トップページ他山域山行リスト>ニカニカ集会_記録20130407


赤岳・権現岳

 山行日
2008年7月19日(土)・20日(日)  単独行
 コース
7月19日(土):美濃戸口(11:20)〜(12:07)美濃戸山荘(12:30)〜(15:00)行者小屋(泊)
7月20日(日):行者小屋(4:40)〜<文三郎道>〜(6:14)赤岳(6:52)〜(8:25)キレット小屋(8:35)〜(10:30)権現岳(10:40)〜(11:50)青年小屋(12:10)〜(12:40)編笠山(13:00)〜(13:53)押手川(14:00)〜(14:24)雲海(14:31)〜(15:04)観音平


<第2日:行者小屋〜観音平>
 19:30に寝てしまったせいか、夜中に何度か時計を見る。1時過ぎだったり、2時過ぎだったり、なかなか時刻は進まない。
 3:40、起床。
 布団を畳んで、小屋を出る。まだそれほど明るくなかったが、ザックの整理をし終わった頃になると、明るくなってきた。今日は、長いコースだが、よく寝たおかげで、気合も十分。
 小屋の前では、昨日、17:00近くに到着した高校生の団体が、テントを撤収中だった。彼らは、昨日の夕食が日没直前になっていたが、楽しい思い出になったことだろう。

 さすがに気温は、低い。薄いウィンドブレーカを着て、4:10、出発。
 当初の予定では、4:00ジャストに出発するつもりだったが、10分の遅延となった
[小屋の外ではテント組も撤収作業中]

 4:10、阿弥陀岳との分岐点。
 あれっ、さっき出発した時も4:10ではなかったかと思い、時計を改めてみると、なんと通常の時刻表示モードではなく、ストップウォッチか何かの別モードになっていた。
 どうやら、夜中に時刻を確認する際、別のボタンをいじってしまい、それ以降、正しい時刻表示になっていないことがわかった。正常な時刻表示モードで時刻を確認すると、4:51。 
 ちょうど、単独男性に追い越されるところだったので、時刻を確認させてもらうと、やはり、4:51。
 なんと、予定より、40分以上の遅刻となってしまった。
 (行者小屋を出発した正しい時刻は、4:40ということになる)
 この後、時間節約のため、デジカメ撮影を少なめにしようと出発。
[阿弥陀岳との分岐点]

 そうはいうものの、急登が続くので、休憩がてらにデジカメ撮影。文三郎道の登りにさしかかったようだ。ふと、右を見ると、阿弥陀岳に朝日が当たるところだった。(写真下)
[阿弥陀岳に朝日が当たる]

 鉄の網階段が現れる。これが、行者小屋から見えていた階段かなと思いながら一歩一歩、足を進める。
[鉄の階段を登る]

 気がつくと、周囲の樹林が低くなった。振り返ると、視界が広がった。(写真下)
 行者小屋が小さく見える。
[振り返って行者小屋を見下ろす]

 5:40、中岳からのルートと合流。
 涼しい風が吹きつけてくる。また、これから縦走予定の南側方面の光景が広がった。
[中岳からのルートと合流]

 この後、赤岳頂上直下の岩場となる。
 まだ朝が早かったせいか、それほど下山者とすれ違わなかったので、クサリ場で待つことはなかったが、これは、そのうち渋滞するな〜と思いつつ、先を急いだ。
 もうすぐ頂上というところで振り返る。

 6:14、赤岳頂上(北峰下)に到着。混んでいたので、小屋の方に進んでいく。小屋に入って、記念に赤岳の登山バッジを購入。小屋の北側を眺めると、横岳には、完全にガスがかかり、残念ながら、昨日のような青空が広がるという状況ではなかった。(写真下右)
[北峰を通過し、まず赤岳頂上小屋へ] [頂上小屋から横岳方面を眺める]

 北峰に戻る。山頂の標識周りには、まだ多数の登山者が休憩中だった。記念撮影だけして、山頂から少し離れたところで小休止。33年振りの赤岳山頂は、山頂のイメージだけは変わらなかった。
 さて、体調も特に問題もないことから、予定通り、ここから南へ縦走することにした。
[北峰に戻る]

 登ってきた道を少し戻ると、先ほど通過した分岐点に出会う。ここで、直進し、権現岳へのルートに入る。いよいよ自己未踏ルートに突入だ。
[権現岳ルートに向かう]

 竜頭峰下から振り返る。(写真下)
 やはり、先ほど登ってきた中岳からのルートは、登山者と下山者で、混みあっていた。
 このあたりから見る阿弥陀岳は、ピークに近づくにつれ、急斜面になっており、ピーク直下は、垂直に近い斜面のように見える。このため、そう簡単に山頂へ登れるような山には見えなかった。
[赤岳ピークを振り返る]

 登山道周辺には、高山植物が目立つようになった。白い花は、葉っぱからチョウノスケソウのようだ。また黄色い花は、いつものミヤマキンポウゲかと思ったら、やたらと葉が大きい。よく見たら、ミヤマダイコンソウだった。だが、これら花の写真は、殆ど失敗作。風が強かったせいか、ブレた写真が多かった。
  ....帰宅後、ガッカリ。
 7:10、真教寺尾根との分岐点。道標あり。(写真下)
[真教寺尾根との分岐点]

 山道も急斜面となり、ハシゴが何度か、現れる。ハシゴを渡った後、その先に大天狗が聳え、バリルートの天狗尾根に続く山道を見る。(写真下左)
 再び、ハシゴを下ると、その先の小ピークの所にもハシゴが掛かっているのが見えた。このあたりは、ハシゴとクサリ場の連続箇所だ。(写真下右)
[大天狗に近づく] [ハシゴの連続]

 ハシゴが終わったかとホッとしていたら、ガレ場の上に出た。(7:37)
 この先、どこがルートだかよくわからない箇所だった。だが、この急な下りの岩に白い○印が付いてあったところを見ると、これを下るのがルートのようだ。
 今まで危険箇所と思える場所には、クサリがあったのだが、ここは、クサリもハシゴも何もなかった。だが、一歩、足を滑らすと、ちょっと助からないような感じだ。慎重に下っていく。特に岩が細かい箇所があり、落石も怖かった。
[ルンゼ状のガレ場を下る]

 この下り、結構、時間を食った。途中で振り返って見上げる。(写真下)
 上の方で後方の登山者が来たようだ。声がする。こちらとしては、上に人がいるかと思うと、落石が怖い。自然とペースが速くなった。
[ガレ場を振り返る(振り返って撮影)]

 7:58、ようやく急斜面の下りが終了し、なだらかな稜線の下りとなる。ここまで来れば、一安心。
 前方には、これから目指す権現岳が聳え立つ。あの登りは、キツそうだな〜と、思いながら、キレットに向かう。
[権現岳は、まだ遥か先]

 8:25、キレット小屋着。
 小屋は、建替え中で、営業はしていないようだった。結局、ザックを下ろしたものの、日陰になる箇所がなく、立ったまま、ザックから取り出したペットボトルを一口、飲んだだけで出発する。(8:35)
 その後、樹林帯の中を登っていくが、その途中で涼しい箇所があったので、そこで小休止。(8:43〜8:55)
 ここで、冷たい風に当たりながら、パンを食べる。久々に腰を下ろした気分。実際、赤岳山頂以来だった。
[建替え中のキレット小屋]

 小ピークへの登りの途中、振り返る。残念ながら、赤岳のピーク付近には、ガスがかかっており、その全容は、見えず。(写真下) 大天狗の尖形が印象的。
[赤岳を振り返る(振り返って撮影)]

 ここまで来ると、権現岳の手前にある旭岳が目立ってきた。旭岳の登りルートに先を行く登山者が取り付いているのがよく見えた。このあたり、それほどアップダウンが激しくないので、歩行ペースは、悪くない。
[旭岳が近づく]

 旭岳の登りの途中で、先行の単独登山者の男性と話し込む。男性は、観音平から赤岳往復のルートとのことだが、来る時、編笠山付近は、アブ、ブヨが多くて、大変な状況だったことを聞く。そんな訳で、編笠山付近は、気をつけるようにとのアドバイスを戴く。
 いつの間にか、旭岳を通過し、目の前には、権現岳の登りが見えてきた。(写真下)
[権現岳に近づく]

 権現岳手前で、名物の61段の源次バシゴ下に到着。(10:08)
 上から下ってくる人が居ないことを確認し、登り始める。このハシゴ、岩とハシゴの間隔が結構離れている。それが、なんとなく不安定に思わせる。途中で首を上げて先を見るのは、リズムが狂うので、ひたすら手と足を見ながら登っていたら、本当に長く感じた。
[61段の源次バシゴ]

 ハシゴの次は、クサリだった。クサリを使って、岩を登っていくと、小ピークに到着。
 ここで、小休止。(10:15〜10:25)  振り返って、赤岳方面を眺める。

 この先のルートを見ると、次の小ピークが権現岳山頂だろうか。多くの人が休憩しているのが見える。ペットボトルで水分補給した後、ゆっくり歩き始める。
[ハシゴとクサリ場を登り終えた小ピークにて]

 10:28、分岐点到着。
 ここが、てっきり権現岳の山頂かと思ったら、ここは単なる分岐点で、山頂は、三ッ頭の方に少し行った箇所らしい。ザックをここに置いて空身で山頂に向かう。
[ここが頂上?]

 右手すぐ下に権現小屋があるのを発見。(写真下左)
 さらにその先に目を持っていくと、尖がったピークのギボシ、そして丸い編笠山がくっきり見えた。(写真下右) 編笠山は、まだ遠いな〜と溜息。
[権現小屋が真下にあった] [ギボシの先に編笠山も見えた]

 左手の岩場を登っていくと、山頂の標識があった。ここで、記念撮影し、しばし、小休止。(10:30〜10:40) 念願の権現岳に登れたことに感無量。
 再び、分岐点に戻って出発。(10:45)
[権現岳頂上]

 再び分岐点まで戻り、ギボシを巻きながら、クサリ場を通過していく。
 さらに急斜面を下っていくと、樹林帯に入る。(11:29)
 その後は、ゆっくりとした下りだ。このあたり、アブ、ブヨが近寄ってくるが、それほど酷いとは思わなかった。時間帯や気温によって、違うのだろうか。
 いい加減、下りに飽きた頃、樹林の間から青年小屋の建屋が見えた。(写真下)
 だが、この先、正面に聳える編笠山を登るのかと思うと、ちょっとゲンナリする。
[青年小屋までもう少し]

 11:50、青年小屋到着。ここで、ペットボトル1本(500ml)購入。だが、すぐにこの1本は、昼食のパンを食べながら、飲み干してしまった。
 12:10、時間が気になるので、早めに出発する。
[青年小屋に到着]

 編笠山への登りは、今回、最後の登りである。だが、大石を渡りながら歩くのは、ちょっと疲れる。一応、印は、付いているのだが、なかなかその通りに歩けない。
[編笠山への登り]

 それでも、たいして時間も経っていないのだが、振り返ると、結構、登っていた。(写真下)
 青年小屋の奥には、先ほど、登頂した権現岳が見える。
[振り返って、青年小屋を見下ろす(振り返って撮影)]

 この後、岩歩きが終了し、樹林帯の中の山道に入り込む。これが曲者で、道幅が一人分ぐらいしかないので、すれ違う時、必ず立止まる格好になった。そんな訳で、結構、時間を消費する。
 いったいどこまで、この樹林帯が続くのかと思ったとき、前方から人声がした。どうやら、山頂に近づいたらしい。
 12:40、編笠山頂上に出た。

 山頂には、既に多くの登山者で賑わっていた。中でも、小学校4〜6年生ぐらいの女子20人ぐらいの団体さんが来ていた。大人のリーダが、これから青年小屋に向かって出発すると宣言しているところだった。その団体さんが去ると、静寂な山頂になった。
 この先は、小淵沢側に下るだけなので、これで八ヶ岳は、見納めである。手前の権現岳は、雲がかかっていなかったが、その奥の山々は、上空の雲によって、山頂が隠れていた。
 ここは、蓼科山や霧ヶ峰、北アルプス、南アルプスも一望できる絶好の場所だとわかる。だが、南アルプスは、完全に雲の中。蓼科山は、どうにか薄っすらと見える程度だった。できたら、澄み切った秋空の下、訪れてみたいなと思った。
 13:00、山頂を出発する。後は、下るだけだ。

[編笠山山頂にて 1] [編笠山山頂にて 2]

 観音平への下り道を辿る。
 しかし、道が悪い。良い方に解釈すれば、より自然に近いと言える。さっきの女子小学生の団体さんは、こんな山道を登ってきたのかと思うと、ちょっと感動を覚える。
[編笠山から観音平を目指す]

 全くと言っていいほど、林のせいで遠景が見えなくなる。そんな訳で、自分がどのぐらい下ったのか、よくわからない。
 まだ日は高いはずだが、日が陰ったりすると、辺りは、薄暗くなる。
[森林が続く]

 13:53、押手川に到着。
 ここは、青年小屋からのルートと合流するところで、幾つかのパ−ティが休憩中だった。こちらもザックを下ろす。この分だと、観音平には、15:30過ぎにには、到着するだろうと推測。予定通りぐらいの時刻になりそうだと、ひと安心。
 水分補給後、出発する。(14:00)
[合流点の押尾川到着]

 この後は、落葉松林が続く。また道は、だいぶ歩きやすくなった。
[まだまだ続く樹林帯]

 14:24、雲海到着。
 地図上では、雲海展望台と書かれてあったが、どこが展望台なのか、わからないまま出発する。(14:31)
 このあたり、アブ、ブヨのような虫が多くなった。
  ....忘れた頃にやって来る。
[雲海にて(観音平と富士見平との分岐点)]

 山道の左右には、ササが現れ、かなり下ったことがわかる。道もますます歩きやすくなっている。
 歩くペースも、調子いい。
[ササが目立つ]

 道が広くなり、右手奥の方から子供の声が聞こえてくる。よく見ると、建屋が木立の向こうに見えた。
[道が広く、フラットになる]

 15:04、山道が終了し、駐車場に出た。ここが観音平の駐車場だった。(写真下)
 予定よりも早く着いてしまったが、汗ビッショリだったこともあり、タクシーを呼ぶことにした。グリーンロッジに向かうと、建屋の壁にタクシー会社の電話番号が掲げてあった。
 携帯電話で掛けると、「15分で参ります」との回答だったので、シャツなどを着替えながら、タクシーを先ほどの駐車場で待つ。
 予定通り、タクシー到着。(15:30)
[観音平の駐車場に到着]

 観音平の先も歩き続けていたら、熱中症になったかっもしれないと、タクシーに乗っている間、太陽光線の強さにビックリ。
 小淵沢に15:44着。
 タクシーから降りて、暑さに一瞬、ふらつく。こんなに暑いものかと、駅前の蛇口で、手や顔を洗う。
 指定席は、最初から諦め、自由席特急券を購入。よく見ると、16:10発のに臨時特急「はまかいじ」がちょうど間に合うタイミングだった。
[小淵沢駅にて]

 ホームに入ると、ハナから自由席は座れないと思い、最初から指定席の乗車口で待つ。実際、16:05発の特急あずさでは、自由席が混んでおり、それを見て指定席に移ったのだった。
 しかしながら、「はまかいじ」がホームに入るとき、自由席を見たらガラガラ状態。
  ....横浜行きは、人気がないのか?
 そんな訳で、乗車した後、すぐさま自由席に移動する。
 5分後、ゆったりとした席で、缶ビールを購入。
  ....車内販売あり!
 終わりよければ、全てよし。今回の山行に満足しながら、帰路についた。
[臨時特急内での満足ビール]

 本日、出会った花の一部
[コマクサ] [ミヤマダイコンソウ] [チシマギキョウ]


 今回、突然の計画だった割には、予定通り、順調に歩くことができ、とても満足のいく山行となりました。特に文中では、それほど触れていませんが、高山植物の花も見事でした。
 33年振りに訪れた八ヶ岳は、新鮮でした。
 ....当たり前か
 また、コースを変えて訪れたいと思います。 
....北アより近いし


<第1日:美濃戸口〜行者小屋>へ


※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。