トップページ他山域山行リスト>鳥海山_記録20230826


鳥海山

 山行日
2023年8月26日(土)・27日(日) 晴・晴 同行者:「山の会」メンバー 3名
 コース
2023/8/26:鉾立駐車場(13:03)〜(14:38)賽ノ河原〜(15:24)御浜参籠所(泊)
2023/8/27:御浜参籠所(6:01)〜(6:50)七五三掛〜(6:58)外輪山・千蛇谷分岐点(7:05)〜(8:29)鳥海山大物忌神社(8:40)〜(9:14)新山(9:21)〜(9:51)鳥海山大物忌神社(10:05)〜(11:15)外輪山・千蛇谷分岐点〜(11:22)七五三掛〜(12:04)御浜参籠所(12:24)〜(12:48)賽ノ河原(12:50)〜(13:48)鉾立駐車場
 8月最終の土日は、初訪問となる鳥海山に行ってきました。東北の山は、今年2月の西吾妻山以来です。今回は、山形新幹線新庄からレンタカーを使用し、鉾立駐車場まで行き、そこから頂上を目指しました。詳細は、以下をご覧下さい。


<第1日>
 山形新幹線「つばさ」に東京から乗車し、新庄駅ホームに降りたところで、本日の同行メンバー、NASさん、YUTさん、TOYさんと合流。その後、新庄駅前で予約しておいたレンタカーを受取るが、駅前の道路で、まつりが行なわれていて、いきなり通行規制に引っ掛かった。調べてみたら、毎年8月24・25・26日の3日間は、260余年の歴史を持つ由緒ある新庄まつりの開催期間だった。だが、駅前を抜けた後は、順調に進み、国道47号線を走る。その後、高速無料区間や有料区間を走り、鳥海ブルーライン(今は無料道路)に入った。
 12:20、鳥海山鉾立駐車場に到着。下界は、晴れていたのだが、鳥海ブルーラインを登るにつれてガスの中に入ってしまった。(写真下)
[鉾立駐車場にやってきた]

 駐車場の一角に「SEA TO SUMMIT」の幟が立っていた。(写真下)
 実は、今日から「鳥海山SEA TO SUMIMIT」が開催され、今回の山行と被ってしまったのだ。SEA TO SUMIMITとは、カヌーと自転車と登山を組合せた大会で、2023年は、全国11ヵ所で開催を予定。この8/26・27が鳥海山だった。(8/26は環境シンポジウムで、8/27がアクティビティ実施)
 たまたま先週の火打山に行ったとき、同行メンバーの一人が、このことを知っていて、「来週は鳥海山」と話すと、教えてくれたのだ。そんな訳で、火打山から帰宅した次の日には実行委員会に電話し、大会中、鳥海ブルーライン(自転車コース:つい先ほど通行したルート)に通行規制が入るのか、鳥海山登山コース(我々の登山ルートと全く同じ)で、登山者に影響がないのか等、質問したところ、特に問題がないことが分かった。
 ....何事も事前に知っていたら、一安心。
[SEA TO SUMMITの幟]

 ランチタイムの後、駐車場を出発する。(13:03)
 登山口には登山ポストがあり、登山届を提出した後、登山道案内図を見る。(写真下)
 今日は、この鉾立(5合目:標高1150m)を出発し、象潟口コースを登っていき、賽の河原(6合目:標高1520m)を経由し、御浜(7合目:標高1700m)までの行程だ。案内板のコースタイムでは、2時間30分となっていた。
 ....ちなみに山と高原地図「鳥海山・月山」ではコースタイム2時間。
[登山口の案内図]

 登山口を出発し、舗装路を登っていく。振り返って駐車場を撮影。(写真下左) ガスが漂い、なんだか雨が降りそうで、この先が心配になってきた。すると、案の定、歩き始めて20分後、雨がパラパラと降り始めた。マズいなと思ったが、幸いなことにほんの2、3分で止んでしまった。
 13:52、雨は止んだが、前方は、まだガスが濃い。いつまた降ってくるか分からない状況でちょっと足取りが重い。(写真下右)
 ....今回、小屋泊りだが、シュラフ持参ということで、ザックも重い。
[駐車場にガスが広がる(振り返って撮影)] [ガスが濃い]

 この鳥海山の登山道は、よく整備されていて、先ほどから石畳のような登山道が続いている。雨が降った時は、分からないが、乾いている今は、非常に歩き易い。(写真下)
 ....傾斜も緩やか。
 14:22、前方が明るくなってきた。どうもガスが切れ始めているようだ。
 ....運が向いてきたか。
[緩やかな登り道]

 14:36、陽の光が雲の間から差し込んできた。緑の草原が明るくなり、今までの薄暗いイメージが払拭された。(写真下)
[陽が差し込んできた]

 14:38、賽の河原を通過。ここは、風の通り道のようで涼しく、心地よい。その後、フラットな歩きが続くが、そこでもまだ涼しさが続いた。
 再び登り道となったら、幸いなことに陽が照り出した。これならば、雨は大丈夫だろう。石畳の登山道が相変わらず続いている。そんなに急登ではないので、テンポよく歩ける。やがて、本日の宿、御浜参籠所が近づいてきた。(写真下)
[御浜参籠所まで、あと少し]

 15:24、御浜参籠所に到着。
 御浜神社という文字が掲げてあり、奥に立派な神棚が見えた。入口から参拝する。宿泊場所としての部屋は、もうひとつ奥の入口だった。
 部屋に上り、我々の寝床エリアを教えてもらい、ザックを下す。寝床には持参したシュラフを敷き、スペースを確保。
[御浜神社] [御浜小屋]

 鳥海湖を見下ろす場所に出て、この参籠所で購入した缶ビールで乾杯。(写真下)
 鳥海湖は、火口湖で、この鳥海山が火山であることを物語っている。
『水は、降り積もった雪がとけたもので、冬季には湖底(一番深いところで4.7m)まで凍結します。PH4.7で酸性が強くあまり生物はいないのですが、クロサンショウウオなどが生息しています。』
 (鳥海山・飛島ジオパークサイトから引用)
 なお、視界がよければ、鳥海湖の奥に月山が眺められるようだが、今は雲があり、そこまでの遠景は得られなかった。
[鳥海湖を見下ろしながら乾杯]

 鳥海山方面を見上げると、ガスに覆われていた山頂付近が見事に姿を見せていた。一番高く見える左側のギザギザしたあたりが山頂のようだ。
[鳥海山の山頂方面が姿を現した]

 夕食後、外に出る。日本海側の雲が赤く染まる。目の前には、稲倉岳が大きい。(写真下)
 今度は、夕日の当たる参籠所入口側で持参した酒を飲み始める。
[日本海側を望む]

 夕日は、一旦雲に隠れたのだが、雲の下から再び出現。(写真下)
 下の写真では、分かりにくいが、夕日の左下には、真っ平らな飛島が見えている。
 陽が沈み、暗くなったところで、部屋に戻る。今夜は、全部で11名の登山者が宿泊していた。また、もう一部屋の方は、SEA TO SUMMITのスタッフメンバーが明日のレースのために10名ぐらい宿泊していた。
 19:10、就寝。すぐに眠りに入ってしまった。
[夕日が沈んでいく]

<第2日>
 4:45、起床。すぐにシュラフを片付け始める。 
 5:30に朝食スタート。シュラフ、酒等、登頂に不必要なものは、小屋に置かせてもらい、サブザックを背負って参籠所を6:01、出発する。
 SEA TO SUMMITのスタッフの方々は、既に外に出ていた。予定では、鉾立からの登山レースで、ここに到着するのは、速い選手で9:00ぐらいとのこと。それゆえ、我々が頂上から下山する時、登ってくる選手とすれ違うことになりそうだ。
 歩き始めて10分後、山頂のガスが流れ始めた。(写真下)
[鳥海山頂上付近のガスが流れる]

 扇子森のピーク(現地の道標には、「御田ヶ原」と書かれてある)を過ぎると、下りとなる。丁度、登り返す鞍部にて左を見ると、草原の斜面は、お花畑となっていた。(写真下) だが、残念なことに、ここには、まだ陽が当たっておらず、撮影としては、今一つ。
[草原にお花畑]

 6:58、外輪山・千蛇谷分岐点にて小休止。振り返ると、草地の斜面に歩いてきた登山道が見下せた。(写真下) この先、千蛇谷へと向かうが、ここからは、急な下りとなる。
 地理院地図には千蛇谷へトラバース気味に進むルートも記載されているが、どうやらその登山道が崩れて、現在のように一旦登って、下るようなルートに変わったようだ。
[外輪山・千蛇谷分岐点(振り返って撮影)]

 下りきったところが、千蛇谷。(写真下)
 日陰のせいか、雪渓が残っていた。ここから対岸の尾根に登り返していく。
[千蛇谷に下り立つ]

 右手に外輪山コースの稜線を見ながら、斜面を登っていく。(写真下)
 進路方向は、モロに逆光になってしまい、撮影が難しい状況。
[千蛇谷コースを登る(振り返って撮影)]

 岩がゴロゴロし始め、徐々に斜度が急になっていく。足の置き場に注意しながら一歩一歩進む。
 急登が終わったと思ったら、前方に建屋が見えた。SEA TO SUMMITのゴールの横断幕が目に入る。(写真下左) さらに進むと、左手に御室参籠所と鳥海山大物忌神社が見えたので、参拝。(写真下右) ここで小休止後、山頂には、時計回りのルートで周回することにした。
[SEA TO SUMIMITのゴール] [御室参籠所と鳥海山大物忌神社]

 今までの整備された登山道とは、180度異なる、いきなり自然の岩場となる。(写真下) 白ペンキの矢印に従って登っていく。
 ....それにしても、今までの登山道とのギャップが凄まじい。
 だが、ここでメンバーに遅れをとってしまう。今までの登山道では問題なかったのだが、どうも右膝の調子が悪く、右足が思ったほど上がらないことが分かった。(膝を思いっきり曲げると、膝の裏が痛くなる) このため、岩場の登りで、支障をきたすことが判明。
 ....以前は、登りで痛くなることはなかったが、登りでも極端に膝を曲げるのであれば、下りと同じということか。
     それとも、右膝痛が悪化している?
[頂上を目指す]

 ようやくメンバーに追いついたと思ったら、オコジョがいたという事で、皆、撮影タイム中だった。確かにオコジョを見たが、あまりにも素早い動きで、チョコチョコと岩の隙間に隠れたりするので、これではカメラがついていけない。(連続撮影や動画でも難しいと思った) やがて姿を見失ってしまう。
 その後、他のオコジョが現れないかと、少しだけ一人粘ってみたが、結局、諦めて歩き出す。岩場をさらに登ろうとしたら、白ペンキが見つからない。後方から追いつかれたトレラン男性から、「こっちの下りですよ」と言われ、ルートを変更。まさか、ここまで登って、下りになるとは予想外だった。(写真下)
 この下り始めでも、別のオコジョを見かけたのだが、やはり動きが速すぎてカメラが追いつかなかった。
 ....この岩場は、オコジョの巣窟のようだ。
[急な下りとなる]

 やはり、急な下りだと、右膝を極端に曲げることになり、痛みが生じるので、ビクビクしながら下っていく。このため、下りも時間がかかり、先行メンバーとだいぶ距離があいてしまった。
 下りきった後、再び岩場を登り返していく。今度こそ、この先が山頂のようだ。だが、ここまでクサリもロープもなく、ちょっと驚いている。晴れの日は、いいとしても、悪天候の場合は、かなり滑るのではないかと思えたからだ。
 9:14、ようやく一人遅れて、山頂に到着。ここで全員での記念撮影。(写真下)
 ....どうも遅れてスミマセン。
[鳥海山頂上(新山)にて記念撮影(YUTさんスマホにて)]

 山頂からは、酒田方面の庄内平野と日本海が見下ろせた。(写真下)
 残念ながら、他の方角は、ガスが湧き、はっきり眺めることができなかった。
[頂上からの光景]

 山頂からは、再び岩場の下り。白いペンキ印に従って下っていく。(写真下)
 ....しかし、同行メンバーの速いこと。
[頂上からの下り]

 白いペンキ印に進むと、胎内くぐりに到着。中に入っていくと、石祠があり、その前を通ると出口となっていたが、ちょっと狭い。また、その先が下りで、結構、段差のある岩場だった。そんな訳で、いささか難渋した。....もう同行メンバーの姿は全く見えない。
[胎内くぐり] [石祠あり]

 岩場の下りを終え、歩き易い登山道に下り立つ。(写真下)
 ようやく緊張感から解放される。遠くに神社方面の建屋が見えた。あそこまで行けば、時計回りで一周したことになる。
[神社方面が見えてきた]

 9:51、神社前に戻ってきた。(写真下) ここでメンバーと合流し、早めのランチタイムで小休止していると、ゴールしたSEA TO SUMMITの選手が一人近づいてきて、立ち話。こんなに速く到着してしまうのかと、驚嘆してしまった。選手に全然疲れた様子は、見られない。帰りは、外輪山経由で下っていきますと言って別れた。
 10:05、我々も下山開始。登ってきた道を下る。
[大物忌神社の前に戻る]

 やはり、下り始めると、次々とナンバーを付けたレース選手とすれ違う。その度に立ち止って、声掛けするようになってしまった。
[レース選手とすれ違う]

 千蛇谷に下っていき、登り返す。この登りが、キツイ。ハアハア言いながら、登っていく。途中で、山頂方面を撮影。(写真下)
[千蛇谷からの登り返し(振り返って撮影)]

 11:22、七五三掛を通過。ここまで、50人ぐらいナンバーを付けた選手とすれ違った。
 この先は、道がいいので、下りは、速く歩ける。尾根筋を下っていく途中で、御浜参籠所が見えてきた。(写真下)
[御浜参籠所が見えた]

 12:04、御浜参籠所到着。まだSEA TOSUMMITのスタッフメンバーは、参籠所に残っていた。ここでサブザック等をザックに入れ込み、再パッキングして出発。(12:24)
 背中のザックは重くなったが、この先は、登山道が石畳となり、どんどん下っていける。(写真下)
[駐車場に下っていく]

 13:48、登山口に到着。(写真下左) 全般的に傾斜が緩かったせいか、頂上神社からの下りにて、幸い右膝の痛みは出てこなかった。無事下山を祝った後、土産などを売っている稲倉山荘に向かう。稲倉山荘の横には、SEA TO SUMMITのテントが設営されており、スタッフの人たちが作業中だった。
 稲倉山荘の外廊下にある飲料自販機で、いつものように他のメンバーの視線を気にしながら、コーラを購入。(写真下右)
 ....「また飲んでる」と言われながらも、やはり、喉ごし爽やかで、幸せな気分。
 汗を拭き、水分補給し、ひと段落した後、一番下の駐車場(登山者用駐車場)に置いたレンタカーまで歩いていく。陽が照っていたのに、いつの間にかガスが湧き、曇ってきた。どうも、この辺りはガスが発生しやすいようだ。
 14:23、駐車場を出発する。
[登山口に戻った] [冷えたコーラをGET]

 鳥海ブルーラインを下っていき、14:54、鳥海温泉保養センターあぽん西浜にて、日帰り入浴。(写真下) ようやく身体がサッパリした。
 この後、道の駅に寄り道しながら、行きとほぼ同じルートで、新庄駅まで戻った。
 ....最上川を渡るとき、左前方に、いつか登ってみたい月山を見る。
 [鳥海温泉保養センターあぽん西浜にて入浴]


 予定より早く下山できましたので、帰りの新幹線も予定より1本早めの18:43新庄発つばさ158号に乗車できました。今回も、どうにか晴の山行となりました。
 ご同行の皆様、大変お世話になりました。有難うございました。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。