 天気は、イマイチでしたが、初めての山ばかりでしたので、ドキドキしながら歩いてきました。
 詳細は、以下をご覧下さい。


 今日の集合場所は、JR御殿場線足柄駅。
 自宅を出た時は、小雨が降っていたのだが、足柄駅では、雨が止んでいた。だが、上空は、今にも雨が降りそうということで、雨具を装着して出発。
 駅舎を出ると、吐く息が白い。今日は、3月下旬だというのに結構、気温が低いことが分かった。
 8:06、駅前にある「足柄地区観光案内図」を見て、今からのルートを確認した後、出発する。(写真下)
[「足柄地区観光案内図」を見てルートを確認]

 駅を出ると、道標があり、足柄古道コースに従って進んでいく。
 住宅街を抜け、地蔵堂川沿いを歩く。
[足柄古道を進む]

 地蔵堂川を渡り(写真下)、右岸沿いを歩いていく。
 その後、「馬蹄石」という標柱が林道横に立っていたのだが、どこが馬蹄石なのか、さっぱり分からなかった。
[地蔵堂川を渡る]

 目の前に小滝と淵が現れた。(8:34)
 林道沿いには、説明板が立ってあり、下記のように記載されてあった。

『銚子ヶ渕

昔、花嫁が厳粛な祝言の最中に「おなら」をして大笑いになった。年若い初(うぶ)な嫁はこれを深く恥じて席にいたたまれず抜け出し銚子を抱いてこの渕に身を投げてしまった。
その後、女の履いた草履が時々水の面に浮かぶので、村人達は恐れ地蔵像を安置してねんごろに弔ったので再び浮かんでこなかったと云う。
この悲しい物語を忘れるため里人はこの池を○○〇「銚子ヶ淵」と名付け伝えたので良縁を望む多くの男女が池に願をかけ成就したと伝えられている。』

 この説明板では、「渕」という字が使用されているが、他の資料では、「淵」の字が使用されていた。また、上記○○〇は、判読不能だったが、ネットで調べてみると
 ○○〇=縁結び
と記されてあった。

[銚子ヶ淵] [桜が満開]

 足柄古道を進み、途中で左折し、赤坂古道に入る。
 すぐ先で、馬頭観音を発見。参拝して先を急ぐ。
[赤坂古道に入る]

 車道を一度、横断した後、再び車道に出た。これで赤坂古道が終わったようだ。
 その後、車道を進む。周囲は、ガスに覆われ、よく見えない状況。
 左側の階段を登ったところ、芝生の斜面に出た。ここが足柄城址の一角だと知る。
[足柄城址にて]

 足柄峠は、いったいどこだと、峠らしい場所がわからないまま、東側へ車道を歩く。
 足柄関所跡、足柄明神跡など、この辺りは史跡が多い。
 ちょっと足柄明神跡に寄り道すると、下記のような説明板が立っていた。

『足柄明神跡

 足柄明神は日本最古の歴史書である「古事記」に記述があります。倭建命(やまとたけるのみこと)が東国征伐へ向かった時、足柄峠で足柄明神は白鹿の姿で現れ、倭建命によって蒜(ひる)で打ち殺されたことで東国が平定されたとあります。
 足柄明神は、天慶3(940)年に創建されたとされ、後に矢倉岳に遷座し、矢倉明神という名前になりました。時期は定かではありませんが、苅野に移転し、足柄上郡十八ケ村の鎮守となりました。そして昭和14(1939)年に足柄神社となりました。
 現在ある石祠は、明治6(1873)年に足柄明神を祀るために建てたものです。
 平成21年3月 南足柄市教育委員会 』 

 この奥に足柄明神白鹿堂という白いシカの像があったのだが、なぜ白鹿なのか合点がいった。

[足柄明神跡入口]

 ガスの中を進み、足柄万葉公園のバス停を発見。
 バスダイヤを見ると、平日運行は無し。地蔵堂行きのバスが、土日休日で午前3本、午後3本といった程度。それも年間運行ではなく、4、5月、10、11月のみの運行となっていた。やはり、盛夏の時季には、登山者が少ないようだ。
[足柄万葉公園にて]

 ふと右手を眺めると、ガスの上に矢倉岳のピークだけが見えていた。
 これは、シャッターチャンスとばかりに、何枚も撮影する。今日は、この天候のせいで、殆ど遠景の光景を撮影していなかった。
[矢倉岳がガスの中から現れる]

 万葉公園からさらに北東へと向かう。
 相変わらずガスが漂う、登山道を進む。
 11:13、山伏平到着。ここで矢倉岳への登りルートを選択する。
[山伏平にて]

 この矢倉岳への登りは、だんだんと急登となり、この登りは、キツイな〜と思うも、今日は単独ではないので、必死にメンバーについていく。その後、ようやく緩い登りとなったので、頂上は近いと思ったのだが、なかなか着かない。
 11:31、ようやく矢倉岳頂上に到着。
 頂上には、男女1組のグループが休憩中だった。
[矢倉岳頂上に到着]

 本来であれば、酒匂川流域の平野部などが見下ろせ、西側には富士山の姿が見えるはずだ。だが、今日は、雲海のような雲とガスしか見えない。
[矢倉岳から見えたのは雲海とガス]

 矢倉岳でランチをとった後、来た道を戻り、山伏平へ。
 そこで北側に延びる尾根筋を下っていく。立派な経路がついていた。
[山伏平から経路に入る]

 地図を見ながら、尾根筋沿いに歩き、鷹落場に向かう。
 まだ冬木立の自然林にガスが立ち込め、神秘的な雰囲気をうかがわせる。、
[ガスが濃い]

 12:45、鷹落場に到着。ここには手書山頂標識と三角点があった。
 ガスに囲まれ、周囲の景色は、全くわからないのが残念。
[鷹落場頂上にて]

 さらに北東方向へと進んでいく。
 正面で斜面をそのまま登っていく経路と、左から巻いていくような経路の分岐点に到着。(写真下左)
 左手の巻道側に入ると、鳥手山への手書道標が幹に設置されてあった。(写真下右)
 手書き道標では、鳥手山に「とでやま」とルビが振ってあり、ここで初めて、「とりでやま」ではないことを知った。この読み方は、鳥屋を「とや」と発音するのと同じパターンかなと思う。
[分岐路に到着] [鳥手山への手書き道標]

 斜面のトラバース路を進んで行くと、右手にまたしても手書き道標を発見。「この上 鳥手山」と書かれてある。どうやら右斜面の上が、鳥手山頂上のようだ。ここで、右折し、植林帯の斜面を登っていく。
[鳥手山への道標あり]

 13:26、鳥手山頂上に到着。
 「鳥手山」と書かれた手書き山頂標識が掛かっていて、その下に黄色いテープの上に赤文字で「鳥手山 トデヤマ」と書かれてあった。
 周囲は、中途半端に枝打ちされている植林が目立つ。
 全員での記念撮影を終えて、出発する。
[鳥手山頂上にて]

 鳥手山を後にして、さらに北上していく。
 途中、ヤマザクラだろうか。株立ちした巨木が尾根の真ん中に鎮座していた。(写真下)
[尾根状に大木あり]

 近(今)野山の北側斜面をトラバースしていくのだが、ここは、経路が細く、急斜面なので、慎重に通過していく。
[近(今)野山の北側斜面あたり]

 殆ど水平な経路を進んでいくと、正面にプレハブ小屋が見えてきた。
 この先、道幅が広くなり、道は、だいぶ歩き易くなってきた。しかし、視界は、植林帯とガスのため、広がらない。このため、今、自分たちがどのあたりを歩いているのか、把握しにくい状況だった。
 「箱根・湯河原登山詳細図」を見ると、プレハブ小屋が記載されてあり、これで、ようやく現在位置が分かった。(GPSも持参しているのだが、ザックの雨蓋に入れているだけで、いつも地図読みを楽しんでいる。)
[道幅が広がってきた]

 林道のような道を進む。晴れていれば、丹沢方面の山々が眺められるのではないかと思えたが、今日は、常にガスの中。
[林道を進む]

 その後、長い下り坂を通り、どうにか民家のあるところまで下りてきた。
 するとどうだろう、今まで我慢していたかのように急に雨が降り始めた。それも、いきなり大粒の雨だ。
[民家に近づいてきたところで、急に雨が降ってきた]

 御殿場線沿いには、桜並木があり、桜が満開の時は、鉄道ファンがよく撮影しているエリアだ。だが、今日は、まだ桜には早過ぎた。線路の傍では、菜の花が満開だった。
[御殿場線の傍にて]

 雨は、途中で止み、15:23、山北駅に到着。
 ここで雨具を脱ぎ、一段落した後、駅前の店に入る。
[山北駅に到着]

 反省会スタート。
 本日は、殆どガスの中だったが、それでも予定通り、踏破できたことに感謝。
 [山北駅前にて反省会]


 「山の会2」メンバーの皆様
 本日は、天候が今一つの中、ご同行有難うございました。単独でしたら、もっと時間がかかったり、途中でガスのために道迷いしたのではないかと思っています。
 今後とも宜しくお願い致します。

 追記
 今回、登った山は、初めて訪問した山ばかりでしたが、足柄峠は、何十年も前に中学生の遠足で訪れたことがありました。当時は、峠の道が全て未舗装路だったような記憶があります。確か峠の所で、クラス全員の記念撮影をしたのですが、それがどこなのか、全くわかりませんでした。
 矢倉岳は、早朝、小田原から新松田に行く時、小田急線からよく眺められ、親しみのある山です。今回の登頂は、全くガスの中でしたので、いつか再訪問し、富士山を眺めたいと思っています。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。