トップページ他山域山行リスト>奥穂高岳_記録20090720


奥穂高岳

 山行日
2009年7月17日(金)〜20日(月) 同行者:YSさん
 コース
<計画当初の予定>
 7/17(金):上高地バスターミナル〜明神〜徳沢〜横尾山荘(泊)
 7/18(土):横尾山荘〜涸沢小屋〜北穂高岳〜涸沢岳〜穂高岳山荘(泊)
 7/19(日):穂高岳山荘〜奥穂高岳〜前穂高岳〜岳沢ヒュッテ跡〜上高地バスターミナル
 7/20(月):予備日
<ここまでの実績>
 7/17(金):上高地バスターミナル(12:37)〜(13:23)明神(13:35)〜(14:26)徳沢(14:39)〜(15:34)横尾山荘(泊)
 7/18(土):横尾山荘(5:32)〜(6:48)本谷橋〜(8:37)涸沢小屋(10:12)〜(12:38)穂高岳山荘(泊)
 7/19(日):穂高岳山荘(7:08)〜(7:35)奥穂高岳山頂途中(7:59)〜(8:29)穂高岳山荘(8:59)〜(9:13)涸沢岳(9:26)〜(9:44)穂高岳山荘(泊)


<第4日:穂高岳山荘〜 >
 4:00、起床。
 4:04、外を見ると、雲はまばらで、すでに東の空が明るくなっていた。急いで、外に出てみると、徐々に東の空が朝焼けとなっていた。
 4:41、ご来光を眺める。
 どうやら、今日は、ここ2日間とは、全く違った山行になりそうだ。
[東の空が明るい]

 山荘の建屋が朝日に映えるところで、記念撮影。(写真下左)
 5:00、山荘を出発する。

 昨日と同様、山荘横の急斜面を登っていく。今日は、雲ひとつない光景が広がっている。振り返れば、昨日登った涸沢岳がくっきりと見えた。 (写真下右)
[出発前の記念撮影] [昨日登った涸沢岳(振り返って撮影)]

 西側には、これまた笠ヶ岳がその端正な姿を見せる。
 「これだと、奥穂高岳頂上からの光景が楽しみだね。」
とYSさんと話す。
[笠ヶ岳が姿を見せる]

 クサリ場を振り返れば、YSさんの向こうに穂高岳山荘の赤い屋根が見える。(写真下左) 山荘直下の雪渓トラバース路も見えた。やはり、山は、晴れた時に登りたいものだと、つくづく思う。

 前方から団体さんが下ってきた。どうやらご来光を奥穂のピークで迎えた人たちのようだ。振り返って、その人たちの後姿を見ていたら、涸沢岳の奥に北穂、槍が見えていたことに気がつく。(写真下右)
 その後、朝日が差し込んできた。
[出発直後の急な登り(振り返って撮影)] [槍ヶ岳が見えた(振り返って撮影)]

 「昨日は、このあたりでしたかね。」
 YSさんと引き返した地点を推測する。今日も風が吹いているが、昨日の何十分の一といった感じで、全く問題なし。昨日は、ガスで全く前方がわからなかったが、今日は奥穂のピークへ続く稜線がくっきり見えている。

 岩場を黙々と登っていくと、前方に奥穂のピークが近づいてきた。既に何人も休憩している姿が目に映る。
[昨日、引き返したあたり] [山頂は、もうすぐ]

 5:38、奥穂高岳頂上に到着。祠の前で順番待ちの後、記念撮影。展望指示盤の前でも記念撮影。その後、360度の光景を堪能する。
  奥穂高岳頂上からの光景その1
  奥穂高岳頂上からの光景その2
[奥穂高岳山頂]

 5:57、前穂高岳に向かって出発する。
 ふと昨日の団体さんを思い出した。韓国からの団体さんは、結局、昨日のうちに悪天候の中、涸沢へと下ってしまっていたのだ。1日ずれていたら全く印象の違った山行になっただろうに。同情の念を禁じ得なかった。

 吊尾根の途中、クサリ場など緊張する箇所も何度かあったが、岩は乾いていたこともあり、あっさり通過。(写真下左) 今回履いているトレッキングシューズは、決して高価なものではないが、靴底がビブラムで、結構、グリップ感がいい。今まで履いていた靴がビブラムソールでなかったという訳ではないのだが、同じビブラムでも、感触が違うのである。丹沢でもそう感じていたのだが、今回の穂高でも、同じ感想を持った。

 6:41、山道は、岳沢沿いについていたのだが、ここだけ、吊尾根の背筋に出た。
 反対側を眺める。
[クサリ場を通過] [前穂高へ近づく]

 人が集まっているなと思ったら、そこが紀美子平だった。(7:07)
 ここでザックを置き、空身で前穂頂上に向かう。
[紀美子平に到着]

 空身とはいえ、見上げれば、頂上まで結構、距離はある。岩場を登っていくこと、約20分。頂上の平らな場所に出たら、槍ヶ岳が出迎えてくれた。
 頂上から奥穂寄りに進んでみる。
[前穂高岳頂上にて]

 記念撮影も十分行ったところで、引き返すことにした。下りの場合、白ペンキのマークがよく見えないこともあり、ルートから外れる可能性が高い。そんな訳で慎重に下っていく。

 8:23、紀美子平に戻った。ここまでは順調なペースだ。この調子であれば、昼過ぎには上高地に着くだろう。
 8:29、デポしていたザックを背負って出発。
[紀美子平に引き返す] [再び紀美子平へ]

 出発してすぐ、一枚岩の長いクサリ場となる。それを通過していくと、今度はハシゴを登る。
[重太郎新道を下っていく]

 8:45、岩場を通過し、前方が開けた所で、YSさん、喜びのポーズ。焼岳、乗鞍、御岳と素晴らしい眺望だ。(写真下左)
 9:11、岳沢パノラマと白ペンキで書かれた岩を見る。YSさんが、その小岩に乗って、再び喜びのポーズ。(写真下右)
[YSさん喜びのポーズ1] [YSさん喜びのポーズ2]

 この重太郎新道、いつまで経っても、急斜面の下りに変わりはない。だが、そのうち、岳樺が目立つようになった。標高は、2500mぐらいだろうか。
 クサリ場、ロープなどが現れた後、鉄バシゴを下り、一気に高度を下げていく。
 8:55、大きなザックを背負った単独の若い女性とすれ違う。聞けばテント山行で、奥穂へ向かうという。単独でのテント山行で、この長い急登。いやはや、その行動に脱帽だ。
[いつまでも急な山道] [鉄ハシゴを下る]

 10:31、岳沢ヒュッテ跡に到着。
 石垣だけが、往時を偲ばせる。まるで小さな城跡のようだ。
 17年前、穂高岳山荘は、超満員(両肩を布団につけて寝ることができなかった)だったが、翌日の岳沢ヒュッテは信じられないほど空いており、大の字になって寝たことを思い出した。(17年前は、撮影のため、3時間も奥穂の山頂にいたり、前穂でも粘ったりしたので、結局、穂高山荘、岳沢ヒュッテと宿泊したのだった)
[岳沢ヒュッテ跡]

 岳沢ヒュッテ跡での休憩は、5分で済ませ、出発することに。
. ....とにかく暑かった。
 ここからは、だいぶ周囲の様相が変わり、岳樺などの樹林帯となっていく。山道は、だいぶ緩やかになった。だが、遠景が見えなくなってしまい、単調な下りとなった。途中、天然クーラーという風穴があったらしいのだが、全く気がつかずに通過してしまった。
. ....大失敗

 12:09、岳沢登山路の入口に出た。目の前の林道には、上高地散策の人々が大勢歩いている。ここまで下ってくると、下山したという実感が湧いてくる。

 河童橋に向かう。
 日差しが強い。今日は信じられないくらい好天気になった。河童橋に近づくと、ますます人が多くなった。家族連れや、登山者が川沿いに休憩している。
[樹林帯になる] [岳沢登山道の標識(振り返って撮影)]

 12:33、河童橋を渡る手前で、空いているテーブルがあったので、休憩することにした。
 すぐさま、缶ビールを購入。これが、よく冷えていて、一気に飲んでしまった。
 YSさんとは、
 「連泊してよかったですね〜」
 「昨日、強風の中で奥穂に登頂していたら、おそらく、前穂を諦め、引き返して涸沢を下り、上高地を脱出していたでしょう。」
 「そして、今日の天気を見て、後悔していたのかな。」
 「でも、あの強風では、まず登頂できないですよ。」
   :
 「結局、粘り勝ちというところですね。」

 昨日は、穂高岳山荘まで来ても、我々のように奥穂のピークに行こうともせず、そのまま下山する人たちを数多く見てきた。そういった意味では慎重派な人が多いのか、ガスっているときに無理して登る必要はないと割り切っている人が多いということか。結構、ピークに拘らない人が多かったことが、印象深かった。(今回、奥穂は、初登頂と言っていた若い男性が、また来ますと言って、あっさり山荘から下っていったのが、特に印象的だった)
[河童橋手前で乾杯]

 河童橋では、ものすごい人、人、人。
 通行することさえ、ままならない。そんな中で、奥穂を眺めた。

 13:12、上高地バスターミナルに到着。13:20発のバスの整理券を得たが、釜トンネルから先で、観光バスが渋滞し、シャトルバスも遅れていた。 
[河童橋にて] [上高地バスターミナル]

 結局、バスが出発したのは14:10。補助席も全て使用し、バスは満員状態。この後の渋滞を心配したが、そんな酷い渋滞には巻き込まれず、新島々までは、1時間ちょっとで到着。
[バス車内にて]

 松本では、始発の臨時特急あずさをホームで待ち、自由席でも席を確保。待っている間、ビール、ワイン等を買い込み、車内販売でも購入し、八王子まで飲み続けた。
. ....今回も明るいうちから、よく飲んだ。
 [帰路のあずさ号内にて]


 予備日を使用したことで、天気にも恵まれ、結果オーライの山行となりました。YSさんにとって、初めての穂高は、印象深い山行になったのではないかと思っています。私にとっては、17年振りの奥穂高でしたが、今回は、何と言っても
  ・標高3100mあたりでの強風との遭遇
が、強く印象に残りました。

 YSさん
 この4日間、ご同行戴き、どうもありがとうございました。また、いつかの日か、山に行けることを楽しみにしております。

<コース実績>
 7/17(金):上高地バスターミナル(12:37)〜(13:23)明神(13:35)〜(14:26)徳沢(14:39)〜(15:34)横尾山荘(泊)
 7/18(土):横尾山荘(5:32)〜(6:48)本谷橋〜(8:37)涸沢小屋(10:12)〜(12:38)穂高岳山荘(泊)
 7/19(日):穂高岳山荘(7:08)〜(7:35)奥穂高岳山頂途中(7:59)〜(8:29)穂高岳山荘(8:59)〜(9:13)涸沢岳(9:26)〜(9:44)穂高岳山荘
 7/20(月):穂高岳山荘(5:00)〜(5:38)奥穂高岳(5:57)〜(7:07)紀美子平(7:11)〜(7:33)前穂高岳(7:55)〜(8:23)紀美子平(8:29)〜(10:31)岳沢ヒュッテ跡(10:36)〜(12:33)河童橋(12:46)〜(13:12)上高地バスターミナル


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※山行時間には、撮影時間を含んでおりますので、ご注意下さい。