トップページ他山域山行リスト>奥穂高岳_記録20090718


奥穂高岳

 山行日
2009年7月17日(金)〜20日(月) 同行者:YSさん
 コース
<計画当初の予定>
 7/17(金):上高地バスターミナル〜明神〜徳沢〜横尾山荘(泊)
 7/18(土):横尾山荘〜涸沢小屋〜北穂高岳〜涸沢岳〜穂高岳山荘(泊)
 7/19(日):穂高岳山荘〜奥穂高岳〜前穂高岳〜岳沢ヒュッテ跡〜上高地バスターミナル
 7/20(月):予備日
<ここまでの実績>
 7/17(金):上高地バスターミナル(12:37)〜(13:23)明神(13:35)〜(14:26)徳沢(14:39)〜(15:34)横尾山荘(泊)


<第2日:横尾山荘〜 >
 4:30に目が覚める。昨日は、夕食後、すぐ寝てしまい、夜中も全く目が覚めず、こんなに寝たのは久々のような気がする。だが、窓の外を見ると、本格的な雨。どう見ても、止みそうにない降り方だ。「天気予報通りの天気だな〜」と、思いながら、ザックを整理し、雨具を取り出す。
 今日の予定は、涸沢から北穂、涸沢岳を経由して穂高岳山荘というコースだったが、この雨では、ちょっとキツイな〜と思いつつ、YSさんには、
 「とりあえず、涸沢まで行きましょう。」
ということで、5:32、山荘を出発。
[山荘を出発] [横尾大橋]

 横尾大橋下の梓川は、昨日以上に流れが速いと感じたが、水量は、それほど多くなかった。これならば、まだ山行は、大丈夫だろうの思いで、橋を渡る。
 歩き始めは、雨具のみで歩いていたが、考えてみたら、この先は、まだ道がよかったことを思い出し、傘を取り出す。傘があるとないとでは、カメラ撮影時の手間がだいぶ異なるのだ。
 山道は、ほとんど沢と変わらず、水の流れに逆らって歩いていくような状態だった。
 歩いている時、蛙を踏み潰そうになった。
[涸沢への山道]

 河原沿いを歩く。6:01、岩小屋跡という道標を通過。左手に屏風ノ頭が薄っすらと見えてきた。雨の中でも、遠景が多少でも見えているのは有り難かった。

 6:40、右手からの小沢の水量が半端でない。その小沢を撮影していると、後ろから単独男性が追い越していった。また、ここは、左手の視界が広がる場所でもあった。左手には、ガスと屏風岩の光景が広がっていた。
 歩いていて、17年前を思い出す。
 あの時も天気は悪く、曇っていた。さっきの小沢のように山道にかかる沢の水量が多く、渡る時、足下の石が見えず、難儀したことがあった。また、この先の本谷橋では、橋を渡る箇所は、問題なかったのだが、渡り終わった橋の先で、反対側の山道に取り着くまでの間が、沢と化しており(要は、橋が短かった)、結局、靴の中に水を入れながら、渡った記憶が蘇ってきた。
[河原沿いを行く] [小沢の水量が半端でない]

 6:48、本谷橋に到着。(写真下)
 橋は、新しくなって、沢の端から端までをつなぐ長い吊橋になっていた。これならば、昔のように靴の中に水は入らない。しかし、橋の下の水流は、激しく、それに沢音も大きく、鳥肌が立つような気分で橋を渡った。
[本谷橋を渡る]

 本谷橋を渡った後も、同様に小沢を何度か渡り、涸沢に向かっていく。ガレ場を通過時、前方に涸沢が見えてきた。目標物がわかり、これでだいぶパワーが湧いてくる。
 7:42〜7:50、小休止。行動食としてドーナッツを食べる。雨は相変わらず降り続いている。だが幸いなことにここまで風は出ていない。おかけでここまで傘を差しながら歩くことが出来た。
 傘が差せるということは、カメラが濡れない、フードを被る必要がない、雨具の胸のファスナーを開けていても問題なしとメリットは大きい。
 特に胸のファスナーを開けて歩けることは、上半身の汗がかなり抜けやすくなるので、今回は、汗ビッショリにならなかった。
[ガレ場を通過]

 7:55、目の前が雪渓となった。ツルツルという訳ではないが、意外にも雪渓はまだ固く、歩き辛い。ということで、ストックを取り出す。軽アイゼンも持参していたが、傾斜がそれほどきつくなかったので、アイゼンなしで登っていく。
[目の前が雪渓となった] [雪渓を歩く]

 雪渓上に出たら、時々、風が出てくるようになり、思わず、傘をたたむ。だが、カメラ撮影で傘が必要なので、結局、突風にならない限り、傘を差しながら登る。
 8:12、雪渓上で、5人のパーティとすれ違う。
 8:15(〜8:19)、涸沢ヒュッテ(左)と涸沢小屋(右)の分岐点に到着。ここでは、北穂にも奥穂にも近い涸沢小屋に向かうこととした。ここで振り返ってみた。
 息を整えた後、出発。 
[涸沢が近づいてきた] [涸沢ヒュッテと涸沢小屋の分岐点]

 すぐ、雪渓が終わり、岩場を歩くようになったのだが、再び雪渓に出た。その先には、涸沢小屋が見える。この頃になると、雪渓歩きにも慣れてきたが、段々傾斜がきつくなり、歩行ペースもだいぶゆっくりとなってしまった
[涸沢小屋に向かう]

 8:37、涸沢小屋に到着。
 ザックを外に置いて、小屋の中に入る。
 「さて、どうしましょ。」
 これからのコース選択である。このまま予定通り、北穂高に向かうべきか、それとも北穂高をパスし、ザイテングラート経由で穂高岳山荘に向かうか。
 明日以降の天候を考えると、
   北穂高に向かうと、最悪、北穂高だけ登って帰る可能性がある。
   穂高岳山荘に向かえば、最悪でも奥穂高は、登って帰れる。
 結局、奥穂高岳登頂を優先し、北穂高は、今回、パスすることにした。そういう結論を出すと、今日は、上の穂高岳山荘までの行程となり、あと2時間半で着いてしまう。
 「ゆっくりしましょう。」
 ということで、コーヒーを飲んだり、他のお客さんと、しばし談話。
 そんな訳で、出発したのは、10:12。
[涸沢小屋で休憩] [小屋の中でコーヒーを注文]

 小屋を出た所で、傘は、ザックに収納。この先は、ちょっと両手を空けて登っていく方がいいだろうとの判断。雨は、相変わらず本降りだった。先ほどまで見えていた屏風ノ頭方面も、今ではガスに覆われ、単なる乳白色の世界となっていた。

 ここから先のコースは、初めてのコースだ。そんな訳で新鮮味もあるが、如何せん、天候が最悪。
 稜線方面は、全く見えず、涸沢のカールの下の部分だけ、ガスが切れていた。
 10:29、振り返ると涸沢ヒュッテの建屋が小さく見えた。
[涸沢ヒュッテを見下ろす]

 雪渓に入る。直線状に登っていく。風は、そんなに強くないので、歩きやすい。
 涸沢までは、何人かの登山者とすれ違ったのだが、この先、下ってくるパーティの姿は、なかった
 登山道もはっきりしていなかった。雪渓が残っているためか、白ペンキのマークを見失う場合が多く、見失っては、周囲を見渡し、歩きやすい場所を選んで進む。
 嫌らしいのは、雪渓と岩場の境界部分で、やたらと、その境界部分を歩くようなハメになった。
[YSさんと雪渓を見下ろす] [目の前をYSさんが通過]

 11:12、ようやく、雪渓が終了し、左手の岩尾根に向かうようにガレ場を斜め一直線に登っていく。
[ガレ場を斜め一直線に登る]

 11:21、雪渓を横断する。
 雪渓がカチンカチンに凍っていると、アイゼンなしで歩くのはスリルがあるが、雪渓自体は、コチコチでなく、滑ることはなかった。雪渓を渡ると、これからは、岩場の尾根を直登するようなコースとなる。
 岩場の途中で小休止。(11:36〜11:43) ペットボトルで水分補給。ここまで来ると、雨は弱くなり、雨具の下からデジカメが取り出しやすくなった。だが、その代わり、ガスが濃くなってきた。どうやら下から見えたガスの中に突入したようだ。
[雪渓を横断する] [岩場の途中で小休止]

 11:58、クサリ場を通過。その後、鉄ハシゴが出てきた。だが、そのような箇所は、それっきりで、後は、黙々と岩場を登っていく。
[岩場を登っていく]

 視界が狭まってきた。
 12:10、「ホタカ小ヤ 20分」という白ペンキ文字を発見。意外に近いな〜と思いつつ、上部が見えないので、どこまで登ればいいのかわからず、足取りは、ゆっくりペースのまま。
 ガスが、ますます濃くなり、急登が続く。周囲の岩は、今にも崩れてしまい、涸沢に落下していくように見える。だが、この崩れそうな岩群を見ると、個人的には、穂高に来たな〜という実感が湧く。 

 12:32、雪渓を再び渡る。ちょっと長い雪渓だった。ガスで雪渓の先は、全く見えなかった。
[ガスが濃くなる] [再び雪渓を横断する]

 雪渓を渡りきると、穂高岳山荘の建屋が目の前に現れた。12:38、濃いガスの中、山荘に到着。
 雨は、だいぶ弱まっていた。
[穂高岳山荘に到着]

 山荘の中に入り、チェックイン。
 今日は、さすがにこんな天気なので、山荘は、空いていそうだ。部屋は、2階だった。 着替えを済ませ、サッパリしたところで、再び1階土間にやってきて、缶ビール購入。
 缶ビールの後、YSさんが担いでくれた赤ワインを飲み、ザックから取り出したツマミを広げ、午後は、完全に飲み会の様相。
  ....いや〜、昼間からよく飲んだ〜
[穂高岳山荘で乾杯]

 夕食は、17:00からということで、まだ時間があったので、図書室で時間を潰す。ここには、写真集や月刊誌など、山関連の書籍としては、大型書店並の蔵書数だ。
 何か面白い本は、ないかな〜と探していると、興味深い一冊の本を見つけた。
 本の題名は、下記。
  「高いばかりが山じゃない 追悼 羽賀正太郎(私家版)」
     東京雲稜会 (1996年12月1日発行)
 巷では、おそらく入手不可能と思われる書籍である。
 穂高に来たのだが、じっくりと丹沢関連の書を読ませてもらった。 
[図書室で一冊の本に出会う]

 17:00、夕食スタート。
 さすがに今日は、宿泊者は少ない。食事中、小屋のスタッフの方から話があり、今日は、予約等から300名の宿泊者が見込まれたが、殆どキャンセルとなり、結局、30名となったとの事。そういえば、食堂のテーブルも全部は、埋まっておらず、半分ぐらいだった。
 食事を終えた頃、団体さんが到着。やたらと声の大きい団体さんだと思ったら、どうも言葉が違う。どうやら韓国の団体さんで、槍・穂高縦走コースの団体ツアーらしい。天候不順のため、槍ヶ岳から槍沢を下り、横尾経由で再度、登ってきたようだ。19:00に韓国の団体さんの食事が始まった。20人弱の団体さんだった。その後、消灯時間まで、1階は賑やかだった。

<本日の実績>
 7/18(土):横尾山荘(5:32)〜(6:48)本谷橋〜(8:37)涸沢小屋(10:12)〜(12:38)穂高岳山荘(泊)


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※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。