トップページ他山域山行リスト>赤岳・硫黄岳_記録20250817


赤岳・硫黄岳

 山行日
2025年8月17日(日)・18日(月)  晴・晴 同行者:「山の会」メンバー 2名
 コース
2025/8/17:美濃戸口(9:48)〜(10:50)美濃戸山荘〜(13:43)行者小屋(14:06)〜<地藏尾根>〜(15:27)地藏ノ頭(15:31)〜(15:36)赤岳天望荘(泊)
2025/8/18:赤岳天望荘(6:17)〜(6:52)赤岳(7:02)〜(7:39)赤岳天望荘(8:10)〜(8:16)地藏ノ頭〜(9:17)三叉峰(9:30)〜(9:49)横岳(奥ノ院)(9:54)〜(10:48)硫黄岳山荘(11:30)〜(11:52)硫黄岳(11:56)〜(12:20)赤岩ノ頭〜(13:40)赤岳鉱泉(14:12)〜(15:07)堰堤広場(林道終点)(15:12)〜(15:50)美濃戸山荘(15:55)〜(16:37)美濃戸口
 盆休みが終わる8月17日に八ヶ岳の赤岳・硫黄岳に行ってきました。今回は私にとって初めての地藏尾根経由、初めての赤岳天望荘宿泊という計画でした。
 詳細は、以下をご覧下さい。


<第1日>
 新宿からあずさ1号に乗車して、9:07、茅野にて下車。バス利用だと美濃戸口10:18着となり、山小屋到着が遅くなると判断し、予めタクシーを手配。お蔭で美濃戸口には9:36に着いた。ちなみにバス料金は1900円/人、タクシーは6600円/3人で2200円/人だ。
 タクシーから降りると強烈な日光を浴びる。これからの林道歩きが思いやられる。なお、茅野からのバスが到着する前のせいか、美濃戸口には人影が少なかった。
...他のタクシーも見かけなかった。
 9:48、美濃戸口を出発する。(写真下) 今回の同行メンバーは、昨年剱岳で一緒だったお二人(TKSさん、YUTさん)。...そんな訳で、歩行はYUTさんの先行逃切り型となりそうな予感。
[美濃戸口を出発(振り返って撮影)]

 美濃戸口から美濃戸への林道は、緑の樹林帯の中を進んでいく。(写真下) やがて、柳川を渡ると登坂となった。林道歩きでこんなキツい登りがあったっけと過去を振り返るが記憶になかった。...最近、登り勾配に物凄く敏感になっている。
[樹林帯の中の林道歩き]

 単調な林道をひたすら歩き、10:34、美濃戸登山口のカンバンを見る。(写真下) このカンバンの先に赤岳山荘(営業中)があり、水分補給のため小休止。その後、5分ほど歩いて最奥の美濃戸山荘の前を通るが、営業していなかった。(8/11〜9/5まで一時小屋締めの貼紙あり) すぐ先で北沢/南沢の分岐点を通過し、南沢コースの登山道に入る。ようやく長い林道歩きが終わった。
[美濃戸登山口のカンバンを見る]

 南沢コースで行者小屋へ行くのは、2008年以来17年振り。樹林帯の中のルートとなり、木陰が多くなった。登山道は、沢を渡るような箇所には手摺付の橋が架かっていて、昔と異なり、だいぶ歩き易くなっていた。(写真下)...但し、踏抜きそうな箇所が幾つかあり。
[南沢沿いに進む]

 17年前、南沢沿いの登山道は樹林帯の中、複雑に枝分かれしていて、迷うような箇所がいくつかあったのだが、今回、道の横には所々ロープが張ってあり、ルートは明瞭だった。お蔭で迷うことなく13:16、広い河原に出た。(写真下) ここまで来れば、行者小屋は近いと記憶していたのだが、実際のところ、樹林帯を通ったり、緩やかな登りがまだ続いていた。
[水流のない河原歩き]

 広い河原に出たら横岳の大同心が一瞬、見えたのだが、その後、横岳の稜線は手前の樹林に隠れてしまう。だが、13:34、再び横岳の稜線が見えてきた。(写真下)
[横岳方面の稜線が見える]

 13:43、行者小屋に到着。ほぼ予定通りのスケジュールだ。小休止して、この先の地藏尾根の急登に備える。(写真下) 今日は日曜日だが、意外と登山者が少ないと感じた。
[行者小屋] [小屋前のベンチで休憩]

 14:06、行者小屋を出発。すぐ先の分岐点から自己未踏ルートの地藏尾根に向かう。(写真下) どんな道か、楽しみだ。
[地藏尾根を目指す]

 樹林帯の中、最初は緩やかな斜面だったが、そのうち、傾斜がキツくなり、小石と土が混じる滑りやすい登山道となる。これは、下りの時、要注意だなと思えた。やがて金属製の階段が現れた。(写真下) いよいよ急登になっていくようだ。先頭のYUTさんがテンポよく登っていく。
[連続の階段あり]

 ザレ場や金属製階段が再び現れた後、クサリ場が続いている。(写真下) これで一気に高度が稼ぐことができた。
[クサリ場あり]

 後方を見下ろすと、TKSさんが登ってくるのが見える。(写真下) いつの間にか樹林帯が終わり、視界が広がっていた。北側の硫黄岳は雲に隠れ、峰の松目のピークは、雲の下なので姿を見せている。また、西側には濃緑の樹林帯の中、ポツンと行者小屋の赤い屋根と銀色の屋根が見えていた。...どうやら太陽光パネルが反射して銀色に見えているようだ。
[硫黄岳方面を眺める]

 急斜面の途中で、お地蔵さんと出会う。(写真下) 参拝して通過。先頭を歩いているYUTさんの姿は、先ほどのクサリ場までは見えていたのだが、今は見えなくなっていた。
...予想通りの展開
[お地蔵さんを参拝]

 クサリが続く階段状の登りを進んでいくと、赤岳の手前に赤岳天望荘が見えた。(写真下) もう少しで稜線に出られそうだ。ここまで地藏尾根の斜度は、特に急とは感じられず、行者小屋から赤岳に続く文三郎道のそれと、さほど変わらない印象を持った。
[赤岳天望荘が見えた]

 15:27、地藏ノ頭に到着し、ようやく地藏尾根が終了。(写真下) ここで男2人の到着を待っていたYUTさんから、「大変!防寒着と雨具の上着を忘れました〜」との仰天発言。待っている間、身体が冷え始めたので防寒着を取り出そうとザックを開いたが見当たらず、誰もいなかったので、とりあえず明日の服に着替えたとの事。ということで彼女には、すぐ先の天望荘に行ってもらう。男2人は、ここにも鎮座していたお地蔵さんに手を合せた後、涼しい風が吹く中、しばしクールダウン。
[地藏ノ頭]

 15:37、赤岳天望荘に到着。流石に室内は適温で心地よい。チェックインを済ませた後、夕食は、17:00からということで、それまで食堂にてコーヒータイム。ここでは、何とコーヒーやお茶、お湯が自由に飲めた。...ありがたや。ありがたや。
 なお、本日の宿泊地、赤岳天望荘からは、「到着が15:00過ぎるようであれば、美濃戸口の八ヶ岳山荘(赤岳天望荘と同系列の山小屋)に電話連絡下さい」と予約返信メールに書かれてあった。そこで今回、美濃戸口を出発する前に八ヶ岳山荘に入り、我々の足では天望荘到着が15:00を過ぎますと伝えておいた。結果的には、我々の後、続々と宿泊する登山者がやってきた。やはり、15:00までの到着は皆、結構、厳しいようだ。 
[赤岳天望荘に到着]

 17:00に夕食スタート。まず缶ビールで乾杯。(写真下左) 夕食のおかずに鶏モモ1本が出てきたり、炊き込みご飯だったりと、豪華なメニューに目を見張る。(写真下右)
...YUTさんにはダウン上着を貸与。
 なお、外は、完全にガスに覆われてしまい、残念ながら、日の入りの光景を眺めることはできなかった。また、陽が落ちてもガスは消えなかった。
 今日はそれほど疲れていなかったので、夕食後、3人で談話室に移動し、今後のYUTさんの防寒・雨対策や他のお客さんと話をしたりして時間を過ごす。
[缶ビールで乾杯] [夕食]

<第2日>
 4:50、起床。外に出てみたら、昨夜のガスが嘘のように消えており、富士山が見えた。(写真下) 天気は良好だ。これならばYUTさんは、雨具の上着が無くても大丈夫だろう。
...昨夜、YUTさんは、TKSさんから予備用の簡易雨具を受取っていた。
[富士山に気がつく]

 5:05、小屋の前でご来光を撮影する。(写真下) 後日調べたら、陽が昇ってきた方向は、両神山の北側のようだ。こちらの山並みは、両神山の南側に甲武信ヶ岳、国師ヶ岳、金峰山が見えている筈なのだが、肉眼では分りづらい。
 この後、朝食をとって、赤岳への準備開始。
[ご来光]

 意外と準備に時間がかかってしまい、6:17、赤岳へ出発。(写真下) 山頂ピストンなので、山小屋にザックを置かせてもらい、サブザックだけで登っていく。青空が広がり、風もない。天気が素晴らしいので山頂からの光景が楽しみだ。
[赤岳へ出発]

 段々と急になっていき、クサリ場が続くような登りなので、背中から汗が出始めた。途中で薄型ウィンドブレーカを脱ぐ。
 6:52、赤岳頂上に到着し、3人での記念撮影。(写真下) 山頂には意外にも多くの登山者が集まっていた。
[赤岳頂上にて記念撮影]

 赤岳頂上から南側の光景を撮影。(写真下) 右手前からギボシ(権現岳西峰)、権現岳、左端に三ツ頭。右奥から仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、北岳、鳳凰三山などがクリアに眺められた。
[赤岳頂上から権現岳、南アルプスを眺める]

 7:02、赤岳頂上を出発し、登ってきた道を戻る。この先の横岳の岩稜登りがキツそうに見える。また、赤岳天望荘の建屋エリアが東側斜面に結構広がっていることに気がついた。(写真下)
[赤岳天望荘に戻る]

 7:39、天望荘に戻り、再パッキングし、天望荘スタッフの方々に挨拶して、8:10出発する。(写真下) 今回、地藏尾根を登り、赤岳は空身のピストン往復としたが、このため荷が軽くなり、行者小屋に泊まって文三郎道経由で赤岳を登るよりも予期した通り楽チンだった。
[赤岳天望荘を出発(奥は阿弥陀岳)]

 昨日登ってきた地藏ノ頭を通過し、いよいよ横岳への登りに取り付くと、いきなり長いクサリ場となる。その後、稜線西側のトラバース路を進んだり、急なクサリ場を登ったりと緊張するゾーンが続く。やがて東側に移動すると、金属製のハシゴが現れた。(写真下)
[金属製のハシゴを登る]

 9:17、右手に杣添尾根ルートが分岐している三叉峰に到着。赤岳方面を振り返って撮影。(写真下) ここで、先行のYUTさんが休憩していると思っていたのだが、姿が見えない。そんな折、ちょうど硫黄岳側からこちらに向かっている単独男性が見えた。その男性が到着したところで、赤いヘルメットの下にツバのある帽子を被った単独女性とすれ違ったかを尋ねると、「この先の横岳(奥ノ院)ピークでお待ちですよ」とニコニコしながら回答。どうも独りで待っているYUTさんの姿を見て、二人で話し込んでいた模様。
 ということで横岳(奥ノ院)ピークに向かう。三叉峰から先は、歩き易い道となっていた。
[三叉峰ピークから赤岳・阿弥陀岳の眺め]

 9:49、横岳(奥ノ院)に到着し、YUTさんと無事合流。ここ奥ノ院が横岳の最高峰ゆえか、横岳山頂標識が立っていた。(写真下)
[横岳山頂標識]

 9:54、横岳(奥ノ院)を出発。ここから再びクサリ場ゾーンとなる。(写真下) 見下ろすと、西側の岩場にクサリ場が続いているのが見えた。急な下りが続くので慎重に進む。
[横岳(奥ノ院)からの下り]

 ようやくクサリ場が終了すると、一転して歩き易い尾根歩きとなる。(写真下)
[クサリ場が終了]

 硫黄岳山荘が見えてきた。(写真下) その先の硫黄岳は、北側の巨大な崖部分が見えないので、優雅な山に見える。
[硫黄岳山荘に下っていく]

 しかし、硫黄岳山荘は、見えてからが長かった。なかなか山荘に近づかない。10:48、ようやく山荘に到着。禁断症状が出てしまい、山荘に入ってペットボトルのコーラを買ってしまった。...やはり、冷えた炭酸は喉ごし最高!
 また、ここの山荘は、トイレにウォシュレットがあると聞いていたので見学。男性個室が3つあり、全てにウォシュレットが設置されていたのでビックリ。
 その後、山荘前のベンチに腰掛け、持参したパンを食べたり、まったり過ごす。
[硫黄岳山荘に到着]

 硫黄岳山荘でゆっくりした後、硫黄岳の登りに取り付く。(写真下) それほど急ではないので歩き易い。登山道に続くケルンを見上げながら、リズムよく登っていけた。
[硫黄岳への登り]

 11:52、硫黄岳頂上に到着。(写真下) YUTさん、TKSさんのお二人は硫黄岳の北側崖部を見ようと夏沢峠寄りを進んでいる。以前、この硫黄岳の北側は爆裂火口と言われていたが、最近は爆裂火口である証拠はなく山体崩壊によって形成された地形と考えられているらしい。
 特に休憩することなく、赤岳鉱泉へ向かうことにした。
[硫黄岳頂上に到着]

 南側に目を移すと横岳、赤岳、阿弥陀岳の特徴ある山容が目に飛び込んできた。(写真下) この時間帯で雲一つない光景が眺められるなんて、運がいいな〜と思いながら下っていく。
[横岳・赤岳・阿弥陀岳の眺め]

 赤岩ノ頭に続く砂地を下る。ここは、歩いていてとても気分のいい所。(写真下) 今日は月曜のせいか、登山者が少ない。
[赤岳鉱泉に下っていく]

 尾根筋から樹林帯の下りに入り、「お先にどうぞ」とYUTさんに伝える。男2人は、ストックを使い、ゆっくりと下っていく。(私は前回の空木岳同様、右膝に力が入らず、速度が低下) ヤマップでは、赤岩ノ頭から赤岳鉱泉まで1時間10分のコースタイムとなっていたが、男2人は1時間20分かけて、赤岳鉱泉に到着した。(写真下) だが、YUTさんは、既に小屋のテーブルに腰掛け、注文したラーメンを食べ始めていた。...余裕の下りだったようだ。
[赤岳鉱泉に到着]

 硫黄岳山荘と同様、赤岳鉱泉でもゆっくりしてしまった。14:12、赤岳鉱泉を出発する。振り返ると横岳の大同心が目立つ。(写真下) 読経するお坊さんの後姿に見えるというのは、まさにピッタリの表現だ。
[赤岳鉱泉を出発(振り返って撮影)]

 北沢沿いの登山道を下っていく。木橋を幾つか通るが、どれも立派なものだ。(写真下左) ここでもYUTさんが韋駄天のように速い。...というか、男2人が遅すぎるということを自覚。
 山道が終わり、堰堤広場(林道終点)に出た所で腰掛けていたYUTさんと合流。(写真下右)
[北沢沿いを進む] [林道終点に出た]

 林道に出てからは、3人の歩行ペースが同じとなり、ひたすら下っていく。それにしても美濃戸口までが長い。途中、林道から離れ、右の小径に入り林道をショートカット。分岐点に道標がないので躊躇しそうだが、今はGPSがあるので現在地を確認後、堂々と右折していく。5分後、再び林道に合流した。
 15:47、南沢との分岐点を通過。(写真下) これで、周回してきたことになる。
[南沢との分岐点]

 後は、会話もせず、ひたすら美濃戸口へ向かって歩く。(写真下)
[美濃戸口へ]

 16:37、美濃戸口に到着。林道歩きの途中、美濃戸山荘前で予約の電話を入れたタクシーが時間通りにやってきて、乗車。
[美濃戸口でタクシーを待つ]

 帰りは、茅野市市営温泉の一つ、玉宮温泉 望岳の湯に立寄る。建屋の前に着いたら、ここは、以前、来たことのある温泉だということに気がついた。
[玉宮温泉望岳の湯]

 温泉建屋入口から振り返ると、八ヶ岳の山並みがよく見える。(写真下) 後日、カシミール3Dで調べたら、右から編笠山、西岳、権現岳、一番高く見える赤岳(手前の阿弥陀岳と被っている)、横岳、峰の松目(硫黄岳はハッキリしない)、根石岳、天狗岳、中山、丸山と連なっていた。 
 入浴後、タクシーを呼び、茅野駅へと向かった。...アルピコタクシーさん、有難うございました。
 [望岳の湯入口から八ヶ岳を眺める]


 今回は、赤岳、横岳、硫黄岳は初めてというお二人を連れての八ヶ岳山行でした。お二人とも、この山域がとても気に入りましたとのコメントを戴きました。今回は、天候に恵まれ、北アルプスや南アルプス、富士山など周囲の山々の眺めがよく、登山道は変化に富み、山小屋サービスも充実していたため、印象が良かったのだと思います。 
 個人的には、下りの時、右膝が完全でないので、以前のようにスピードが出せないのが課題となっています。また、最近の右膝痛は、今までの痛みの箇所(脹脛の付け根など)と違っており、これは、まさに変形性膝関節痛だと思えてきました。今後の対応が悩ましいところです。



※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。