トップページ他山域山行リスト>天城山_記録20190511


天城山

 山行日
2019年5月11日(土) 快晴 同行者:「山の会」メンバー 4名
 コース
天城縦走登山口(9:01)〜(9:15)四辻〜(9:58)万二郎岳(10:03)〜(10:35)石楠立〜(11:07)万三郎岳(11:17)〜(11:21)万三郎岳下分岐点〜(11:32)片瀬峠〜(11:41)小岳〜(11:46)ヘビブナ〜(12:09)戸塚峠(12:13)〜(12:35)白田峠〜(13:11)八丁池(13:30)〜(13:43)見晴台(13:47)〜(13:49)上り御幸歩道入口〜(14:52)向峠(14:55)〜(15:17)天城峠(15:28)〜(15:34)旧天城トンネル出入口(15:44)〜(15:51)新天城トンネル出入口(天城峠バス停)
 「山の会」月例山行で、伊豆「天城山」に行ってきました。地理的に見て、丹沢や箱根と同じような山かなと思っておりましたが、実際に行ってみてビックリ仰天。
 詳細は、以下をご覧下さい。


 早朝、JR東海道線に乗車し、熱海でJR伊東線に乗換える。JRで、伊東に向かうのは、物凄く久しぶりだ。伊東行きの電車だったが、伊豆急の車両(かつて東急で運用された車両だ)で、一瞬、あれっと惑う。
 7:49、伊東駅に到着後、駅改札口で、メンバーが全員集合し、天城高原ゴルフ場行きバス乗り場へ移動する。バスの発車は、7:55。その間、6分と慌ただしい。バスは、座席の半分ぐらいが埋まる。ゴルフ場行きのバスだが、乗客の殆どは、登山者だ。
 バスに揺られる事、53分。終点の手前、天城縦走路登山口にて下車。(8:48)
[伊東駅発のバスから下車]

 駐車場横にトイレがあり、日焼止めを塗ったり、準備を終えて出発。(9:00)
 すぐ先に天城縦走路入口の標柱が立っていた。縦走路入口の案内板の地図を見て、これからの登山コースを確認する。
 本日の「山の会」同行メンバーは、男性3名、女性1名の4人。今回は、コースの長さから健脚派が揃った。前日、このメンバーだと、チョコチョコ撮影していたら、追いつけない可能性があると思い、軽量化を図り、靴もトレランシューズとした。
[天城縦走路入口]

 四辻に到着。ここは、シャクナゲコースとの分岐点。左折して万二郎岳を目指す。
 このコースは、道標や案内板(地図付き)が、しっかり設置されていることに気がつく。
[四辻にて]

 樹林帯の中、登りが続いた後、登り切ると、そこは、万二郎岳。(9:58)
 ここでは、15人ぐらいの登山者が休憩中だった。

 ....若い男女が目立つ。
[万二郎岳頂上(1)] [万二郎岳頂上(2)]

 万三郎岳方面を眺める。本日歩く方向は、西側なので、ここからは、縦走路は見えない。だが、南側の尾根筋の向こうに伊豆の東海岸が見えた。
 今日は、先が長いので、写真を撮っただけで、10:03、出発する。 
[万三郎岳方面を眺める]

 万二郎岳からの下りで、南側を眺める。一つの尾根上に白い風力発電設備が何基も並んでいるのが見えた。20基ぐらい、一列に並んで見える。地図で調べたら、三筋山に続く尾根のようだ。
 ....最近は、山中にて、送電線鉄塔以外に風力発電装置が人工物として目立ってきた。
[風力発電設備を望遠で撮影]

 石楠立を通過し、地図(山と高原地図31「伊豆」)では、この先、シャクナゲの印が付いている。そんな訳で、シャクナゲの花が咲いていないか、キョロキョロしながら進む。すると、右手にシャクナゲの木を見つけ、運よく、花を発見。(2つ程度しか咲いていなかった)
 3,4分歩いたところで、アマギシャクナゲの説明板が立っていた。そこには、「5月中旬〜6月上旬に美しい薄桃色の花が一面に咲きます」と記されてあり、今の時季だとちょっと早めということを知る。
[シャクナゲの花を発見]

 目の前に万三郎岳のピークが見えてきたが、まだ見上げる程、高い。その登りの途中に満開のマメザクラがあり、皆で撮影会。

 急な登りが続く途中、北東側の遠笠山方面の眺めを堪能したら、そのすぐ先が頂上だった。この頂上は、先ほどの万二郎岳と同じような雰囲気だ。樹林に囲まれ、視界が広がるような所ではなかったが、ここで小休止とした。(写真下左)
 ここにも縦走路の案内板が立っていた。(写真下右)
 このコースは、登山道も明瞭で、道標も立派だが、それ以上に感心してしまうのが、この案内板だ。地図の上にコースが書かれてあり、地名から、注意書きまで全て英文併記である。こういう案内板を見ると、丹沢にもこういう案内板が欲しいなと思ってしまう。
[万三郎岳頂上にて] [詳細な案内板]

 万三郎岳を出発すると、右手前方に富士山が薄らと霞んで見えていることに気がつく。(露出補正等、いろいろ調整してみたが、画像は、イマイチ) 
 皆で富士山を眺めた後、今度は、目の前の満開のマメザクラを観賞する。
[マメザクラが満開]

 万三郎岳下分岐点を過ぎて、八丁池方面へと進むと、ブナ原生林の説明板が立っていた。
『ブナ原生林
 ここ天城連山にはブナの原生林が広大な面積を占めています。
 ブナは温帯に生息する広葉樹の代表であり、高さ30mにもなる落葉高木で、葉は5〜8cmの卵型で栗とよく似ています。また降水量が比較的多い緩傾斜地を好むことと、葉全体が腐りにくく厚い落葉層を形成するので、一般的な森林土壌より保水能力が大変高い環境となっています。
 この豊かな森林環境を守るために、コースを守りゴミは持ち帰りましょう。 環境省・静岡県』

 ここまで来るまでにも、ブナの大木を見かけたが、この先には、ブナの原生林があるのかと、軽く考えていた。
 11:32、片瀬峠を通過すると、確かにブナの木が多くなったような気がした。
 すると、そのうち、新緑のブナ林が現れた。メンバー全員で、カメラやスマホでの撮影会が始まった。(写真下)
[ブナの樹林帯に入る]

 この先、新緑のブナ林が続く。
 小岳のピークでは、樹高のあるブナが林立して、ここで何時間でも撮影していたいなと思ったほど、魅力的なエリアだった。また、この辺りで、ブナの他にヒメシャラの木が混じっていることに気がついた。
[新緑の樹林帯となる]

 今回、事前情報で、ヘビブナというのが地図に載っていたので、ここには寄り道しようと、地図で現在地を確認しながら進む。すると、ヘビブナ分岐点には、道標がしっかり立っていた。お蔭で迷うことなく、ヘビブナへ到着。(写真下)
 どうしたら、こんな恰好のブナの幹になるのだろうか。根本から逆U字型となった幹は、地面すれすれの所で垂直に伸び、枝や葉をつけている。構造力学的にこんな形ってありかなと思う。
 何枚も撮影する。
 少し離れた所に説明板があり、「ヘビブナ保護のため、根の近くに立ち入らないようにしましょう。」と書かれてあったが、そのうち、ヘビブナは、金網で囲まれてしまうのではないかと思えた。
[ヘビブナを見学]

 あのブナ原生林の説明板通り、行けども行けども、ブナの樹林帯が延々と続く。
 12:09、戸塚峠で小休止。ここは、ブナ樹林帯のど真ん中といった感じの場所である。
[戸塚峠にて]

 それにしても歩き易い道だ。小岳を過ぎてから、殆どアップダウンがない。
 12:35、白田峠を通過するが、どこが鞍部なのか、よく分からなかった。
 12:48、相変わらず、水平道を進んでいく。(写真下)
[ヒメシャラの幹が目立ってきた]

 道標には、[八丁池0.3km、万三郎岳5.9km]と記載されてあった。(写真下)
 あと300mで八丁池ということだが、なかなか池は、見えてこない。まだ樹林帯が続く。(13:04)
[巨大なブナの木が目に入る]

 13:10、八丁池に出た。地図上で、池があることを事前に知っているから、あまり驚かないが、知らずに突如、目の前に池が現れたら、目が点になるだろう。こんな樹林帯の先に池があるとは、とても予想できない。
 池の周りを歩くようになり、途中の木陰で、遅めのランチタイムとした。ここまで来ると、万三郎岳で見かけた程の登山者の姿は見えない。だいぶ静かな山行となった。
[八丁池にてランチ休憩]

 八丁池から少し登りとなり、見晴台に向かう。
 13:43、見晴台に到着。ここからは、八丁池が見下ろせた。(写真下)
 360度の視界は、山中心。今は、緑一色だが、秋の頃は、黄葉・紅葉で、だいぶ印象が変わるだろう。結局、我々だけで、しばし見晴台を独占していた。
[展望台から八丁池を見下ろす]

 見晴台入口に戻った後、上り御幸歩道に入る。
 このコースが、また樹林帯の中で、ほぼフラットなため、歩き易い。
[上り御幸歩道に入る]

 ブナの新緑がまだ続いている。ここを一人で歩いていたら、撮影に時間を取られ、今日のような時間では歩けないだろう。
 丹沢でも天城山でもブナ林といったら同じだろうと思っていたが、規模感が全然違う。今回、このブナ林のスケールの大きさに、とにかく圧倒されてしまった。
[新緑の樹林帯を進む]

 ブナの大木が、まるで人の手で植えられたのではないかと思えるほど、一定間隔で現れる。お蔭で被写体には、全く困らない。
[どこまでも新緑が続く]

 15:17、前方にベンチが見えた。近づくと、道標が立っており、そこが天城峠だと分かった。(写真下左) また、北西側の斜面(この先、下っていく方向)を見たら、今、通ってきた右方向に立派なブナの大木があり、近づいて撮影。(写真下右) 
 TOIさんがスマホでYouTubeを選択し、スマホのスピーカで、石川さゆりの「天城越え」を聴く。そうそう、天城峠で、これを聴きたかったのだ。
 1曲聴いた後、旧天城トンネルに下っていく。

[天城峠にて] [天城峠付近のブナ大木]

 15:34、旧天城トンネル出入口に到着。
 バス時刻まで、まだ時間的に余裕があるので、ここでも、小休止とした。
 ....エネルギッシュなSHRさんは、トンネルの反対側まで往復。
[旧天城トンネルに到着]

 15:44、旧天城トンネル出入口から新天城トンネルの出入口となる天城峠バス停に下っていく。
[さらに下っていく]

 15:51、天城峠バス停に到着。修善寺行きのバスは、15:59発。
 天城縦走路入口から、ここまで、計画通りの時間行動となった。
[天城峠バス停に到着]

 修善寺手前の湯の国会館バス停にて途中下車し、日帰り入浴。
 連休明けの最初の土曜日のせいか、意外にも空いていた。風呂上がりの生ビールで乾杯し、一段落した後、再びバスに乗車し、修善寺に向かった。
 [湯の国会館に寄り道し、日帰り入浴]


 今回は、シャクナゲの開花時期には早かったのですが、マメザクラの時季だったようで、満開のマメザクラに何度も出会うことができました。そういった意味では、前半は、マメザクラと万二郎岳・万三郎岳の縦走、後半は、新緑のブナ自然林で十分、楽しませてもらった山行でした。
 なお、最後は、三島から新幹線利用で帰宅しましたので、天城山が結構、近いなという印象を持ちました。今度は、季節を変え、紅葉シーズンに是非、訪れてみたいと思いました。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。