トップページ他山域山行リスト>トムラウシ山_記録20250627


トムラウシ山

 山行日
2025年6月27日(金) 曇時々雨後晴       同行者:「山の会」メンバー 1名
 コース
トムラウシ短縮コース登山口(4:41)〜(5:06)温泉コース分岐点〜(5:47)カムイ天上(5:55)〜(7:43)コマドリ沢分岐点〜(9:00)前トム平(9:06)〜(9:47)トムラウシ公園〜(10:55)キャンプ場分岐点〜(11:36)トムラウシ山(11:49)〜(12:26)キャンプ場分岐点〜(13:46)トムラウシ公園〜(14:35)前トム平(14:40)〜(15:48)コマドリ沢分岐点〜(17:45)カムイ天上(17:52)〜(18:42)温泉コース分岐点〜(19:02)トムラウシ短縮コース登山口
 2年前の幌尻岳以来、北海道の山に行ってきました。今回はトムラウシ山です。前回の幌尻岳よりは楽だろうとタカをくくっていましたが、実際は幌尻岳以上に超ハードでした。(少なくとも自分にとって) なお、同行者は幌尻岳同様、高校時代からの友人NASさんです。 
 詳細は、以下をご覧下さい。


 前日の15:20、トムラウシ温泉東大雪荘にチェックイン。夕食を終え、21:00に就寝しようとしたら、外は雨が降り始めていた。明日は大丈夫かと不安になる。
 3:20、起床。幸い雨は止んでいるようだ。宿で用意してくれた朝食用オニギリを食べて、4:04、宿を出発。(写真下) レンタカーでトムラウシ短縮コース登山口に向かう。外はすでに明るくなっていた。
[東大雪荘を出発]

 4:34、登山口駐車場に到着。すでに3台の車が駐車中だった。(写真下左) もう十分明るいのでライトは不要だ。GPSをONしてストックを取り出し、登山口道標を4:41出発。(写真下右)
[トムラウシ短縮コース登山口駐車場] [トムラウシ短縮コース登山口]

 歩き始めて10分もしないうちに後方からクマ鈴の音が聞こえてきた。ここでクマ鈴を出していないことに気がつき、我々もクマ鈴を取り出す。その際、単独男性に追い抜かれた。先ほど駐車していた車3台のうちの1台の男性だ。それにしても歩行ペースが速い。
 ササの多い樹林帯を進む。(写真下) クマが出てきてもおかしくないような状況だ。
[樹林帯を進む]

 カムイ天上に到着。樹林帯の中に標柱が立っていた。(写真下) 歩き始めて1時間6分。山と高原地図でのコースタイムは1時間30分なのでまずまずのタイムだ。
[カムイ天上]

 カムイ天上を出発してすぐ、樹林の間から双耳峰が見えた。(写真下) 後で調べたら、前トムラウシ山と判明。上空は青空が広がっており、天気は良さそう。
[双耳峰を望む]

 カムイ天上から西へ尾根沿いに進んでいく。このあたりは緩い登リが続き、歩き易い。おまけに左側は樹林が消えて、北西方向に端正な三角形の山が見えてきた。後日、下ホロカメットク山だと知った。(写真下)
[独立峰が見えた]

 6:59、緩い登りが終わり、下りに転じるところで5分ほど小休止。ここでペットボトル1本(600ml)が空となった。その後、どんどん下っていき、カムイサンケナイ川に合流する直前にて雪渓に遭遇。(写真下) 雪渓には所々、穴が開いており、スノーブリッジになっていて、とてもスリリング。その後、カムイサンケナイ川の上流へと進むが、雪渓は延々と続いていた。
[カムイサンケナイ川に出た]

 雪渓上に標柱を発見。(写真下) 「コマドリ沢分岐」と書かれてある。ここで右手に見えるコマドリ沢に向かう。コマドリ沢も雪渓だらけの沢だ。
[コマドリ沢分岐点]

 チェーンスパイクを装着した後、コマドリ沢を進む。(写真下) そんなに急斜面ではないので登り易い。また上空はガスが出てきて、かつ雪渓上ということもあり、涼しい登りとなる。また、ここは、雪渓に穴が空いておらず、比較的安全に登れた。
[コマドリ沢雪渓を登る]

 コマドリ沢雪渓を30分近く登り続け、そろそろ右手に入る頃だと思い、GPSで進路を確認すると、雪渓から離れ、右手の隣の雪渓の間の細い尾根に入るのがルートと分かった。細い尾根を登ると、ガレ場の中に黄色いペンキの矢印を見つけた。チェーンスパイクを外し、その方向に登っていく。(写真下)
[雪渓からガレ場歩きへ]

 8:42、突如、雨が降り始めたので、急いで雨具を装着。だが、歩き始めた頃にはもう雨脚が弱くなっていた。左後方を眺めると、かなり急斜面を登っていることが分かる。(写真下)
[左後方を眺める]

 ハイマツの中の登山道を登り、前トム平に到着。(写真下) ガスに覆われ視界不良。雨は弱いながらも降り続いている。カムイ天上の時から天候が一変してしまった。
[前トム平にて]

 一面ガスが立ち込めていることと、岩が多く歩き難いので、足下に視線が集中。(写真下)
[岩場が多い]

 岩場を下りきると、平地に出た。目の前にトムラウシ公園という標柱が立っていた。(写真下) 今度は泥んこ道を歩くハメとなる。相変わらずガスが濃い。
[トムラウシ公園]

 前方を歩くNASさんがGPSを見ながら、ルートはこの残雪を登るようだと言って、いきなり登り始めた。(写真下) 残雪の先がどうなっているかガスで見えない中、登っていく。残雪上には人の踏跡らしきものは全く無く、結構ハラハラ、ドキドキ。すると、幸い10分もかからないうちに雪が消え、幸いにも登山道の端を見つけた。
...スマン、NASさん。一時は、このルートを疑っていた。
[目の前の残雪を登る]

 雪が消えるとフラットな歩きになったが、目の前に再び残雪が見えてきた。(写真下) しかし、先ほどの残雪とは違い、ガスが弱まり、残雪の先が見えていたので安心して雪面に踏み込んでいけた。
[再び残雪が現れる]

 残雪登りを終えた後、岩と土の登山道を登り、10:55、南沼野営指定地分岐点に到着。(写真下) ここから頂上までコースタイム約30分。ようやく頂上に近づいてきた。だが、一面ガスで遠景は見えず、今回も前回の幌尻岳と同様、虚無の頂上となることを確信。
[南沼野営指定地との分岐点]

 11:36、トムラウシ山頂上到着。(写真下) やはりというか、ガスの中での登頂となった。ここは風の通り道のようで立ち止まっていると、とにかく身体が冷えてくる。早々に下山開始。
[トムラウシ山頂上に到着]

 12:26、南沼野営指定地分岐点を通過。やはり、ガスで何も見えない。だが、ここまで下ってくると風が吹いていないため、気温はだいぶ違った。
[雨とガスの中の下り]

 登りと違ってガスが切れてきた。お蔭で花を撮影する気になれた。キバナシャクナゲが今がピークと言わんばかりに咲き乱れている。(写真下)
[キバナシャクナゲが満開]

 この先、ガスが切れ、残雪が見えてきたのでルートがだいぶ理解できた。(写真下) NASさんがさっさと下っていく。
[残雪が見えてきた]

 チェーンスパイクを装着するが、それほど斜面が急でないことが分かる。だが、ガスが発生してきた。(写真下)
[近くに来たらガスが発生]

 2つ目の残雪を下る。(写真下) ここもWストックで慎重に下るが、それほど急斜面ではなかった。
[2つ目の残雪下り]

 だが、ガスが漂い、前方が見えなくなってくると心理的圧迫感あり。(写真下)
[ここも下り始めるとガスが出てきた]

 2つ目の残雪を下ると、なんと雲の切れ間から青空が見えた。(写真下) チェーンスパイクを外す。
[青空が見えた]

 トムラウシ公園標柱からほんの少し手前で振り向くと、トムラウシ山が姿を現していた。(写真下) 帰宅後、カシミール3Dで調べたら、トムラウシ山の頂上は、手前に見える稜線の奥に位置していて、厳密にいうと、ここからは頂上が見えない状況だった。だが、ようやくトムラウシ山方面の姿を眺めることができ、大満足。
...ここが、幌尻岳の時と違った点。
[トムラウシ山方面を振り返る]

 一瞬、手前のガスが切れ、遠くの山々が現れてきた。(写真下) 帰宅後、カシミール3Dで調べたら、ほぼ中央奥で一番高く聳えているのがニペソツ山だと判明。(赤矢印)
[遠くの山々が見えてきた]

 しかし、ここからの下りが自己試練のゾーンとなる。登りの時は気にならなかったのだが、下りとなるとバランス感覚と視力がより重要となる。そんな訳で大岩が並び、足を置く場所がピンポイントとなるゴーロ下りは、人一倍時間がかかってしまった。(写真下)
...別に右膝痛が発症している訳ではないのだが
[ゴーロ下りがようやく終了]

 今度は、小さな岩歩きとなる。(写真下) この場合、浮石が多くなり、慎重な歩きとなってしまう。それにしても登りの時は、ひたすら登りに集中していたせいか、こういった岩歩きの記憶がなかった。トムラウシ山は、クサリ場こそないが、登山道の種類から見たら、木道、残雪や岩歩き(大岩、小岩)等、全てが揃っているのではないかと思えた。
[岩が小さくなったガレ場を通過]

 14:35、前トム平に到着。「遅くなるようでしたら、前トム平から電話して下さい」とチェックインの時、東大雪荘に言われていたので、予定より遅れていることから電話を掛ける。すると、すぐに繋がった。宿に言わせると、ここが一番電波が入るようで、カムイ天上などでは繋がらないことがあるそうだ。
 前トム平を過ぎると、再びガスに覆われてしまった。(写真下)
[前トム平を過ぎる]

 ガレ場を通過していく。ここは、登るときの記憶が残っていた。だが、下りになると浮石が気になって仕方がない。その後、細い尾根を下り、再びコマドリ沢雪渓に出た。(写真下)
[コマドリ沢の雪渓を下る]

  15:48、「コマドリ沢分岐」標柱の前に戻ってきた。(写真下) カムイサンケナイ川を下っていくが、スノーブリッジ状態で落とし穴がいくつも見えている。
[コマドリ沢合流点(振り返って撮影)]

 右岸の登り取付き地点を自分のGPSで確認し、いよいよ尾根の山腹を登っていく。この先は、岩場もなく歩き易い道となるので、ホッと一安心。だが、歩行ペースが遅くなっているのが分かる。標高差約100mの登りを終えて、水平道になった。
 歩き易い道を進み、少し下り始めたかなというところで、16:46、前方を撮影。(写真下)
[尾根を下っていく]

 17:22、行きの時、下ホロカメットク山が見えた当たりで、今度は東南東方向にひと際、標高のある山が見えた。(写真下) 特徴ある山の形からしてすぐにニペソツ山だと判明。
 また、未だスタミナ十分のNASさんには先に行ってもらうことにした。
[ニペソツ山を眺める]

 カムイ天上を過ぎたが、登山口のゴールは、まだ遠い。クマ鈴を鳴らしながら下っていく。だいぶ歩き易い道になったので幾分ペースが上がった気がしたが、実際のところ、カムイ天上〜温泉分岐点間はコースタイム通り(50分)だった。
[カムイ天上を過ぎた後の道]

 18:42、温泉分岐点を通過。(写真下) 短縮コース登山口まで1.1kmとある。あともう少しだ。登りの時と同じで、ここからやたらと虫が顔の周りに飛び交う。
[トムラウシ温泉分岐点]

 19:02、登山口に到着。(写真下) NAS さんは?と見渡すと、着替を終えて車の中で休憩中だった。とにかく暗くなる前にゴールできたことはラッキーだった。
 虫が飛び交っているので、早々に登山口駐車場を出発。
 [トムラウシ短縮コース登山口に到着]


 今回は日没前にゴール出来て幸いでした。それにしても稀に見るキツイ山行でした。標高差の面では、そんなに厳しい山ではないと思ったのですが、途中で出合った様々な岩場や雪渓の通過に手間取ってしまいました。どうも身体全体が硬いこと(バランス感覚の低下)、老眼、体力低下、そんなことから同年のNAS さんとは後半から全くペースが合わなくなっておりました。
...NASさん、スマン。


 翌日は予備日でしたので観光日とし、帯広の市街地を訪れ、名物豚丼の店に立寄りました。(写真下) ロース・バラの盛合せを注文しましたが、非常に柔らかい肉で、かつ豚丼のタレが絶妙でした。
...ウマッ
...しかし、両足の筋肉痛で、車からの乗降や歩行に滅茶苦茶、時間がかかってしまった。
 [帯広名物豚丼]



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。