トップページ他山域山行リスト>燕岳・槍ヶ岳_記録20070728


燕岳・槍ヶ岳

 山行日
2007年7月28日(土)〜30日(月) 同行者:YSさん
 コース
7月28日(土):中房温泉(6:43)〜(9:12)合戦小屋(9:42)〜(10:45)燕山荘〜(11:25)燕岳(11:32)〜(11:56)燕山荘(12:07)〜(15:10)大天荘(15:32)〜(15:43)大天井岳(15:55)〜(16:04)大天荘(泊)
7月29日(日):大天荘(5:56)〜(6:36)大天井ヒュッテ(6:44)〜(9:00)ヒュッテ西岳(9:25)〜(10:19)水俣乗越(10:23)〜(12:26)ヒュッテ大槍(12:40)〜(13:35)槍ヶ岳山荘(14:03)〜(14:31)槍ヶ岳(14:50)〜(15:12)槍ヶ岳山荘(泊)
7月30日(月):槍ヶ岳山荘(5:22)〜(6:46)天狗原分岐〜(8:28)槍沢ロッヂ(8:54)〜(10:02)横尾山荘(10:18)〜(11:01)徳沢(11:21)〜(12:03)明神橋〜(12:14)明神池(12:42)〜(13:32)河童橋〜(13:40)上高地バスターミナル
 会社関係での知人であるYSさんから久々に連絡があり、「今週末、北アルプスに行きませんか」と誘われました。YSさんとは、これまで、富士山、北岳、白馬岳と一緒に歩いてきました。聞けば今回、表銀座で槍ヶ岳がご希望との由。私にとって表銀座は、93年の夏以来、14年振りになります。
 「行きましょう!」と二つ返事でOKし、それから急いで、夜行列車の指定席(幸いにもバラバラですが、2席をGET)を確保したり、選挙の不在者投票をしたり、最新の地図(「槍ヶ岳・穂高岳」昭文社)を購入したりと、準備は着々と進みます。
 27日夜、自宅を出て、久しぶりに新宿駅に向かいました。


 <第1日:中房温泉〜大天荘>
 新宿駅にザックを背負って訪れるのは、前回の白馬岳以来だ。あの時は、夜行列車内で全く眠れず、大雪渓の登り終了後、バテバテだったのを思い出す。今回も同様、夜行での出発だ。果たして眠れるだろうか、そんなことを思いながら、新宿駅7番線ホームを目指す。しかしながら、7番線に上がる入口がよく分からず、駅構内でウロウロ。

 登山姿の人々は、殆ど見当たらない。帰宅途中のサラリーマン、学生、OLの姿が圧倒的に多い。
 かつて、夜行といえば、定番だった急行「アルプス」も消えてしまい、今では、ムーンライト信州号、それも臨時しかない。その臨時列車もオール指定席だから、早めに駅に来て、並んで列車を待つという行為自体が消えてしまった。駅構内での立て看板(列車名が書かれてある)の前に並び、大勢の登山者が新聞紙を敷いて、列車を待っていた姿(25年以上も前は、普通の光景だった)なんて考えられない状況だ。
 今では、高速道路などの道路網が整備されており、夜行バスで登山口まで直行とか、マイカーでという選択肢もある。そんな訳で、夜行列車利用の客は、時代遅れといった状況なのだろうか。
 7番線ホームに上がり、ようやく登山姿の人々を見かけるようになる。同行のYSさんとも、無事合流。YSさんから缶ビールを受取り、早速、今回の山行実現を祝って乾杯。
 臨時列車「ムーンライト信州83号」は、定刻通り、23:59に新宿を出発した。
[新宿駅7番線ホーム] [ホーム上で乾杯] [ムーンライト信州83号]

 今回、意外に眠れた。甲府と茅野以外は、覚えていない。(この2駅は、下車する登山者が多かったので、目が覚めた) そんな訳で、前回ほど眠れなかったという印象は無かった。
 4:55、松本に到着。天気は、それほど悪くない。
 5:12、穂高駅にて下車。運よく、中房温泉行きの臨時バスが運行された。タクシーで行くことを覚悟していたのだが、ラッキーだった。(事前調査したとき、1本前の臨時「ムーンライト信州81号」だと、接続するバスが運行されていたのだが、この83号には、接続するバスがなかったのだ)
 中房温泉への途中、有明山が大きく見えた。

 6:13、中房温泉着。
 バスを降りて、登山者の数にビックリ。さすが人気の合戦尾根。見れば、団体さんも多い。朝食用のフランスパンを食べ、登山カードを提出した後、出発する。(6:43)
[中房温泉にて]

 中房温泉から、前の登山者の背中を見ながら進んでいく。
 第2ベンチ到着。(7:36)
 ここまで来たら、ようやく登山道が空いてきた。以前、登った時も思ったのだが、この合戦尾根は、登りやすい。丹沢の大倉尾根の方が、よほどキツく感じる。やはり、急登箇所が少ないせいだろうか。ある一定の斜度で登っていくような感じである。(それと「涼しい」という要因もあるだろう)
[第2ベンチにて]

 1時間毎に小休止しながら、登っていく。そろそろ小屋かなと思ったら、案の定、小屋が目前に現れた。今回、初めて名物スイカを購入。これは、ウマイ!
 食べやすいように2切れにしてくれる。(写真下右は、2人分)
[合戦小屋に到着] [名物のスイカ]

 9:42、合戦小屋を出発。スイカを食べたりして30分も休憩してしまった。
 上空は、段々、怪しくなってきた。登り始めた時は、日が差したこともあったが、今は、雨雲のような雲が、覆っている。視界が良ければ、槍ヶ岳のピークが現れるところだが、今日は、槍ヶ岳方面は、あいにくガスが湧いていた。
 10:15、ついに小雨が降り始めた。我慢できず、ザックカバーと雨具を取り出す。
[大天井岳のピークにガスがかかる]

 10:45、霧雨状態の中、燕山荘に到着。ガスの中で、周囲は、全く見えず。ザックを置いて、燕岳に向かう。
 燕岳への道は、ガスの中。雨は、幸いにも止んだようだ。空身ゆえ、足取りは軽い。但し、燕岳が見えないため、こんなに遠かったかなと思いながら、歩いていく。
 途中、コマクサの群落と何度か出会ったので、遠景が見えなくても楽しめたが、ややバテ気味。
[燕山荘にて]

 11:25、燕岳頂上に到着。しかしながら、相変わらずガスの中だ。私としては、14年振り2回目の登頂となる。我々の他には、登山者は、一人しかおらず、静かな山頂だった。時が経つにつれて、突風が吹き始め、一瞬、北側の光景が見えた。記念撮影をした後、再び、来た道を戻る。
[一瞬、ガスが切れ、北燕岳が見えた] [燕岳頂上の標石]

 燕岳からの帰路は、幸いにも歩くにつれて、南側の光景も見え始めた。燕山荘近くにて、振り返ると燕岳が見えた。(写真下)
 11:56、再び燕山荘に到着。
 先ほどよりも小屋の前は、人が集まっている。どんどん登ってきているようだ。
 コンディションが悪ければ、今日は、燕山荘までかなと思っていたが、二人とも調子がいい(ソコソコ)ため、このまま、大天井岳に向かうことにした。
 12:07、燕山荘を出発する。
[燕山荘付近から振り返る]

 12:38〜12:45、蛙岩にて休憩。フランスパンをかじる。いつ雨が降ってもおかしくない天候だが、幸いにもまだ降ってこなかった。
 13:03、大下りの頭。ジグザグに下っていく。
 13:15、下った後、樹林帯へ。(写真下)
 この後、山道は、稜線の東側を通る。この東側は、お花畑が素晴らしかった。コバイケイソウ、ニッコウキスゲ、ミヤマキンポウゲなどの花が咲き乱れる。
[大下りの頭を過ぎ、縦走]

 山道は、西側に変わる。あれほど、登っていた登山者の姿は、今となっては、全く信じられないほど少ない。前方に一人、歩いている人だけである。合戦尾根で見かけた人々は、皆、燕山荘に宿泊なのだろうか。
[山稜の西側を歩く]

 切通岩を過ぎ、クサリ場に遭遇。ハシゴで下ったところが、喜作レリーフのある鞍部だった。(14:29)
[クサリ場を下る] [喜作レリーフ]

 喜作レリーフから少し登ったところに分岐点があった。(14:35〜14:46)
 左は、常念岳(大天井岳山頂&大天荘)、直進は、槍ヶ岳(大天井ヒュッテ)である。大天井岳のピークを踏みたかったことと、明日の朝、天気が良ければ、東側の光景が見れるということもあって、左の常念岳方面を選択する。
 ここまで来れば、小屋には、15:30までに入れるだろうと予測。どうにか予定通りに到着できそうだ。
[常念岳、槍ヶ岳の分岐点]

 一瞬、ガスが切れて、振り返ってみると、遥か下に切通岩方面が見えた。こちらに向かってくる登山者も見える。手前の4人、鞍部に4,5人ぐらいだろうか。
 やはり、大天井岳に向かうパ−ティは、少なかった。
[切通岩方面を振り返る]

 最後の大天井岳への登り。
 斜めに登っていくのだが、ガスで先が見えないだけにどれだけ登れば着くのか、全く分からない。ここまで来ると、ちょっとヘロヘロ状態。ペースは、かなりスローダウンだった。
 単純に大天井岳ピーク側を見上げると、一面ハイマツの斜面
[大天井岳(大天荘)への登り] [大天井岳斜面]

 30分弱の登りで、どうにか大天荘に到着。周囲は、ガスの中。雨具を脱いで、小屋に宿泊の手続きをする。
 部屋にザックを置くと、YSさんから「山頂に行きましょう」とのお誘い。
 ということで、小屋を出て山頂に向かう。
[大天荘に到着]

 小屋を出て、約10分、石がゴロゴロしている斜面を登り、山頂に到着。しかし、四方は、完全にガスの中。
 大天井岳3回目の登頂となった。初めて登ったのは、26年前。その時は、この上ない快晴で、ここから見えた針ノ木岳の姿が印象的だったのを思い出す。あの時、一緒に登った先輩達の顔が思い浮かぶ。やはり、初めて登ったときの印象が強いようだ。
 山頂は、2人で独占状態。おかげで、適当にポーズを変えたり、セルフで撮影したりと、しばし記念撮影タイム。
[大天井岳山頂]

 16:04、再び小屋に戻る。
 さてさて、夕食に入る前にまずは、生ビールで乾杯。(写真下) 冷えたビールが、喉を潤わせる。「ウマイ!」 一気に飲んでしまった。昔は、缶ビールしかなかったのだが、小屋で冷えた生ビールが飲めるようになったのは、有り難い。だが、結構、疲れていたようで、すぐさま酔いが回ってきた。
 17:30、夕食。疲れていても食欲は、旺盛だった。しっかり飯を食べる。
 18:40、就寝。すぐに眠りに陥る。
[小屋で乾杯]

 本日、出会った花の一部
[コマクサ] [ハクサンシャクナゲ] [コバイケイソウ]


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※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。