トップページ他山域山行リスト>燧ヶ岳_記録20230923


燧ヶ岳

 山行日
2023年9月23日(土)・24日(日) 曇・晴      同行者:「山の会」メンバー3名
 コース
2023/9/23:大清水(11:00)=(シャトルバス)=(11:10)一ノ瀬休憩所(11:34)〜(12:41)三平峠(12:46)〜(13:13)三平下(13:31)〜(13:59)無料休憩所〜(14:03)長蔵小屋(泊)
2023/9/24:長蔵小屋(5:07)〜<長英新道>〜(8:09)ミノブチ岳(8:21)〜(8:59)俎グラ(9:17)〜(9:49)柴安グラ(10:36)〜(11:05)俎グラ(11:16)〜(12:33)熊沢田代〜(13:39)広沢田代〜(15:10)御池
 今回、尾瀬の燧ヶ岳に初めて行ってきました。尾瀬の山は、昨年の至仏山に続いての訪問となります。2日目の天気は、素晴らしく、ガスガスだった至仏山とは全く異なった山行となりました。
 詳細は、以下をご覧下さい。


<第1日>
 バスタ新宿から大清水行きの高速バスに乗車。バスの座席が狭くて右足が殆ど動かせないため、右膝になんだか違和感を覚える。途中2ヵ所の三芳PA、赤城高原SAでの休憩で、足が伸ばせたことが唯一の救いだった。 ....この先の歩行で、いきなり右膝痛が出てくるのではと心配になった。
 新宿は、曇り空だったが、関越自動車道を走っていると徐々に天気がよくなってきた。赤城高原SAでは陽が照りだし、これは、いける!と思ったのも束の間、高速を下りてから、再び怪しい雲行きとなる。
 10:45、大清水に到着。初めて大清水を訪れたが、意外と山奥というのが第一印象。
 一ノ瀬行きシャトルバスに乗り、発車を待っていると、ポツポツと雨が降ってきた。雨具着用の登りは、嫌だな〜と憂鬱な気分となる。
 11:00、定刻通り、シャトルバスが発車した。
[大清水に到着]

 11:10、一ノ瀬無料休憩所前に到着。(写真下左)
 幸いなことに雨は、止んでいた。ということで、雨具は着ないで済みそうだ。
 他の登山者が次々と出発していく。
 今日は、尾瀬沼の長蔵小屋までの短い行程なので、ゆっくり準備を行なった後、11:34、出発。気がつけば、周囲に他の登山者の姿はなく、我々だけだった。(写真下右)
 なお、今回の同行メンバーは、EFUさん、TKOさん、MIHさんの3人。この7〜9月、EFUさんとは、白馬岳、巻機山で一緒。TKOさんとは、立山、白馬岳、日の出山で一緒だった。
 ....MIHさんとは、昨年秋の足柄峠以来。
[一ノ瀬無料休憩所前に到着] [一ノ瀬無料休憩所を出発]

 樹林帯の登りを進む。登山道の階段状登りは、しっかり整備されてあり、さすが尾瀬だと思えた。だが、その後の木道歩きは、濡れていて危険だった。滑りそうで、足の筋肉が思わず硬くなる。
 12:41、三平峠に到着。(写真下) 樹林帯で、展望はなかったが小休止。ここまでの登りで、心配していた右膝の痛みは幸い、出てこなかった。
[三平峠]

 三平峠からの下りは、木道がますます滑りそうで要注意。(写真下)
 常に足元しか見ていない状況。
 なお、傾斜が緩いせいか、下りとなっても右膝は、大丈夫だった。
[三平峠を下っていく]

 下り終えたところが、三平下。ここのベンチにて小休止。(13:13〜13:31)
 曇り空のままだが、幸い、雨は降っていない。
[三平下にて(振り返って撮影)]

 三平下を出発。ここから幅広の木道歩きとなる。左手には尾瀬沼が樹林の間から見える。初めて見る尾瀬沼だが、曇っているため、感動は今一つ。
[尾瀬沼沿いに歩く]

 手前の樹林が消えて尾瀬沼が見えきた。
 だが、その奥の燧ヶ岳は、ガスに隠れて全く見えない。
 13:53、分岐点に到着。右が長蔵小屋だが、まだ時間が早いので、左の無料休憩所方面に進むことにした。(写真下)
[無料休憩所に向かう]

 無料休憩所手前にて尾瀬沼の大江湿原側を眺める。(写真下) ここでは、緑と黄色が混じり、ようやく秋がやってきたかと思える彩りだ。もう少し天気が良ければ、一段と映える光景になったのではないかと思えた。
 無料休憩所に立寄り、時間を潰した後、長蔵小屋にチェックインした。(14:03)
 まだ時間がたっぷりあるので、4人で売店や長蔵小屋別館に行き、お茶したり、山行にしては珍しく優雅な時間を味わう。
 16:00前には長蔵小屋に戻り、今回、宿に風呂があるので、入浴。
 このとき、浴槽の中で、ひたすら右膝のストレッチを実施。今日の歩行で右膝痛が出た訳ではないが、浴槽の中だと思いっきり曲げやすかった。....浮力のおかげ?
[大江湿原方面の眺望]

<第2日>
 4:00少し前に起床。昨日の夕食後に受け取った朝食用のオニギリを食べる。
 5:07、長蔵小屋を出発。真っ暗な状況で、まだライトが必要だった。
[長蔵小屋を出発]

 5:13、木道が二分する分岐点に到着。(写真下)
 道標では、左:沼尻・尾瀬ヶ原、右:沼山峠休憩所と記されているだけで、燧ヶ岳への長英新道ルート方面が書かれてなかった。地図を取り出して確認すると、左折と判明。直感に頼ると間違えそうな分岐点だ。
[沼山峠分岐点にて]

 ようやく明るくなって歩き易くなり、緩やかな斜面を登っていくが、3合目(標高約1890m)あたりから徐々に登りがキツくなってきた。(写真下)
[長英新道3合目]

 4合目(標高約1960m)になると、いよいよ登りが急になってきた。階段が壊れている箇所を通過。(写真下) その後も、岩が出てきたり、長い階段が出てきたりと、登り難いルートが続く。
[長英新道4合目]

 木の根っこによる大きな段差があると、前に出す足の膝は思いっきり曲げて登らなければならないが、右膝の痛みが怖くて、どうしても左足しか前に出せない。このため偏った歩行になってしまう。
 黙々と登り続け、かなり、高度を稼いだと思ったら、上空に青空が見えてきた。どうやらガスが消えていくようだ。(写真下)....標高2050mまで登ってきた。
[ガスが消えていく]

 標高2105mぐらいで、燧ヶ岳のピークが見えた。(写真下) 地図で確認すると、俎グラのピークだ。ようやくピークが見えたということで、何枚も撮影。天気予報では、確かに晴の予想だったが、それにしても見事な快晴となった。
[燧ヶ岳(俎グラ)の眺め]

 俎グラが見えた少し先で、反対側の左手には、日光連山が見えた。(写真下)
 帰宅後、カシミール3Dで確認し、左から女峰山、小真名子山、太郎山、大真名子山(太郎山と重なっている)、少し離れて男体山(台形状の山)だと判明。
[女峰山・男体山の眺望]

 木の階段を登り、7合目の標識を見た後、笹原に出る。(写真下) この先、緩い登りを期待していたら、再び木の階段が現れ、ハアハア言いながら登っていくハメに。
[さらに高度を稼ぐ]

 8:09、展望のいい小広場に出た。山と高原地図「尾瀬」で確認し、ここがミノブチ岳だと判明。尾瀬沼方面の展望が広がる。先ほどの女峰山、男体山の他、その右側に日光白根山が頭一つ、抜き出ていた。(写真下)
[ミノブチ岳からの展望(1)]

 反対側には、先ほどの俎グラが聳える。左手の台形状の山は、御池岳だ。だが、燧ヶ岳のもう一つのピーク、柴安グラが見えない。御池岳の裏手に隠れているのだろうか。仮にそうだとしても、柴安グラの高さからして、ピークだけでも御池岳の上に見えてもいいのではと思えた。(写真下)
[ミノブチ岳からの展望(2)]

 ミノブチ岳を出発し、俎グラを目指す。
 8:28、沼尻からの登山道と合流する。そこの道標に8合目のプレートを見つけた。
 8:35、ふと左手を見たら、もう一つのピーク柴安グラの姿に気がついた。(写真下) ミノブチ岳では、御池岳があまりにも近すぎて、柴安グラが完全に隠れてしまうことがわかった。
[柴安グラが見えた]

 8:59、燧ヶ岳(俎グラ)の頂上に到着。三角点を発見し、思わず撮影。(写真下左)
 小休止した後、柴安グラに向かう事にした。だが、一旦下って登り返すルートを眺め、思わずザックは、置いていくことに。(写真下右)
 ....ストック1本を持参。
[俎グラ頂上] [柴安グラを望む]

 柴安グラからの登山者とすれ違うが、細い登山道では、度々渋滞が起きた。
 9:49、柴安グラ頂上に到着。俎グラよりも標高が高いせいか、立派な燧ヶ岳の山頂標識が立っていた。(写真下)
[柴安グラ頂上に到着]

 頂上からの素晴らしい光景に思わず息を呑む。(写真下)
 正面には、尾瀬ヶ原、その先には至仏山がクッキリ。その至仏山の左奥は、ギザギザ稜線の上州武尊山が黒っぽく見える。また、(写真下)では、切れてしまっているが、上州武尊の左奥には、赤城山の姿も見えていた。
 この圧巻の光景にデジカメ撮影も忘れて、しばし立ち尽くす。
[尾瀬ヶ原・至仏山方面]

 右手には、先週登った平ヶ岳が鎮座している。特徴的な山容で、すぐに平ヶ岳と分かった。その奥には、見覚えのある中ノ岳、越後駒ヶ岳が見えている。ということは、平ヶ岳の左側には、巻機山も見えている筈だが、今一つ山が特定できなかった。だが、帰宅後、カシミール3Dで確認したら、巻機山も見えていたことがわかった。(写真下)
 左端奥が巻機山。中央が平ヶ岳、その右奥に中ノ岳、越後駒ヶ岳と続いている。
[平ヶ岳方面の眺望]

 柴安グラから俎グラを振り返る。(写真下)
 正確には、この柴安グラの方が10mぐらい高いらしいが、肉眼では殆ど差が分からない。
[俎グラを望む]

 11:05、俎グラ頂上に戻ってきた。相変わらず登山者が多い。(写真下左)
 頂上から少し離れた所で、小休止。すると、山頂プレートを持って記念撮影する登山者の列が一瞬、途切れたので、チャンスとばかり、山頂プレートを撮影。(写真下右) 柴安グラと違って、こちらの山頂標識は、このプレートだけだった。
 11:16、頂上を出発し、御池へのルートを選択する。
[俎グラ頂上に戻ってきた] [俎グラの山頂プレート]

 俎グラ頂上から下っていくと、登山道は、ザレ場を横断する。(写真下)
 正面には、会津駒ヶ岳がクッキリと眺められた。この後は、ほぼ会津駒ヶ岳に向かって下っていくことになる。
[御池に下っていく]

 細いザレ場を直線的に下っていくルートとなる。小さな浮き石だらけで滑りやすく、非常に歩き難い。(写真下)
[ザレ場を下る]

 ザレ場が終了すると、今度は、ササに覆われた登山道となった。(写真下) ひと夏で、すぐササが覆ってしまうのだろう。登山道整備は大変だと思えるエリアだ。幸い、このササの繁みは、そんなに長く続かなかった。
[ササが登山道を覆う]

 突如、目の前が明るくなったと思ったら、湿原が視界いっぱいに広がる。(写真下)
 この御池ルート、ザレ場あり、湿原ありと、なかなか凝った演出ではないかと思えた。
[湿原に出た]

 正面に熊沢田代を望む。大きな池塘が二つあり、その間に木道が続く。(写真下)
 燧ヶ岳の斜面を歩いているようなイメージではなく、尾瀬ヶ原の湿原を歩いているような気分だ。
 ....だが、池塘の先は、登りになっているのが、ちょっと辛そう。
[熊沢田代の眺め]

 熊沢田代を過ぎ、登りとなる木道を登っていく。
 やがて、樹林帯に入り、木道が緩い下りになった所で、正面に見たことのある山が見えていた。越後駒ヶ岳と荒沢岳だ。先週、平ヶ岳の草原から見た光景とほぼ似ていた。(写真下)
 こう見ると、奥只見と尾瀬が近いというのが、よくわかる。
[越後駒ヶ岳(左奥)と荒沢岳(中央)(望遠)]

 下りにて、壊れている木道を注意深く通過。また、壊れていなくても、濡れていて滑りやすい木道が現れ、ハラハラしながら前進。(写真下) 今までが天国のような木道だったのが、いきなり試練の道となる。 
[濡れていて滑りやすい木道を下る]

 すると、再び湿原に出た。(写真下)
 地図で確認すると、ここは、広沢田代という湿原だった。
 先方を歩いていた同行メンバーの男性2人は、この広沢田代で待ってくれていたのだが、我々2人の姿を見たら、陽が照りつけ、暑いということで先に進んでしまった。
 ....ということで、登山者は、MIHさんだけが写っている。
[広沢田代にて]

 湿原を過ぎたら、樹林帯の中、岩だらけで濡れている段差のある下り登山道となる。再び天国から地獄の道に戻ってしまった。(写真下)
 途中、この長い下りに飽きて、木陰の下、メンバー4人で小休止していたら、上から団体さんが追い抜いていった。結構、年配の方が多かったのだが、この段差のある登山道をスタスタ下っていく姿に唖然。
 ....最近、スピードの速い下山者に追い越され、仰天するケース多し。
[急な下りが続く]

 ようやく岩の多い下りが終わり、再び木道歩きとなる。
 15:04、尾瀬ヶ原からのルートと合流する。ゴールの御池まで、あと500mだ。(写真下)
[尾瀬ヶ原ルートに合流(振り返って撮影)]

 15:07、御池登山口に出てきた。滑りやすい木道や段差の大きい下りに悪戦苦闘していたMIHさんもゴールに到着し、嬉しいポーズ。(写真下左)
 15:10、広い駐車場のど真ん中を通り、バス停に到着。(写真下右) 会津高原尾瀬口駅行きのバスは、16:10発だ。まだ時間があるので、着替えたり、売店で土産物を眺めたりしながら時を過ごす。
 ....ここで、冷えたペットボトルのコーラを買って一気飲みしたことは言うまでもない。
[御池登山口に到着(振り返って撮影)] [御池バス停]


 今回は、とにかく天気に恵まれ、燧ヶ岳頂上(俎グラ、柴安グラ)からの眺望は、忘れられない光景となりました。また、その後の御池に下るルートも、天国エリア(湿原でのしっかりした木道歩き)と地獄エリア(滑りやすいボロボロの木道や岩だらけで段差の大きい下り)が交互に現れ、燧ヶ岳は、とても印象深い山行となりました。
 ....今回、右膝の痛みが発生しなかったのは有難かった。
 ご同行の皆様、いろいろとお世話になりました。有難うございました。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。