トップページ他山域山行リスト>衣張山・披露山_記録20201212


衣張山・披露山

 山行日
2020年12月12日(土) 曇 同行者:「山の会2」メンバー 16名
 コース
半僧坊下(9:22)〜(9:26)今泉台六丁目公園(9:34)〜(9:36)十字路〜(10:06)鎌倉宮(10:15)〜(10:26)杉本寺前〜(11:03)衣張山(11:17)〜(11:46)鎌倉市子ども自然ふれあいの森(12:24)〜(12:33)パノラマ台(12:36)〜(12:57)名越第3切通〜(13:02)まんだら堂やぐら群(13:23)〜(13:24)名越第2切通〜(13:26)名越第1切通〜(13:51)披露山公園入口〜(14:08)披露山公園(14:26)〜(14:44)高養寺の下(14:54)〜(15:26)JR逗子
 12月の山行で、鎌倉の山を登ってきました。コースは、天園ハイキングコースを縦断(ちょっと大袈裟ですが)した後、どんどん南下していき、衣張山、披露山を通り、逗子の海岸線まで歩くというものです。意外にも、紅葉の見頃タイミングに見事、当たり、カメラ撮影の忙しい山行となりました。
 詳細は、以下をご覧下さい。


 今回は、鎌倉ということだったが、計画書のルートを見たら、自己未踏の場所ばかりだった。鎌倉の山は、天園ハイキングコース程度しか歩いていないことを改めて自覚した。
 今回の集合場所は、大船駅。
 鎌倉の山であれば、北鎌倉駅か鎌倉駅が集合場所だと思ったが、これも予想外だった。

 大船駅東口交通広場からバスに乗って、半僧坊下にて下車。
 バスから降りて、先ずは、進路方向についてビックリ。一応、事前予習したコースでは、南へと進む筈が、どう見ても、リーダが先導しているのは、北の方向だ。
 だが、スマホの地図を広げて、その理由が分かった。
 大船駅から乗車した鎌倉湖循環の鎌倉湖畔方面行きバスというのは、鎌倉湖を一周して、再び大船駅に戻るルートなのだが、この一周ルートが時計回りだったのだ。つまり、半僧坊下で下車した時、予想した方向とは、逆の方向から、バスは、やってきたということだ。
 う〜む。盲点だった。(途中のバス停に、もっと留意すべきだった)
 もし、一人で下車していたら、絶対、反対方向に向かって歩き始めただろう。
[半僧坊下バス停にて下車]

 バス停から少し歩き、公園に入る。ここで、準備運動や事前ミーティングを実施。
 腕を回し、アキレス腱を十分伸ばした後、出発する。
[今泉台六丁目公園]

 なんと、公園から、たったの2分で、尾根筋の天園ハイキングコースに上がってしまった。左折すれば、天園に通じる尾根筋で、右折は、建長寺に通じるルートだ。今歩いてきたルートであれば、息が切れることなく、尾根筋に上がれる。これは、新たな発見だった。
 ....このルートを知ってしまったら、もう建長寺からは、登れない。
[稜線に上がって十字路となる]

 しかし、今回は、天園にも建長寺も通らず、十字路を直進し、覚園寺方面へと下っていく。
 最初こそは、山道だが、下っていくと、住宅が現れた。
 9:57、住宅街に出て、鎌倉宮まで舗装路を歩いていく。

 10:06、鎌倉宮に到着。ここは、左手のモミジの紅葉が、一際目立った。(写真下)
 トイレ休憩等で、しばし小休止。
 この後、衣張山に向けて出発する。
[鎌倉宮の紅葉]

 舗装路を歩き続ける。
 杉本寺入口で右折し、滑川沿いを歩いていくと、ここも見事な紅葉に遭遇した。
 ちょっと曇り空だったのが、残念。晴れていたら色鮮やかな紅葉だっただろう。
[滑川での紅葉]

 住宅街を抜けて、衣張山の登山道に入る。このあたりは、倒木が多く、2019年の台風の影響を相当受けたと分かった。
[衣張山への登り]

 11:03、衣張山頂上に到着。
 山頂標識がなく、どこが頂上かよくわからないが、展望がいいので、ここで小休止。
 先行の他登山者も休憩中だった。
 眺望に着目すると、海側だけ、視界が広がっており、富士山は、雲に隠れてよく見えない。丹沢ですら、薄らと山影が見えるだけ。はっきり見えるのは、稲村ヶ崎ぐらいまでだ。また、江ノ島を探したら、稲村ヶ崎に続く丘陵が江ノ島の手前に続いており、江ノ島は、上部の山の部分だけしか見えていなかった。
[衣張山にて(1)] [衣張山にて(2)]

 南側へ下っていく。
 途中、標高120m地点の展望地で、南側の景色が広がる。正面の山が、これから行く披露山のようだ。
 ....地図によっては、ここが衣張山と記載しているのもあり。
[標高120m地点にて披露山方面の眺め(望遠レンズにて)]

 衣張山から下っていくと、突然、左手に宅地が広がり、正面に紅葉したモミジ林が目に映った。
 ここは、いったいどこ?と、スマホで地図を見る。すると、左側の宅地は、鎌倉逗子ハイランドという高級住宅街だと分かった。その住宅街の西端を南下していく。
[住宅街に出たところで、紅葉に遭遇]

 住宅街を左に見ながら進むと、またしても紅葉が目に入る。
 これまた、色が派手なオレンジ紅葉だ。思わずデジカメ撮影する。ここも、陽が照っていれば、このオレンジ色がもっと際立っただろう。
[公園前にてモミジの紅葉]

 さらに進むと公園となっており、ベンチ等が見えてきた。既に別のハイカーの人たちがランチ中だった。時間的に見て、ここで我々もランチタイムとした。
 驚いたことに、この奥にも、紅葉したモミジ林が続いていた。
[鎌倉市子ども自然ふれあいの森]

 ランチタイム後、さらに南下していく。なんたって、今回は、南端の披露山が最終目的地だ。
 ここで、ちょっとパノラマ台という高台に寄り道する。
 12:33、ハアハア言いながら斜面を登り、パノラマ台に到着。ここは、ほぼ360度の眺望となるが、やはり、今日の天気では、今一つ。
[パノラマ台からの眺望]

 パノラマ台から下り、南下ルートに戻る。
 やがて、丁字路に出ると、名越切通の標柱が立っていた。(写真下)
 名越切通は、3箇所ある。この丁字路を左折して、すぐ第3切通を通るが、そんなに切通というイメージは、湧かなかった。
[名越第3切通]

 第2切通に行く前に手前のまんだら堂やぐら群に寄り道する。この10月24日〜12月14日間の土日月祝日のみ、限定公開されており、ちょうど本日は、幸いなことに公開日だった。
 中に入ると、すでに観光客の人々が何人か訪問していた。

 『やぐらとは、崖に四角い横穴を掘り、主として内部に石塔を建てるなどして納骨・供養する施設です。13世紀後半頃から16世紀頃まで使われ、鎌倉及び鎌倉と縁の深い地域や寺院などにのみ分布する特殊な遺構と言われています。
 まんだら堂やぐら群は、2m四方程度と小規模なものを中心に150穴以上の存在が確認されている有数のやぐら群で、これだけまとまった数のやぐらを良い状態で見ることのできる遺跡は、鎌倉市内にも少なく、大変貴重です。(以下略)』

 出典:名越切通のパンフレット(逗子市教育委員会)
[まんだら堂やぐら群(1)]

 パンフレットを片手に持ちながら、まんだら堂を歩きまわる。
 鎌倉時代からのやぐら群と、2本のイチョウの黄葉による趣のある光景が広がっていた。
[まんだら堂やぐら群(2)]

 まんだら堂を後にし、名越第2切通を通過。ここも、切通というイメージからは、ピンと来ない。
 その後、第1切通にやってきた。(写真下)
 幅は、狭く、左右は、垂直の崖で、いかにも鎌倉時代における敵の侵入を防ぐような構造だ。
 やはり、切通と言ったら、これだね〜と思いつつ、通過する。
 だが、先ほど、まんだら堂にて入手したパンフレットによると、下記のような事が記載されていた。
 『第1切通(崖の高さ10m、最も狭い部分で幅1m以下)で発掘調査を行ったところ、現在私たちが歩いている路面の下に複数の道路面が重なって発見され、最も古いもの(現地表から約60cm以下)が、江戸時代後半以降に使われたものであることが判りました。幅も現在より広く側溝もそなえたしっかりした道路です。つまり、現在の第1切通の姿は、江戸時代よりも新しいものなのです。
 一方、第1切通の南(亀が岡団地側)では、現在の道の東側の約5m高い平場で小規模ながら15世紀頃のものと思われる道路(掘割道)が発見されています。切通の道筋や構造も時代とともに移り変わっているのです。』


 ということは、江戸時代以降に、周囲の崖が崩れたりしたことで、今の切通の姿になったということ?
 せっかく鎌倉時代にタイムスリップした気分に浸っていたのに、ちょっとガッカリ。

 その後、逗子市公式サイトで、下記記事を見つけた。上記内容より、細かい説明があった。
 国指定史跡 名越切通
[名越第1切通]

 名越第1切通を過ぎると、すぐに(ホントにすぐ)一戸建ての住宅街に出た。
 これも、ギャップがあるなぁと、一人苦笑い。
 本来、住宅街をそのまま南下していけばいいのだが、ここで、ちょっと寄り道して、左手に横須賀線の架線や道路を見下ろす。今では、鉄道も車もトンネルで、すんなりと通過できるが、当時は、難路だったことは、想像に難くない。
[横須賀線や県道311号線を見下ろす]

 一戸建て住宅街の坂道を下っていく。
 ようやく下り切ったというところで、左折し、交通量の多い車道を歩く。
 13:51、披露山公園入口という丁字路を右折し、再び本格的な登りとなる。(写真下)
[披露山公園に向かう]

 14:08、披露山公園に到着。
 まずは、展望台に上がってみる。(写真下)
 公園内は、幼い子供を連れた家族が目立つ。ここには、小動物舎などがあるので、人気があるのだろう。
[披露山公園の展望台]

 展望台に上がってみる。
 あいにく霞んでしまって、富士山や丹沢などの山々は、全く見えなかった。手前には、高級住宅街が広がる。(写真下)
 展望台から下りて、三角点を探す。地形図上にも、GPSの地図上にも三角点マークはあるのだが、その地点は、ちょうど展望台手前の広場となっており、三角点のような標石は見当たらない。
 これは、おかしいと、スマホにて「披露山 三角点」で検索してみたら、なんと、地中に埋まっているという事が判明。さすがに掘る気にはなれないので、三角点の撮影は、諦めた。
[展望台から西側の眺め]

 披露山公園から浪子不動ハイキングコースを通り、海岸に下っていく。
 登りのときは、100%舗装路だったが、この下り道は、自然の中の登山道だった。後で披露山の航空写真を見たら、この南側だけは、樹林の多いエリアであることが判った。
[南側に下っていく]

 突如、海が目前に現れた。(写真下)
 浪子不動 高養寺の前を通り、国道手前の広場まで下っていく。
 14:44、ここで小休止とした。
[海岸線に出た]

 海岸線の国道134号線を歩く前に寄り道し、国道の下を潜って、海の前に出た。(写真下)
 先程の高養寺の下で休憩していた時は、それほど匂わなかった潮の香りが、ここでは鼻につく。
 しばし、正面の葉山港を見ながら、潮風に当たっていた。
[正面の葉山港を眺める]

 国道沿いを歩いた後、途中で左折し、住宅街の中を進む。
 15:26、JR逗子駅前に到着。ここで、本日の山行は、解散となった。
 [JR逗子駅前にて解散]


 今回は、いろいろ驚きの連続でした。
 いきなりバス停で降りてからの方向違い、簡単に登れた尾根筋の天園ハイキングコース、滑川や鎌倉逗子ハイランド、鎌倉市子ども自然ふれあいの森等での見事な紅葉、鎌倉時代からのやぐら群、名越第1切通、三角点標石が埋まっている披露山...
 鎌倉の低山、侮れません。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。