トップページ他山域山行リスト>会津駒ヶ岳_記録20200804


会津駒ヶ岳

 山行日
2020年8月4日(火) 曇時々晴後一時雨 同行者:TOSさん、YUTさん、SAQさん
 コース
檜枝岐温泉旅館(5:43)〜(5:55)会津駒ヶ岳登山口(国道)(6:00)〜(6:31)滝沢登山口(6:38)〜(8:13)ベンチ(8:23)〜(10:03)駒の小屋(10:24)〜(11:11)中門大池(11:21)〜(11:55)会津駒ヶ岳(12:02)〜(12:22)駒の小屋(13:06)〜(14:19)ベンチ(14:28)〜(15:56)滝沢登山口〜(16:30)会津駒ヶ岳登山口(国道)〜(16:42)檜枝岐温泉旅館
 「温泉宿に泊まり、ゆったりとした登山を楽しみたい」という方々のリクエストに応えて、山行を企画しました。目的の登山は、会津駒ヶ岳。温泉は、檜枝岐温泉です。
 以前、尾瀬ヶ原に向かう時、初めてこの檜枝岐村を通過したのですが、その時、会津駒ヶ岳の登山口の標識を見て、いつかは、ここを登ってみたいと思っておりました。
 詳細は、以下をご覧下さい。


 5:43、旅館を出発し、まずは、登山口を目指して、国道沿いを歩いていく。
 道路沿いには、結構、墓地が目立つ。最初は、全く気がつかなかったのだが、幾つか墓石を見ていたら、墓石の家名が、「星家」、「平野家」、「橘家」しかないことに気がついた。
 ※後日、ネットで檜枝岐村を調べたら、まさに下記の記載があった。
 「星」姓は、平安遷都に伴う権力闘争に敗れてこの地に隠れ住んだ藤原氏の落人の系譜につながるとされ、「平野」姓は源平合戦に敗れた平家の落人の系譜につながるとされ、「橘」姓は織田信長に追われた伊勢治田城主・楠七郎左衛門正具の一統に由来するとされている。(Wikipediaより)
 余談ながら、全く予備知識がなかった事が、このように調べて、理解が深まるのは興味深い。

 5:55、会津駒ヶ岳滝沢登山口に到着。登山口を示す立派な標識が立っている。(写真下)
 4年前、車でこの国道を走ったとき、この標識を見たのだろう。今日、ようやく来ることが出来たと思うと感慨深い。
[国道沿いの会津駒ヶ岳登山口にて]

 舗装路の林道を歩いていく。そんなに傾斜がきつくないのでスタスタと歩いていく。
 時々、自家用車が追い越して行くが、皆、会津駒ヶ岳登山者だろう。
 だが、ここで、いきなり失敗してしまった。
 本来、舗装路の林道をショートカットする登山道が左側にあるのだが、その分岐点を見落としてしまった。いつまで経っても分岐点がないと思っていたら、いつの間にか、竜ノ門の滝分岐点まで来てしまい、行き過ぎたことに気がついた。そんな訳で、そのまま車道を進んでいく。
[舗装路を歩く]

 前方に何台も自家用車が駐車しているのが見えた。登山口が近づいてきたようだ。駐車場の前を通ると、すでに人影は、少なく、殆どの登山者は、出発していた。

 駐車場から、さらに舗装路を進むと、登山口の階段の前に到着。(6:31) 会津駒ヶ岳のコースをネットで調べると、必ず写真が載っている場所だ。
 ここで、小休止。水分補給していると、アブのような虫が飛んでくるようになった。このため、ザックからハッカ油を取り出し、手や首にスプレーする。しかし、虫の攻撃が収まらないので、登山ポストに登山計画書を投函し、さっさと出発することにした。(写真下)
[いよいよ登山道]

 階段を登った後は、いきなり、直線状の急登が続く。だが、先ほどの虫攻撃からは、逃れることが出来た。あたりは、自然林の樹林帯で、視界は広がらない。ひたすら、足下を見ながら、一歩一歩進む。
[急登が続く]

 8:13、ベンチのある所で3回目の小休止。左手に水場の道標、右手には、「山頂まで2.9km、国道まで3.8km」の道標があり、ようやく半分を超えたことを知る。しかし、ここまで、樹林帯しか見ていない。こんな経験は、昨年の北アルプスの長塀尾根以来だ。
[水場で小休止]

 8:55、4回目の小休止。ここまで、はちみつ梅などの差し入れをメンバーから頂くが、ここでも饅頭を有難く頂く。
 それにしても本当に長い樹林帯だ。
[小休止]

 段々と下ってくる登山者とすれ違うようになった。途中、駒の小屋に宿泊したという人とすれ違う。その人の話では、昨晩、駒の小屋での宿泊者は、6人だったとの事。だが、既にそれ以上の人数とすれ違っている。自家用車で早朝から登り始めた人たちが、続々と下山しているようだ。

 9:19、突然、前方に緑の湿原状の山肌が現れた。(写真下)
 一体いつまで樹林帯が続くのかと思っていたので、この光景は、非常に有難かった。地図で確認すると、会津駒ヶ岳から大戸沢岳に続く稜線のようだ。ようやく遠景が見えて、だいぶ気が楽になった。
[右手の視界がようやく広がる]

 前方に緩やかなピークが見える。あれが、会津駒ヶ岳頂上のようだ。
 目的地が見えたことで、気合が入ってきた。
[前方に会津駒ヶ岳の頂上が見えた]

 登山道横に湿原が現れ、池塘の脇にワタスゲの白い綿毛を見る。
[湿原が現れる]

 目の前に緑の絨毯のような斜面が広がり、その先のピークに駒の小屋が見えた。
 周囲の景色が見渡せるようになり、気分爽快。メンバーは、木道近くの花などを撮影しながら、進んでいく。
[駒の小屋が見えた]

 10:03、駒の小屋手前のベンチで小休止。
 ここでザックを下ろし、駒の小屋に向かい、CCレモンの炭酸ペットボトル1本と、登山バッチを購入。冷えた炭酸水は、喉ごしがいい。一気に飲んでしまった。
 SAQさんは、足の調子が悪いということ、過去に会津駒は登頂したことがあるということで、ここがゴールとなり、残り3人で、頂上に向かうこととなった。
[駒の小屋手前のベンチで小休止]

 青空が見えていれば、中門岳方面にも足を延ばす予定で出発する。(10:24)
 だが、先程まで見えていた駒ヶ岳頂上は、あっさりガスに覆われてしまった。
[中門岳・駒ヶ岳方面に向かう]

 歩き始めてすぐ、木道左にハクサンコザクラの群落に遭遇する。思わずデジカメ撮影。
 この開花は、出発前に駒の小屋ブログを見ていたので、知っていたが、こんなに簡単に見つかるとは、ラッキーだった。
[ハクサンコザクラ群落に遭遇]

 10:35、駒ヶ岳頂上との分岐点に到着。ここは、直進して中門岳方面に進むことにし、頂上は、帰りに寄ることにした。
[駒ヶ岳頂上は、帰路に寄ることにした]

 駒ヶ岳の頂上を左から巻いて、中門岳方面の稜線を進む。遥か先まで木道が続いており、ルートは、明瞭だった。だが、ガスが湧いてきて、進路方向の稜線以外、遠景が見えなくなっていく。
 今後、ガスが切れることを期待し、中門岳方面に進むことにした。
[中門岳方面に向かう]

 左にハクサンコザクラの群落を発見。先程より、何倍も広いエリアだが、足下から少し離れていた。それでも、望遠にしたりして何度もデジカメのシャッターを切った。
[先程よりも大きなハクサンコザクラ群落]

 ガスが出てきて、先が見えにくくなっていたが、まだ、天気が悪化している訳ではない。ここで、YUTさんがストックを2本取り出し、テンポよく歩き出す。
[ガスが出てきて、稜線以外は、見えていない]

 稜線を歩くうちにすれ違う登山者が減ってきた。静かな山歩きとなり、ちょっとクマが出て来そうな雰囲気で、心拍数が上昇していく。
[登山者が減ってきた]

 正面に大きな池塘が見えてきた。
 地図で確認し、中門大池だとわかった。池の傍には、ベンチがあり、ゆっくりと休憩したくなるような所だ。
[中門大池が見えた]

 11:11、中門大池に到着。
 池の前のベンチに腰を下ろして小休止。木道は、まだこの先も続いていたが、ガスが濃くなり、この先を進んでもガスの中になりそうなので、今回は、ここで引き返すことにした。
[中門大池]

 来た道を引き返す。
 正面右手に先程のピンクのハクサンコザクラの群落が見える。また、正面奥には、これから向かう会津駒ヶ岳が再び姿を見せていた。
[戻って、駒ヶ岳頂上に向かう]

 巻道(来るとき、通ったルート)との分岐点を右に見た後、頂上ルートを登っていく。(写真下)
 今までが緩やかなアップダウンだったので、ここからの登りが長く感じられ、結構、キツく感じる。
 途中、ニッコウキスゲが咲いていたのを見つけ、ちょっと撮影タイム。
[駒ヶ岳頂上への登り] [ニッコウキスゲ]

 11:55、会津駒ヶ岳頂上に到着。
 頂上には、他に数人の登山者が休憩中だった。立派な山頂標識を入れて記念撮影。(写真下)
 しかし、ちょうどガスの中で、全く眺めが見えなかったのは、残念。
[会津駒ヶ岳頂上にて記念撮影]

 ゆっくりと木道を下っていく。
 駒の小屋までは、見えているのだが、その先は、ガスで全く何も見えていない。後日、調べてみたら、山頂から下っていく途中で、ガスが無ければ、燧ヶ岳の双耳峰等が見えることが分かった。今回、登頂は、できたものの、遠景が楽しめなかったのは、甚だ残念だ。
[駒の小屋に戻る]

 12:22、駒の小屋手前のベンチに戻り、SAQさんと合流。ここで、再び、CCレモンを小屋で購入。今日は、本当に喉が渇いた。旅館の弁当を広げて、ランチタイムとする。
 弁当の中のオニギリが旨い。腹が減っていたので、早食いとなってしまった。
[小屋手前のベンチにて(本日2本目の購入)]

 腹を満たしたところで、出発する。(13:06)
 ちょうど駒ヶ岳の頂上が見えていたので、メンバー2人を記念撮影。だが、相変わらず周辺の山々は、ガスで見えていない。
[下山の前に会津駒ヶ岳をバックに記念撮影]

 来た道を引き返す。滑りやすい状況ではなかったので、スタスタと下っていく。そんな訳で、下りは、意外にも楽に感じてしまった。
[樹林帯に入る]

 登りの時も休憩したベンチのある所(水場分岐点)で、小休止。
 最後のペットボトルを開けて、一口飲む。
[ベンチに手小休止]

 こんなルートを登ってきたのだろうかと最近、ピストン山行しても、登ってきたときの記憶が、全く思い出せない。この結果、下りの時でも、初めて歩くルートに思えてしまう。この会津駒ヶ岳も、まさにそんな状況で、登る時、こんな大木を見たかなと疑問に感じてしまった。
[どんどん下っていく]

 階段を下って、初めて記憶がよみがえってきた。
 考えてみれば、このような階段は、この1ヵ所だけだったので、当然と言えば当然なのだが。
[階段に出た]

 朝は、自家用車が満車状態だった駐車エリアは、2台だけだった。
 朝の時は、気にならなかったのだが、今は、舗装路を歩いている時、アブなどの虫が、ず〜と追いかけてくる。長袖のシャツを着ていたが、その上からチクリと刺してくるので、油断できない。
[舗装路を下っていく]

 帰りもショートカットの入り口が分からず、結局、舗装路を下っていく。すると、途中で、急に雨が降り始めた。予想通りの夕立だ。舗装路に出てからの雨だったので、ラッキーと思いながら、傘を取り出す。
 すると、右手にショートカットの入り口をついに発見。意外にも、下の方にあった。つまり、登りの時、分岐点がある筈だと思って左側を注意しながら歩いていた時は、既に通過していたことが分かった。....全くの油断
[ショートカットの入口を発見]

 雨が止んだ頃、国道が見えてきた。
 「お疲れさまでした」の文字を見て、ようやく下り終えたことを実感。
[国道合流点の登山口に到着]

 16:42、旅館に到着。
 ザックを置き、
旅館から割引券をもらって、日帰り入浴施設「燧の湯」に向かう。
 旅館と、日帰り入浴施設「駒の湯」の泉質は、アルカリ性単純泉なのだが、同じ檜枝岐温泉でも、この「燧の湯」は、単純硫黄泉で、泉質が違うということをメンバーから教えてもらい、興味があったのだ。
 17:18、「燧の湯」に到着。
 平日ということだろうか、施設内は、空いていた。
 内湯に入ってみると、硫化水素の臭いが鼻につく。昨日、入った旅館のアルカリ性単純泉とは、全く違う。やはり、この臭いが漂うと、温泉に入った実感が湧く。 
 しかし、露天風呂に移ると、アブの連続集中攻撃を顔面に受けてしまい、温泉気分が、あっさり吹っ飛んでしまった。急いで、内湯に戻る。露天風呂でアブ攻撃というのは、30年ぐらい前の北海道の温泉以来だった。
 [旅館に戻った後、「燧の湯」に向かう]


 「燧の湯」から戻った後、旅館の夕食は、イワナの刺身、塩焼き、骨酒と、イワナづくしでした。
 山から下りた後、久々にゆっくり寛ぐことができた山行でした。しかし、このような山歩きをしていると、今後、ハードな山行計画が立案できなくなりそうです。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。