トップページ他山域山行リスト>白銀山_記録20201226


白銀山

 山行日
2020年12月26日(土) 晴 同行者:他事鉄さん
 コース
発電所前(7:44)〜(8:22)天狗沢横断〜(10:55)白銀山(11:29)〜(12:01)老懐山〜(12:18)三所山(12:28)〜(14:07)406.4m三角点(14:16)〜(14:56)下山口〜(15:05)林道合流点〜(15:14)台の茶屋〜(15:30)湯本橋〜(15:49)箱根湯本
 今回、箱根の白銀山に他事鉄さんと行ってきました。白銀山周辺は、まだ一度も行ったことのない自己未踏エリアで、なかなか行く機会がありませんでした。それだけに楽しみなルートでした。
 詳細は、以下をご覧下さい。


 箱根湯本から上畑宿行きのバスに乗車。
 7:40、発電所前にて下車。この時、単独の中年男性も下車し、我々よりも一足先に歩き始めた。どうも行先は、同じ白銀山のようだ。
 「白銀山って、人気があるんですかね〜」
と、男性の後姿を見ながら、他事鉄さんと話す。
 ウェストバッグをザックにしまい込み、7:44、出発。須雲川に下っていく。(写真下)
[発電所前バス停にて下車]

 須雲川を渡り、さて、進路ルートは、どこだろうと、箱根・湯河原登山詳細図(吉備人出版)を取り出す。(今のところ、この地図が一番詳しいと思われる) 
 今回のルートは、この最初の取り付きエリアと、下りの最後(尾根下りの出口)が核心部だと思っていた。いろいろとネットでの情報を読んでも、今一つ、ルートが分からなかったからだ。
 目の前に、「緑を大切に」に書かれた東電の送電線鉄塔の立札が立っていた。(写真下)
 「これですね。」
と他事鉄さんと確認し、奥の植林帯に入っていく。
 すると、送電鉄塔が現れ、右手に経路が続いていた。この経路を進んでいく。 
[送電鉄塔の方へ進む]

 経路を進むと、正面から、同じバスで降りた単独男性がこちらに戻ってくるのが見えた。
 引き返してくるのかと思ったら、突如、左側の樹林帯に突っ込んで行った。
 ....ちょっとビックリ。

 「何でしょう? 取りあえず、経路を進んでみましょう。」
と、道を進む。
 すると、下り坂となり、前方下に橋があって、その先に建屋が見えた。(写真下左)
 詳細図と見比べて、その橋の下が天狗沢だと分かった。
 だが、橋の入り口には、チェーンが掛かっていた。このため、ネット情報では、沢沿いを歩いて、どうにか対岸に渡ったというような情報が載っていたことを思い出した。
 「想定通りですね。橋を使わず、上流に向かって行きましょう。」
と、橋から戻って、天狗沢の右岸に下りてみた。(写真下右)
 すると、上流に堰堤が目に入る。これでは、このまま沢沿いに進むのは、無理と分かり、来た道をさらに引き返すことに。
 「さっきのオジサンも、このため、樹林帯に突っ込んだようですね。」
 先程、中年男性が樹林帯に突入したことに合点がいった。
[橋には、チェーンあり] [天狗沢上流に堰堤が見えた]

 天狗沢の右岸沿いに進むため、先程、中年男性が進入していった箇所から、我々も樹林帯に突入する。経路らしきものは、なかったが、それほど密集した樹林帯ではないので、進む事に問題は、無かった。正面には、箱根新道の橋が見えていた。(写真下)
[天狗沢の右岸を進む]

 すると、箱根新道の橋脚に出た。(写真下左)
 だが、この先が進めず、石垣の端の草が絡んでいる斜面を利用し、左手の一段高い橋脚の方に移動する。この結果、右岸上流方面にどうにか進むことが出来た。

 8:18、堰堤の上流側にて、沢に下りる事が出来た。(写真下右)
[箱根新道の下にて] [堰堤の上に出た(振り返って撮影)]

 水量が少なかったので、天狗沢は、簡単に左岸に渡れた。
 ここで、右手に枝沢が現れるかどうかに注意しながら、上流へ進む。(写真下)
 すると、どうだろう。右手に枝沢が現れた。また、枝沢の対岸には立派な経路らしきものが見え、その経路は、枝沢を渡り、自分の足元まで続いていた。
 という事は、この経路は、先ほどの建屋に続いているのでは?と思えた。

 詳細図によれば、天狗沢と枝沢の界尾根に取り付くのがルートとなっている。
 ということで、天狗沢と枝沢の間を進んでみる。
[天狗沢左岸を進む]

 すると、正面に植林帯が広がる斜面の手前に小さな道標を見つけた。(写真下)
 これは、右に行けという標識だろう。右手は、確かに尾根の取り付き点だ。どうやら、これが、ルートのようだ。
 すると、ここで、先程の中年男性が突如、背後から現れた。
 ....これまた、ビックリ。何処から現れたのだろうか。

 ということで、この中年男性に先に行ってもらうことにした。
[小さな道標あり]

 尾根に取り付くが、結構、急登で、すぐに息が切れる。(写真下)
 だが、これで取り付き点の課題は、クリアしたので、まずは、第一関門突破だ。
 8:45、小休止。ここで、ウィンドブレーカを脱ぎ、ストックを取り出した。
 8:53、出発。
[急登が続く]

 詳細図では、途中、標高550mにて大岩と記載されているが、そんなに大きな岩が出てこない。
 「これが大岩ですかね〜」
と他事鉄さんと話すが、この程度の岩ならば、他にもあり、ちょっとルートを外れているのかと思ってしまう。結局、大岩は、特定できず、詳細図に載っている標高610mぐらいの「大木のピーク」というのを次の目標とした。
 
 標高580mぐらいで緩やかな斜面となった。すると、目の前に標石を発見。
 何かと見たら、「御枡局三角点」と書かれてあった。
 後日、御枡局をネットで調べたら、御枡局とは、明治時代の宮内省御料局のことで、皇室の財産であった森林を御料局が管理する目的で、この御枡局三角点は、作られたという。
 ....だが、「御枡局」の読み方が、未だ分からない。

 なお、今の三角点と異なり、上面部分が、「+」ではなく、「×」となっている。
 ....今後、上面が×の標石もよく見ておこう。
[御枡局三角点を発見]

 どこに大木があるのだろうと右往左往していると、先を行っていた他事鉄さんが大木を発見。(9:26) (写真下)
 「これが、大木ですね。」
 先程の大岩と違って、大木のイメージは、人にとって、ほぼ同じなので、察しがつく。近づいて、葉や樹皮を見ると、これは、アカガシの大木のようだ。
 その後、9:34にも大木を発見。こちらもアカガシのようだ。
[大木]

 急登が終わり、少し傾斜が緩くなったところで、尾根の幅が広がったようだ。
 振り返ると、「天狗沢→」の手書き道標を発見。(写真下) 振り返って、ここを眺めてみると、この尾根を下ってきた場合、この道標が無ければ、左側の尾根筋に下っていきそうな場所であることが分かった。それゆえ、この道標が設置されていると推察。
 「このルートを下る場合は、ちょっと迷いそうですね。」
と他事鉄さん。
 確かに下りの場合、迷わずに下っていく自信がなかった。
[天狗沢の道標(振り返って撮影)]

 10:26、ササ(スズタケ?)が現れてきた。標高840mぐらいだ。
 
標高900mに来たら、左手に大山・丹沢方面が見えてきた。手前の樹林の枝が邪魔だが、遠景が見えたことに満足。
[丹沢方面の眺め]

 10:39、ササの斜面をほぼ直登していく。詳細図を見ると、斜度が緩くなっていけば、頂上が近いと分かったが、なかなか斜面は、緩やかにならない。
[ササの斜面を登っていく]

 10:52、ブナっぽい大木を左に見た後、傾斜がだいぶ緩くなってきた。ようやく頂上に近づいたようだ。経路は、ササの間に直線状にのびていた。(写真下)
[緩やかな斜面となる]

 10:55、白銀山頂上に到着。
 背丈以上のササ(スズタケか、ハコネダケか、よくわからない)の壁に囲まれた丁字路地点が白銀山頂上だった。(写真下左) 見渡しても、ここは、ササの壁しか見えず、展望は、全くない。

 丁字路の中心に三角点と古い標識を見つけた。(写真下右)
 「白銀山山頂」、「三角点」は、読み取れたが、もう一枚の標識は、道標のようで、「畑宿バス停へ」、「頼朝道」といった断片的な文字しか読み取れなかった。
 ここで、早めのランチタイムとする。
[白銀山頂上にて] [白銀山三角点]

 食後、丁字路から北西の道を進んでみると、塔があった。雨量計だろうか。白い円柱型の容器みたいなのは、箱根/屏風山の雨量計で見た記憶がある。
[白銀山での塔]

 11:29白銀山を出発する。下りは、箱根湯本へ続く尾根を下っていく。
 先ずは、三所山を目的として進む。
[三所山に向かって出発]

 経路がはっきりしなくなり、目の前が植林帯となる。この辺り、地形が複雑で、進路方向がよくわからない。先頭を行く他事鉄さんは、GPSを使用して進路を決めていた。
[植林帯を下っていく]

 ようやく経路が復活して、進んでいくと、目の前に枝が積まれ、経路が通せんぼ状態にぶち当たる。よく見ると手前に小さな道標があった。(写真下)
 直進は、ダメで、左折しろという意味のようだ。
 「なんで直進は、ダメなんでしょうかね。」
と、詳細図を広げる。
 すると、直進路は、老懐山へ続くルートだと分かった。なるほど、直進していくと、三所山に向かうつもりが、いつのまにか老懐山を通過し、その先で道迷いとなってしまう。
 そこで、左折した後、すぐに右折し、老懐山に向かってみることにした。 
[小さな道標を発見]

 すると、ササの茂る植林帯の中で、老懐山の手書き標識を発見。(写真下)
 だいぶ行き過ぎてしまい、戻ってきたときに見つけた。しかし、手書きの文字は、薄れてしまい、「懐山」ぐらいしか読み取れなかった。
[老懐山山頂標識]

 三所山ルートに戻り、ササの茂るルートを進んでいく。
 小ピークを右から小さく巻くと、下り斜面となる。左は、自然林、右は植林で、境界に低い金網があり、その金網の右側を下っていく。
 鞍部から登り返すと、植林帯のピークとなる。奥に進んでいくと、植林帯が終わり、自然林となった所が、三所山の頂上だった。(写真下)(12:18)
 すぐ傍に立派なブナの大木が目に入る。山頂標識を入れて記念撮影をした後、出発する。
[三所山ピークに到着]

 尾根筋沿いに進むと、植林帯の急斜面となった。本日一番の急斜面ではないかと思えた。踏跡らしきものが、よくわからず、適当に下っていく。(詳細図にも急坂と記載されてあった) 
[急な下りとなる]

 下り切った後、登り返す。ピ−クを少し過ぎたところで、12:50、前方に大木を発見、(写真下)
 これが、詳細図に載っている「大木」だろう。この大木もアカガシのようだ。
 このあたり、地面近くには、ミヤマシキミの赤い実が目立っていた。
[大木の横を通過]

 またしても急斜面となる。そこを下っていくと、木の根元に小さな道標を発見した。(写真下左)
 箱根湯本と書かれているのが、どうにか読めるぐらいで、どちらの方向に行くべきかは、この道標だけでは分からない。
 詳細図でのルートは、ここで左折し、鞍部まで下っていくように記載されている。ということで、左折し、斜面を下っていくが、この辺は、経路がよく分からなかった。(写真下右)
[小さな道標を発見] [急な下り]

 下っていく途中で、明神ヶ岳方面を眺めることができた。
 ....いつものことながら、他事鉄さんは、下りが速い。撮影していると、すぐに間隔が開いてしまう。
[明神ヶ岳と明星ヶ岳が重なる]

 13:17、小ピークの下りにて、右手に海が見えたので思わずデジカメ撮影。(写真下)
 しかし、この下りルート、たまにいい光景に出合うのだが、手前の樹林が撮影泣かせだ。
[相模湾が見えた]

 13:23、小ピークを通過。この尾根は、本当にアップダウンが多い。
 このピークにも特徴ある木を1本、見つけた。だが、ちょっと小さかったせいか、詳細図には、大木の存在としての記載が無かった。

 
13:34、尾根筋が右にカーブする。詳細図で確認すると、ここが、「屈曲点」と記載されている地点だと判明。自然林と植林帯の境界沿いを下っていく。(写真下)
[尾根の分岐点(右折地点)]

 途中、植林帯の中に入ったり(ルートを間違えたかも)したが、再び、自然林と植林帯の境界を進む。右手の植林帯の伐採されたのは、最近のようで、切り口が、まだ新しい。
 木の香りがいいなと思ったら、伐採されていたのは、ヒノキだった。
[植林帯の端を下っていく]

 14:07、標高406.4mの三角点に到着。
 ここで小休止とした。
 詳細図を広げて、この先のルートを確認。尾根沿いに下っていき、途中で、右折するのだが、果たして右折点が分かるだろうか。これが、本日、第2の難関だ。
 ペットボトルを開け、一口飲んで、出発する。(14:16)
[三角点にて小休止]

 尾根筋を下っていく。人が歩けるほどのスペースがあり、最初は、快調に進んで行けたが、右折点が、わからないまま、14:34、完全に進路方向のルートを見失う。(写真下)
 GPSを見ると、完全に行き過ぎていることが判明。ということで、引き返すことにした。
 ....この状況での登りは、辛い。
[完全にルート不明となる]

 登っていくと、14:45、何となく左右に経路が走っているように見えた場所に出た。(写真下)
 ということで、左折して、東側へ進むことにした。
[引き返した後、左手に進んでいく]

 だが、明瞭な経路?は、すぐに消えてしまい、植林帯にぶつかった。ここで、斜面を下るように左へ進んでいく。すると、左下に古い堰堤が見えた。(写真下)
 堰堤の左岸(手前)には、経路のようなものが続いている。他事鉄さんが、その経路を進んでいく。
[左下に堰堤が見えた]

 14:56、林道に出た。
 ここが、下山口のようだ。だが、何も道標のような物は、見当たらなかった。
 とにかく無事、下山口に下り立つことが出来て一安心。
 
 後日、詳細図のルートと、実際に歩いたルート(GPS軌跡)を比較してみたら、もっと手前で右折し、植林帯を下り、堰堤の左岸に出てくるのが詳細図のルートだった。下りの途中、右折分岐点があったようだが、気がつかなかった。
[林道に出た]

 第2の関門もどうにかクリアし、気分よく、林道を進み、白銀林道に続く車道に合流。(写真下)
[白銀林道に続く車道に合流]

 15:14、台の茶屋に出てきた。ここは、今朝、バスで通った所だ。左のバス停を見ると、バスを待つ人たちが見える。(写真下) ということは、もうすぐバスがやって来るのだろう。
 だが、我々は、直進して、箱根湯本まで歩くこととした。
[台の茶屋に出てきた]

 滝通りを進むと、反対方向から大勢の観光客とすれ違う。今日は、まだGOTOトラベルが有効だったため、観光客が多いことが分かった。(この時点では、12/28〜1/11が停止期間となっていた)
 
途中のコンビニで小休止した後、15:49、箱根湯本に到着。
 [箱根湯本駅に到着]


 他事鉄さん
 ご同行ありがとうございました。お蔭様で、箱根でのバリルートを堪能することが出来ました。まだ箱根には、楽しそうなルートがありますので、今後とも、宜しくお願い致します。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。