トップページ他山域山行リスト>火打山・妙高山_記録20080813


      

火打山・妙高山

 山行日
2008年8月12日(火)・13日(水)  単独行
 コース
8月12日(火):笹ヶ峰(10:40)〜(11:29)黒沢橋(11:41)〜(13:30)富士見平(13:41)〜(14:36)高谷池ヒュッテ(テント泊)
8月13日(水):高谷池ヒュッテ(4:22)〜(4:39)天狗ノ庭〜(5:45)火打山(6:07)〜(6:57)天狗ノ庭〜(7:08)高谷池ヒュッテ(8:22)〜(9:08)黒沢池ヒュッテ(9:16)〜(9:39)大倉乗越(9:46)〜(10:24)長助池分岐点(10:33)〜(11:42)妙高山(12:29)〜(13:09)長助池分岐点(13:30)〜(13:48)長助池〜(14:44)黄金清水(14:48)〜(16:22)麻平〜(16:58)燕温泉


<第2日:高谷池ヒュッテ〜燕温泉>
 3:50起床。
 今日の予定は、まず、火打山を往復。テント場に戻ってきて、その後、妙高山を往復。そして、今日もここでテント泊ということを予定している。そのため、ヒュッテにも2泊、申請していた。要は、荷物を軽くして、楽に登ろうという魂胆である。だが、そんな行程を計画しても歩行時間は、9時間5分となる。そんな訳で、日の出前から行動に出る。
 まずは、火打山だ。昨日の夕方のうちに用意した、雨具とペットボトル、少量の食料を入れたサブザックを取り出す。
 ほぼ予定通り、4:22に出発。ライトを点けて、木道を歩いていく。まだ、周囲は暗いが、木道歩きなので、迷うことはない。
 途中で、念のため、クマ鈴を取り出す。
[サブザックにて小屋の前を出発]

 木道歩きが続くが、安心は、できない。木道の端に足をかけると、動いてしまう木道がいくつかあり、注意する必要があった。
 4:39、天狗の庭に到着。(写真下) まだ薄暗いこともあり、休むことなく、先を急ぐ。
[天狗の庭に到着したが、薄暗くてよくわからない]

 4:48、稜線に出た。
 いきなり、北東側の光景が広がったが、薄い雲が広がっており、平野部は全く見えなかった。徐々に右手の空が明るくなっていく。どうやら、ご来光が拝めそうだ。
 右手の空を気にしながら、登っていく。太陽の手前に薄い雲があるせいか、日の出自体は、右の空を見なければ、気がつかなかった。
 5:06、ご来光を拝む。(写真下)
[薄暗い中、稜線に出て、ご来光を迎える]

 5:17、火打山のピークがだいぶ近づいた。(写真下)
 朝日を浴び、若干赤く染まった姿が印象的。荷が軽くて、気温もまだ低く、涼しいということもあり、歩行ピッチは、好調だ。
 5:08、雷鳥平に到着。ここで小休止。ペットボトルで水分補給したり、クマ鈴をしまう。先に出発されていた4人のパーティに追いつく。
 5:12、出発。
 5:30、振り返ってみた。
[火打山ピークが近づく]

 既に山頂から戻ってくる親子登山者に出会う。
 「雷鳥ですかね?」と尋ねられ、指差すところを見れば、「雷鳥ですね」と回答。(写真下)
 2羽かと思ったら、後で小さなのが1羽、出てきた。親子のようだ。この撮影で、ちょっと道草を食ってしまった。
 そういえば、さっきの標識には、ライチョウ平と書かれてあったし、雷鳥は珍しくないのかもしれない。後で、地図(山と高原地図18)を見たら、火打山は、雷鳥生息地と記載されていた。
. ....全くの勉強不足
[雷鳥に遭遇]

 5:39、目の前に木道が現れる。頂上まで、もう少しだ。
[木道が現れる]

 5:45、山頂に到着。
 既に頂上には、何人かの登山者が休憩中だった。すぐ、山頂の中心である三角点に近寄ってみる。西側の光景が広がる。
[火打山頂上にて]

 西側の光景を眺める。
 焼山が見下ろせた。その左奥には、北アルプスの連なる山々が見える。(写真下左) 白馬岳、白馬鑓ヶ岳、五竜岳、鹿島槍ヶ岳などを山座同定。
 南側に視点を移すと、戸隠方面の山々が見えた。(写真下右) おそらく一番高い山が高妻山だろう。まだ6時前ということで、涼しくて心地よい。いつまでもここに居残りたい気分だ。
 日本海側は雲で覆われていた。日本海が見えなかったのは、ちょっと残念。
 記念撮影も撮り終わり、6:07、山頂を後にする。  
[焼山を眺める(左奥に北ア・白馬岳が見えた)] [戸隠方面を遠望]

 下りは、妙高山に向かって歩くようになる。(写真下)
 雄大な眺めをゆっくり味わいたいところだが、背中のザックが軽いため、軽快に下っていく。結局、足下ばかりを見ていた。
[妙高山を眺めながら下っていくはずが]

 登りの時は、さっさと通過してしまったが、このあたりは、まだ高山植物が咲いていた。下りのときは、そのお花畑エリアの広さに驚く。遠くに北アルプスの眺めあり。ここからだと白馬岳が大きい。
[お花畑と北アルプス]

 再び、天狗の庭に戻ってきた。行きの時、こんな緑に囲まれた場所だとは気がつかなかった。
 池のそばには、少ないが、ワタスゲが咲いていた。
. ....いつかハクサンコザクラの咲く頃に訪れたい。

 このあたり、「撮影しながら歩く」を繰り返す。雲ひとつない空に火打山がくっきりと見えた。
[天狗の庭に再び、やってきた]

 7:08、テント場に戻る。
 さて、当初、ここで連泊しようと考えていたが、やはり、妙高山からここまで戻るのは、しんどいな〜と思い、テントを撤収し、今日中に燕温泉側へ下ることに計画変更した。
 久々ということもあって、テント撤収に時間がかかった。
  ....ザックに収納するのに時間がかかった。

 ヒュッテで2泊目の幕営料(400円)を返金してもらい、ヒュッテ前のベンチで朝食をとる。
 8:22、ヒュッテを出発。
[テントを撤収]

 先ほどの火打山方面に進むと、すぐに分岐点に出会う。ここで右折し、妙高山に向かう。(写真下)
 緩やかな斜面を登っていく。日陰が少なく、既に汗が顔から出始めている。食料がまだ残っているため、それほどザックは軽くなっていない。
 やはり、きついなあと思いつつ、山道を進む。この時間帯ということもあるのだろうか、登山者とは全く会わない。
 
 8:49、○○山という道標を発見。だが、なんて書いてあるかは、インクが消えてしまい、よくわからなかったが、地図から見て、茶臼山と想定された。だが、それにしては、黒沢池寄りだった。
[分岐点にて右折する]

 ○○山という標識からすぐに下りになったところで、視界が広がった。(写真下)
 足下の尾根が下がった所に黒沢池ヒュッテの建屋が見える。(8:50)
 少し下ると、この南側の光景が広がった。

 昨日の高谷池ヒュッテもそうだったが、今回もヒュッテが見えた後から、実際に到着するまで、結構時間がかかる。
 だいぶ下ったなと思った所で、右手を眺める。
[黒沢ヒュッテが見えた]

 9:08、黒沢池ヒュッテに到着。
 日陰に入っても、それほど涼しくない。風が吹いていないのだ。ペットボトル3本のうち、1本めを開けて、一口飲む。今日の水は、この3本しかないので、少しずつ飲むことに。ここで、久々に登山者に出会う。
  ....といっても一人。


 9:16、外輪山の峠である大倉乗越に向かうため、ザックを担いで再び歩き始める。
 よく考えたら、このルート、アップダウンの繰り返しだ。今、ひとつ山を越えて下ってきたが、これから妙高山の外輪山の登りである。その後、下って、妙高山に登り返す。そして下る。いやはや、これは、日頃の丹沢以上ではないかと、思う。
[黒沢ヒュッテの前にて]

 下ってくるパーティと、すれ違う。皆、ザックは小さい。やはり、妙高山を往復して登ってきたという感じだ。それほど、急登という訳ではないが、気温が上昇し、とにかく暑い。日陰があるだけ助かった。白樺の巨木が目立ち、時々、デジカメで撮影する。
. ....ついでに呼吸を整える。

 9:39、大倉乗越に到着。
 ザックを下ろして、腰を下ろす。反対側の妙高山は、あいにくガスが発生しており、全く見えなかった。(写真下) だが、9:46、出発する頃になると、姿が見えた。
[大倉乗越にて]

 登りの時と違って、この下りは、急斜面だった。時々、ロープが用意されている箇所に出くわす。ザックが大きいだけに慎重になる。
 眼下に湿原帯が見える。長助池あたりのようだ。道が狭い。そのうち、トラバース気味に進んでいく。(写真下)
 10:09〜10:14、小休止。
 ここで、今後のルートを再考する。水が少ないので、途中、水場が欲しい。そんなことを考えて地図を見たら、この先で、ザックをデポし、妙高山に登り、戻った後、そのまま下っていくと黄金清水という水場経由で燕温泉に下れることに気がついた。
 これならば、急登の妙高山を空身で登れるし、水場もあるということで、これ以上のルートはないと思い、即実行に移す。
[外輪山の内側をトラバース気味に下っていく]

 長助池分岐点に到着。(10:24)
 ここで、サブザックを取り出し、ペットボトル2本を入れる。(ここで、すでに1本めは、空となっていた)
 ザックをデポし、妙高山に向かう。(10:33) やはり、ザックが軽いと、体の動きが違ってくる。腿を上げて伸ばすのがすごく楽になることを実感。
 この斜面、ホントにザックをデポして正解だと思った。とにかく急だ。周囲の木々もあまり変化がない。視界もほとんどない。ということで、目の前の山道のみを見ながら、一歩一歩進む。
[長助池分岐点にてザックをデポ]

 振り返ると、白樺の樹林の間から、外輪山の稜線が見えた。(写真下) まだ、その稜線は、高かった。あの高さ以上に登らなければならないと思うと、ちょっとショック。
 この登り、殆ど直登のルートだった。
[振り返ると外輪山がまだ高い]

 11:15、山頂が見えた。(写真下)
 ちょうど下ってきた単独男性登山者に尋ねてみたら、やはり、見えている箇所が頂上らしい。
 だが、山道は、相変わらず急である。

 11:21〜11:31、小休止。
 山頂で食事をしようと思っていたが、空腹感が出てきたので、ここで食べることにした。ロールパンを食べるが、ペットボトルで水分を同時に摂らないと、パンは、喉を通らなかった。口の中が渇き切ってしまい、唾液がうまく出てこないようだ。空腹感を満たしたら、すぐに出発。
[妙高山の山頂が見えてきた]

 11:42、岩の間を進んでいくと、山頂に出た。
 三角点(2445.9m)の前で記念撮影。(写真下左)
...だけど標識には2454mと記載されてあった。
 あいにく周囲は、ガスが湧き、楽しみにしていた東側の光景も見れず。火打山方面が一瞬、見えただけだった。
 このあと、少し南側に進んで、最高地点の2454mピークに向かう。お地蔵さんが祀ってある場所がどうやら最高地点のようだったので、そこで記念撮影して再び、標識の場に戻ってきた。
 ガスが切れないかと、眺め続けていたが、どうも無理のようなので、下ることにした。(12:29)
 ここで、2本目のペットボトルも空となった。...残り1本
[[妙高山の山頂にて]

 登るときは、急で息が切れまくっていたが、下りのときは、荷が軽いし、非常に快適だ。一気に標高が下がったような気分になれる。また、行きと違って、山頂を踏んだという気分が伴い、心理的に余裕がある。
 そんな訳で下りは、休憩することもなく、40分で下ってこれた。
[来た道を下る]

 13:09、長助池分岐に到着。
 サブザックをメインザックに入れていると、雨が降り始めた。すぐ止むかと思っていたら、どうやら本降りになりそうな感じだ。ザックの底から雨具を取り出す。だが、既にシャツなどは、汗ビッショリなので、あまり雨具の意味は、ないかもしれないな〜と思いつつも着用。
 13:30、他のパーティに続いて、長助池方面へ下っていく
[再び長助池分岐に到着]

 13:48、長助池に出た。
 雨が降っているため、デジカメ撮影しただけで、立ち去る。雨が止んでいれば、ベンチのところでゆっくり休憩したくなるような場所だった。
[長助池(雨の中)]

 驚いたことに、山道は、ササに覆われてしまっていた。
 ササを掻き分けていけば、問題ないのだが、小さな涸沢に出たときが要注意だった。間違えて涸沢の下流側に歩いてしまいそうになる。それというのも対岸側の道もササで覆われているからだ。
 これが一般登山道?と思えるほど、道は、草木に覆われ、丹沢の山道整備がよくなされていることに改めて感心する。
  ....西丹沢は、それほどでもないけど
 [山道は、ササに覆われている]

 14:26、分岐点に到着。
 左からは、黒沢池ヒュッテからのルートが合流する。(写真下) この標識がなければ、合流点だとは、気がつかないかもしれないような場所だ。
[三ツ峰からのルートとの合流点]

 14:44、黄金清水に到着。
 ここで、カップを取り出して、水を飲む。冷たい水で、思わず一気に飲んでしまった。3本目のペットボトル半分ぐらいしか、水は、残っていなかったが、これでなんとかもつだろうと水に関しての心配は、なくなった。
 雨は、いつの間にか、止んでいたのだが、再び降り出した。だが、陽も照っていた。天気雨の状態だった。 
 [黄金清水にて]

 再び歩き出す。雨は、止んだり降ったりの繰り返し。山道を歩くと、葉が濡れているので、雨に関係なく、雨具は必須状態だった。
 しかし、長い下りだ。何たって景色が全く変わらないので、飽き飽きする。
 15:18、4人組パーティに追いつく。挨拶すると、今朝、火打山の雷鳥平で追い越したパーティだった。聞いてみたら、その後、黒沢池ヒュッテから三ツ峰経由でこちらの山道に出てこられたとのこと。
[相変わらず、山道には、葉が覆う]

 大倉沢が見えてきた。地図では、増水時注意となっていた箇所だ。今日は、水量が若干多いようで、飛び石が水没していた。
  ....というわけで右足がドボン。


 渡った後、少し河原沿いを歩く。その後、河原の傍で休憩。(15:40〜15:55)
 ここで、先ほどの4人組パーティに追いつかれた。先に行っていただく。
 [大倉沢に出た]

 山を下っているはずが、この先、小さな登りがいくつかあった。前方に4人組パーティを見ながら、進んでいく。
 16:22、麻平に到着。ここで、4人組パーティを追い抜く。
 だいぶ里に近づいたのだから、この先、道がよくなるのかと思ったら、そんなことはなく、全く変わりがなかった。(途中、山道が崩落ということで、ルートが変更されていた箇所あり) 
[麻平が見えてきた]

 16:47、妙仙橋という吊橋に出た。渡る手前に野天風呂の案内板があったが、今回は、寄り道せず、直進する。
 [吊橋に出た]

 吊橋の先は、林道だ。雨は、止んでいた。振り返って、この渓谷を眺めると、沢の右側は、垂直に近い崖だった。ちょっと地震があったら、崩れてしまうのではないかと思えるほど不安定なイメージだ。だが、このときは、そんな光景を眺めていることよりも、早くバス停に着きたかった。
[水平な林道を歩く]

 16:57、温泉街に入る。坂を下っていく。久々に人の行き交う光景に出会う。バス停は、どこだろうと、キョロキョロしながら進む。
 [燕温泉街を下る]

 16:58、燕温泉バス停に到着。
 次の関山駅行きバスは、最終便で17:55。まだ1時間あるので、ザックをバス停に置いて、再び温泉街を上っていく。土産屋は、一番上にあったのだ。
 こうして、今回の山行を無事、終えた。今日は、本当によく歩いた。充実した一日に大満足だった。
[燕温泉バス停に到着]

 バスを待つ間、雨が降ってきたかと思うと、ものすごい豪雨となった。(写真下)
 久々に見る、滝のように落ちる雨だった。
 今日も高谷池でテント泊だったら、この豪雨に遭遇し、テントは、完全に水没していたかもしれないな〜と目の前の坂道が川と化しているのを見ながら、そう思った。今回1泊2日に変更して本当にラッキーだったと胸をなでおろす。
 それと同時に、本当にバスは来るのだろうか、信越本線は不通になっていないかと、そっちの方が心配になった。
 だが、幸いにも、バスは、やってきて定刻通りに出発できた。 
 [ものすごい豪雨となる]


【その後】

 関山駅では、雷鳴が轟き、電車は、大丈夫かと思いましたが、無事運行されました。
 そして長野のビジネスホテルで一泊し、翌日は、善光寺を参詣。善光寺は、信心深かった祖母が通っていた寺です。そんな訳で長野訪問時は、善光寺参りが常となっています。
 参拝後、隣の東山魁夷館を見学。
 実は、生誕100年東山魁夷展が開催中なのでした。この展覧会は、今年春、竹橋(東京国立近代美術館)でも開催されていたのですが、行けなかったので、今回、ここ長野で見学することに。
 東山魁夷の代表作を一気に見れるチャンスは、そうないでしょう。
 
    作品名       所蔵
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   焼嶽初冬 ・・・・ 武陽会
   道      ・・・・ 東京国立近代美術館
   緑響く   ・・・・ 長野県信濃美術館東山魁夷館
   花明り   ・・・・ 個人蔵
   北山初雪 ・・・・ 川端康成記念館
   年暮る   ・・・・  山種美術館
   晩鐘    ・・・・ 北澤美術館   
   静唱    ・・・・ 長野県信濃美術館東山魁夷館
   唐招提寺御影堂障壁画「濤声」(部分)
 など。
  唐招提寺の障壁画は、初めて鑑賞しましたが、現物と書物で見るのでは、全然違っていました。あんなに鮮やかな色彩だったとは。やはり現物を見ないと、味わえない作品であることを改めて認識しました。
 個人的には、「静唱」が気に入っていて、この作品を見るだけで長野を訪れてもいいと思っています。
[関山駅では、雷に遭遇] [善光寺] [生誕100年東山魁夷展]


<第1日:笹ヶ峰〜高谷池ヒュッテ>へ


※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。